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ヘタリア大帝国

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TURN58 USJ決戦その四

「絶対に勝てる策もあるからな」
「あの策ですか」
「だからこの布陣にした」
 東郷は陣を中央は厚みのある矢印形の陣にしている。そして左右の兵は薄くしてある。
 しかも中央は防御力の強い艦艇を集めている。だが。
「潜水艦はですね」
「まだ動かさない」
「打ち合わせ通りに」
「然るべき時に俺が指示を出す」
 長門のモニターにはガメリカ軍の大軍が彼等に迫って来ている状況が映されている。東郷はそれを見ても全く動じていない。
「これも打ち合わせ通りだ」
「全てはですね」
「そういうことだ。まずは干戈を交えよう」
「全てはそれからですね」
「ガメリカとの戦いはこのUSJでの戦いで決まる」
 雌雄が決するというのだ。
「ここで勝てばもうガメリカは我々に勝てない」
「そうですね。あれだけの戦力を集めてきていますし」
 確かにガメリカ軍の数は多い、だがそれでもだというのだ。
「ガメリカ軍の精鋭のほぼ全てです」
「あれが倒されればもうガメリカ軍に我々に対抗できる戦力はない」
「それ故にですね」
「しかもこのUSJからシカゴ、テキサスにも攻められる」 
 宙理の事情もあった。
「そこからニューヨークも入られる」
「そしてワシントンにも」
「確実に勝てる」
 東郷は断言した。
「それではだ」
「はい、では」
 秋山は東郷の言葉に真剣な顔で頷く。こうしてだった。
 太平洋軍はガメリカ軍を迎え撃った。ここでは攻防の立場が逆になっている。
 キャロルは自らの乗艦から高らかに言った。
「さあ、突撃よ!」
「了解!」
「そしてですね!」
「そうよ、太平洋軍をこのまま押し潰すわよ!」
 こう将兵達に告げる。
「いいわね!」
「わかってます!」
「このまま!」
「この戦力で正面からぶつかれば」
 キャロルは目からこれまでよりもさらに強い光を放っていた。
 そしてその目で目の前の太平洋軍を見据えて言うのである。
「勝てるわ」
「はい、それでは」
「今から」
「艦載機を出しなさい!」
 空母、しかも大型空母の数もかなりのものだった。
 そしてその大型空母から艦載機を次々と出す。それで太平洋軍に積極的な攻撃を浴びせてきたのだった。
 忽ち太平洋軍の艦艇が何隻かダメージを受ける。だが。
 平良は己の乗艦である戦艦が衝撃で揺れても平然としてこう指示を出したのである。
「ダメージコントロールを急げ」
「そしてですね」
「今は」
「時を待て」
 こう部下達に告げるのである。
「いいな」
「そしてその時が来れば」
「いよいよですね」
「反撃の時は来る」
 平良は艦橋に仁王立ちしている;。警報が伴奏の様に始終鳴り響いていて赤い光が点滅しているがそれでもだった。
 彼は艦橋に仁王立ちして言うのだった。
 
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