武で語るがよい!
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プロローグ
まだ常夏の暑い時期の中……。
高校3年生の俺こと『桜坂 誠』は深夜にアイスクリームを買いにコンビに立ち寄り事件に遭遇した。
「金を早く出しやがれ!!」
「は、はい!」
そう言って黒色のジャージを着た30代のゴツイ体系の男はコンビニの店員に刃物を
向けて店員を恐喝していた……。
あれ? これって強盗じゃね?
どうやら俺は偶然にもコンビニ強盗真っ最中の中にコンビニに入店した様だ。
”ピンポンパンポーン♪ ピンポンパンポーン♪”
緊迫したコンビニの店内で、俺が入店して鳴らしてしまった
お客様歓迎メロディーが店内に鳴り響き渡り、2人の視線が俺に向けられた。
「何だテメーは!」
強盗は俺を睨み威嚇してくる……どうやら俺には滅びのメロディーだったようだ。
「い、いやーちょっとアイスを買いにコンビニに立ち寄ったんですが……」
俺は素直に此処に来た用件を伝え強盗を刺激しないようにした
まぁ、さっきのメロディーで相当刺激してしまった様だが……。
「あぁん、アイスだと? ふざけてんじゃねぞー!! 俺は金が無くてこのクソ暑い中
我慢してたんだぞ!それなのにテメーはアイスを買いに来ただぁ?なめてんのか!?」
そう言って強盗は俺への視線をさらに強くして、こちらに近寄って来た。
え? 何で俺アイス買いに来たって言っただけでここまで怒鳴られてるの!?
俺は理不尽と思いつつも、これ以上強盗を刺激しないように言葉の選択を頭の中で考える事にした。
そう、さながらテレビのラ○フカードCMの如く……。
A『ふざけてんじゃねーよ! おっさん! アイス食えないの自分のせいじゃん!
と言うか、その歳でアイスにそこまで執着するとか、マジうけるんだけど(笑)』
B『す、すいませんでした!
実は妹からアイスを食べたいと頼まれて、買いに来たんです』
C『ごめんなさい!(土下座)』
どうするよ……俺?
Aは間違いなく殺されるなよなぁ…。
Bはそもそも妹なんて居ないんだよなぁ……逃げるための口実ってヤツだし。
Cは……俺のプライドが許さん! となれば回答は当然
「す、すいませんでした!
実は妹からアイスを食べたいと頼まれて、買いに来たんです」
「うっせい! 死ねや!」
そう言って強盗は俺の心臓に目掛けてナイフを突き刺そうと走ってきた。
迫り来るナイフを持った男の腕を掴み取り必死の抵抗をしたが、俺と強盗の力の差は
思った以上に大きく、俺の今の力では抗えなかった。
「ッ! ぐは!」
ナイフは俺の心臓を貫いた。
俺は自分の胸に来る痛みに立つことが出来ず、その場に倒れ込む……
うつ伏せに倒れた床には、俺を中心に赤い波紋が床一面を覆うかの様に広がって行った。
そして、俺は朦朧とする意識の中で思った……
『理不尽じゃね?』
それを最後に俺の意識は完全に消え去った……。
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《目覚めるのです、哀れな人間の子よ》
「…n……ん?」
俺は誰かに呼ばれ、目を覚ます。
するとそこには、白く丸い発光体が浮遊していた。
あれ、俺は死んだのでは? というかここは何処だ?
困惑する俺に対して、ピカピカと未だに光を放つ白い何かが居る……何コレ?
《哀れな人間の子よ、貴方は絶命してしまい、貴方の魂はこの天界に召喚されたのです》
「……は?」
この某遊○王に登場しそうな攻守500の丸い球体は一体何を言ってるんだ?
と言うか、俺は『は?』しか言ってないのに思っていた事を返答されたな……何でだ?
《それは私が神であり、人の心を読めるからなのです》
「神? ……マジっすか!?」
どう考えても攻守500・光属性・天使族のあのカードにしか見えないんだけど……
いや、失礼なことは考えないようにしよう。
《神は嘘を吐かないものです、これから貴方に関するこれまでの事象
そして…これから行う事を説明します、よく聞いてくださいね?》
そう言って俺は様々な事を神から聞かされるのだった。
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《……と、いうわけなのです》
2時間近く神の説明は続いた。
どうやら…あの強盗は悪魔が憑依しいたため、自分の欲望に荒げえず強盗をしてしまい
暴走して俺を殺してしまったらしい……とばっちりもいいとこだ。
で、そんな悪魔に殺された俺を可哀想だと感じた神様が、新たな世界に俺を転生させてくれるらしい。
「事情は把握しました……それで僕の転生場所って何処ですか?」
《はい、状況把握が早くて助かります。
転生場所は魔法少女リリカルなのはの世界です》
魔法少女リリカルなのは?
それってあれだろ? 魔法で相手とガチバトルしてお話したりする世界だろ。
そんな世界に行ったら俺の死亡確率上がるくね? ……これは抗議する必要性があるなぁ。
《貴方の考えている通り、あの世界には魔法戦があります。
転生者である貴方はそれに対してどのような形であれ、原作に関わらなくてはなりません……以上の理由で以前の世界よりも危険率は当然高くなります》
「あのー。
俺の心を読むの勘弁してほしんですけど?」
《コレは人が呼吸をするのと同じように、必然的に起こる事象なので我慢してください》
俺にプライバシーは無いのだろうか?
《有りません》
「……」
もう何も言うまい。
《話が脱線したので戻します。
魔法少女リリカルなのはの世界では、魔法戦が起こる事が必然なので転生者の安全の為に特典を1つ付けさせて貰います》
「特典? 特典って何ですか?」
《特典とは『貴方が欲する力や能力を、生まれた時から既に持っている状態で始める事ができる』というものです。
主にアニメや漫画の能力等を欲する人が多いですね》
なるほど、アニメや漫画の能力も有りか……。
ん? という事は……俺が単行本買ってるあの漫画の技も使えるようになるということか。
《特典について理解しましたか?》
「はい、大丈夫です」
《それでは、早速特典を決めても大丈夫ですか?》
「はい。
特典はワンピースに出てくる悪魔の実の能力以外の能力や技術をください
例えるならば『覇気』や『六式』などを使えるようなりたいのですが……大丈夫ですか?」
ん? 何で悪魔の実の能力を除外したかだって?
知ってる人も居ると思うけど悪魔の実って2個以上食べると死ぬんだぜ?
悪魔の実のデメリットと貰える特典に、直接的な関係があるかどうかは判らんが…
もしあったら転生した瞬間に死ぬかもしれん。
それに個人的に、悪魔の実を食ってないのに異常な強さを誇っている
『モンキーDガープ』や『ジュラキュール・ミホーク』等はかっこいいと思えるからだ。
後はまぁ、弱点は減らしたいのが狙いかな? 泳げなくなるのは勘弁して欲しい
《分かりました、その特典を与えましょう》
「ありがとうございます!」
転生、そして特典の授与。
もはや、感謝してもしきれない位の恩恵は貰ってる。
せめても、と90度腰を折って感謝の意を述べる。
《それでは貴方に幸運があらんことを》
神様の言葉を聴いた瞬間俺の視界は真っ黒になった……え?
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ここは、とある病院のとある病室。
この病室には若い夫婦、そして1人の先生とその助手が1人居た――
?「がんばれ! 智子!」
ん? 何か声が聞こえたぞ?
……いや、ちょっと待て! ここは何処だ!?
何かネバネバするし、圧迫されて苦しいしぞ! 後、真っ暗だし!
?「んん! はぁはぁ…貴方、今…どのぐらい?」
?「今額が出てきた所だ! がんばれ!」
痛! 額が締め付けられてる!? 超痛いんだけど!? 一体何が起きてるんだ!
?「ん…ん! はぁはぁ……早く出てきて!」
?「がんばれ! 後もう少しだ!」
「おぎゃー! おぎゃ……お、おぉぎゃぁ!!」
(痛いだろうがァ! ん?……な、なんじゃこりゃぁ!!)
うっすらと開く目で見たのは、若い夫婦らしき人物。
そして自分の体は四肢が短く、ぽっこりと少し膨れたお腹があった。
?「おめでとう御座います! 元気な男の子です!」
?「智子! よくがんばったなぁ!!」
?「貴方、赤ちゃんを…私に……抱かせて?」
?「あぁ! ほら智子」
俺は父親? と思わしき人から母親? と思わしき人に渡された。
?「今日から、貴方の名前は……誠よ」
母親から言いわたせたのは、恐らく名前。
なるほど……名前は一緒ってことなんですね? 神様。
そして、これがテンプレってヤツなんですね? 神様。
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