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スーパーロボット大戦OGAnother

作者:TACHIBANA
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第一部「数奇なる騎士」
  第05話「器用不器用」

 
前書き
大変長らくお待たせして申し訳ありません。
第5話です。
個人的にハンスみたいな奴はだいっ嫌いだ!
原作に沿ってるうちが一番書きやすいかもしれないけど・・・かきずらい・・・ 

 
模擬戦から10日。
レイカーがジュネーブに飛んでから一週間、ハガネが宇宙へ発進してから三日が過ぎた。
アマテラス隊の面々は、日々の訓練をこなしながらDC残党、そして活発化したバグスなどのエアロゲイターの襲撃に備えていた。
「よし、こんなものでいいだろう。」
カイが声をかける。
「了解!ふぅ、よしまとめだ!」
タカヤがシミュレーターから出る。
「タカヤ、記録更新、16機/h!」
ミナミが告げた。
「っしゃあ!」
タカヤは右手を突き上げて喜んだ。
本来、シミュレーター訓練は10分~20分だが、カイとアダムが組んだ特別メニューで一人1時間となっている。
最初のうちはついていくので精一杯だったというのはこのせいなのだ。
「よし、ハスナカで最後か。皆よく頑張ったな。」
アダムが労いの言葉をかけ、カイもそれにうなずく。
「今回の模擬戦のデータは実用性が高いようだな。」
ライトがリプレイを見ながら言う。
「いやーホントにしっくり来るんだぜアルトのタイミング!詰めてからすぐに出せるのがいいよなぁ…いやーキョウスケ少尉様さまだな!」
タカヤの新データとは、アルトアイゼンのリボルビングステークのモーションだ。
タカヤが接近戦を得意としているせいか、適応が早く、すぐにでも実戦で使える仕上がりだった。
「すごいよねぇ…性質しか似てない武器なのに…」
ナナが感嘆をもらす。
「俺も驚きだな。適応力においてはアダムを凌いでいる。」
カイが言う。
「これは負けを認めざるを得んな。」
アダムも苦笑いしながら言った。
「いやいや、そんなことは…」
タカヤも笑った。
「本当、今はゲシュペンストに乗らなかったこと後悔しているくらいだ。」
ライトがディスプレイを見たまま言う。
「えっ…」
タカヤがライトのほうを向く。
「…冗談だ。」
ライトはいつもの如く真顔で言った。
「…くっ、はははははははははは!」
タカヤが笑い出すと同時に、ライト以外の全員が爆笑した。
「…?」
ライトは困惑した。





















***


























数日後
『ーーーーー!-----!』
「何事だ!?」
警報が鳴り響き、サカエ中佐が司令室に入る。
「六時と三時方向よりDC機多数!」
「何故もっと早く気づかなかった!?…警戒レベルが落ちているだと…?まさか…」
『そのまさかだ。』
何者かが通信が無理やりは入りこむ。
「!、貴様!どういうつもりだ!?」
サカエが怒鳴る。
そこにいたのは…
『口の利き方に気をつけろ、王女はいただいていくぞ。』
ハンス・ヴィーパーだった。
「なんだと!?」
通信が途切れる。
「くッ…!なんということだ!」
サカエが憤慨する。
『サカエ中佐!私が先行し、敵機の迎撃を!』
カイが量産型ゲシュペンストMk-Ⅱから呼びかける。
「カイ少佐か!頼んだぞ!」
『了解です!』
『サカエ中佐、我々はハンスの追跡を。』
出撃準備をしていたアダムもまた、ゲシュペンストReapsから声をかける。
「分かった、追跡は貴官らに任せる。ほかに出せる機体はカイ少佐の援護を!」
サカエが指示を飛ばした。






















***






























「どけ、邪魔だ。」
「雑魚はすっこんでろ!!」
ライトとタカヤが先陣を切り、それぞれリオンVとガーリオンを撃墜していく。
「前方にタウゼントフェスラーを視認!」
ナナが呼びかける。
「アマテラス1より各機!下手に手を出さずに周辺敵機のみを撃墜しろ!」
「「「「了解。(!)」」」」
「やれやれだ、とんだ邪魔が入ったぜ。」
トーマス・プラットのガーリオン・カスタムがアマテラス小隊に襲い掛かる。
「!?、あのガーリオン!」
タカヤがメガ・ビームライフルの銃口を向ける。
「おやおや、but!そうはさせねぇ。」
トーマスはバーストレールガンを速射し、メガ・ビームライフルをピンポイントで撃ち抜いた。
「ッ!野郎!」
「待てハスナカ、こいつの相手は私が勤める。」
アダムはそういうと、ブーメランザンバーを右手に持つ。
「ハスナカ、全員を連れてタウゼントフェスラーを追え。」
アダムが、いまだかつてない威圧で言った。
「アダム中尉…」
「早く。」
「りょ、了解。」
アダムの威圧に耐えかねたタカヤは、そのままタウゼントフェスラーの迎撃に向かい、他の機体も続いた。
「さて、と。」
アダムは敵であるトーマスに通信を入れた。
「ん?oh、あのゲシュペンストから?誰だ?」
トーマスは通信を開く。
「やはりお前か。元気そうで安心したよ。」
アダムが笑顔で言った。
「…ラック?hey!ラックか!?」
トーマスはアダムの声に驚愕した。
「その通り、ラッカー・アダムは俺だ。」
驚愕に対し、アダムは平然と返す。
「hey baby!姿を消したと思ったら連邦にいたのか。」
トーマスもすこしうれしげに言う。
「ああ、思想はともかく、あの時のEOTI機関やDCには賛同しかねるからな。それに、俺はもともと連邦からの派遣組だからな。」
「HAHA、そうかい。なら!」
トーマスは言い切る前にバーストレールガンを発射した。
「やはりな。」
しかし、アダムは難なくかわし、お返しにスプリットミサイルを発射した。
トーマス「shit!」
ミサイルをかわしながら、トーマスは舌打ちした。
「不意打ちはお前の得意分野だからな、警戒はしていた。」
アダムが表情そのままに言った。
(ちっ、昔からくせはねぇがますます分からなくなってやがらぁ。)
トーマスが顔を歪める。
「それにな、この機体ならこういう戦い方もできる。」
アダムは、ブーメラン・ザンバーをReaps腕から取り外すと、間髪いれずにガーリオン・カスタムへ投擲した。
「HAHA!そんなもんかい!?」
しかし、真正面からバカ正直に突っ込んでくる投擲武器にむざむざ当たりはしない。
「ラック!連邦に浸り過ぎて腕が鈍ったんじゃねぇのかィ!?」
トーマスが挑発する。
「…どこ見てる…?」
アダムがにっと笑った。
「!?」
トーマスは正面のモニターを見やる。
しかし、そこにゲシュペンストの影はない。
「…マヌケっ!!」
背後だ。
「oh my god!」
Reapsはブースターを噴かして急浮上すると、左手で殴りかかる。
「くっ!!」
間一髪で反転し、回避するトーマス。
しかし、既にアダムの手のひらのうえ、その背中には、
「俺の勝ちだ。」
ブーメラン・ザンバー。回転するエネルギーの刃は、ガーリオンの腕を切り裂く。
「Nooooooo!!」
トーマスが叫びをあげた。
「叫ぶのは早いんじゃないか?」
アダムが不敵な笑みを浮かべて言う。
笑みお通り、かえってきたブーメラン・ザンバーを右手で掴み。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
頭部から左肩のつけ根までを一閃した。
トーマス「ぐぅぅぅ!ぐっ!」
コックピット内で火花が散り、トーマスがうろたえる。
「トーマス、退け。」
アダムが威圧を込めて言う。
「HAHA…、相手が悪かったか…。」
トーマスはそう言い残すと、破損ブロックをパージして立ち去った。



























***























アダムと別れてハンスを追うアマテラス小隊。
既に空中の敵をライトが、海上、海中の敵を他の三人が全滅させタウゼントフェスラーを残すのみとなっていた。
「年貢の納め時だぜハンス!大人しく王女様を返しな!」
タカヤが威勢よく啖呵を切る。
「タカヤ・ハスナカ、口の利き方に気をつけろ。それと、上官を呼び捨てにするとは何事だ?あ?」
ハンスはいつものように言い放つ。
「生憎だが、この場に貴様をまだ上官だと思っているようなバカはいない。貴様はただの裏切り者だ。」
ライトが冷淡な口調で言う。
「そういうことね、大人しく王女を返しなさい!」
ミナミも続く。
「正面は押さえました。これなら…」
「バカなやつ等だ…大人しく逃がせばいいものを…!」
「えっ…」
カチャ、とハンスが銃口を向けた。
シャインの、頭に。
「ひっ、やぁ…」
「動くな小娘、それに貴様らもだ。動けば王女の命はない。」
ハンスが言い放つ。
「くっ!てめぇ…」
「なんて卑怯な…」
タカヤとナナが動揺する。
「よし、ナナセ・クルトバード、そのまま動くな。貴様らの機体のレーダーがコイツをロストするまで動くことは許さん。いいな?」
「くそったれがぁ…!」
「王女はすぐそこなのに…!」
「こんなこと…」
アマテラス小隊の誰もが狼狽する。
しかし、
「くだらんハッタリだな。もっと頭を使え。」
機械のような無感情の声。
ライトが言い放った。
「ならば貴様は、なぜもっと早く王女を殺さなかった?」
「!」
ハンスは、はっとした
「貴様がただDC残党に帰還したいだけなら、俺達が攻撃を始めた時点で今の警告をするか、王女とそこにいる執事を殺してもいいはずだ。それを貴様は今の今まで王女を殺さず生かしておいた、それは貴様らにとって王女は利用価値の高い人物ということになる。」
「ライトフォード・シラヌイ…貴様…!」
全てを、たった一人の少年兵に読まれたハンスは、酷く動揺した。
「今の貴様の態度でハッキリしたな。そうなってくると、益々渡すわけにはいかんな。」
ライトはなおも続ける。
「…ならばどうするというのだ?貴様に何ができるというのだ?コックピットを潰せば、王女の命はないぞ?あぁ?」
ハンスは顔を引きつらせたまま、それでも平静を保とうと口を開く。
「こうするのさ。」
「なっ!?」
「「「!!」」」
「ひぃっ!」
その場の誰もが驚愕した。
ライトは、ハンスの話など聞いていないかのように、Gバスターレールガンをタウゼントフェスラーに向けた。
「ライト!何してるの!?」
ナナが叫んだ。
「てめぇ!やめろ!王女を殺す気か!?」
タカヤも声を荒げた。
「誰がコックピットや動力部を撃つと言った。両翼を撃ち抜けば海に着水して動けなくなる。その後は内部に潜入して王女を救出すればいい、違うか?」
ライトは平然と言った。
「あんたにそれができるの!?シミュレーションじゃないのよ!?」
ミナミも怒声を飛ばした。
「俺はできることしか言わん。両翼の範囲に射角を広げるのも容易い。」
ライトは言った。
「お待ちくだされ!」
執事、ジョイス・ルダールが声を上げた。
「あなたの仰る行動が最善であることは承知しております!ですが、万に一つ姫様に何かあれば、もしお体に傷がつくようなことがあれば私は!ですからどうか、どうか!」
ジョイスは必死で懇願した。
「……」
ライトは無言のままチャージを始めた。
「てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
タカヤが叫びながらマシンガンを構える。
「すまないタカヤ、ジョイス執事。戦争は非情だ。」
ライトはチャージをやめない。
その時、
「聞こえるかシラヌイ?」
アダムから通信が入った。
「………了解。」
指示を聞いたライトは、完全に発射体勢に入った。
「やめろ!やめやがれライト!」
タカヤはなおも叫ぶ。
「…シュート。」
冷徹に、その一言が言い放たれた。





















***























無情にも、Gバスターレールガンは発射された。



しかし、その射角は故意にずらされ、タウゼントフェスラーではなく、海面に出た二つのミサイルを打ち抜き、そのまま海中へと伸びた。
しばらくすると、爆発の如き水しぶきが起こり、濃青の残骸が舞った。
「キラーホエール…?」
ナナが呟く。
「そうだ、アダム中尉に言われて気が付いた。敵も俺と同じことを考えていたらしい。」
ライトが言う。
「気を抜いたなバカ共が…やれ」
ハンスが言うと、タウゼントフェスラーは全速力で離脱した。
「逃げ足だけは速いか…」
ライトは、いつもの口調を崩さず、それでも少し悔しそうに言った。



































***































「ライト!てめぇはぁ!!」
帰還後、タカヤはライトに殴りかかった。
「…」
ライトは、無言のままそれを片手で受け止める。
「!、てめぇ!自分がなにやろうとしたか、分かってねぇだろ!」
タカヤは怒声を浴びせる。
「お前は何も分かってないのか、この戦いを。」
「何!?」
「DC残党は最早聞く耳をもたんうえに、エアロゲイターにはこちらの常識は通用しない。もう感情論だけで戦うのはやめろ。」
ライトが冷たく言い放つ。
「そこまでだ、二人とも。」
アダムが仲裁に入る。
「止めないでくださいアダム中尉!こいつは!」
タカヤは、完全に頭に血がのぼっていた。
「営倉に入りたいか?シラヌイは私の命令を果たした。それに、失敗したがチャンスは作った。」
アダムが言う。
「…くッ!」
タカヤがライトの手を振り払った。
「…」
ライトは何も言わずに立ち去った。
「ハスナカ、お前の気持ちも分かる。だがシラヌイの言っていることも正しい。」
アダムは諭した。
「…」
「これからは私達が戦争に合わせねばならん。それに、私もさっきみたいなことは言いたくない。分かってくれ。」
アダムはそういうと立ち去った。
「…分かってるぜ、分かってるけど…」
タカヤはぽつり、ぽつりと独り言を言った。
「俺は、そんなに器用じゃねぇよ…」







***
 
 

 
後書き
第5話、ご覧いただきありがとうございました。
アダムつええー←
ライトとタカヤの確執は、はてさてどうなるか…

ゲシュペンストReaps
種別・PT
全長・21.2m
重量・69.5t
動力・核融合ジェネレーター
固定兵装・スプリットミサイル
  ・ブーメラン・ザンバー
大破した量産型ゲシュペンストMk-Ⅱに、ビルトシュバイン、ビルトラプターの余暇パーツを取り付け、改造したもの。
腕部のブーメラン・ザンバーは、サークル・ザンバーをスラッシュリッパー二基で投擲武器として改造したもの(引き続き近接武器としての使用も可能。)。
また、ブースターが追加装備され、機動性の高い機体となっている。


外見ポイント
頭部・そのまま
胴体・そのまま
両腕・ビルトシュバインのもの
両脚・ビルトラプターのもの
背中・大型バックパック(リーゼのもの近い)
カラーリング・ビルトシュバインカラーに塗装)

次回をお楽しみに! 
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