ヘタリア大帝国
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TURN57 頭を撃つその六
「むしろかなり好きだ」
「そうらしいね。けれど俺もな」
「キャヌホーク中将といえばガメリカ軍きってのだったな」
「そうさ。女の子からのプレゼントだけで食っていけるさ」
そこまでもてているというのだ。
「提督としての収入以上に凄いんだよ」
「それで俺にか」
「ああ、そっちじゃ負けないからな」
「ははは、ならこれから息の長い戦いになるな」
「俺はこれ以上の地位には興味はないけれどそれでもな」
ガメリカ軍でも彼は提督以上の地位には興味がなかった。自分でそこまでの器だと考えているからである。
「女の子のことについては別だからな」
「俺にも勝つか」
「ああ、そうさせてもらうさ」
「では今は宣戦布告だな」
「イエス」
キャヌホークは不敵な笑みで東郷に告げた。
「俺のそっちの腕も存分に見せてやるさ」
「楽しみにさせてもらうか。それでだが」
「ああ、提督の方の仕事だな」
「次はUSJだが」
「あそこはそう簡単には陥ちないだろうな」
キャヌホークはあっさりと現実を述べた。
「艦隊の数が半端じゃない。それに」
「司令官もか」
「ドゥービル=ドワイト、ガメリカ軍の二枚看板の一人だ」
ダグラスと並んでという意味である。
「あの旦那が来てるからな」
「そのことですが」
今度は日本がキャヌホークに言った。
「イーグル=ダグラス司令はUSJには来られていないのですか」
「今はテキサス、シカゴの防衛強化の指揮を執ってるんだよ」
「だからですか」
「ああ、若しもに備えてな」
ダグラスはそうしているというのだ。
「ただ。USJには今のガメリカ軍の主力を殆ど全部集めているからな」
「若しそこで敗れれば」
「講和しかないだろうな」
キャヌホークは少し遠い目になって日本に話した。
「だからUSJの戦いで決まると思ってくれていいな」
「そうですか」
「こっちもドワイト司令に国防長官、祖国さんと妹さんが来てる」
ダグラス以外の全ての司令がだというのだ。
「来てないのは我等が太平洋司令だけだな」
「選挙のことを考えてだな」
ここで東郷が己が見ているものを話した。
「ダグラスさんは今度の大統領選挙に出るな」
「ああ、そうらしいな」
「ここで手柄を立ててもらうと大統領としてはまずいか」
「あの大統領よりもむしろ四長官だろうな」
それぞれの財閥を代表している彼女達だというのだ。
「あの人達の方が困るだろうな」
「ダグラス司令は財閥とは関係ないからだな」
「そういうことさ。財閥も財閥で色々と思うところがあるからな」
ルースを支えているのは彼が太平洋経済圏の確立と自国の権益、即ち財閥の権益の保護に熱心だからだ。彼は労働者や農民、人種的マイノリティーの保護で有名だが実はこれも財閥の従業員の保護になっているのだ。
「今の大統領であって欲しいんだよ」
「持ちつ持たれつだな」
「正直あの大統領の政策はそこそこいいんだよな」
キャヌホークもそれなりにルースを評価はしている。
「だから財閥も支援しているんだけれどな」
「それでもか」
「あの大統領は演説が不得手であの容姿だからな」
それでだというのだ。
「カリスマ性ってのはないんだよ」
「ここであのダグラス司令が出るとか」
「まあサシでやったら負けるな」
キャヌホークはそう見ていた。
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