吾輩は猫である
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無印
吾輩、マジカルキャットになる
ああ、昨日は本当にひどい目にあったな。あの後、なのは嬢と恭也の懸命な介抱によって事なきを得た。
あの兵器を作りあげた張本人は士郎さんと桃子さんとの楽しい楽しいOHANASHIを受けていた。
リビングから美由希の啜り泣く音が夜の間ずっと聞こえてきたよ。絶対あの二人は怒らせたくないな、特に桃子さんには……
それにしてもアレはひどかったな……口に含んだ瞬間溢れだす酸味、ねっとりした触感から突然石の様な固さに変わりそれを無理矢理噛み砕くと甘味と辛味が両方同時に口の中を占領し、飲み込もうとしてもまるで生きてるかのように引っ付いてくる。噛みちぎって飲み込み、ホッとしたと同時に胃の中でビックバンが起き、喉から何かが上がてきて、鼻から口からなんとも形容し難い異臭うが吹き出す。
見た目はちゃんとした肉じゃがだったのに……無臭だったが。というかオラクルでも解析したのに解らなかった。
きっと美由希は某学園都市の第2位に違いない、じゃなかったらどうやってあんなダークマターができる。
「にゃぁぁああ……(腹減ったぁぁああ……)」
目覚めた時誰もいなかったからまだなんも喰ってない。
さざなみ寮は……無理だな、解体される……
仕方ない、月村家で飯貰うか。
そんなこんなで月村家に到着。
『おやびんいらっしゃいにゃ』
『おう』
『何か用ですかにゃ?』
『いや~、朝飯ありつけなかったから喰いに来たんだよ』
『ああ~……すいません、もう朝食食べちゃったんですにゃ』
なん……だと……!
わ、吾輩は何を喰えばいいんだ……ん?
『おやびん……ハァハァ』
オヤビン……ハァハァ ウホッ! イイオヤビン! ヤラナイカ
え、何この状況。
『今メス連中が発情中でして、皆おやびんに相手して欲しいんですにゃ』
えっ? 猫とヤれと申すか。
あっ、吾輩今猫だった。
『おやびん私としてください!』
『一緒に子孫を残しましょう!』
『いや私とよ! さあ、来て!! 私に強い遺伝子を!!』
『ヘイ! オヤビンカモンカモン!!』
うわぁ……目が逝ってやがる……
『右から小さな耳がキュートなスコティッシュフォールドのミミちゃん』
『にゃ~♪』
『その隣にいるのはモコモコでふわふわが癒し、ラグドールのディジーちゃん』
『さぁ! 子作りしましょう!』
『そしてちょっと高圧な態度で女王様みたいなのがアシェラのクレオ様』
『私とできるなんて光栄に思いなさい!』
『あっちで股を開いてカモンカモンしてるのが三毛猫のミイちゃん』
『先っちょ! 先っちょだけでいいから!』
『他にもいますが面倒なので省略させていただきますにゃ』
見た目は猫、中身は人間だった何かの吾輩にはどれもグッとこない。
吾輩をグッとさせたいならゆるふわ銀髪ロングの巨乳の美少女を用意しな! 金髪ロングストレートの巨乳の美少女でも可!
『反応しませんね……ではあっしなんてどうでしょ……おやびん……』
『ファッ?!』
『あっし、おやびんになら……ハァハァ』
こいつも発情してやがるッ!
『おやびん//』
『こっち来んじゃねぇ!! ニャッパー!』
『にゃふッ!!』
こっちにジリジリとにじり寄る部下の猫Rをニャッパーでぶっ飛ばし、この発情した猫がひしめく月村家が脱出した。
貞操の危機は免れた……はぁ、余計腹が減ったじょないか……
『ハァハァ……』
あれ……なんか体が熱い……ハァハァ
もしかして月村家のメス達のせいで発情したのか? てか発情中ってこんなにきついのか?
ハァハァ……我慢だ。とにかく我慢だ。
我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢――――――
――――――ハッ!
こ、ここはどこだ?
発情を我慢していたら意識が遠のき、気づいたら夕日に照らされてる神社への道を歩いてた。
あれ~、吾輩確か公園のベンチの上で我慢してたはずなんだがな……
ん~、思い出せん。思い出せないってことはそんなに重要なことではないということだな。
それにしても腹減ったな……
◇<やぁ!
『……』
なんか自己主張が激しい青い宝石がある。
◇<僕と契約して願いを叶えてよ!
腹も減ってるし、これを喰って腹を少し満たすか……いただきまーす。
◇<えっ、ちょ、ちょっとまt(ry
バリバリゴリゴリ!
『!?』
この舌触り! この濃厚な旨み! このまろみ!
う、うまい、うますぎる!! けどモン〇チには負けるが。
ん? なんか体から何かが溢れ出る感じがする。今喰った青い宝石のせいかな?
―――魔力が使用可能。
名前はジュエルシードのようで、どうやら魔法石のようだ……もう今更魔法ごときでは驚かない。
正直電気属性の魔法石か電気系の物が喰いたかったな……ピ〇チュウとかいないかな……
―――願いが1つ叶えられます。
あと願いが叶えられるようだ。
ん? 願いが叶えられる? 何それ怖い。
この魔法石ってそんなにやばいものだったの? 聖杯なの? 変な泥が溢れでるの?
あっ、でもそこまですごい願いはできないみたいだ。そして21個もあるらしい……後20個もあるのか……ジュルリ
願いか……ジンオウガやピターやエネルみたいに電気を自由に使いたいな。それは喰えばなんとかなるから願わなくっていいか、もったいないし。
とりあえず腹いっぱい飯が喰いたい、久遠か那美を介して薫に謝るか。美緒には絶対謝らんがな!
ここから神社も近いし、そっちを確認して居なかったらさざなみ寮に直接行こう。
吾輩は神社に向けて走りだす。
「あれ? ここからジュエルシードの反応がしたはずなのに」
さっきまで居た所に斧のような黒い杖を持った肌色の多い露出系金髪魔法少女が空から降りてきた。
その魔法少女がオロオロと涙目で何かを探してる。
もしかしてさっき喰った宝石を探してるのか? やばいなここが型月みたいな世界だったら見つかった瞬間解剖されかねん。下手すると珍しい物としてホルマリン漬けもありえる。
……よし。逃げよう!
吾輩は足早に神社へ逃走した。
階段を駆け上がり久遠を探す。
「なーなー(久遠ー久遠ー)」
久遠の名を呼んでみるが全く反応が返ってこない、神社にはいないみたいだ。
那美も探してみるが発見できなかった。もう寮に戻ったのかもしれない、寮に行くか。
ん? あれは―――
「がうがう(なにこれうまそう)」
子犬が青い宝石をガジガジ噛んでいた。それはどう見てもさっきのジュエルシードだ。
「にゃーーー!(それは俺の飯だ!)」
「キャインッ!!」
犬っころなんぞにこんなうまい物はやれんな。
さて、いただきまーす♪
「にゃー♪(ウマー♪)」
ジュエルシードを喰べ終えると突如周りの気配が変わった。さっきまで気絶していた犬が消え、神社周りで鳴いていた鳥の音も聞こえなくった。まるで違う世界に飛ばされたようだ。
そして、空からこ静かな世界に金ピカの少年が降り立った。
「さてジュエルシードを見つけるか、たしかここに有ったはず」
あいつは確かいつもなのは嬢達を追いかけてた皇咲だったか。なんでここにいるんだ? もしかしてさっき
の露出少女の仲間か?
「チッ!、どこにもねぇじゃねえか。衛宮の奴が先に回収したのか?」
あの某赤い弓兵似のあいつか、あいつも魔法使いなのか?
ともあれこいつが消えるまで身を――――
「仕方ねえ、久遠でも探して帰るか。狐耳の幼女も俺のハーレムに入れてやるぜ!」
――――殺ッ!
吾輩のプリティーフォックス久遠に手を出すとは殺すしかないッ!
あのロリコンとは同じとこに送ってやんよッ!
木の影から金ピカの前に飛び出す。
「フカーーーッ!」
「あぁ? なんだこの薄汚ねぇ猫は……待てなんでてめぇこの封時結界の中に居やがる。おいセイバー調べろ」
《どうやらジュエルシードと完全に融合してるようです》
封時結界? ああ、この空間のことか。
「下等生物、光栄に思え! この俺の糧になるがいい!!」
金ピカの背後に金色の波紋が広がり様々な武器が出てくる。
こいつ確実に転生者だ……
「ふはははははははははははは!!」
背後から武器を5つほどこっちに飛ばしてきた。
はっきり言って薫に比べると何もかもが遅すぎる。
吾輩は後ろに大きく跳び、飛んでくる武器を避ける。武器がさっきまで居た所に着弾し大きく爆ぜる。
地面にはクレーターができ、土煙が立ち上る。
「さて、ジュエルシードを回収するか」
金ピカがこっちに来る。身を潜め、クレーターのとこに来るまで待つ。
「なんだ? なんもないぞ。跡形もなく吹き飛んだのか?」
クレーターのとこに来たッ!
草むらから全力で飛び出しそのまま金ピカに突っ込む。
「なッ!? ぐはッ!」
吹き飛び倒れ込んだ金ピカの胸に乗り、パンチをくれてやる。
猫パンチ(鋼)
「グボァ!」
猫パンチ(斬撃)
「ウギャァ!!」
猫パンチ(破砕)
「ブベッ!?」
テーレッテー
「ぎゃぁぁぁぁあああああああ!!!」
悪は滅びた!
この遺体は喰うか。いや、先にクレーターに突き刺さってる武器を喰うか。
――――― 猫食事中 ――――――
「ああ、喰った喰った。……ん?」
しゃ、喋れるようになってる!?
さざなみ寮に戻って驚かせてやるフヒヒ……
それにしてもこの結界いつ消えるんだ?
結局金ピカが持っていた機械みたいな剣を喰ったら消えたよ。
「あら、カオス帰ってきたの?」
「おう、ただいま。夕食は?」
「もうすぐでできるから待ってt――え?」
那美が固まった。
ドッキリ成功だなフヒヒ。
「うわ、戻ってきた……」
「カオスおかえり、もう少しで夕食できるから待っててくれ」
「くぅ~ん……かおすおかえり」
「ん? カオス帰ってきたか。てっきりあの森でまだ気絶してるかと思ったぞ」
「誰のせいだ誰の」
「「「「「?!」」」」」
ふはははは皆の顔が面白いくらい固まってやがるw
「さて説明してもらおうか」
「はひ……わはりまぁじだ……」
薫にボコボコにされました。
「待って、たしかカオスって喰べた物を取り込むことができるんだよね。じゃあもしかしてカオス……」
「貴様人を喰ったのか! 介錯してやる、首を出せ!」
「……かおすのこと忘れない」
「ちょ、ちょっと待って! 喰ったのは幼女を見てハァハァしながらハーレムにしようとする変態です! 許してくださいぃぃぃ!!」
「「「「「「「許す」」」」」」」
吾輩はそんなさざなみ寮のみんなが大好きです。
「ねぇカオス、もしかしたら人にもなれるんじゃない?」
「……かおす……見てみたい」
「確かにこの食い意地の張った猫がどんな風になるか気になるな」
どうやら全員吾輩の人型が気になるようだ。
そこまで言われたらやるしかないだろ。
「なら見せてやる! はぁぁぁあああああああ――――」
体が光に包まれ、4足歩行から2足歩行になっていく。
「どうだ!」
皆に感想を求めるがなぜか全員後ろを向いて笑いを堪えている。いや全員じゃないな、美緒が大笑いしていた。それにつられたのか笑いを堪えていた奴らが笑い出した。
解せぬ。
「なぜ笑う」
「ぷッ……! はい、鏡……ッ!」プルプル
那美が鏡を渡してくるが笑ってるのでめっちゃプルプル震えてる。
「まったくなにがそんなにおかs……え?」
鏡に映っていたのは――――――
「なんじゃこりゃーー!!」
ネコアルク・カオスだった。
どうしてこうなった。
後書き
ほら運命さん出たよ!!
まだ人型になれない主人公、これが現実なんです。
この作品内の強さは下の様な感じです。
薫(十六夜装備)・士郎>恭也・薫>美由希≧カオス>>超えれれない壁>>美緒>皇咲・衛宮
カオスの喰った物とかを一旦次でまとめてみます。
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