【完結】剣製の魔法少女戦記
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第二章 A's編
第五十五話 『決着』
前書き
フルボッコタイム。原作より過激である。
これでもかと思う存分攻撃しました。
Side グレアム
画面で見ていたがシホくんは約束通りはやて君を救ってくれたようだ。
後は闇の書の闇を排除すればすべてが終わる。
クロノにもデュランダルを託すこともできた。
そして通信越しにクロノから、
『提督、見えますか?』
「ああ、よく見えるよ」
『闇の書は呪われた闇の書でした。その呪いはいくつもの人生を喰らい、それに関わった多くの人の人生を狂わせてきました。あれのおかげで僕も母さんも…。
他の多くの被害者遺族もこんなはずじゃない人生を進まなければいけなくなった。それはきっとあなたも…、リーゼ達も、無くしてしまった過去は変えることはできない。
だから今を戦って未来を変えます!』
「そうか…頼むぞ。クロノ」
『はい!』
そして通信は終了し私はやってきたレティに、
「レティ提督。これで私ももう思い残すことはない。だから逮捕してもらって結構です」
「そうですか…。グレアム提督。あなたには捜査を混乱させた捜査妨害にクラッキング。他にも過去の闇の書のデータの改竄の罪があります。
そしてリーゼ達にはシホさんを非殺傷設定を解除して殺害しようとした民間人殺人未遂罪もあります。
さらに闇の書の主であるはやてさんを強制封印しようと企んだ。これだけですでに多くの罪があります。
おそらくかなりの任期の間、幽閉されると思いますが…」
「分かっている。それは承知のことだった。それとシホ君とフィアット君の件だが彼女等はただ私の言う事に従わざるえなかったということにしておいた。
だから彼女達には罪をかさないでくれ。彼女達は私と違いはやて君を救うために行動していたのだから」
「…わかりました。グレアム提督の意向のままに事を進ませていただきます。
それでですが情状酌量の余地もあると思いますからそう長い任期ではないでしょう。安心してください」
「そうか…」
「ですがこれ以降厳しい刑罰で大幅な魔力の封印をかけられると思います。
ですからリーゼ達を維持するくらいの魔力だけになると思います」
「娘達を無くさずに済むのなら一向に構わない」
「父様…」
「お父様…」
それでリーゼ達が涙を流しながら寄ってくる。
二人の頭を優しく撫でた。
「それと…彼女達の活躍を最後まで見ていってください。それくらいなら大丈夫です」
「感謝する、レティ提督」
それで私達は今も行われようとしている最後の戦いを見ることにしたのだった。
◆◇―――――――――◇◆
Side 衛宮士郎
「いいわね、みんな? 固有結界を使用したら一旦私達は別世界に行くと言っても過言じゃないわ。
その間は外界と一切通信が遮断されるからエイミィさん達の指示もきっと受けられない。
だからエクスカリバーを叩き込んでも闇の書の闇が消滅できなかったらすぐに固有結界を解除するから。
そしてなのは達が最後にコアを露出させてユーノ達が転送! わかった?」
「「「「はい!」」」」
『暴走開始まで後、二分!』
あと、二分か。シホも準備をしていることだし私も一働きをするか。
と、そこではやてがシホ達の傷についてシャマルに指示を出す。
「はい、みんなの治療ですね。
特にシホちゃんは一番頑張るんですから万全にしておかないと。クラールヴィント、本領発揮よ」
《Ja》
「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」
それでシホ達は緑の光に包まれてあらかた傷は回復した。
「すごいわね…」
「湖の騎士・シャマルと風のリング・クラールヴィント、癒しと補助が本領です」
その後、役割分担が決まる。
攻撃班のなのは嬢、フェイト嬢、シグナム、ヴィータ、はやて、私、フィアット嬢、クロノ。
サポート班のユーノ、アルフ、ザフィーラ。
そして闇の書の闇の消滅を検討に入れたシホの固有結界にエクスカリバー。
これだけ揃っていればできないことなんて何もないと言いたい。
そして暴走が始まる。
球体がはじけて中から化物《防衛プログラム》がその姿を現す。
「シホ!」
ユーノに足場を作ってもらっている私はシホにタイミングの指示を出す。
「ええ、わかったわ!――――I am the bone of my sword.」
シホは固有結界の詠唱に入る。
これによってシホは無防備とも言っていいほどの隙ができる。
そこを邪魔させないのが私達の役目だ。
まずは、
「チェーンバインド!」
「ストラグルバインド!」
ユーノとアルフがバインドで触手達を引き裂く。
そこに続けてザフィーラが、
「縛れ…鋼の軛! デアアアアーーー!!」
ザフィーラの手から白い光が残りの触手をすべて切り裂く。
「ちゃんと合わせろよ、高町なのは!」
「ヴィータちゃんもね!」
なのは嬢とヴィータがまず構える。
「鉄槌の騎士ヴィータと鉄の伯爵グラーフアイゼン!」
《Gigantform.》
「轟・天・爆・砕! ギガント…シュラーク!!」
巨大化したハンマーが防衛プログラムに叩き落とされる。
それによって一枚目のバリアにヒビが入る。
――――Steel is my body, and fire is my blood.
「高町なのはと、レイジングハート・エクセリオン。行きます!」
《Load cartridge.》
「エクセリオン・バスター!!」
杖から高出力の砲撃が放たれる。
《Barrel shot.》
「ブレイク…シューーート!!」
なのは嬢の砲撃で一枚目は完全に砕けた。
――――I have created over a thousand blades.
「次はシグナムとテスタロッサちゃん!」
シャマルの叫びにシグナムがまず答える。
「剣の騎士シグナムが魂…炎の魔剣レヴァンティン! 刃と連結刃に続くもうひとつの姿…」
《Bogenform.》
剣と鞘を連結させ弓を形成するレヴァンティン。
そこから炎が上がりだし一本の矢が化物に狙いをつけられる。
「翔けよ…隼!」
《Sturmfalken.》
放たれた矢は二枚目のバリアにヒビを与える。
そして次はフェイト嬢。
「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・ザンバー! いきます!」
魔力刃から発せられる衝撃波で一度吹き飛ばした後、
「撃ち抜け雷神!」
《Jet Zamber.》
大なる斬撃で第二層のバリアを切り裂く。
――――Unaware of loss.Nor aware of gain.
化物が抵抗をして触手から魔力砲が放とうとするが、
「盾の守護獣ザフィーラ! 砲撃なんぞ、撃たせん!!」
叫ぶと同時に魔法が展開し光の棘が出現し触手を次々と貫いて砲撃を止める。
「次ははやてちゃんに士郎さん!」
「次は私達の番か。はやて、ミスを犯すなよ?」
「士郎もな!」
それで先に私が構えを取る。
「―――I am the bone of my sword―――……偽・螺旋剣!」
シホから送られてくる十全の魔力でもってしてカラド・ボルグを放つ。
それによって三枚目を貫いていった。
――――With stood pain to create weapons.
さて、次ははやての番だ。
「彼方より来れヤドリギの枝、銀月の槍となりて撃ち貫け!」
はやてが夜天の魔導書を開き魔法陣を展開する。
それによっていくつもの光が出現する。
「石化の槍………ミストルティン!!」
石化の槍が当たった防衛プログラムは石化して砕ける。
それによって第三層を完全に砕く。
――――waiting for one's arrival
「最後の第四層はフィアットちゃんにクロノ君!」
「わかりました! いきますよ、クロノ!」
「ああ、ヘマをするなよフィアット!」
「そちらこそ!」
そして先にフィアット嬢が動き出す。
「マグナ・スピア! フルドライブ!!」
《Fullmoonform.》
槍が突如として鎖付き鉄球へと姿を変貌させ、
「月の煌きよ! 粉砕せよ!!」
《Mondglitzern.》
「でやぁーーーーー!! ぶち壊れなさい!!」
振り回された鉄球は巨大化しその勢いをつけて振り下ろされヴィータの攻撃の再現のように第四層を砕いた。
――――I have no regrets.This is the only path
「決めてやろう! 行くぞ、デュランダル!」
《OK, Boss.》
「悠久なる凍土に、凍てつく柩の内にて永遠の眠りを与えよ!」
それによって海面が凍りついていき防衛プログラムを凍りつかせる。
「凍てつけ!!」
《Eternal Coffin.》
それによって第四層は完全に凍結され砕け破壊される。
後はシホが固有結界とエクスカリバーで消滅させるのみ。
「シホ、出番だ!!」
――――My whole life was "unlimited blade works"
シホの詠唱が終了し、空に炎の線が走る。それは私達も巻き込むように広がっていき一度世界を破壊し再度世界を構築する。
そして炎が晴れて目を開けてみればそこはすでに異世界。
先程までの夜の景色ではなく黄金の太陽が照らし剣の丘の無限の剣達が地面に刺さっている世界。
この世界には人は一切存在しない無の世界。唯一、武器達だけが存在する悲しい世界。
しかし、地面には草や花が所々に生えていて川も流れている…アーチャーのように炎が炙っていた荒廃したものでは決してないものだ。
これが今のシホの心象風景の顕れだということだろう。
シホも少しずつだが幸せを掴んできているということか。
「!!!!????」
そして未知の世界に連れてこられた防衛プログラムは意味不明の叫び声をあげる。
それに巻き込まれた全員もあまりの出来事にポカーンとしている。
「これが固有結界………新たな世界を創りだす魔術の奥義の一…」
「すごい…様々な剣達が刺さっている!」
「時間があるのならば見学をしたいものだ」
「でも少し寂しい世界…」
それぞれ驚きの言葉を発しており特にシグナムは某有線式サトリのような発言をしだす始末だ。
「ご覧の通り、貴様が挑むのは無限の剣………剣戟の極地」
シホが右手を上げれば剣達が一斉に地面から引き抜かれて空中に浮かび上がる。
その手を防衛プログラムへと向ければ剣達は標的を防衛プログラムに絞る。
「さぁ………闇の書の防衛プログラム、恐れずして、かかってきなさい!!」
シホの号令ですべての剣が一斉に防衛プログラムへと向かって飛翔する。
だがやはりシホの魔力も吸収していたようであがきというべきか七枚の盾、ロー・アイアスが出現した。
「あれは、ロー・アイアス!?」
一同が驚く中、しかしシホは慌てずに盾を粉砕する物量で攻撃をしていき、我ら自慢の盾は無にも等しく破られた。
そしてある剣は貫通し、ある剣は雷撃を食らわせ、ある剣は焼き尽くし、ある剣は不死殺しの一撃を与える。
防衛プログラムは様々な剣を浴び続け針鼠と化し、気づけば原型を保てないほどに小さくなっていき最後にもう十メートル以上はある巨大な大剣“斬山剣”によって一刀両断される。
「受けなさい! 壊れた幻想!!」
体中に刺さっていた剣達が一斉に爆発し爆風が吹き荒れる。
しかし、防衛プログラムはまだ生きていた。
「しぶとい…! なら…!」
シホは止めとばかりにその手にエクスカリバーを構え、
「塵となりなさい! 約束された勝利の剣ーーーーーッ!!」
その究極の斬撃によって防衛プログラムは光に包まれた。
しかし防衛プログラムはエクスカリバーを喰らったというのにいまだに健在で再生をしようとしている。
「ちぃっ!? これでもやっぱり再生は止まらないの!? みんな、固有結界を解除するわよ!」
そしてシホは固有結界を解除したらしく世界は崩れ元の世界に戻っていた。
『あれ!? みんな今までどこにいたの!?』
そこでエイミィ嬢の通信の声が響いてくるが圧倒的な絨毯攻撃の攻撃力に全員魂が抜けたかのようにボーっとしている。
「みんな! 一応まだ終わっていないんだからなのは達は最後の締めをしなさい!!」
シホの言葉に全員は意識を取り戻す。
見ればまだ防衛プログラムは再生しようと蠢いている。
「そ、そうだね! フェイトちゃん! はやてちゃん!」
「う、うん!」
「そ、そやね!」
三人がそれぞれ武器を構えて、
「全力全開! スターライト…」
なのは嬢が凝縮された魔力を解き放とうとし、
「雷光一閃! プラズマザンバー…」
フェイト嬢が剣を思いっきり振り上げ、
「ごめんな、おやすみな…響け、終焉の笛! ラグナロク!!」
はやてが防衛プログラムに謝罪の言葉を述べながら杖を掲げて、それぞれの魔力が最高潮まで溜まっていき、
「「「ブレイカーーーーー!!!」」」
放たれた三つの光は防衛プログラムを完全に消滅させた。
そしてあとに残るのは露出したコアのみ。
「…本体コア、露出。捕まえ、た!」
コアをシャマルが捕らえる。
「長距離転送!」
「目標、軌道上!」
「「「転送!!」」」
ユーノとアルフとシャマルの三人の手によってコアは軌道上のアースラの前まで持って行かれていった。
しばらくして空に一瞬閃光が走る。
そして、
『アルカンシェルでの貫通消滅を確認しました。コアの再生反応は無し。という訳で現場のみんなお疲れ様でした! 状況、無事終了しました』
エイミィ嬢の元気な報告が響いてきてみんなはそれぞれ喜びの表情をする。
シホも魔力の大幅消費だけのようで固有結界の内部からの暴走は起こしていないようで安心した。
私も魔力消費を抑えるために鷹の姿へと変化する。
色々な報告はあるだろうが今日はもう十分だろう。
そんな事を思っている時だった。
ヴィータのはやてが倒れたという叫び声が聞こえてきて私は、まだ終わっていないのか…と思ってしまった。
後書き
エクスカリバーでも消滅しない防衛プログラム。すごいね。
結局原作通りにブレイカーで止めをさしてアルカンシェルで消滅させました。
それとシグナムさんに声優つながりで是非とも言わせたいセリフ。
「ファントムフェニックス!!」
劇場版がどう見てもそれだったので…。
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