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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第六話 禁断の惑星へ

              第六話 禁断の惑星へ
 何とか保護、合流できた船団との話でだ。ロンド=ベルの面々は多くのことを知った。
「そうだったのか」
「何かこの船団も大変だったのね」
「そして他の船団も」
「攻撃を受けている」
このことがわかったのだ。
「バロータ軍に」
「それは間違いない」
「そして」
もう一つのこともわかったのだ。
「彼等は敵が使用していた機体を改造して使っている」
「それも」
「しかし」
ここで言ったのはイサムだった。
「今までよく無事だったな」
「それにも理由があるみたいです」
輝がここで彼に答えた。
「実はです」
「理由?」
「ええ、ミンメイの歌です」
それによってというのだ。
「それでだったんです」
「そうだったのか」
「敵の攻撃が激しさを増す中で」
輝はこう話していく。
「ミンメイは人々を勇気づける為に歌い続け」
「それによって」
「そう。彼女の歌は生きる気力を吸い取られた人々を徐々にだけれど回復させ」
「えっ、それはまた」
「凄いな」
「そうね」
皆それを聞いて驚きを隠せなかった。
「流石はリン=ミンメイ」
「確かに」
「時にはバリアの様に艦を守ったりもした」
「歌エネルギーね」
ミリアはそれを聞いて述べた。
「つまりは」
「そうですね、デカルチャー」
「まさに」
「そして」
「これからは」
ここで話が変わった。
「シティ7の発見だな」
「それね」
「一体何処に」
「それに彼」
言うまでもなく熱気バサラのことだった。
「一緒に行ったけれど」
「何ていうか」
「まさかあんなことするなんて」
「あいつらしいけれどね」
これはミレーヌの言葉である。
「ああいったことも」
「ですがミレーヌさん」
ここでガムリンが彼女に言ってきた。
「熱気バサラは間違いなく」
「ええ、わかってます」
ミレーヌもそれは頷くのだった。
「あいつは生きています」
「はい、そう簡単に死ぬ奴じゃありません」
「ですが」
「あいつは誰よりも早くシティに向かいました」
「あれはそうはできません」
ガムリンも彼を認めることは認めていた。
「破天荒な奴ですがそれでも」
「凄いですよね」
「その通りです」
はっきりと答えた。
「あそこまでの奴は滅多にいません」
「ファイアーボンバーも認めてくれるんですね」
「私はミレーヌさんの歌の方が好きですけれど」
「えへへ、私なんかまだまだですけれど」
このことは笑って否定する。
「けれど嬉しいです。ですから」
「ですから?」
「御礼って訳じゃないですけれど」
言いながらあるものを出してきた。
「これを」
「これは・・・・・・お守りですか」
「はい、それです」
そのお守りだというのだ。
「小さい頃買ってもらったものなんです」
「ミレーヌさんの小さい頃にですか」
「はい、その通りです」
また話すのだった。
「嫌なことがあったらこれをこすりなさいって」
「どうかなるんですか?」
「魔法がかかって」
そうなると笑って話すのだった。
「未来がぱーーっと開けるって」
「えっ!?」
「そう言われたんです。それでですね」
「それで」
「一生懸命こすったんですよ」
幼い頃を思い出しての言葉だった。
「けれどそんなの単なる気休めだって後から馬鹿にされたんですよ」
「そうだったんですか」
「酷いと思いませんか?」
あらためてガムリンに問うた。
「これって」
「あっ、いえ」
そう言われるとだった。急に口ごもるガムリンだった。
「それは」
「けれど何か気に入っちゃって」
ミレーヌは笑いながら話し続ける。
「ずっと持ってたの」
「成程」
「けれど」
けれどというのだ。
「若しよかったらガムリンさんにあげます」
「どうして自分に」
「だってガムリンさんってとても真面目だから」
「いえ、それは」
これは謙遜だった。
「私は別に」
「だからこういういい加減なものを持っていてもいいじゃないかしらって」
「有り難うございます」
「それじゃあ今から」
「ええ」
「バサラを探しに行きましょう」
そしてシティ7をだった。探索をはじめるのだった。
「シビルよ」
ギギルはある場所で言っていた。
「御前は眠ったままか。これだけスピリチアを与えても・・・・・・んっ!?」
ここでだった。彼は後ろから足音を感じ取った。そこにいたのは。
「誰だ・・・・・・」
「シビルか」
バサラは早速ギターを鳴らしだした。
「それならな!」
「何をするつもりだ、手前!」
「今日こそ御前に俺の歌を届けてみせるぜ!」
言いながらの演奏だった。
「俺の歌を聴けーーーーーーーーーっ!!」
「これがか」
ギギルはそれを聴いて言うのだった。
「シビルの言っていたアニマスピリチアか。若しかしたらこいつなら」
そしてここでだ。ロンド=ベルはすぐにシティ7を発見した。しかしそこには。
「司令!」
「ゲペルニッチ様が」
「まさか!」
部下に応えて戦局を見た彼は驚きの声をあげた。
「ゲペルニッチの艦か」
「はい、間違いありません」
「あれは」
「ここにシビルがいるのを知っていて仕掛ける気か!」
「よし、見つけた!」
「ええ!」
ロンド=ベルはシティ7を見つけ出したことを素直に喜んでいた。
「後はだ!」
「早く助け出して」
「よし、全軍シティ7へ!」
ブライトが指示を出す。
「すぐにシティ7と合流し救出する!」
「了解です!」
「それなら!」
こうしてだった。全軍で向かう。
両軍が激突した。そうして。
そおまま激しい戦闘に入る。そうしてその中でだ。
「よし!」
「バサラ!」
「俺もだ!」
「やっぱり生きていたのね」
「俺がそう簡単に死ぬかよ!」
こうミレーヌにも返す。
「さあ、それならな!」
「どうするのよ、生きていたのはいいけれど」
「今日こそだ!」
その手には既にギターがある。
「俺の歌を奴等に届けてやる!」
「ちょっと、あんた」
ミレーヌは呆れてしまった。
「生きていたと思ったらすぐにそれ!?」
「何だ?おかしいのかよ」
「いや、そうじゃなくてね」
「俺はいつも通りやるだけだ」
「あんたね、こっちはあんたも探してね」
「ミレーヌ、後にしろ」
レイがミレーヌに言ってきた。
「今はシティ7を守る方が先だ」
「そうね。この男は言っても聞かないし」
それがまさにバサラだった。
「それじゃあ」
「よし、それなら!」
「シティ7を!」
しかしであった。ここで異変が起こった。
「!?シティ7が!?」
「動いた!?」
「何故」
「待て!」
その中にいるギギルも言うのだった。
「俺に断りもなく艦を動かすとはどういうつもりだ!?」
「全ては」
「ゲペルニッチ閣下の御命令」
「ふざけるな!」
それを聞いて思わず怒鳴るギギルだった。
「あのナルシストのバケモンのことは放っておけ!」
「!?しかも!」
「敵がまた!」
そのシティ7の方にまた敵が出て来たのだ。
「出て来た!?」
「ということは」
「増援が現れたということはだ」
ここで言ったのはオズマだった。
「シティ7の動力部を乗っ取ったのはバロータ軍か」
「うおおおおおっ!」
「えっ、ちょっと!」
ミレーヌがまた叫んだ、何とバサラがここでもシティ7に突貫したのだ。
「バサラ、またあんた!」
「熱気バサラ!」
そしてガムリンもだった。
「御前一人では無理だ!」
「ガムリンかよ」
「あれだけの数を相手にするのは無理だ」
こう言うのだった。
「ここは俺に任せて下がっていろ」
「冗談じゃねえぜ!」
しかしバサラはここでも言うのだった。
「俺は歌う為にここに来たんだ!」
「そうだというのか」
「ああ、そうだ!」
そう思い切り断言するのだった。
「俺はその為に戦場にいるんだ!」
「そうか、わかった」
ここまで言われてはであった。ガムリンも頷くしかなかった。
「御前はやりたいようにやれ!」
「それでいいんだな」
「それが御前のやり方ならだ」
彼に対して微笑みさえ向けていた。
「俺は軍人としてシティ7を守る!」
「へっ、わかってきたじゃねえか!」
バサラもそれを聞いて言った。
「行くぜえええええええっ!」
その間にだ。バンパイア達は勝手に動いていた・
「フォールドエネルギー充填完了」
「充填完了」
「止めろ!」
ギギルは何とかそれを止めようとする。
「ここで動かすな!」
「全てはゲペルニッチ様の御意志」
「だからこそ」
「ここの指揮官は俺だ!」
あくまでそう叫ぶのだった。
「俺の指揮に従え!」
「ですがです」
「私達の最高指揮官はゲペルニッチ閣下です」
「だからこそ」
「くっ!」
ギギルも思わず歯噛みした。
「貴様等、何処までも」
「まずい!」
ここでガムリンが叫んだ。
「シティ7がフォールドする!」
「ガムリン、行くぜ!」
しかしバサラはここでもだった。
「このままな!」
「ああ!」
そしてガムリンも乗っていた。
「こうなったら銀河の果てまで食らいついてやる!」
「そのノリだぜ!」
「そうだな!」
「バサラ!ガムリンさん!」
ミレーヌが二人に叫ぶ。
「また何処に」
「またか」
「・・・・・・・・・」
レイとビヒーダも眉を顰めさせていた。
「どうするかだな」
「ガムリンまでか」
金竜も困った顔になっていた。
「どうしたものかな」
「大丈夫だ」
しかしここでサコンが言ってきた。
「今度は確実にフォールドアウト先を掴んでいる」
「それじゃあすぐに」
「そっちに」
「向かうとしよう」
こうしてだった。話が決まったのだった。
「全機帰還せよ」
大文字が指示を出した。
「我々はこれよりシティ7を追う!」
「はい」
「それでは」
そしてバサラとガムリンが辿り着いたその場所は何処かというとだった。惑星が見える。
「何処だ、ここは」
「待ってくれ」
すぐにそのチェックを行うガムリンだった。
「全天座標照会する」
「ああ」
「S1350N3605空域だ」
「何処だ、そこは」
「あの惑星はラクスだ」
「ラクス?」
「数年前に他船団が入植を開始したとの報告がある」
こうバサラに話すのだった。
「ラクスに援軍を要請するか」
「いや、おかしいぜ」
「どうした?」
「誰もいねえんじゃねえのか?」
こう言うのである。
「これってよ」
「どうだというのだ?一体」
ここでだった。ロンド=ベルが二人とシティ7のところに到着したのだった。
「ロンド=ベルが来た!?」
「今度は早いな」
バサラはその彼等を見て話した。
「バサラ!ガムリンさん!」
「ミレーヌか」
「来られたんですか」
「無事だったみたいね」
彼女はまずこのことを喜んだのだった。
「よかった・・・・・・」
「ああ、まあな」
しかしバサラはそれをどうでもいいといった感じだった。
「それはな」
「全く無茶をして」
「無茶!?」
「そう、無茶よ」
こうミレーヌに話すのだった。
「どうしてそんなことをしたのよ」
「誰がそんなことしたよ」
しかしバサラはこう言うだけだった。
「そんなことよ」
「我々はいつも通りのことをしただけです」
しかしガムリンも言う。
「それだけです」
「えっ、二人の仲がいい」
ミレーヌはこのことに気付いた。そのうえで驚いたのだった。
「どういうこと?これって」
「この短い間に何があったんだ?」
レイも言うのだった。
「一体」
「別に」
「特に何も」
しかし二人はこう返すだけだった。
「俺はいつも通りだけれどな」
「私もです」
「どういうことなの?これって」
ミレーヌは思わず首を傾げさせた。
「何でこの二人が」
「ミレーヌ」
輝が微笑んで彼に言ってきた。
「パイロット同士はこういう風に分かり合える時もあるんだよ」
「けれど犬猿の仲のあの二人が」
「どうしたミレーヌ」
レイが微笑みながらバサラに言ってきた。
「ヤキモチか?」
「そんなんじゃないわよ!」
それは否定する彼女だった。
「けれど何か」
「それでシティ7は」
「そうだよ、そっちは」
「大丈夫なんですか?」
「はい、無事です」
エキセドルが答えた。
「今データを送ってもらいましたが犠牲者も損害もありません」
「そう、よかった」
「それなら」
このことを聞いてまずは胸を撫で下ろす一同だった。
「しかしそれでも」
「そうよね」
「ここは」
「策がありますね」
マックスが言った。
「敵がシティ7をここに運んだのは」
「ああ、間違いないな」
フォッカーも同じことを想定していた。
「それならだ」
「すぐにこの場所を離脱しましょう」
レトラーデも言う。
「さもないと何かが」
「!?艦長!」
ここでサリーが言う。
「重力場に異常発生です!」
「遂に来ましたか」
「何者かがフォールドアウトしてきます!」
「わかりました」
そして出て来たのはだった。
巨大な戦艦だ。ロンド=ベルの面々はその巨艦を見て言う。
「あの巨大な戦艦は」
「それに他の艦艇の数も」
実に多いのだった。
「こう来るとはまさか」
「ここで決着を」
「よし!それならそれでいいぜ!」
ここでも叫ぶバサラだった。
「相手がでかければでかい位燃えるぜ!」
「艦長!」
今度は美穂がエキセドルに言う。
「敵艦より通信です」
「通信?」
「どうされますか?」
「出ましょう」
すぐに決断を下した彼だった。
「それでは」
「わかりました、それでは」
「それで」
こうして通信に出るとであった。
「我が名はゲペルニッチ」
「ゲペルニッチ」
「それがか」
「プロトデビルンの」
「五十万年周期」
そのゲペルニッチが言うのだった。
「悠久の彼方より遂に我が夢の完成の時をここに見出した」
「ここに」
「それが?」
「サンプル達よ」
いぶかしむロンド=ベルの面々に対してさらに語るのだった。
「夢の雫となるがよい」
「何だよこいつ」
ゲペルニッチを見たバサラの言葉だ。
「言っている意味がわからねえぞ」
「おい、待ってくれ」
ギギルがゲペルニッチに言う。
「あんたは一体」
「我が夢の前には全てはうたかたの如きもの」
ギギルにもこう言うだけだった。
「御前も幻を見るがいい」
「貴様、何を言ってるんだ?」
「おかしいな」
「そうね」
今度は霧生とミスティが話す。
「惑星ラクスの移民団から応答がない」
「これはまさか」
「奴等に倒された!?」
こう考えたのはダッカーだった。
「まさか」
「いえ、有り得ますよ」
フィジカはその可能性を否定できなかった。
「それも」
「ちっ、あいつ等そんなことまで」
「ある意味ラッキーか?これは」
「ラッキーなんですか?」
ルカがミシェルの言葉に問うた。
「今が」
「敵の総司令官がいきなりお出ましだからな」
「それを倒せばいいっていうんですね」
「俺はそう思うけれどな」
「ポジティブなのはいいさ」
真吾もそれはいいとした。
「しかしな。いきなりここでっていうのは」
「しかもだ」
「あちらさんの言ってることがねえ」
キリーとレミーも言う。
「これが全くわからない」
「これはどうなのよ」
「しかも凄い数だな」
「そうですね」
アルトがオズマの言葉に応える。
「この数はかなり」
「敵の旗艦もあることだしな」
「各機散開せよ」
ジェフリーが指示を出した。
「防衛ラインを形成する」
「了解」
「何はともあれですね」
「シティ7を囲む」
今回は狙われないようにする為だった。
「いいな、それで」
「はい」
「それで」
そしてであった。ここでガビルとグラビルも出て来たのであった。
「ゲペルニッチ様」
「・・・・・・・・・」
「御前達か」
「はい、我等も是非」
こう言って名乗り出て来たのである。
「戦わせて下さい」
「いいだろう」
ゲペルニッチもそれを許したのだった。
「それではだ」
「はい、それでは」
ガビルはここでグラビルに声をかけるのだった。
「行くぞグラビル」
「・・・・・・・・・」
グラビルは喋らない。しかしであった。
ガビルはそれがわかっているらしくだ。そのうえで満足した顔で微笑んでから言うのだった。
「御前の徹底した破壊の美をゲペルニッチ様にお見せするのだ」
そして言う言葉は。
「これぞ徹底美!」
「サンプル達よ」
また言うゲペルニッチだった。
「そのスピリチアの高まり、見せてもらうぞ」
「全軍シティ7を守る!」
「了解です!」
こうしてだった。全軍で守りにつくのだった。そのうえでやって来たバロータ軍との戦闘に入った。
暫くそのまま戦っていた。ロンド=ベルはバロータ軍を寄せ付けない。しかしであった。
ここでだ。バルマー帝国軍も出て来たのだった。
「帝国軍か」
「ちっ、こんな時に」
「厄介なのが」
ロンド=ベルは彼等の姿を見て舌打ちした。しかしであった。
帝国軍はロンド=ベルには向かわない。バロータ軍を狙うだけだった。
皆それを見てだ。あることに気付いたのだ。
「敵はバロータ軍だけを狙っている」
「ええ、確かに」
「間違いないな」
このことを察したのである。
「これは一体」
「どういうことだ?」
「詳しいことはわかりません」
それはシーラもだった。
「ですが」
「そうだな」
ここでショウが言った。
「奴等にとってはバロータも敵になるのも当然だ」
「そのオーラ力を吸い取る存在ですかな」
「ああ、そうだな」
トッドも気付いて言う。6
「そんな奴等だからな」
「バルマーが敵視するのもだ」
また当然だというショウだった。
「それならだ」
「はい、我々はです」
エレも言う。
「このまま敵の旗艦を」
「全軍帝国軍は相手にするな!」
大文字も指示を出す。
「あくまでバロータだけを狙う!」
「しかしあいつ等」
ここで言うのはカイだった。
「どういうつもりだ」
「何か魂胆があるのは間違いない」
レーツェルもそれは察していた。
「しかしだ。今はだ」
「そうだな。この状況を利用しよう」
「とりあえず側面への警戒は怠るな」
リーは油断はしていなかった。
「何時来るかわからん」
「その通りだな。奴等も敵であることには変わりない」
テツヤもそれに続く。
「それならだ」
「今はこのまま進む」
ダイテツも言葉は限定だった。
「しかしだ」
「はい」
「バルマーへの警戒は怠らない」
テツヤだけでなくエイタも応える。
「それでいきましょう」
「いまは」
「ふふふふ」
そしれバルマーの指揮官と思われるマシンの中にいる女が笑っていた。
「エビルを倒す為の鍵をここで失うわけにはいかないからねえ」
「!?あれは」
「間違いありません」
そのマシンを確認したマーグとロゼが言う。
「あれこそまさしく」
「十二支族の」
「今日はほんの挨拶代わり。それにしても」
女の方でも彼等を見て言うのだった。
「あの二人も宜しくやってるみたいだね」
「トーラー家の祭司長のマシン」
「ジュモーラ」
「それが何故ここに」
「どういうことでしょうか」
二人はそれを見ていぶかしんでいた。
「何を考えているのだ」
「レツィーラ=トーラー」
「まあ精々頑張るんだね」
その女は最後にこう言った。
「じゃあ私はこれでね」
「消えた」
「撤退しましたね」
ロゼはマーグに対して告げた。
「今は」
「そうだな。今は」
「あの女、一体」
ヴィレッタも彼女の姿を確認して呟いていた。
「何を考えている」
「こいつが!」
その間にであった。輝のバルキリーはゲペルニッチの旗艦に近付いていた。
そのうえでだ。反応弾を放った。しかし。
「くっ、駄目だ!」
「輝!」
その彼にフォッカーが言ってきた。
「反応弾でも一発じゃ駄目だ!」
「隊長」
「次は俺だ!」
こう言って彼も反応弾を撃ち込むのだった。
「こうしてだ!全員で何度も波状攻撃を仕掛けろ!」
「はい!」
「このデカブツはそうでもないと沈まん」
それをもう読んでいるのだ。
「だからだ」
「わかりました、それでは」
「しかもです」
マックスはガビルを相手にしていた。
「柿崎さんの仇が」
「心配無用!」
そのガビルが言ってきた。
「人は我々が有効に使っている!」
「有効だというのか!」
「そうだ、活用美!」
こう叫んで戦うのだった。ここでまたバサラが前に出た。
「うるせえんだよ!」
「熱気バサラか」
「そうだ、この美野郎!」
ガビルへの言葉である。
「そんなに美しいもんが好きならな!」
「どうするつもりだ?」
「天国に行かせてやるぜ!」
そしてギターを取ってであった。
「俺のこの歌でな!」
「美の何たるかを理解せぬサンプルよ!」
ガビルはそのバサラに対して言う。
「貴様はここで終焉美を迎える!」
「そこのでかいのもだ!」
バサラはグラビルも見ていた。
「まとめて聴きやがれ!」
「グラビル!」
「そうすりゃ俺のハートがわかるからよ!」
こう叫んでギターを鳴らして歌うとだった。グラビルが急に呻きだした。
「グワアアアアアッ!」
「おのれ、グラビルを!」
「どうだ!」
歌ってから誇らしげに言うのだった。
「俺のこの歌はな!最高だろうが!」
「ゴガアアアアッ!」
「グラビル!」
ガビルの言葉も空しくグラビルは戦場を離脱する。ガビルはそれを見届けて忌々しげに言うのだった。
「よくも我が半身を!」
「何っ!?」
「半身!?」
「まさかあいつ等」
「許さんぞ!」
ガビルはいよいよ激昂してきていた。
「貴様等にだ!滅殺美を!」
「おい、ちょっと待て!」
「今気付いたんだけれどさ!」
「御前のそれは」
ここでオルガ、クロト、シャニがガビルに言うのだった。
「クロトと同じじゃねえかよ!」
「ただ美をつけただけだよね!」
「芸がない」
「我が美は究極美」
しかしガビルはそう言われても動じない。
「それのみ!従って御前達のことなぞ関係ない!」
「ちっ、居直りやがったよこいつ!」
「それならこっちも容赦しないよ!」
「最初からそのつもりはない」
三人は前に出て暴れにかかった。戦いはロンド=ベルに有利に進んでいた。
そしてだ。ゲペルニッチの旗艦にも攻撃を浴びせていく。しかしだった。
「おいおい!」
「まだなの!?」
「これだけ攻撃してるのにかよ!」
何とまだ浮かんで戦っていたのである。
「これだけ攻撃を浴びせても」
「まだ生きているなんて」
「一体」
「これはだ」
ここで言ったのは隼人であった。
「突破口を開くしかないな」
「そうだな」
「それじゃあ」
竜馬と弁慶もそれに続く。
「真ゲッターならいける」
「突破口開くぜ」
「どけどけえっ!」
しかしであった。ここでまたバサラが出るのだった。
「こいつもだ!」
「何っ、バサラ!?」
「ここでも!?」
「出て来るっていうの!?」
「ここは俺の戦いだ!」
だからだというのである。
「だからだ。俺のギターで戦いを止めてやる!」
「何処まで破天荒なのかしら」
未沙もマクロスのブリッジで呆れていた。
「戦いを止めるって」
「俺は奴に歌を聴かせる!」
彼は言うのだった。
「皆がこいつを沈める前にな!」
「よし、わかった!」
それに応えたのはガムリンだった。
「やってみろ!俺が援護する!」
「おうよ!恩に着るぜ!」
「ゲペ何とかとかいったな!」
まだ彼の名前は覚えていなかった。
「俺の歌を聴けーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「いかん!」
ここで敵の攻撃が来た。しかしそれは金竜が楯になって防いだ。
「大尉!」
「大丈夫だ!」
しかし返答は返って来た。
「かすり傷だ。俺は何ともない」
「そうですか」
それを聞いてまずはほっとしたガムリンだった。
「ならいいのですが」
「行け、熱気バサラ!」
彼もバサラに託すのだった。
「御前のハートを見せてやれ!」
「ああ、見やがれ!」
ゲペルニッチの旗艦に接近してであった。
「!!」
「あれは」
ミンメイもそれを見て言う。
「赤いバルキリー」
「ハートをビンビンにしてやるぜーーーーーーっ!!」
そして歌うとだった。
ゲペルニッチがだ。突如として叫んだ。
「おおおっ!アニマスピリチア!」
「俺の歌を聴けーーーーーーーーーっ!!」
その歌でだ。旗艦の動きは止まった。
「やったか!?」
「だが動きは止まった」
「それなら」
「今のうちだ」
シナプスが指示を出す。
「各機戦線を離脱し乗艦に戻れ」
「そしてですね」
「今は」
「そうだ、惑星ラクスに降下する」
そうするというのだ。
「今のうちにだ」
「わかりました」
「それじゃあすぐに」
こうしてすぐにラクスに降下する彼等だった。そしてゲペルニッチは。
「異常コードC」
このことを確認していた。
「アニマスピリチア。ふふふ」
そして笑い。
「スピリチアドリーミング!」
こう叫ぶのだった。その意味は彼女だけがわかっていた。

第六話完

2010・2・24  
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