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ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~

作者:蕾姫
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番外編コラボ(蒼の輝石)

「イタタタタタ……って早く僕の上からどいてよ、クリア!ちょっとおも……」

「おも……何かしら?」

「イタタタッ!痛いよ、クリア!!」

一通り自分の文字通り尻に敷いていた少年をいじめるとクリアと呼ばれて少女は立ち上がった。その少女のフルネームはクリア・クーリッジといい、とある世界では宮廷魔術師として名を轟かせているのだ。無論この世界では知ってる人など隣にいる少年以外いないのだが。真っ黒なセミロング、それとは対照的な白い透き通るような肌。そして、真っ赤な色の瞳が気の強そうな光を宿している。文句無しの美少女だ。だが、この世界ではあり得ない容姿だ。なぜなら髪の色と瞳の色は一致しているはずなのだから。黒はインプ。赤はサラマンダー。どちらかに統一されているのがこの世界、ALOでは常識なのだ

「……ここはどこだろう?」

「さあ?いきなり地面に魔方陣が現れたと思ったらいきなりここに落ちてきたもの。わかるわけないでしょ?そんなことも分からないの?ケン」

そう言いつつも額にシワを寄せ真剣な顔をしている。クリア

そして、今名前が出た彼の名前は天空 鍵。一応元日本人らしい。黒髪で黒い瞳。なかなかに整った顔立ち。そして、一番目立つのは背中から生える純白の翼だろう。翅は普通だがそんな天使の様な翼を持つ者は存在しない。もちろん、普通の日本人はそんな翼を持っていない。そんな翼が生えた経緯は不明だが、実際にあるんだから仕方がない

「……とりあえず、森を出ないといけないね」

周りを見渡すと木、木、木、そして光る眼。……光る眼?

「クリアっ!!」

「囲まれてるわね。数は五。前に一匹。後ろに二匹。左右に一匹ずつ……」

「……どうするの?」

「任せるわ」

クリアはそう言うと伸びをした

「やっぱりか!!」

軽く涙声になっているケン。そんな結末を想像してしまった自分とそれに慣れてしまった自分に少し落ち込みつつ拳を構える

向こうはバレていることを悟ったのか、身を隠すのをやめて飛び出してくる。名前は"イービル・フェンサー"邪悪な剣士という名前を持つトカゲの魔物。武器は片手剣に盾。闇魔法を使ってくるのでかなり嫌われている魔物だ。もちろん、この世界の住人ではない彼らにはそれを知ってるわけが無いのだが

「遅い!」

並み外れた動体視力を持つ彼には"イービル・フェンサー"の攻撃は止まって見えた。この程度の下級モンスターにフェイントという高等な技術は使えない。従ってただただ愚直に振り下ろすだけである。もちろん当たらない。なんの訓練も受けてないケンではあるがかわせないわけがない

ケンは体を横にそらし回避すると、その拳を"イービル・フェンサー"の体にたたきつける。その威力、速さはもはや不可避、必殺の領域。比較的紙装甲な"イービル・フェンサー"に耐えられるわけが無く一瞬で砕け散る

「え……?」

まさか血も出ずに砕け散るという生物としてはあり得ない死の形にケンは驚き硬直する。それを好機と見たのは残りの"イービル・フェンサー"が一斉にケンに斬りかかる

「全く……グランドスパイク!」

だが、それは突如発生した土の壁によって阻まれる。それを発動したクリアは呆れ顔だ

「戦いの最中にほうけるなんてバカじゃないの?」

「確かにそうだな」

「「!?」」

ケンとクリアは声の聞こえた方を咄嗟に向き身構える

下級とはいえそれを無手で一撃で打ち破る力と速さ。それにタイミングの完璧な未知の魔法。勘を取り戻すために受けた簡単な依頼"イービル・フェンサー"六体の討伐……だったはずなのだが、思わぬイレギュラーがいた。リンは木の上からその戦いを見ながらそう思っていた

「まだ、"イービル・フェンサー"は残ってるぞ?」

その言葉ではっとなった二人は再び"イービル・フェンサー"の方へ向き直る。そして、ようやく壁にぶつかったダメージから立ち直った"イービル・フェンサー"たちに拳が突き刺さった









「なるほど……つまりあんたたちは異世界の住人ってわけか」

「ええ……滑稽かもしれないけどそうなのよ」

「いいや、信じる。この世界ではあり得ないことばかりだったからな」

"イービル・フェンサー"たちがすべて砕け散った後、向き合ったまま硬直状態に入った三人だったがクリアの一言で話し合いに持ち込まれたのだ。そこでリンは異世界なるものの存在。逆にクリアら二人はこの世界がゲームであることを知った

「こんなものが作れるなんて……凄い技術だね……」

「本当ね」

二人は異世界ということよりもこれがゲームの中ということに驚いたようだ。……ちょっとズレてるような気がしないでもない

「それで、私たちが元の世界に戻る方法はあるのかしら?」

「……右手を振ってみてくれないか?こうやって……」

リンは実演をする。するとリンの前にメニューが現れる。それの一番左下にログアウトの文字

「なにも起こらないわよ?」

「そうか……」

つまりログアウトはできない。リンもそれ以外のログアウト方法は知らない

「……とりあえず聞いてみるか」

そう呟くとリンはホログラムのキーボードを出してメッセージを打ち始める

「……何をやってるんですか?」

敬語じゃなくてもいいとリンに言われたにもかかわらず敬語の抜けないケンがリンに尋ねる

「フレンドにクエストを調べてもらう。おまえらの容姿で街を歩くことはできないからな」

「……クエスト?」

「まあ、依頼みたいなものだ。その報酬でおかしなものが無いか、聞いてみる。正直これで見つからないとなるとお手上げだな」

リンは打ち終わったのかホログラムを消して手を上げてみせる

それから数分後、リンがピクリと体を動かす。どうやら返信が来たようだ

「……どうやら、当たりみたいだな」

「どういう内容だったの?」

顔をグイッとリンに近付けるクリア。わかってやっているとしたら悪女である行為だが悪い意味でその方面へのことに疎いクリアは無意識にやってします。リンには彼女もいるので動揺はしない……

「ち、近いから」

……わけもないか。さすがにクリアほどの美人に至近距離まで寄られてなにも感じないというのは枯れてるか、特殊な性癖をお持ちの方々だけだろう

「とりあえず、内容を言って」

元の世界に戻りたくてしょうがないのはわかるがリンの気持ちも考えた方がいいと思う。それを感じたのかクリアをリンから引き離すケン。ホッと一息をついたリンはその依頼の内容を口にする

「フェンリルの討伐、だ。報酬は異世界へのチケット。多分これが当たりだと思う」

神を殺したという神狼の討伐。それが今回のクエストだった
 
 

 
後書き
今回は番外編一発目としてフォズさんの蒼の輝石とコラボしてみました〜!!

……次話に続きますけどね

初めてのコラボで正直緊張しまくってる私ですが暖かい目で見ていただければ幸いです

あとこれは二話完結……にしたいので急展開だと思います……。ご容赦ください

興味があればフォズさんの蒼の輝石もよろしくお願いします。NOSではありません

それではっ!感想その他お待ちしています
 
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