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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百八十二話 金星での決戦

         第百八十二話 金星での決戦
       「ふん、所詮はだ」
報告を聞いたゼゼーナンはそれでも平然としていた。
「あの程度の戦力ではだ」
「敗北はわかっておられたのですか」
「捨石に過ぎん」
こんなことも言った。
「私の切り札はもうすぐ来る」
「バラン=シュナイルと」
「親衛隊だ」
その二つだというのである。
「その二つが間も無く来る」
「この金星にですね」
「そしてそのうえで野蛮人共を裁く」
その偏見は相変わらずであった。
「それだけのことだ」
「では三将軍は」
「そのままだ」
処分はしないのだという。
「そのままでよい」
「わかりました。それでは」
「そのまま戦いに向かわせるのだ」
そうしろというのである。
「金星での戦いにだ」
「ではあの方々はそのまま」6
「既にロンド=ベルは来ているな」
「はい、降下しました」
それも語られるのだった。
「既に金星に」
「ではそこに向かわせるのだ」
「ロンド=ベルにですね」
「その通りだ。わかったな」
「はい、それでは」
「今ある戦力の主力を向かわせるのだ」
ゼゼーナンは告げた。
「いいな、それではだ」
「わかりました。それでは」
「そしてだ」
ゼゼーナンの言葉は続く。
「あの者達を向かわせそのうえで」
「そのうえで?」
「一体どうされるのですか?」
「親衛隊をここに呼ぶのだ」
「親衛隊をですか」
「そうだ」
まさにそうするというのである。
「わかったな。そうするのだ」
「はい、それでは」
「親衛隊もまた」
「親衛隊が来たその時にこそだ」
「決戦ですね」
「その通りだ」
また言うのだった。
「わかったな。それではだ」
「はい、それでは」
こうしてであった。ゼゼーナンは今は動かなかった。そうしてロンド=ベルもまた。
「敵の基地はわかってるよな」
「ああ、それはな」
メキボスからの通信も入って来た。
「それもだ」
「それは教えてくれるかい?」
万丈はこのことを彼に問うた。
「それじゃあね」
「ああ、今送った」
丁度今言うメキボスだった。
「それはな」
「おや、早いね」
「仕事は早いうちにしないとな」
メキボスはまた彼に話した。
「そういうことだ。わかったな」
「ああ、悪いな」
あらためて彼に礼を述べた。
「それじゃあそこの基地に向かって」
「しかし気をつけろ」
メキボスはまた述べた。
「向こうも必死だ」
「まあそれはね」
それはその通りだというのである。
「彼等の太陽系での本拠地に入ったんだ。それじゃあね」
「かなりの数で来るぞ」
また言うメキボスだった。
「いいな、それからだ」
「そうだね。それじゃあ」
こんな話をしながら戦いに向かう彼等だった。そうするとだった。
暫くして前に出て来たのだった。ロンド=ベルは彼等を見たのであった。
「来たな」
「ああ」
「遂にな」
ゲストの軍勢が彼等の前に出て来たのである。
「決戦だね。それじゃあ」
「全軍出撃だ」
万丈とブライトがまた告げたのだった。
「敵の数は?」
「戦力の七割だな」
また言ってきたメキボスだった。
「ゲストの戦力のな」
「そうか。じゃあそれを破ったら」
「いよいよゲストも」
「いや、残念だがそうはいかない」
それは否定するメキボスだった。
「そういう訳にはな」
「っていうと」
「どういうこと?」
「ゼゼーナンは本国から親衛隊を呼び寄せている」
そのことを言うのだった。
「だからだ。ここで勝ってもまだある」
「ってことはあれだね」
万丈はメキボスのその話を聞いて述べた。
「今ある戦力は言うなら捨石だね」
「そういうことだ」
メキボスもそのことは否定しなかった。
「はっきり言えばな」
「それでその親衛隊とやらで僕達をかい」
「あと突撃隊も呼んでるようだな」
メキボスはこの部隊の名前も話に出した。
「どうやらな」
「親衛隊に突撃隊って」
「何かそれって」
「ナチスみたいだよな」
「なあ」
皆それを聞いてそれぞれ言った。
「その名前って」
「そのままだし」
「まあそうかもな」
メキボスもそれは否定しなかった。
「ゲストは実際民主主義ではあるんだがな」
「しかし貴族制だったね」
「それで国家元首の権限が強い」
万丈に対してさらに述べた。
「俺達インスペクターもそうだったがな。言うなら独裁者を選挙で選んでるんだ」
「しかも貴族の発言力が高いとなると」
「そうさ。閥族主義ってやつだ」
まさにそれだというのである。
「ゲストも俺達も程度の差こそあれその問題を抱えてるんだ」
「何かボアザンに似ているな」
一平はそれを聞いてかなり辛辣に述べた。
「それじゃあな」
「流石にあそこまで酷くはないさ」
メキボスはそこまではというのだ。
「幾ら何でもな」
「そうなのか」
「それは確かだ」
こう言うのである。
「あそこは封建制だからな。しかも皇帝のズ=ザンジバルはどうしようもない奴だ」
「そうでごわすか」
「そんなに酷いんだ」
大次郎と日吉はここでボアザンについてかなり詳しく知った。
「後継者と思われていたハイネルも造反しているしな」
「兄さんもまた」
「あいつならボアザンを正しくできる」
メキボスもまた彼を高く買っているのだった。
「間違いなくな」
「そうよね。あの人ならね」
めぐみも彼のその言葉に頷く。
「そうできるわ」
「ボアザンもどうにもならないがな」
また言うメキボスだった。
「ゲストも同じだ」
「ティニクエット=ゼゼーナン」
「あの男を」
「そういうことさ。まあ俺は戦いには参加できないがな」
「ああ、それはもうわかっているよ」
それはいいとする万丈だった。
「それはね」
「悪いな。それではだ」
「ああ、戦いだね」
「三将軍が来ている」
見ればその通りだった。彼等が指揮にあたっていた。
「奴等も意地がある。気をつけろよ」
「わかってるさ。それじゃあね」
「健闘を祈るぜ」
こう言ってであった。メキボスはモニターから消えた。そのうえでロンド=ベルはゲストの大軍と対峙しすぐに攻撃にかかるのであった。
「よし、来たな!」
「それじゃあ!」
「一気に!」
口々に言って突っ込むのだった。
まずは突撃し敵軍の中央を攻撃する。そこを受け持っているのは。
「あーーーら、相変わらずの強さだーーーーね」
ゼブだった。こう言ってその攻撃を受けていた。
ロンド=ベルは渾身の攻撃を浴びせる。だが彼はそれを防いでいた。
「まーーーあ、こっちも意地があーーるんでね」
こう言って幾重もの防衛ラインを築いて対していた。
「防がせてもらーーーうよ」
「ゼブ、それではだ」
「私達も」
右からロフが、左からセティが来た。
「攻撃させてもらう」
「それでいいわね」
「あーーー、頼ーーーむぜ」
こう言って戦いに向かう彼等だった。彼等も必死であった。
ロンド=ベルは包囲された。しかしであった。
「よし、中央突破だ!」
「はい!」
「それでは!」
こう言ってすぐに中央突破にかかる。
だがゼブはそれをさらに防ぐ。ロンド=ベルも突破しきれない。
「ちっ、何て守りだ!」
「これじゃあ!」
「いや、いける!」
しかしここで言ったのはアムロだった。
「このまま突き進む、いけるぞ!」
「いける!?」
「このままで!?」
「そうだ、一点集中だ!」
そうしろというのであった。
「敵の戦力が集結しているポイントにだ。いいな!」
「よし、それならだ!」
凱のガオファイガーが動いた。
その手にハンマーを持っている。それで。
「光になれええええええええーーーーーーっ!!」
そこにいる敵をまとめて粉砕する。そこに大きな穴ができた。
「よし、今だ!」
次に動いたのはアムロだった。
フィンファンネルを放ちそれで敵を撃墜していく。ロンド=ベルの動きは速かった。
「よし、ここで!」
「一気に!」
「突撃だ!」
そのポイントに一気に雪崩れ込み中央の陣を突き崩そうとするのだ。
ロフとセティはそれを見てであった。
「いかん!」
「ゼブ!」
彼の救援に向かった。軍を中央に集める。
しかしそれで包囲を解いてしまった。それが結果として彼等の仇になった。
「敵が正面に集まりました!」
「どうしますか、大尉」
「倒すだけだ」
クワトロはアポリーとロベルトの言葉に答えた。
「それだけだ」
「わかりました、それでは」
「前にいる敵を」
「戦力はただ集結させればいいというものではない」
クワトロはナイチンゲールを駆りながら冷静に呟いた。
「どう動かすかもだ」
「クリス!」
「ええ、バーニィ!」
クリスはバーニィの言葉に応えていた。
「あれね!」
「そうだ、あれを使うんだ!」
こうクリスに言うのだった。
「ここなら使っても悪影響はないからね」
「そうね。だからこそ」
「いや、それは待て」
だがそれはシナプスによって止められたのだった。
「核は使ってはならない」
「それはですか」
「そうだ。ここはこのままでいける」
だからだというのである。
「そのままビームライフルを乱射していくのだ」
「わかりました。それじゃあ」
「それで弾幕を」
「そうだ。それでいい」
これがシナプスの考えだった。二人はそれを受けて素直にそれに従っていた。
「考えてみれば核は」
「ゲスト相手には止めた方がいいね」
「ええ。使うとしたら」
「宇宙怪獣だよな」
その相手にだというのである。
「やっぱりな」
「そういうことね。じゃあ」
「いいか、このまま敵をまとめて叩く!」
シナプスはまた指示を出した。
「いいな、それでだ!」
「はい!」
「了解です!」
さらに攻撃を浴びせていく。そうすると。
さしものゲストも数が減ってきた。ゼブがここでまた言った。
「こーーのまま戦ってーーーも」
「そうね、このままだと」
「全滅だ」
セティとロフも言った。
「それよりはだ」
「撤退しましょう」
「しーーかしよお」
だがここでゼブは言うのだった。
「そーーれは難しいんじゃねーーのか?」
「難しいというのか」
「それは」
「あーーー、ゼゼーナン卿が認めてくーーれないぜ」
「いや、それは安心しろ」
だがここで。メキボスが言ってきたのであった。
「それについてはだ」
「あーーーらメキちゃん」
ここで彼の言葉を聞く三人だった。
「まーーた来たの」
「それで何の用だ?」
「一体」
「既にゼゼーナンは失脚した」
それはそうだというのである。
「最早だ」
「んっ!?どーーなったんだーーーい?」
「枢密院が決定した。そしてだ」
メキボスはさらに話していく。
「ゲストの議会でもだ。ゼゼーナンの不信任案が議決された」
「何っ!?」
「それは本当!?」
それを聞いてロフとセティも声をあげた。
「まさかとは思うが」
「けれどメキボスは嘘を言わないわ」
そういう人間だと。信頼されているのである。
「それだったら本当か」
「そうなのね」
「これが証拠だ」
すぐに三人でデータを送るメキボスだった。そこにあるのは。
「まだ御前達にしか知らせていないがな」
「あーーーら、本当だ」
「そうだな。これを見ればだ」
「よくわかったわ」
それぞれまた言う三人だった。
「そーーれならもーーう戦争は」
「する必要もないか」
「そういうことね」
「そうだ。これでわかったな」
あらためて言うメキボスだった。
「ゼゼーナンは御前達の直接の上司でなくなった」
「あーー、よーーくな」
「それなら命令に従うことはない」
「新しい主席に対してなのね」
「副主席がそのまま主席になった」
メキボスはゲスト中央政府の話もした。
「すぐに地球との講和を決定した」
「じゃーーーあゼゼーナン卿は」
「最早何の権限もないか」
「それなら」
「御前達は撤退しろ」
メキボスはまた彼等に告げた。
「わかったな。それではだ」
「わーーかったよ。全軍撤退だ」
「我々は最早地球人とは争わない」
「そういうことでね」
こう言って撤退する三人だった。その軍勢もだ。これで戦いは終わった。
戦いが終わるとだった。メキボスは今度はロンド=ベルの前に姿を現したのであった。
「また出て来たんだね」
「ああ。状況が変わった」
こうロンド=ベルの面々に告げてきたのである。
「ゼゼーナンが主席を解任された」
「へえ、ゲストの国家元首からかい」
「ああ。枢密院とゲストの上下両院両方からな」
そうなったというのである。
「これまでの数々の極端な行動が流石に問題になった」
「そうか。それなら」
「もうゲストとの戦いは」
「いや、あいつはまだ諦めない」
それはないというのである。
「最後の最後であいつを何とかしないとな」
「おやおや、一人になってもやるっていうのかい」
「そこまでわかるような奴じゃない」
メキボスのゼゼーナンへの目は冷たいままであった。
「だからだ。ここはだ」
「わかったよ。それじゃあね」
「基地に案内する。いいな」
「わかったよ。それでだけれど」
ここでメキボスに問うた万丈だった。
「ゲストのこれからはどうなんだい?」
「ゲストか」
「ああ。そのゼゼーナンのことはわかったさ」
「ああ」
「ゲスト自体はどうなるんだい?」
こう問うのである。
「僕達に対してどう思ってるんだい?」
「講和だ」
「講和かい」
「ゲストにしても今回の戦争については反対意見が多かった」
そうだったというのである。
「だからだ。それでだ」
「講和派が勝ったのかい」
「というよりはあいつだけが主戦派だった」
ゼゼーナンだけがそうだったというのである。
「そういうことだからな」
「そうかい。それじゃあ」
「最後の詰めだ。いいな」
「ああ、わかった」
こう言ってだった。メキボスの言葉を受けるのであった。
「僕達としてもこの戦いは無益だって思っていたしね」
「その通りだ。俺達にしろな」
インスペクターもそうだったというのだ。
「あの戦いは無益なものだった」
「お互いにな」
「それにしても」
「ああ」
「どうなるんだ?」
また言うロンド=ベルの面々だった。
「ゼゼーナンを倒して終わりなら」
「親衛隊や突撃隊っていうのは」
「あの連中には俺から言っておく」
こう答えるメキボスだった。
「そのことをな。それで全ては終わる」
「つまり裸の王様ってわけだな」
今度はイルムが言った。
「あのゼゼーナンってのは絶対に」
「ああ、そうなる」
まさにそうだというのである。
「その通りだ」
「そうか。それならな」
「行こうか。それなら」
「絶対に」
こう話して行くのであった。その基地にだ。
ゲストとの戦いは終わりに近付いてきている。その中で。
また話す万丈だった。その話すことは。
「しかし。あれだね」
「あれ?」
「うん、あれだよ」
こう宙に対して言ってきたのである。
「ゲストも変わらないって思ってね」
「ああ、そうだな」
そうだと返す彼だった。
「それはな。その通りだよな」
「地球の歴史や社会と全く同じ事情が多いね」
「しかし」
ここで宙は言ってきた。
「何なんだ?あのゼゼーナンってのは」
「僕達への偏見かい?」
「そうだよ。おかしいじゃないか」
それを言うのである。
「見たら自分達も何ら変わらないのに何で俺達をそこまで侮蔑するんだ?」
「そうよね」
美和もそれを言う。
「それを言ったら自分達もなのに」
「人間自分のことはわからないものさ」
そうだと話す万丈だった。
「鏡は見ないと見えないじゃないか」
「ああ、そうだな」
「それだったら」
「そういうことなんだよ」
また話す万丈だった。
「あの男は自分が見えていないんだ」
「だからあそこまで偏見を持っているのか」
「そうなのね」
「そうさ。あの男は自分達以外しか見えていない」
そう話していく。
「それに」
「それに?」
「何なの?」
「もっと言えば自分しか見えていない」
そうだともいうのである。
「結局のところはね」
「エゴイストってわけか」
「つまりは」
「そういうことさ。さて、それじゃあ」
「ああ」
「そのエゴイストを」
ゼゼーナンをそうだというのである。
「倒しに行こうか」
「倒せばそうして」
「それからは」
「これでまた一つの戦いが終わるよ」
万丈はこう言うのだった。
「これでね」
「よし、それだったらな」
「頑張りましょう」
また言い合う三人だった。
「それじゃあな」
「この戦いも」
「さて、ゲストとの戦いが終わったら」
万丈は既に先の戦いも見ていた。
「後はバルマーかな」
「兄さんか」
タケルが言った。
「兄さんと遂に」
「決着をつけることになるね」
万丈は今度は彼に話した。
「君もだけれど」
「わかっているさ」
それはもう言うまでもなかった。
「俺は何があっても兄さんを」
「頑張ってね、本当に」
アスカが珍しく切実な声でタケルに告げた。
「タケルさんの気持ちは絶対に伝わってるから」
「うん、だったら」
「絶対にお兄さんは戻って来るわよ」
本当に真剣なアスカであった。
「だからね。諦めないでね」
「わかってるよ。有り難う」
「ええ、だったら」
「しかし。アスカって」
シンジはそんな彼女を見ながら言うのだった。
「一矢さんもそうだけれどタケルさんには心から応援するよね」
「応援しないでいられないわよ」
そうだというのである。
「ここまで凄いの見せてもらったら」
「確かにね。それはね」
「立派よ」
レイも言うのであった。
「二人共」
「一矢さんもタケルさんも立派よ」
アスカはまた言った。
「それこそ眩しい位にね」
「あそこまで普通はできません」
ルリも言うのだった。
「御二人程には」
「一矢さん、本当にエリカさんを救い出したしね」
「だからタケルさんも絶対によ」
アスカはそのことを強く信じていた。
「やってくれるからね」
「その通りです。それでは」
ルリも応えた。
「まずはゲストとの決着を」
「それは何でもないわ」
レイは至極冷静であった。
「これからのことに比べたら」
「何でもないんだ」
「一人だから」
だからだというのだった。
「相手にするのは」
「一人」
「その人を倒せば終わりだから」
シンジにいつもの調子で返す。
「それだけだから」
「そうなんだ。それじゃあ」
「行きましょう」
レイが皆に告げた。
「その戦いね」
「要するにあれね」
アスカも何でもないといった口調だった。
「裸の王様をやっつけるだけよ」
「そうやな。あいつはどう見たってそれや」
トウジもアスカのその言葉に賛成して頷いた。
「何てことはないわ」
「けれど何か凄い兵器なんでしょ?」
「そのバラン=シュナイルってさ」
ヒカリとケイスケはその兵器について言う。少し危惧する顔になっている。
「油断していたら」
「まずいんじゃないかな」
「兵器を動かすのは人だぜ」
しかしその二人にイルムが笑って告げた。
「そういうことさ」
「人、じゃあ」
「結局は」
「見ていな、どんな手強いマシンでもだ」
イルムの顔の笑みは不敵なものになっていた。その笑みで語るのである。
「一撃で終わるさ。今度の戦いはな」
「一撃ですか」
「本当に」
「ああ、それだけで充分だ」
こう言ったうえで金星での最後の戦いに向かう。その一撃で終わる戦いにである。

第百八十二話完

2010・1・12  
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