自由の灯り
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第四話
「それにしても、この船大きいしすごいよね~」
「当たり前です!ボクの船ですから!」
ディアは改めて船を観察していると、ディアよりも伸長が低く、海賊帽子をかぶった少女に出会う。
「?君は誰?」
「ボクはチャット、この船、バンエルティア号の船長です」
「僕はディアだよ、よろしく」
ディアは自己紹介を終え、そのまま先に進もうとしたらチャットに捕まり、バンエルティア号の説明をされた。
「いいですか、この船はボクが船長です、だからこの中で一番偉いんです」
「は・・・・はぁ」
「あ・・・ボクが一番偉いって、アンジュさんに言わないでください」
ディアは頷くと、カノンノを連れて他の部屋を回った。
道中、スタンとルーティに出会い、ディアは挨拶をする。
「スタンとルーティ、こんにちわ」
「あ、ディア、ちょうどいいや、紹介したい人たちが居るんだ、待ってて」
スタンはそう言い残し、部屋に向かうと、青髪の男性と桃髪の少女、黄緑色の髪の女性を連れてきたて、ディアは三人に挨拶をする。
「僕はディア・ブライトです、よろしく」
「私はウッドロウ・ケルヴィン、よろしく」
「チェルシー・トーンです」
「私はフィリア・フィリスです」
挨拶を済ませたディアはスタンたちと別れ、次の階に向かう。
次の階に着いたディアは部屋を見つけ、ノックをした後、中に入り中では少年と少女が口喧嘩をしていた。
「俺はもう大人だ!」
「大人は自分のことを大人って言わないんです」
「えっと・・・どうしよう、カノンノ」
「大丈夫、カイウスとルビアはいつも喧嘩するけど本当はすっごく仲がいいんだよ」
カノンノの説明が終わると、カイウスとルビアと呼ばれた二人は、ディアとカノンノに気付き喧嘩をやめ、申し訳なさそうに挨拶をする。
「あ・・・こんなとこ見せて悪い、お前がディアか?俺はカイウス、カイウス・クオールズ、よろしく」
「ごめんなさい、カイウスとはいつもこうなの、あたしはルビア・ナトウィック」
謝る二人にディアは「気にしてないよ」と言い、自己紹介を済ませると、二人の部屋を出て、別の部屋に向かった。
次の部屋にたどり着いたディアは、ノックをしようとすると突然、ドアが開き、黄緑色の髪をした少女とぶつかってしまい尻餅をする。
「痛~い、あ、ごめんね君、大丈夫?」
「大丈夫です」
少女は安心したように胸を撫で下ろすと、思い出したようにハッとし、ディアとカノンノの腕を引っ張り部屋に入れる。
「よかった~ちょうどあなたを探してたんだよ」
「え?」
「新メンバーが挨拶に来るって聞いたから何人か集めてたんだ、私はファラ、よろしく!」
ファラの部屋に入ったディアとカノンノは他にもいたメンバーも含め、ディアは自己紹介を始めた。
「初めまして、僕はディアです」
「よろしく、俺はリッド・ハーシェル」
「ヴェイグ・リュングベルだ」
「僕はルカ・ミルダです」
「あたしはイリア・アニーミ、よろしく」
ディアは紹介を終えると、ファラに質問攻めをされ、10分後クタクタになりながら、次の部屋に向かった。
続いて入った部屋は、ディアは先ほどと同じにならないよう、いつでも出れるよう準備をしながら、挨拶をした。
「僕はディアです、よろしく」
「あ・・君が新しく入りたいっていう、オレはシング、シング・メテオライト」
「わたしはコハク・ハーツよろしくね」
「いって~コハク、そんなに強く蹴らなくてもいいだろ」
「動かないでください、ヒスイさん、それと初めまして、わたしはアニー・バースです、怪我をしたらいつでもいってください」
ディアはヒスイが何故怪我をしたのか聞くと、シングを殴ろうとしたらコハクに蹴り飛ばされたと言われ、驚きながらコハクを見た。
それでも何とか自然に接し、挨拶を終えると、そのまま部屋を出て、カノンノにこれで全員か聞く。
聞かれたカノンノは少し暗い顔をすると「あと一人」居ると言い、ディアはカノンノに案内を頼み次の部屋に向かった。
「この部屋かな?」
「う・・うん」
ディアはノックをすると少し時間が経ってから、黄緑色の髪をした少年が出てきた。
「・・・」
「えっと、僕はディア・ブライト、よろしく」
「・・・よろしくじゃねえよ、二度と俺に関わるな」
少年はドアを力一杯閉めると、ディアは固まってしまい、カノンノが気まずそうに説明した。
「彼はヴェント・デュランって言うんだけど、親友を事故で亡くしてからずっとあの調子なの、気を悪くしないでね」
ディアは黙って話を聞いていると、カノンノに腕を引っ張られ、アンジュの居るホールに向かった。
ホールに着くとアンジュはディアとカノンノの様子に気付き、尋ねると、ディアはヴェントについて話し、アンジュは溜め行きを吐く。
「ヴェント君、依頼はたまに受けるけど、一ヶ月前から誰とも話してないの」
「そう・・・何ですか?」
「・・・とりあえず、今は入隊試験を続けましょう、ヴェント君はまた今度考えよう」
アンジュが無理して笑っているのにディアは気付いたがディアは無言で頷く。
「さあ、ルバーブ連山に着いたから、もういっても大丈夫だよ」
「はい、カノンノ行こ」
ディアとカノンノは船を降り、ルバーブ連山に向かう。
ルバーブ連山に着いてもディアはヴェントのことばかりを考えてしまい、これではいけないと思い、自分の頬を両手で叩く。
(今は集中しよう!ヴェントは合格してから考えないと)
ディアはカノンノとガルーダを探し奥まで進むとやがて二人が初めて出会った場所に到着する。
「ここ、ディアと初めて出会った場所だね」
「そうだね、ガルーダ居るかな?」
ディアとカノンノはガルーダを探し、辺りを見回すが、ガルーダは見つからず、別の場所に移動しようと、考え始めた。
「う~ん、他のとこかな?」
「そうかもね・・・!!カノンノ、危ない!!」
ディアはカノンノを押し倒すと、カノンノの居たところに一体の鳥の魔物が突進してきた。
「危なかった~ガルーダは鳥の魔物なのか~」
「!!??///」
ディアは剣を鞘から抜きカノンノから離れると、顔を真っ赤にしたカノンノも腰に装備していた、両手剣を取り出す。
「くらえ!魔神剣!!」
ディアは剣をガルーダに向けて振り、衝撃波を放ち、ガルーダを襲おうとするが、ガルーダは大きく翼を広げ、羽ばたかせると、突風が衝撃波とぶつかり消滅する。
「嘘!魔神剣が!」
「虎牙破斬!」
カノンノは空中に飛ぶ、虎牙破斬を使い間合いをつめるが、ガルーダはカノンノよりも高く浮上し、攻撃をかわすと、そのまま自分の羽でカノンノを殴り、地面に叩きつける。
「くぅ!」
「カノンノ!っくそ、轟け、雷雲・・・ライトニング」
ディアは詠唱を始めると、緑色の魔方陣が現れ、詠唱を終えると同時に、雷がガルーダに落ちるが、ガルーダは空中を駆けるように動き、雷をかわす。
「ファーストエイド」
カノンノはその隙に、治癒術を放ち自分の傷を癒すと、ディアのもとに駆け寄る。
「カノンノ、傷は大丈夫?」
「うん、何とか」
「カノンノ、少しの間時間を稼いで、僕に考えがある」
ディアは言い終わると、また魔術の詠唱を始め緑色の魔方陣が現れる。
(またライトニングかな?とりあえず今はディアを信じよう)
カノンノはガルーダに接近すると、ガルーダはカノンノに狙いを定め爪をカノンノに向かって振り下ろす。
「っく、空蓮華!」
「(強力だけど、まだマスターできてないから、詠唱に時間がかかっちゃう、お願いそれまで頑張って)我が思い」
カノンノはガルーダの攻撃をギリギリでかわしながら、戦闘をするが、徐々ににカノンノのスタミナが無くなり始め、動きが鈍くなっていく。
「はぁ・・・はぁ・獅子戦吼!!」
「空に響き・・・雷の剣となれ・・・」
「きゃあ!いけない!」
ガルーダの攻撃がついにカノンノを捕らえ、カノンノの両手剣を弾き飛ばすと、そのまま爪をギラリと、輝かせカノンノに向かって攻撃する。
カノンノはバックステップでかわそうとするが、石につまずいてしまい、ガルーダの攻撃をまともに受ける。
「ああ!・・っぅ!」
カノンノの体から赤い血が流れだし、地面にうつむけになり動けなくなるカノンノを、ガルーダは止めを刺そうと、カノンノから離れ、突進する構えをする。
(駄目だ・・・もう動けない、ごめんね、ディア)
カノンノは意識を失いかけていると、ディアの言葉が彼女を現実に戻した。
「カノンノ!今助ける!!サンダーブレード!!」
ディアは腕をガルーダに向けると、空から雷を纏った剣が降りそそぎ、ガルーダを捕らえると、ガルーダを突き刺し、無数の落雷がガルーダを襲うと、ガルーダは悲鳴をあげながら消滅した。
「カノンノ!すぐ手当てをするから」
アップルグミをカノンノに食べさせた後、ディアは自分の服の袖を破り包帯変わりに怪我をしているカノンノの腕に巻き付ける。
「ごめんね・・・船に戻らないと、ちゃんとした治療ができないから、こんなことしかできなくて」
「ううん、ありがとう、私信じてたよ」
カノンノは柔らかく微笑み立ち上がろうとするが、足に痛みが走り、しゃがみこんでしまう。
「大変!?捻挫してる」
「だ・大丈夫だよこれくらい・・・う!」
痛みをこらえ立ち上がろうとするカノンノをディアは止め、カノンノに背を向きしゃがみこむ。
「僕がカノンノをおぶって、船まで連れていくよ」
「ええ!大丈夫だよ」
カノンノは何度も断るが最後はディアに押し切られ、ディアにおぶってもらうことになった。
帰り道カノンノはディアの背中の温もりを感じていた。
(ディアの背中、温かい、昨日からずっと気になったけどやっとわかったよ、私はディアのことが好きなんだ、これからもずっと一緒に居たい、少し経ったら、本当の気持ちを伝えよう)
続く
後書き
四話終わり~
次はヴェントについて少し出ます
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