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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百二十話 宇宙への門

               第百二十話 宇宙への門

宇宙に飛び立つ為にカルフォルニアに向かうことになった。一同。彼等にはまずガンダムが多量に入れられそしてあらたなメンバーも来たのだった。
「えっ、君が」
「貴方が」
その彼はまずルイスと出会いそれぞれ驚きの声を出した。
「どうしてここに」
「いるの?」
「あれ、あの二人」
「知り合い!?」
皆二人がそれぞれ声をあげたのを聞いて言った。
「まさかと思うけれど」
「そうなの?」
「うん、実はそうなんだ」
その彼沙慈=クロスフォードがその皆に答える。
「僕は日本でね。彼女と一緒だったんだよ」
「そうだったの」
「日本で」
皆それを聞いてまずは驚くしかなかった。
「日本で一緒だったんだ」
「それで知り合いだったんだ」
「けれど君が」
「どうして貴方が」
二人はそれはわからなあkった。
「ここにいるんだい?」
「ロンド=ベルに」
「それはだ」
ティエリアが話に入ってきて説明してきた。
「クロスロード君についてはだ」
「ああ」
「どうしてなんだ?」
「彼は僕達に参加していたんだ」
「参加か」
「それでここにいるのか」
「成り行きでそうなったんだよね」
そのクロスロードも説明してきた。
「僕は宇宙開発の技術者をしていて」
「それでどうしてソレスタリビーイングに?」
「成り行きっていっても」
「たまたま刹那が戦闘をはじめて」
「それに巻き込まれて?」
「うん」
また答えるクロスロードだった。
「それだからなんだ。ここに入ったのは」
「何かよくある話だな」
「そうだな」
皆それを聞いてあらためて言うのだった。
「何か気付けばな」
「そうなったっていうか」
「よくある話だな」
「そうだったんだ」
クロスロードにとってはその方が驚きだった。
「僕自分じゃまさかって思ったんだけれど」
「そのまさかが多いのがね」
「ロンド=ベル」
そういうことだった。
「皆色々な理由でここにいるけれど」
「本当に色々よ」
「そうだったんだ」
クロスロードはまた述べた。驚いた顔で。
「成り行きで戦争に参加するものなんだ」
「僕もそうだったよ」
キラはにこりと笑って彼に述べてきた。
「本当にね。気付けばだったよ」
「ううん、何か信じられないけれど」
「僕もね。今じゃ何とも思わなくなったけれど」
またにこりと笑ってきた。
「何はともあれこれから宜しくね」
「うん、それじゃあ」
二人は手を握り合った。そのうえで笑みを浮かべ合う。しかしそれで話は終わりではなく彼は今度はルイスに対して顔を向けるのだった。
「それで君はどうして」
「誰もいなくなったから」
ルイスは俯いて述べた。
「だから」
「そうだね」
彼女の言葉を聞いてクロスロードも暗い顔になった。
「君はね」
「何かあったな」
グラハムはすぐにそれを悟った。
「どうやら彼女には」
「そういえばだ」
アレクセイもふと呟いた。
「我々は彼女のことを知らない」
「詮索するのもな」
パトリックも言う。
「よくないしな」
「そうですね。ですから」
「そうしたことは考えないようにしていたからな」
彼女を気遣ってのことだったのだ。
「だから何も知らなかったけれどな」
「ああ」
「そういうことでな」
「しかし。どうやら重いわね」
エルフィが言った。
「あの娘にあるのはね」
「そうみたいね。けれど」
遥も言う。
「今は何もしないでおきましょう。そっとしておいてね」
「そうね。今はね」
「静かにね」
二人で言い合う。クロスロードとルイスはこれで別れた。しかし彼の顔は暗くなっており皆にもそれはすぐにわかることだった。
しかしそれでもだった。今彼等はそれは言わずに彼について他のことを聞くのだった。
「それでさ」
「あんたの受け持ちは?」
「サブパイロットだよ」
こう皆に答えた。
「それで来たんだ」
「サブパイロット?」
「何の?」
「オーライザーのね」
彼はまた答えた。
「それに乗ることになっているんだ」
「オーライザー?」
「何、それ」
「ダブルオーガンダムのだな」
刹那が言ってきた。
「俺の。そうだな」
「うん、そうらしいね」
クロスロードもそれに頷く。
「どうやらね」
「話には聞いていた」
刹那は静かに彼に対して述べた。
「新たにオプションとして追加されるというのはな」
「僕も話には聞いていたよ」
クロスロードも答える。
「けれどね。まさかその相手が君だったなんて」
「俺もだ」
刹那も彼に言葉を返す。
「俺もまさか御前が来るとはな」
「思わなかった世ね、本当にね」
「ああ。全くだ」
刹那もまた彼に言葉を返した。
「それはな。同じだな」
「それでもね」
クロスロードはここで言葉を変えてきた。
「今度共宜しくね」
「こちらこそな」
挨拶は終わった。そのうえでさらにカルフォルニアに向かう。そこに到着するとすぐに打ち上げ準備に入った。ここで周囲は警戒態勢に入った。
「ここでいつもだからなあ」
「そうそう」
あちらの世界の面々が口々に言う
「来るのよね、いつもね」
「絶対にね」
皆で言う。そのうえで警戒態勢に入っていた。
「さて、この連中もかな」
「どうかしら」
「と思ったら」
早速レーダーに反応があった。
「周囲全てに反応です!」
「やっぱり来たわね!」
マリューはミリアリアの言葉を聞いてすぐに述べた。
「そう来ると思ってたけれどね」
「それで数ですけれど」
「どれ位?」
「百万です」
ミリアリアはこう報告する。
「それだけいます」
「そう、百万ね」
マリューはその数を聞いて顔を引き締めさせた。
「やっぱり。相当な数よね」
「はい」162
ミリアリアはあらためてマリューの言葉に頷く。
「いつも通りになってきたわね、最近」
「それで艦長」
カズイが言ってきた。
「どうします?やっぱりあれですよね」
「それしかないじゃない」
マリューの今度の言葉は簡潔だった。
「迎撃よ」
「はい、それじゃあ」
「総員そのまま」
既に皆戦闘配置についていた。
「それでマシンを発進させてね」
「わかりました」
「それで艦長」
今度マリューに問うてきたのはトールだった。
「俺は」
「ケーニヒ少尉は?」
「どうしましょう。操縦席にいていいですよね」
「ええ、御願い」
マリューはすぐにトールにこう返した。
「ノイマン中尉がもう戦闘指揮に向かっているから」
「わかりました。じゃあ戦いが終わったらすぐに発進ですね」
「それで御願いね」
トールの今回の仕事はそれであった。
「暫く動けなくて残念でしょうけれど」
「まあ仕方ないですね」
トールは苦笑いで今のマリューの言葉に応えた。
「操縦士はこうした時はただいるだけですから」
「けれど死ぬ時は一緒よ」
「・・・・・・はい」
今のマリューの言葉には暗い顔になってしまった。
「それはわかってます」
「艦長」
次に言ってきたのはサイだった。
「マシンは全機発進準備完了です」
「わかったわ」
マリューは今度は彼の言葉に頷いた。
「じゃあいよいよね」
「はい、それじゃあ」
「全機発進よ」
この指示を出すのだった。
「すぐに伝えて」
「はい」
「さて、打ち上げまでは」
「二十分です」
テッサが答えてきた。
「それ以内に敵を倒せればいいのですが」
「まあ頑張るしかないわね」
それを聞いたマリューの言葉はこうであった。
「頑張って百万ね」
「倒せたら御の字か?」
「いや、そうではない」
ここで言ったのは大河だった。
「諸君、いいか」
「むっ!?」
「何を」
「百万、ここで全滅させる!」
大河はこう叫ぶのだった。
「この戦いにおいてだ。二十分以内にだ!」
「えっ、この状況で!?」
「百万を二十分で!?」
「不可能ではない」12
しかし彼は言うのだった。
「決してな。これまでにもそうした戦いを経てきている筈だ」
「それはそうですけれど」
「しかし今は」
「案ずることはない。敵は向こうから来る」
こうも言う大河だった。
「ならば我々がすることは一つだけだ。その敵を殲滅する!」
「なっ・・・・・・!」
テッサもそれを聞いて唖然とした。
「百万の敵を今ここで二十分で倒すとは」
「やるのだ。では諸君!」
テッサの驚きの声をよそにさらに叫ぶ。
「作戦発動!これより戦いを開始する!」
「了解!それではだ!」
「やってやるぜ!」
言いながらそのまま突き進む。そうして今ロンド=ベルと帝国軍の攻防がはじまる。一分も経たないうちにもう戦いがはじまっていた。
「よし!」
ディアッカのフリーダムが火を噴く。
「敵が出て来るんならこうやるだけだぜ!」
「ディアッカ!近くに来た相手は僕が引き受けます!」
ニコルのデスティニーは接近してきた相手をまとめて腕からのビームで吹き飛ばす。
「ですからそのまま攻撃に専念して下さい!」
「ああ、任せた!」
「百万だ、派手にやらせてもらう!」
イザークもビームを放つ。
「まとめてな!」
彼等三機のガンダムも攻撃を行っていた。そしてサイバスターも敵の中に突っ込みサイフラッシュを放つのだった。
「よし、マサキ!」
「一旦離脱するニャ!」
「ああ!」
マサキはクロとシロの言葉を受けすぐに生き残った敵から離れる。すぐにその敵達が瞬く間に他のマシンによって粉砕されるのだった。
「これで何万潰したんだ!」
「五万デス!」
スワンが火麻に告げる。
「あと九十五万デス!」
「そうか。時間はあと十九分だな」
火麻はこう言って顔を顰めさせた。
「だったらな。どんどん敵を潰す!」
「もう来ていマス」
ここでまたスワンが言う。
「どうしマスか?」
「決まってるだろ!潰すんだよ!」
やはり火麻は火麻であった。
「俺も行きたいんだがな。派手にやってるからな」
「しかしそれは」
流石にそれは命が止めた。
「幾ら何でも素手では」
「わかってるさ。だからそれはしないさ」
彼もそれはわかっているのだった。
「しかしよ。それでもよ」
「戦いたいですか」
「ああ、腕が鳴るぜ」
如何にも楽しそうな声であった。
「この戦い。百万が相手だからな」
「百万でも千万でもだ」
刹那はここでも冷静だった。
「ただ敵を倒すだけだ」
「それだけなんだ」
「御前はどうなんだ?」
そして今はコンビになっているクロスロードに対して問うのだった。
「御前はどう考えている」
「僕は」
こう言われると返答に窮してしまった。
「別に。そこまでは」
「考えていないのか」
「悪いけれど」
彼はこう述べるだけだった。
「そこまでは。やっぱり」
「ならいい」
刹那はそれはいいとしたのだった。
「戦う理由はそれぞれだ」
「そうなんだ」
「そういうものだ。俺も」
「君も?」
「いや」
ここでは言葉を止めた。
「何でもない。とにかく敵を倒していくぞ」
「うん、それじゃあ」
二人で一機になっているガンダムもビームライフルを次々と放ち敵を倒していく。敵は完全にロンド=ベルを包囲しているがそれでもだった。ロンド=ベルの勢いに止められていた。
「そういえばだ」
「どうしました?」
「いや、敵にこれといった指揮官がいないな」
ヘンケンはこうベンに答えるのだった。
「これまで敵の本陣には色々と指揮官のものらしき戦艦があったな」
「はい」
「今回はそれがいない」
彼は言うのだった。
「そのせいか攻撃も雑だしな」
「そうですね。攻めてくるだけで」
「うん」
「数で押してくるだけで」
「普段はよりはっきりとした攻撃を仕掛けてくるというのにな」
彼等ももう帝国の戦いがどういうものかわかってきていたのである。
「我々を侮っているのか。それとも」
「それとも?」
「何か事情があるのか」
ヘンケンは戦いの指揮を執りながら考えるのだった。
「やはりここは」
「さて、そこまではわかりませんが」
「とにかくだ。今は」
「はい、戦うだけです」
とにかくまずはそれであった。
「敵を倒して宇宙に出なければなりませんから」
「その通りだな」
「ワカバ少尉!」
ここでベンはケーン達に対して声をかけた。
「右です!右から来ていますよ!」
「サンキュー、曹長!」
ケーンはベンの今の言葉を受けて右に剣を振るった。それで敵機を一機両断したのだった。
「おかげで助かったぜ!」
「油断されぬよう、いいですな!」
「流石だな」
ヘンケンは今のベンのアドバイスを見て満足そうに笑った。
「あの三人のことはよくわかっているか」
「やんちゃですがそれだけに見事です」
ベンもまた微笑んで言う。
「おかげで教育のしがいもありました」
「ははは、うちの部隊は大抵そんな奴ばかりだがな」
そうした人間はケーンだけではないのであった。
「さて、その腕白達がだ」
「はい」132
「見事に戦ってくれている」
目を細めさせての言葉だった。
「充分以上にな」
「その通りです。よくやってくれています」
「全くだ。では我々も」
「はい、敵も来ておりますし」
「メガ粒子砲、撃て!」
接近してきた敵小隊に対して攻撃を仕掛ける。
「近寄ってきたら容赦はするな!」
「了解!」
アゼレアが頷く。戦艦も動くことはできないがそれでも攻撃を仕掛けていた。
戦いが続く。やがて十分経った。その頃にはもう敵はかなり減っていた。
「どれ位減った」
「六十万です」
テッサが宗介に述べる。
「あと四十万です」
「そうか。それだけか」
「はい、そうです」
「わかった。では一気に行かせてもらう」
彼はここで攻撃に転じるつもりだった。
「それで敵を倒す」
「ちょっと待ちなさいよ」
しかしここで彼を呼び止める声がしたのだった。
「あんた死ぬ気?」
「この声は」
「そうよ、あたしよ」
それは紛れもなく少女の声だった。
「あたしもロンド=ベルに配属になったのよ」
「かなめ、御前もか」
「あれっ、聞いてなかったの?」
その少女かなめは宗介の今の言葉に意外といった顔を見せた。
「あたしも配属になったんだけれど」
「あのクロスロードと一緒にか」
「そういうこと。志願したのよ」
「かなめさんは伍長として配属されました」
テッサからも宗介に述べてきた。
「そういうことで以後宜しく御願いします」
「了解」
「了解ってあんた」
かなめは今の宗介の素っ気無い言葉に対してすぐに突っ込みを入れた。
「それだけなの?」
「他に何か言うことがあるのか」
「あるでしょ。またどうしてとか」
「それはさっき言った」
やはり素っ気無い宗介であった。
「一度言えば充分だ」
「そういう問題じゃないでしょ。あたしも戦うって決めたのに」
「それはいいことだ」
やはり宗介であった。
「では宜しく頼む」
「何か本当に無愛想ね、相変わらず」
「まあ宗介だからな」
闘志也が笑ってかなめに述べてきた。
「そんなに気にするなよ」
「わかってはいたけれどね」
それでもなのであった。
「まあいいわ。今後オペレーターやるから」
「ああ、宜しくな」
かなめも参加していたのだった。何はともあれその間にも戦いは続きロンド=ベルは次々に敵を倒していく。そうして遂に、であった。
「よし、いなくなったな!」
「百万、やったわよ!」
遂に敵の数が尽きた。彼等は見事百万の敵を倒し終えたのであった。
「長官、それじゃあ」
「すぐに」
「うむ、行こう」
大河が皆の言葉を受けて頷く。そして。
「諸君!」
「はい!」
「出発だ!」
いつものあの声であった。
「いざ銀河へ!いいな!」
「ええ!」
「勿論です!」
彼等も威勢よくその言葉に応える。
「これからが本当の戦いだ。しかし」
「しかし」
「我等は勝つ!」
断言であった。
「例え何があろうともだ。いいな!」
「何かこの人って」
かなめは大河の言葉を聞いて言うのだった。
「物凄く熱いっていうか」
「何言ってんのよ」
しかしアスカがそのかなめに対して言ってきた。
「こっちの世界じゃね、もっと有り得ないのがいるのよ」
「有り得ないって誰よ」
「はっきり言って思い出したくもないわ」
しかしアスカはそれ以上は言おうとはしなかった。6
「あんな変態連中」
「変態ねえ」
「ああ、僕達の世界には凄い人達がいてね」
シンジが口をつぐみだしたアスカに代わって述べた。
「素手でマシンを壊せるんだよ」
「それって人間!?」
かなめはそれを聞いてすぐに言うのだった。
「本当に」
「多分。そうだと思うけれど」
シンジもこの辺りは今一つ自信がないようだった。
「一応はね。外見はそうだよ」
「外見はなのね」
「まあこの世界に来ることは絶対にないから」
それだけは確信しているシンジだった。
「とりあえずさ。宇宙に行こう」
「そうね。戦いは終わったしね」
「皆戦艦に戻って」
「ええ」
何はともあれ皆宇宙に向かおうとした。マシンは全て戦艦に乗り今宇宙に発とうとする。しかしその時にまた出て来たのだった。
「何っ、ここでか!」
「出て来ただと!」
「はははははは、かかったな!」
しかも指揮官はあのシンクラインだった。
「この時を狙っていたのだロンド=ベル!」
彼は乗艦から誇らしげに笑っていた。
「さあもう攻めることもできまい。覚悟しろ!」
「くっ、発進を急げ!」
「無理です!」
サエグサが忌まわしい顔と声でブライトに返した。
「間に合いません、このタイミングでは!」
「くっ、このままやられるだけか!」
「どうします艦長!」
今度はトーレスがブライトに問うた。
「誰か足止めしてもらうしか」
「俺が行く!」
アムロが名乗り出て来た。
「皆俺が食い止める!今の間に」
「いや、それには及ばん」
しかしここで。あの声が聞こえてきたのだ。
「何っ!?」
「まさか!?」
「あの声は!?」
元の世界の面々が今の言葉を聞いて一斉に声をあげる。
「いや、有り得ないだろ幾ら何でも」
「だよなあ。あの人でもな」
「そうだよ、空耳だよ」
「そうそう」
「何かあんのか?」
弾児は彼等がとにかく何かを必死に否定しようとしているのを見て首を捻った。
「あの声に全力で否定したいものがあるみたいなんだけれどよ」
「怪物よ」
ミサトはこれ以上はないという程の忌々しげな顔でその弾児に告げた。
「あれは。どう見ても人間じゃないわ」
「そうね。あれはね」
リツコも言うのだった。
「怪物よ。完全にね」
「何が出て来たんだ?」
「とりあえず人間じゃないみたいだな」
楯人も言う。とりあえず彼等には何が何なのかわからなかった。
「ふはははははははははははははははははは!」
今度は高笑いだった。
「流派東方不敗!」
「やっぱりかよ!」
「どうやってここに!?」
皆またその声に嫌そうな声をあげる。
「マスターアジア見参!!」
そして彼が姿を現わしたのだった。マスターアジア、颯爽とその雄姿を現わした。
「ロンド=ベルの勇者達よ!」
空中を飛ぶ岩に乗りつつ叫んでいた。
「ここはわしに任せておくのだ!いいな!」
「何っ、空を岩に乗って飛んでるぞ!」
「何だあれは!」
黄金と闘志也がそれぞれ叫ぶ。
「人間かよ、あれ!」
「宇宙人・・・・・・ですらねえよな」
「だからなのよ、あいつなのよ!」
アスカが完全にアレルギー症状を発動させてしまっていた。
「あの変態爺さんなのよ!どうやって次元超えたのよ!」
「そんなことはどうでもいい!」
また出て来た。
「何故なら!」
「何故なら。何なのだ?」
流石にカティも唖然としている。
「私の気のせいだと思うがマクロスの艦首に横に立っている人間が見えるが」
「いえ、その通りです」
「現実です、あれ」
エマとファがそのカティに答える。
「こっちの世界のガンダムファイターでして」
「シュバルツ=ブルーダーといいます」
「シュバルツ=ブルーダーだと」
カティはその名前を聞いてもまた唖然としたままだった。
「それがあの妖怪の名前か」
「一応妖怪じゃないですから」
今度はカミーユがカティに説明する。
「とりあえず忍者です」
「忍者・・・・・・そうなのか」
「はい、サイボーグだったりしたこともありますけれど今は多分人間です」
カツも述べた。
「ですから。あれも」
「君達の世界も大変だな、本当に」
カティもこう言うしかなかった。シュバルツは宇宙に発つ為に艦首を上に向けているそこに垂直に立っているのだった。まるで足が張り付いているかのように。
「諸君!」
その彼が言う。
「私もいる!ここは安心して宇宙に向かうのだ!」
「その前にあんた達どうやってこの世界に来たのよ!」
アスカはそのアレルギー反応でシュバルツに対して叫ぶ。
「どうでもいいってのは今使ったから許さないわよ!」
「それは簡単なことよ!」
マスターアジアはここで天高く跳んだ。
「わしもシュバルツも時空を超えることができるのだ!」
「何処まで化け物なのよ・・・・・・」
ミサトは完全に呆然となってしまっていた。
「生身で時空超えるなんて」
「素手で時空への扉を作り出し、そのうえでここまで来たのよ!」
「技さえ極めれば容易いこと」
シュバルツもまた言う。
「この流派東方不敗に不可能はない!」
「この世界の危機もまた救う為にここに来たのだ!」
二人は同時に叫び続ける。
「さあ、ここはわし等に任せて行くのだ!」
「宇宙にな!」
「さあ出でよ!」
マスターアジアは天を舞いながら何かを呼んだ。
「風雲再起よ!今ここに!」
「ヒヒーーーーーーーン!!」
「ええと、ひょっとして」
パトリックは今度は天翔ける白馬を見てタケルに問うた。
「あの馬ってあのおさげのおっさんの」
「はい、愛馬です」
タケルは穏やかに彼の問いに答えた。
「名前は今呼ばれた通りで。風雲再起といいます」
「そうか。向こうの世界じゃ馬もあんなのか」
「あの馬だけですから」
「だろうな。馬まで化け物だとな」
そして今度出て来たのは。あのガンダムだった。
「ふははははははははははははは!久し振りにやらせてもらおう!」
「ガンダムファイト!」
ガンダムシュピーゲルまで出て来ていた。そして彼等はその中に飛び込む。そのうえで構えを取り今高らかに叫ぶのだった。
「ガンダムファイト!!」
「レェェェェェェェェディ!!」
「ゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
「何時見ても素敵だわ」
レイはマスターアジアの雄姿を見て頬を赤らめさせる。
「また。私の前で戦って下さるのね」
「ああ、悪いけれど実況はできるけれど生じゃ無理だから」
マリューがそのレイに告げる。
「行くわよ、宇宙に」
「そうなの」
それを聞いてかなり残念そうなレイだった。
「折角。あの方の御姿が見られたのに」
「気持ちはわかりますが今のうちです」
ルリの言葉は冷静であった。
「あの方々ならどれだけ敵の数が多くても問題ありませんし」
「馬鹿な、二十万はいるよ」
ビリーは今のルリの言葉に眉を顰めさせた。
「それで問題ないって。僅か二機で」
「いや、どうやらそうみたいだ」
しかしここでグラハムが彼に言うのだった。
「見てくれ、あれを」
「な・・・・・・」
いきなり蹴り一撃で百機単位で敵を倒すマスターガンダムと見て顎が外れそうになるビリーだった。
「馬鹿な、蹴りを放っただけで二百機は破壊されたぞ」
「もう一機もだ」
「とおっ!!」
手裏剣を竜巻の様に放つ。それを受けた敵が次々と爆発していく。
そして敵の攻撃が来ると。
「無駄だっ!」
「畳み返し!?」
ビリーはこれまた唖然とした。何といきなり何処からか巨大な畳を出してその中に消えてしまったのだ。それで攻撃をかわし上に姿を現わしたうえで両手の剣で敵を切り刻んでいくのだ。
「シュツルム=ウント=ドランクゥ!!」
「未熟未熟ううううううーーーーーーーーーーーっ!!」
ここでまたマスターアジアが叫ぶ。
「この程度の雑魚共!我等の敵ではないわーーーーーーーーーーっ!!」
言いながらまた敵を粉砕していく。気付けばもう一人当たり一万は倒していた。
「な、何だあのマシンは!」
これにはシンクラインも唖然であった。
「我等の軍勢をああも簡単に」
「わかりません」
幕僚達も答えることができなかった。
「あの敵は。一体」
「ぬうう、止むを得ん!」
シンクラインは為す術もなくやられていく軍を見て言った。
「ここは撤退だ」
「撤退ですか」
「ロンド=ベルを討つどころではない」
彼は言うのだった。
「これ以上ここにいては損害を増やすのみだ。だからこそだ」
「撤退ですね」
「そうだ」
また部下達に対して告げるのだった。
「いいな、これで退くぞ!」
「は、はい!」
「それでは!」
帝国軍は退こうとする。そしてその時ロンド=ベルは無事宇宙に向けて出発することができたのであった。
「ふう、一時はどうなることかって思ったけれどな」
「助かったな」
「ああ」
勇は甲児に笑顔で応えた。
「まさかここであの人達が出て来るなんて思わなかったけれどな」
「だよな。けれどこれでな」
「ああ。宇宙に行ける」
勇の声が確かなものになった。
「無事な」
「では行くがいい!」
下からマスターアジアの声がした。
「悪しき帝国を討ちにな!」
「我等はまた来る!」
シュバルツもまた言うのだった。
「その時にまた会おう!」
「待っているぞ!」
こうしてロンド=ベルは彼等の助けにより無事宇宙に向かうことができた。遂にガルラ帝国と雌雄を決する為に。今向かうのであった。

第百二十話完

2009・4・16


 
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