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自由の灯り

作者:光龍牙
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第五話

バンエルティア号に到着したディアとカノンノは先に医務室に行き、カノンノの治療をしていた。

「これで大丈夫です、二日ほど依頼をしないで休んでいればすぐに治ります、歩くくらいなら問題ないです」

ディアとカノンノはアニーにお礼を言うと、試験の報告をするためアンジュが待っているホールに向かった。
ホールに着き、アンジュに報告をすると、アンジュは試験の紙に印を押す。

「おめでとう♪これであなたも正式なアドリビトムのメンバーよ」
「おめでとう、ディア!」

二人がディアを祝福していると、突然アドリビトムのメンバーの大半が現れディアに向かってクラッカーを鳴らし、声を揃えて一言。

『おめでとう~~~~!!』

メンバーにもみくしゃにされ始めたディアを見ていたアンジュが思い出したように声をだすと、困りながら告げる。

「その前にディア君の部屋がないのよ~」
『え??』

すっとんきょな声を出した一同、視線を一斉にアンジュに向けると、アンジュは説明を始めた。

「実は何人かに部屋の準備を頼んだんだけど、終わりきらなかったの、もう夜だし今からじゃ遅いから無理だし・・・だから誰かディア君と、相部屋になってく「はい!私がなります!」そ・それじゃお願いね」

アンジュが言い終わる前にカノンノが手を挙げてあまりの速さに驚いていたアンジュだが、早く終わらせようと思い、カノンノに頼むと、嬉しそうにしてるカノンノに気付いたマルタが目を光らせ、カノンノの腕を引っぱり壁の隅に連れていくと、耳打ちで一言。

(もしかしてカノンノ、ディアのことが好き?)
「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ///!!!」

カノンノは一発でマルタに見破られた驚きと、恥ずかしさ照れを含めた叫びをすると、驚いたメンバーがカノンノとマルタを見ると、二人は笑って誤魔化し、再び話す。

(やっぱり、好きなんだね!)
(う・・・・うん///)

マルタが目を輝かせながら質問をするとカノンノは顔を真っ赤にさせながら答え、さらにとんでもない質問をされる。

(告白とかするの??)
「こ・むぐ!!??」

また叫ばれないようマルタは慌ててカノンノの口を両手で塞ぐと、カノンノが落ち着いたのを確認し両手を離す。

(どうなの!?)
(告白はするつもりだけど、もう少し経ってからだよ///)
(カノンノそれじゃ駄目だよ!ここにはたくさんの女性が居るんだよ!ディアを取られちゃうかもよ!いつやるの!今でしょ!!)

マルタはものすごい勢いでカノンノに詰め寄り、カノンノは圧倒されていると、助け船が出された。

「カノンノ~そろそろ行こうよ~」
「う・・うん!それじゃまたねマルタ!」

カノンノはマルタに逃げるようディアの傍まで行くと、二人で部屋に向かった。
マルタは仕方なく諦め、エミルにベッタリとくっ付き、今の気持ちを落ち着かせるが、エミルはいきなりマルタに抱きつかれたので顔を真っ赤にしながら助けを求める。
カノンノの部屋に着くとディアはアンジュに生活道具を貰うため荷物を置くとホールに向かい、カノンノはパニックに陥っていた。

(どうしよう!どうしよう!どうしよぉぉぉぉ!!よく考えたら朝昼夜ずっとディアと一緒なんだよね!?なんで手を挙げたんだろぉぉ!)

カノンノはさらにパニックになると、原因であるディアが帰って来てしまい、カノンノの異変に気付き、首を傾げる。

「?カノンノどうしたの?熱?」

そう言うと、ディアは持ってきた荷物を置きカノンノに近づくと、今のカノンノには止めの一撃でもある、行動をする。

「/////!!!???」
「熱は無いね」

ディアは自分のおでことカノンノのおでこをくっ付け、熱をはかりカノンノは一瞬思考が停止すると。




バタ





頭が追いつかずカノンノは気絶してしまい、ディアは慌てる。

「ええ!カノンノ!どうしたの!」

ディアは何度もカノンノに呼び掛けるが、カノンノに声が届くことはなかった。


3時間後


「う・・・・う~ん」
「あ、目が覚めた?」

カノンノが目覚めるとディアはホッとし、料理と水をカノンノに差し出した。

「これは?」
「ロックスに教えてもらって、僕が作ったんだ、よかったら食べてくれない?」

ディアはカノンノに微笑むと、カノンノはお礼を言い料理を一口食べる。

「美味しいよ!ディア」
「よかった、あ、そう言えばスケッチブックが床に落ちてたよ」

ディアはカノンノにスケッチブックを渡す。

「あ・・ありがとう、よかったら見てくれないかな?」
「いいの!ありがとう」

ディアはスケッチブックを見ると、今まで見たことの無い風景がたくさんあり、何処の風景かカノンノ聞くと、カノンノは首を横に振る。

「私も知らないんだ、絵を描いてると時々見えるんだ、今まで沢山の人に聞いたけど、誰もこの風景を知らないの、それに作り話だろって笑われちゃうんだ」
「カノンノが言ってるのは本当なんでしょ?僕はカノンノの絵が何処かにあるって信じるよ」
「信じてくれるの?」

ディアは頷き、カノンノは微笑みながらお礼を言うと、しばらく他の絵をディアに見てもらいながらに話していると、やがて眠りについた。
ディアはカノンノをベッドに寝かせると、特訓をするため、甲板に向かった。
甲板に着くと、ディアは一度だけあったアドリビトムのメンバーに出会う。

「・・・・っ」
「君はヴェント・・・」

ヴェントは不機嫌そうに甲板を出ようとすると、ディアが彼の腕を掴む。

「待ってよ、せっかくだし話をしよう、僕は君と友達になりたいんだ」
「俺にかまうな」
「そんなこと言わないでよ、親友を失ったのは悲しいけど、少しでも前に進まなきゃ」

ヴェントは歯をギリッと噛むとディアの胸ぐらを掴む。

「あいつの顔でお前がそんなこと言うな!」
「え?」
「髪と、声は違うけどお前は失ったあいつにそっくりなんだよ!」

さらに力を込め、ディアは苦しそうにするが、それでも諦めないと目で訴えると、ヴェントは苛つきながら、掴んでいた手を離す。

「絶対に諦めないってわけか・・・とことんそっくりだ・・・だったら俺と勝負しろ、お前が勝ったらお前の好きにすればいい、ただし俺が勝ったら二度と俺にかまうな、試合は明日午後3時場所はコンフェイト大森林だ」
「・・・わかった」

ヴェントは甲板をでると、ディアは床に腰をおろし空を見上げた。

「ヴェントすごく悲しい目をしてた、あんなに悲しい人絶対に一人にさせちゃ駄目だ、明日必ず勝つ」

ディアは拳を固めると、立ち上がり明日に備えての修行を始めた。

 
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