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リリカルなのは~優しき狂王~

作者:レスト
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第二十八話~ロストカラーズ・ギアス~

 
前書き

最近、ギアスの話の濃密さに改めて驚きを感じている作者です。
総集編だけど、どこを削ればいいかわかんないよ~~・゜・(ノД`)・゜・
 

 


 ナリタ攻防戦の後、ライはゼロから新たな機体を受け取る。それは紅蓮弐式の量産型に位置する機体、月下先行試作機である。その機体を手に入れてからのライの活躍は凄まじいものであった。特にカレンとコンビを組むことになってからは騎士団内で『騎士団の双璧』とまで呼ばれた。
 それと同時にカレンとも以前のような一歩引いた付き合いではなく、お互いのことを掛け替えのない存在であるとも感じ始めていた。
 そんな中、ルルーシュはギアスに関わる出来事が起こり始める。始まりは同じ生徒会役員で友達のシャーリーの父親がナリタ攻防戦に巻き込まれ死亡したところからである。
 父親の死で落ち込むシャーリーの元に届いたのは、彼女にとって更なる凶報。それはルルーシュが黒の騎士団に関わっている可能性があるというものであった。シャーリーにとってルルーシュは想いを寄せる相手であるため精神的に追い詰められていくことになった。
 そしてある事件でシャーリーはルルーシュの正体がゼロであることを知ってしまう。動揺する彼女は同じくゼロの正体を知ったブリタニア軍人であるヴィレッタを撃ってしまう。
 人を撃ってしまった罪悪感と自らの想い人が父親の敵であるという事実を受け止めきれずにシャーリーは一度自殺しようと考えてしまう。
 だがそのシャーリーの気持ちを利用しようとする者が現れる。ルルーシュと同じくギアス能力者であるマオ。彼のギアスは心を読むギアスである。そのギアスを使いマオはシャーリーを言葉巧みに誘導する。
そしてマオはシャーリーを利用しルルーシュを誘き出す。そこでなんとかシャーリーを説得し彼女を取り返すことに成功するがルルーシュはシャーリーのためにギアスを使う。そのギアスはルルーシュに関する記憶を忘れること。
 その光景を見ていたフェイトとはやては何か既視感を感じていた。

 その後、マオの目的がC.C.であることを知りマオを一度は撃退するがマオの執念はその程度では消えなかった。
 ルルーシュに再び牙を向くマオは今度はナナリーに手を出した。ナナリーを拐い、人質にするとまるでゲーム感覚でルルーシュを追い詰める。
 その時、ルルーシュの様子がおかしいことに気づいたスザクはルルーシュと協力してナナリーを探し始める。
 ライもルルーシュが落としたナナリーが捕まっている写真を見つけると独自にナナリーを探し始める。そして地下の貯水槽でナナリーを見つける。

ライ「ナナリー!」

スザク「ナナリーに触るな!爆弾が爆発する。」

 即座にライはナナリーを助けようとしたその場にいたスザクがそれを止めた。ナナリーの頭上を見るとそこには振り子型の爆弾が揺れていた。
爆弾の爆破条件はナナリーを移動させることと振り子の揺れを変えることと推測しスザクは爆弾の起爆用のケーブルを切る。振り子の動きに完璧に合わせケーブルのみを切断したスザクに六課メンバーは驚いていた。
もっとも地下の貯水槽に行くまでに侵入者迎撃用の機銃の銃弾を生身で回避し、そのまま壁を駆け上がり機銃を蹴り壊した時の方が驚いていたが。
 ナナリーを助け出したスザクはそのままルルーシュの元に駆け出す。ライはナナリーを拘束していたロープを外し怪我の有無を確認していく。

ナナリー「ライさん、私はもう大丈夫ですのでお兄様の元に行ってください。」

ライ「でも……」

ナナリー「お兄様をお願いします。」

 拐われた恐怖で泣きついても不思議ではない状況で、兄であるルルーシュを心配するナナリーの気持ちを考えライはルルーシュの元に向かった。
 六課メンバーの視点は変わりそこではスザクの過去が明かされていた。
 ブリタニアの日本進行の際に徹底抗戦を唱えたスザクの父親、枢木ゲンブをスザクは殺していたのだ。マオはギアスを使い更にスザクの心を明かしていく。

マオ「人を救いたいって?救いたいのは自分の心だろ。
   それに殉じて死にたいんだよね?だから自分を死に追い込む。」

スザク「うああああああああーーーーー!」

マオ「お前の善意はただの自己満足なんだよ!罰が欲しいだけの甘えん坊め。」

 その後、ルルーシュのギアスにより喋れなくされたマオはその場のやってきたC.C.に殺された。
 ライもその場にやって来たがどこかギクシャクしているルルーシュとスザクや何かに悲しむC.C.見るとその場を離れた。
 それから数日の間、ライはナナリーのことを気にかけるようになった。ナナリーが死ぬかもしれないと思ったときに、失うことの怖さを感じたのだ。その為、ナナリーが失われずに生きていることを感じるためにライはあまりナナリーから離れなかった。
 その間はナナリーと折り紙をおったり食事をしたりとライにとっても充実し、安心できる毎日であった。

 それから少しして、スザクに転機が訪れる。
 ユーフェミア・リ・ブリタニアの専属騎士の就任。
 そのことが公になったのは黒の騎士団が日本解放戦線の生き残りである四聖剣と共同で、捉えられている四聖剣を率いるリーダーである藤堂鏡志郎を奪還した時であった。その際の戦闘でルルーシュはランスロットのパイロットがスザクであることを知ることになった。
 今まで親友と殺し合いをしていたこと、更にそれが自分にとってかなりの障害になることにルルーシュはショックを受けていた。
 それを見てなのはとフェイトは不謹慎であるが思ってしまう。「自分たちはこうなっていなくて良かった。」と。その考えはルルーシュとスザクに対する侮辱に近いものになってしまうのもわかっていたがそれでも考えてしまう。そんな自分たちに少し嫌悪感を抱く2人であった。

 ルルーシュは敵であるスザクを切り捨てることを感情的にはしたくなかった。その為、ある作戦を決行する。
 それはスザクを黒の騎士団に引き入れるというものであった。舞台となる式根島でスザクのランスロットを誘い込み、ライは他の騎士団のメンバーたちとランスロットを囲む。そしてルルーシュはゼロとしてスザクと話し合う。
 そんな中いきなりゼロとスザクのいる地点に向けミサイル群が放たれる。それはスザク共々ゼロを葬るという作戦。いや作戦ですらない方法。地位を手に入れたとしてもやはりスザクはイレブンとしか見られていない証であった。

ライ「スザク、本当に君はそれでいいのか!」

 自分の不器用だが必死にやり遂げようとする親友をあっさり切り捨てるブリタニアに怒りを覚えると同時に、スザクと分かり合えない部分があることにライは悲しんだ。
 結局、ミサイルが直撃することはなかった。しかしブリタニアの空中要塞、アヴァロンから放たれた光に飲まれゼロとスザク、さらにゼロを救おうとしたカレンとスザクを救おうとしたユーフェミアも巻き込まれ行方不明となった。
 ライは行方不明になったゼロとカレンを探すために単独で捜索を開始する。その途中でライは1人の少年と出会う。
 会った瞬間、ライは弾かれるように逃げ出した。その少年から濃密な死の香りを感じたからだ。
 なんとかその少年から逃げることができたライはある遺跡を見つける。その内部にはブリタニア軍と第二皇子シュナイゼルの姿があった。ふとした拍子で自分の存在がばれたライは始ギアスを使い、自分のことを知っている素振りを見せたシュナイゼルの側近であるバトレーを確保しようとした。
だがライがバトレーを確保しようと動いた瞬間、いきなりその遺跡が何らかの反応を見せ始める。
遺跡が反応を見せると同時にライの中に記憶が流れ込んできた。

ライ「あああああああああああああああああぁぁぁぁっ!!」

 その記憶という情報は痛みとなってライの中に染み込んでいく。
 六課メンバーにもライの記憶が映像として見ることができた。
 ライの正体。それは数百年前、ブリタニアという国がまだ幼く近隣国と領土の奪い合いをしていた時代の王であった。
 王になる以前、ライは母親が日本人であったために腹違いの兄弟や他の上流階級の貴族から虐げられていた。ライはその時に母と妹を守るためにギアスを手に入れる。その結果ライは王にまで上り詰める。
 だがその後ライは言ってはならないことを言い放つ。

ライ「敵を皆殺しにせよ!」

 ギアスの暴走。
 自分ではギアスの能力をオフにできなくなったライは命令してしまったのだ。自分の国に攻め入った者たちを殺せと。それを聞いた国民は武器を手に取り戦場に向かう。

大人も
子供も
男も
女も
若者も
老人も

そしてライが守りたかった母と妹も……


それを見ていた六課メンバーは呆然とする。たった一言の命令。それがこの戦場を変えることになったのだ。それほどギアスの能力の恐ろしさを知り、そして隊長たちは命令の言葉の重さを噛み締めることとなった。

なのは「……」

 目の前の戦場が終結を迎えた時、なのはは既視感を覚えると同時に思い出す。自分の見た夢の内容を。
 多くの骸に囲まれる中、ライはこと切れている母親と妹を抱き寄せていた。

少年「……母上……サクヤ………」

 その後、ライはこの結果を招いたことに絶望し、さらにギアスの危険性を知り眠りに着いた。

 場面は現代に戻りライは記憶を取り戻した遺跡で目を覚ます。

ライ「は、はは、はははははははははーー……」

そこでライは壊れたように笑い始める。その姿に六課メンバーは恐怖を覚えた。

ライ「記憶を取り戻したらなんだって?」

 自嘲気味にライはそう呟いた。ライは絶望するために記憶を取り戻そうとしたわけではない。自分を知るため、そしてそこに希望を見つけるために失った記憶を求めたのだ。
 だが取り戻した記憶は自分だけでなく周りも巻き込む可能性のある、猛毒とも言える事実。ライはこれからどうするかを考えるが答えは一瞬で出る。

ライ「“今”の僕はまだ亡くしたくないものがある。」

現代という今を生きるライは再び大切なものを手に入れていた。それは自分に今をくれた友達や知り合い。それを失うことはできないためライは決心する。
 その後黒の騎士団に合流し、アッシュフォード学園に戻ったライはC.C.に記憶が戻ったことを告げる。それを聞いたC.C.はライの皆の前から消えるという願いを叶えてやると告げる。
 ライは残り少ない時間の中で自分にとって大事な人達に別れを告げていく。
 カレンはライに再び戻って来いと命令する。それは不器用だがカレンの精一杯の気持ちであった。
 スザクはライに誓う。君が戻ってくるときには世界をより良く変えることを。それはスザクにとって信頼できる友達だからこその誓い。
 ゼロ、否、ルルーシュはライを引き止める。ライが長く生きられないと聞き、延命の方法を探す手段はいくらでもあると言い。それはルルーシュなりの優しさである。
 ナナリーはライと約束する。ライがまたここに戻ってくることを。それはナナリーにとってもライが特別な存在であることの証であった。
 ライは叶えられない約束をすることに心苦しさを覚えるが別れを済ませていく。別れを済ませたライは自分を待つC.C.の元に向かう。

C.C.『挨拶はすませてきたか?』

ライ『ああ。』

C.C.『そうか。もう未練はないのだな。』

ライ『未練はある。だから、未練はない。』

C.C.『意味がわからないぞ。』

ライ『簡単な話だ。』

ライ『ここや騎士団ですごす日々を僕は失いたくない。
だから、この日々を失わせる僕は、ここにいるべきじゃない。
それがわかったから、僕はここを自分の意志で出て行ける。
ここに残ることに未練はない。』

C.C.『……それを未練という気もするがな。本当に行ってしまうのか?』

場面が変わり、ライが記憶を取り戻した遺跡が映し出される。

???『その中央で君の願いを言うんだ。そうすれば願いが叶う。』

 この光景を見たフェイトとはやては自分たちが見た夢を思い出す。これから起こることを知っている2人はそれが無駄なことを知りつつも思わず叫んでしまう。

フェイト「ライ、駄目!」

はやて「それは言っちゃ、アカン!」




ライ『みんなが僕を忘れますように』




 そしてこの一言でライはこの世界との関わりを一度断ち切った。




 
 

 
後書き

というわけ取り敢えずロスカラのギアスルートまででした。
次回で第一期が終わる………終わるといいなぁ~~って感じです。

それと堅苦しい話書いてばっかりなんでR2に入る前に一本ぐらい外伝書こうかなと思います。
そこで質問ですが、作者の妄s‥‥ではなくアイディアでは「もしライがリリカルなのは以外の世界に送られていたら」とか考えています。もしあの世界がいいとかありましたら参考にさせていただくので感想にご意見をお書きいただけたらと思います。
もしくは「ライとなのはのあのキャラとの絡みが読みたい」でも構いません。

ご意見・ご感想をお待ちしております。
 
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