ヘタリア大帝国
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TURN58 USJ決戦その三
「絶対にね」
「勝てるんだな」
「どうやって負けるっていうのよ」
こうまで言うキャロルだった。
「何があっても勝てるわよ」
「俺も実際はそう思うさ。それじゃあな」
「ええ、太平洋軍が来たら」
その時にだというのだ。
「一気に攻めてね」
「そして勝つんだな」
「圧倒的な戦力で正面から攻めて一気に潰すわ」
今ガメリカ軍は守る側だがキャロルは本来の積極的、いや攻撃的と言ってもいい性格とこれまでの連敗で生じた焦り、自身の東郷への感情と己の失態への自省、そうした複数のものから積極攻勢を決めたのである。
それでこうドワイトとアメリカ達に対して言ったのだ。
「押し潰すわよ」
「その数で」
「そうするんだね」
「ええ、そうよ」
そのアメリカ兄妹にも答える。
「小細工なしで、正面からね」
「じゃあ艦載機に戦艦も使ってだな」
「潰してやるわ」
「数と装備を使うんだな」
「正直ね。小細工は必要ないわ」
それは確かにその通りだった。今のガメリカ軍と太平洋軍を比較すれば。
「数と装備、それに今のガメリカ軍は」
「士気も高いね」
「だからよ。本当に攻めてやるわ」
キャロルは積極攻勢だけを考えている、守りのことは何もだ。
「そうしてやるわよ」
「そういえば敵の謎の兵器があるが」
「あのセイレーン?」
「そいつにはどうするんだ?」
「姿を消しているだけでしょうから」
キャロルは既にこのことを察していた。それでドワイトに言うのだ。
「そのいそうな場所にね」
「攻撃を仕掛けるんだな」
「ええ、狙うんじゃなくてその一体を絨毯攻撃よ」
それで隠れている潜水艦を沈めるというのだ。
「そうしてやるわよ」
「また大雑把な攻撃だな」
「大雑把でもやっつけられればいいじゃない」
「その通りだがな」
「だがなって。それで倒せるならしてやるべきでしょ」
キャロルはここでも強気だった。
「本当に叩き潰してやるわよ」
「では全軍出撃だな」
ドワイトは落ち着き微笑みさえ見られる声で言った。
「今からな」
「ええ、やってやるわ」
キャロルは毅然としてドワイトに言葉を返した。そうして。
USJにいるガメリカ軍は全軍で太平洋軍の前に姿を現した。しかもそれはただ姿を現しただけではなかった。
秋山は長門の艦橋からその銀河を埋め尽くさんばかりの大軍を見て言った。
「全軍でこちらに来ていますね」
「そうだな」
「数は我が軍の三倍近くです」
「ガメリカ軍の主力の殆どか」
「はい、それだけの数が来ています」
「それが正面から来る」
東郷は秋山の横で冷静に述べる。
「普通に考えれば勝てない」
「しかも今回は隠し球もありません」
「あえて持って来なかった」
「またそれはどうしてですか?」
「奇策は敵が予測していない時に使うものだ」
だからだというのだ。
「そうそういつも使うものじゃない」
「それで今回は」
「そうだ、持って来なかった」
「それ故にですか」
「そしてだ」
東郷はさらに言う。
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