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吾輩は猫である

作者:古々
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無印
  吾輩、この気持ちは……恋?

カオスです。前回、久遠に卑猥なことをしようとした変態転生者を喰ったとです。
カオスです。人を喰ったので人型になれると思ったら、神が酔った勢いで目隠ししながら足で捏ね上げたような謎の生命体になったとです。
カオスです。ネコアルク・カオスになってからみんな顔をそらして笑いを堪えながら、美緒だけがこっちに指を指して笑ってるとです。
カオスです。ついに久遠からも笑われたとです。


「そんなに笑わなくてもいいじゃないか」
「そ、そんなこと言われたって、ぷっ……」プルプル
「確かにこ、これは無理……くくっ」プルプル
「あはははははははっははは!!! ゲホッ! ゴホッ! ブフッ!! ………ッ!!」ゲラゲラ
「くぅ……ぷっ……クスクス」プルプル


みんなひどいや……てか美緒、呼吸困難になるまで笑ってるんじゃねえ!
それにしても……なんでこうなったんだ? あの神の遊びか?


――そうですけどなにか?


……吾輩は何も聞かなかった。
それにしても……


「そんなにこの姿が変か? 吾輩はプリティーかつダンディーな感じでなかなかいいと思うのだが?」
「「「「「ない。それだけはない」」」」」
「解せぬ」


ちくせう、なんで吾輩、こんなにdisられなきゃならんのだ……それにしても、そんなにダメなのか……グロ可愛いと思うんだが……もう俺は路地裏同盟に入るしかないのか? いや、リーズに殴り殺される……


「あはははははははっはっはははっ!!!」
「お前はもう黙れ」


さっきから一人だけ笑い続けている美緒に新しく手に入れた力の電撃を食らわす。


「あばばばばっばばばっばばば!?」
「加減がうまくできんな。美緒だから別にいいが」
「きゅ~」ピクピク


電撃を浴び、黒焦げになる美緒。


「カオス貴様、陣内になんてことを! ……いや、いつものことか」
「そうそう、いつものことだから薫ちゃん慌てない慌てない。美緒も頑丈だし、このくらいならすぐに治せるよ」
「……美緒……無様……ププッ」


最近みんな美緒への扱いが雑になってる気がする。


「美緒は放置して飯にするぞ~」
「「「「「は~い」」」」」


気のせいじゃないな、もう慣れたってところだな。


「それにしてもカオスなんでそんな姿になったの? モグモグ」
「きっと神が俺に輝けと言ってるに違いないモグモグ」


――違います。


知ってるわ!!


「くぅ……モグモグ」
「ん? 久遠、頬に米が付いてるぞ。取ってやるから動くなよ」


久遠の頬に付いた米を取る。


「ん……ありがとう……モグモグ」
「こう見るとカオス、久遠のお兄ちゃんに……見えないね、うん」
「かおすがお兄ちゃん? ……なんか嫌だ」
「……死のう……美緒と……」


久遠に嫌って言われた以上、もう生きていく意味はない……でも一人で死ぬのは寂しいから美緒を連れてくしかない……ロープどこにあったかな……


「陣内と心中する気かまったく。そういえば陣内は今どうなってるんだ?」
「美緒は――」
「」
「まだ気絶してるみたいだ」
「美緒のご飯どうする?」
「吾輩がもう喰った」
「カップ麺でも置いとくか」
「……きつねうどんはダメ」
「じゃ、美緒は今日飯抜きだな」


美緒不憫な子。



いい朝だ、昨日の美緒との心中未遂の後、目を覚ました美緒が腹減ったっと言ってきたが吾輩が喰ったからない。そのことに怒った美緒がまた挑んできたが雷神拳でもう一度気絶させた。そして、腹の減っている美緒は久遠のカップ麺食ったから今久遠に電撃を受けている。


「」ビクンビクン
「……うぅ……きつねうどん……ぐすん」


また気絶したようだ。本当に美緒は懲りないなおい。


「久遠、油揚げあるけど喰う?」
「喰うー♪」


油揚げウマー。


吾輩は今、おやつもといジュエルシードを探している。臭いがないからなかなか見つからない……またど

こかに落ちてないk――


◇<やあ、またあったね!


あったよ。めっちゃ自己主張の激しい青い宝石が公園の砂場にあったよ。
よく子供に持っていかれなかったな。意外と綺麗だし、子供とかこういう物好きだし。
まあ、拾われても危険だし、喰うか。
吾輩は砂場にあるジュエルシードに向かう。
そして、砂場にたどり着きジュエルシードに足を伸ばす。


「にゃ?(ん?)」
「にゃん?(あら?)」


ジュエルシードに足を触れる寸前、吾輩の足の上に重なるように別の足がのせられる。


『あ、どうも』
『あ、こんにちわ』


薄茶色の猫があいさつを返してくる。
月村家にいる猫のように育ちが良さそウナ感じがする。


『あの~、なんでこれを取ろうとしたんですか?』
『喰いたいから』
『食べるんですか~……え?』


普通の猫でもこんな怪しい石ころを喰べようとは思わないだろう。


『こ、これは食べてはいけないものなんですよ! てかなんであなた魔力持ってるんですか!』
『この自己主張の激しい宝石を喰ったからだ!!』
『?!』


おうおう、驚いてる驚いてる。


「なんで意識を失わず、そんなに余裕そうなんですか!」
「あら、あんたも喋れるんだ」
「し、しまt、ってあなたも喋れるんですか……」
「気にするな。謎の生命体とでも思っとけ」
「はあ……」
「あ、これは貰ってくね」
「ダ、ダメです! マスターに集めてこいって言われたんです! だから渡せません!!」


どうやら誰かの言いつけでこのジュエルシードを集めているようだ。
転生者だったら嫌だな……


「これは吾輩の餌だからやれんな」
「なら力ずくで行かせていただきます」
「ふふふ、吾輩に勝てるとでも? やれるもんならやってみな」


言い終わると、周りの気配が変わる。これはあの金ピカ転生者のした封時結界と同じやつだろう。


「これで周りには影響がでません。あなたが暴走しても平気でしょう」
「吾輩が負けることが前提のような言い方だなおい」
「あなたの様な魔力を持った程度の野良猫に負けるなんてありえません」


あ、カチンときたわ。もう絶対に手加減しねぇ。


「猫のままじゃ戦いづらいのでちょっと変わります」


光ったと思ったら、薄茶色の猫が人になっていた。


「随分と立派な体になって……羨ましい」
「ふふ、どうです。あなたはこんなことできないでしょう?」
「ぐぬぬぬ……!」


変身してたわわに実った胸を張って威張る。胸は許せる。だが、あのタイツみたい下は許せんな。でも人になれるだけでも羨ましい。
吾輩なんか! 吾輩なんかッ!!


「非殺傷ですので食らっても死なないので安心してくださいッ!」


奴の周りに5つあまりの魔力球ができる。


「フォトンランサー!」


やつの周りに停滞していた光の弾がこっちに飛んでくる。


「これだよこれ! 魔法と言ったらこれだよ!」


だがこの程度の速さなら薫の斬撃に比べたら遅い遅い。


「この程度か? 鈍い! 鈍すぎる!!」
「なっ! ならこれでどうです!」


さっきは5個だった魔力球が10個に増えそれを一斉に放ってくる。


「ふははは、無駄無駄!」


飛んでくる攻撃を全て避け、挑発をする。


「う、嘘……」
「次は吾輩の番だ、食らっときな」


唖然としている奴に火の玉を口から飛ばす。


「にゃっ!? あちちちあついっ!!」


まさか火を放ってくると思わなかったであろう相手は防御できずに食らった。


「HAHAHA! 次は電撃だゴルァ!!」


あまりの熱さに慌てている相手に吾輩は美緒にした電撃を浴びせる。


「にゃばばばばばっばばばっばばっ!!」
「どうだ、参ったか」
「うぅ……私のとっておき攻撃で……」
「まだするか。やっても無駄なのにな~ふひひ」


弱った美女の顔とか美味しすぎです。本当にありがとうございます。
そんなことを考えながら吾輩は奴に近づいていく。


「掛かりましたね!」
「にゃ!?」


突然地面に魔法陣が表れ、体中に鎖のような物が巻き付く。
う、動けねぇ……


「これで終わりです!」


うわぁ……
奴の周りに大量の魔法陣ができそこから槍状の弾が出てくる。


「あ、あれはヤバイ」
「プラズマランサー!!」


なんだ電気系に技かならへいk――


「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁ!!」


プラズマのくせに電気じゃなくって無属性ってこれはいかに?

「ぐへぇ……」
「私の勝ちですね。ではこれは貰っていきます」


このままじゃ負けてしまう、なら仕方ない。ピターモードになるしかない!


「さて、ジュエルシー、ドを……」


縛っていた鎖を引きちぎりながら体が巨大化していく。


「な、なんですか、そ、それは!?」
「本気モードですがなにか?」
「ならもう一度!」


さっきしてきたプラズマもどきランサーをさらに数を増やし、ピターモードになった吾輩に全弾一斉に放ってくる。
しかし、マントで飛んでくる弾を全て防ぐ。猫状態ならいざ知らずピター状態の吾輩には全く効かない。


「あ、あぁ……」
「吾輩の勝ちだな」
「うぅ……」


奴の足元にあるジュエルシードに視線を落とし、歩み寄る。


「……マスターからもしもの時に使えと言われたこれを……(ボソッ)」
「あぁ? なんだって?」
「えいっ!」


こちらに向かって黒い玉を投げてきた。


「無駄なことw――


ドオォォォォォォォォォォォォォオオン!!!


「……ふえ?」
「」


いったい何が起きたのだろうか。
投げてきた黒い玉が突然爆発した。普通の爆弾と違い拡散するのではなく収束した後、柱状に爆発が起きた。
フォトンランサーとプラズマランサーは比べ物にならない程の威力で吾輩の防御を容易く破った。


「え、えっと……私の勝ち、です? ……ん? これはさっきの玉の説明書……」


《これは防御の硬いやつが出たら使ってくれ例えば銀髪や金髪の奴には遠慮なく使え。お前が心配だからな》


「マ、マスター」ジーン


《追伸:核クラスの攻撃を無理矢理圧縮してるから間違っても射程範囲内に入るなよ。》


「……なんてものを持たせてるんですかーーー!!」


そんな物防げるかボケ……ガクッ



目を覚ますとジュエルシードもあの薄茶色の猫もいなくなっていた。
しかしこのモヤモヤしたこの感じ、薫に追いかけられるときみたいな恐怖ではなく、金ピカの時に感じた怒りでもない、これは――


――負けた悔しさか」


今はさざなみ寮に帰り、飯でも喰って休むか。
次あったら絶対にぶっ飛ばしてやる……ッ!













「ご飯? もう終わったよ」
「チクショーーーーー!」


あのメス猫絶対に許さん! 次あったら最初からクライマックスだ!!



今日の食事

耕介の料理 
 

 
後書き
リニス登場!

強くなっても無属性の不思議ぱわぁには弱いカオスなのでした。
 
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