夏の終わりの忘れ物
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非日常
5分前からやり直す。そうすれば君は助かる。そうだろう?
俺は別方向から帰ることにした。踏切を通るが、決して遠回りではない
俺たちは普通に踏切を渡る。だが、すぐ近くには電車が迫っていた。なんで、どうして?踏切を見ると故障中と書かれていた
「だめだ!」
俺はまた5分前に戻った。今度は彼女の手を引き走った。だが、
ガランガラガラガラ!
工事現場、上から鉄骨が落ちてくる
「違う!」
俺はまた5分前に戻った
・・・・・・・・・・・・もう何回と繰り返しただろうか。もう君を助けようと努力したのは何回目だろうか。どうして俺たちは危険な目に合ってしまう。いや、君は何で死んでしまう?これじゃループじゃないか、これじゃ終わらないじゃないか!これじゃ・・・・・・
君が死んだ。またトラックに轢かれて。俺はその死体の前に立ち尽くした
「君が見た時点で、もうそれは過去。やり直せない」
あぁ、またあの時の声が聞こえる
「ねぇ、今のこの暮らしを、平凡なこの暮らしを、愛してくれる彼女がいる暮らしを永遠のものにしたい?彼女を、死から避ける唯一の方法」
「あぁ、頼むよ。彼女を助けたいんだ。もう失いたくないんだ」
「わかった」
そういって声は消えた
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