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ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~

作者:蕾姫
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勝利の鍵

勝利の鍵

「ッ!?」

お互いに飛び出したが直後、その真ん中に着弾した火の玉にお互いが足を止める

「おもしろそうな戦いじゃないか。俺達も参加させてくれよ」

「バカ四人衆!?……プラスワン」

「おまけみたいに呼ぶな!?」

叫んでいるのはライア

「「「「バカ四人衆って誰?」」」」

ワンテンポ遅れて朱雀、白虎、玄武、青龍が首をかしげ言った。自覚しろ、バカってことを

「誰だい?君たちは?」

レオンが新たな侵入者に眉をひそめる。レオンのまわりのプレイヤーもざわざわと騒がしい

「リンに加勢しにきた者たちってとこだな」

両手の拳を打ち合わせる青龍

「俺は単に戦いたいだけだがな」

槍を回している朱雀

「戦いをフェアにしにきただけだ」

槌を背中に担いだ玄武

「永遠に続く戦いのロード……」

……片手剣の白虎

「勘違いするなよ。俺はおまえともう一度戦いたいから今回だけは味方するだけだ」

大剣を担いだツンデレライア

「俺達五人。リンに助太刀する!」

「おいおい、俺を忘れてもらっては困るな」

バカ四人衆プラスワンの後ろにはユージーンが立っていた

「ユージーンだ。リン陣営に助太刀しよう」

魔剣グラムを抜きユージーンが参戦した。ユージーンの名を聞いて敵のプレイヤーの何人かが後ろに半歩下がる。おそらくALOプレイヤーなのだろう

「おまえら……」

剣を打ち合うことで芽生える友情は確かにそこにある。それはバーチャルの世界でも……。いや、すべてが表に出るバーチャルだからこそその友情は堅固なものとなる。彼らが俺を後ろから攻撃していれば俺を倒せたはずだ。だが彼らはそれをしなかった。朱雀、白虎、玄武、青龍、ライア、ユージーン。確かにつながれた絆が存在した。……負ける気がしない

「人数が六人増えたところで絶対的な差は埋められるとでも?」

「人数差なんて関係ない。仲間の多さ、気持ち。それが勝敗を決する」

レオンの近くにいるプレイヤーは味方であって仲間ではない

「仲間?美しい響きだねぇ……。その幻想。打ち砕いたときの顔が楽しみだ」

「幻想では終わらない。信頼する強さ。それをおまえに教えてやる!」

そう叫んだのを皮切りに向こうの魔法使い組が詠唱を始める。戦いの火蓋は切られた

「リン!おまえはレオンを倒せ!残りは俺達に任せろ!」

俺の隣を並走するキリトがそう叫ぶ

「……分断は……任せて……」

「うん……」

ミユの目配せにシオンが答え二人は詠唱に入る

「「ファイアーウォール!」」

ファイアーウォール、サポート型の魔法で本来は自分の前に火の壁を出すだけだが魔力を余計に使い、範囲を拡大させたってところだろう。狙い通り、俺とレオン、それ以外とうまくわかれた。持続時間は抗魔法を使われなければ五分といったところか

「ありがとな、ミユ、シオン」

火の壁に遮られて見えないがミユとシオンに礼を言い、レオンに向かって走る

「せぇい!!」

近づくとレオンは手に持った柱を投げてきた。俺はそれを上に飛んでかわす。レオンはそれを狙っていたようで鎌を振りかぶった状態で目の前にいた

「甘い!!」

だが、俺は自分に重力をかけ下へ。そして着地と同時に能力を解除。そして、地面を蹴り右手の剣で突きを放つ

それはレオンが引き戻していた鎌の幅広い刃に止められる。レオンは刃をわずかに傾け俺の剣を後ろへ流す。そして、そのまま上からの振り下ろし。それを俺は左手の剣で弾き返す

「チッ……」

弾かれたレオンは崩れた体制をそのままに蹴りを放つ

俺はその蹴りを左腕で受ける。HPが二パーセントほど減るが、そのまま右手の剣で突きを放つ。が、レオンは蹴った反動によって後方へ飛ぶことで突きを回避する

「いいのか?」

「なにがだ?」

レオンが話しかけてきた

「あの大人数の前に君の大切な仲間を置いてきて」

「俺はあいつらを信頼してる。あいつらは負けないってな。だから、俺も信頼に応える。お前を倒すことで、な!!」

左手の剣で突きを放つ。レオンはそれを鎌の幅広の刃で受け、今度は刃を振り弾き返す

「だったらその信頼、裏切らせてやる!!」

振ったときに発生した遠心力をそのままに体を一回転させこちらに振るってくる

「俺はあいつらのために負けるわけにはいかない!!」

俺は後ろでも下でも上でも無い。前に出る。鎌というのは中距離で使う武器だ。その重さから小回りが効かないため懐に潜り込まれると戦えなくなってしまう

「くそぅっ!!」

横振りをしたあとのレオンにかわすことはもはや不可能だった

必殺の突き技。あの世界での呼び名は"ヴォーパル・ストライク"








「お前……何をした……?」

嫌な予感に咄嗟に後ろに飛んで正解だった。突然視界が真っ白になって、凄まじい衝撃に今は仰向けに転がっている。レオンも同じように転がっている。レオンのHPも俺のHPも半分より少し上ぐらいまで減っている

「わかってたけど、使うものじゃないね、これは……」

頭を振りながら立ち上がるレオン。あわせて俺も立ち上がる

「さあ、第二ラウンドと行こうか?今度は能力を織り交ぜたより楽しい殺し合いをぉぉぉ!!」

そう言ったレオンの前に白いものが現れる。それをレオンは鎌で叩くと複数に分裂して、こちらに向かって来た

「くっ……」

咄嗟に剣で弾くが数が多く、しかも剣で弾いたとしても分裂して当たってしまう。ダメージはあまり無いが集中が切られるのは痛い

そこにレオンが突っ込んで来た

「くっ……」

飛んできていた物質を防ぐのを中止しレオンの鎌の迎撃体勢に

「とおりゃぁ!!」

上からの大重量の鎌。下からの二本とはいえ比較的軽量な片手剣。どちらが勝つかは明白だろう

「ぐあっ!!」

なんとか逸らしたものの剣の切っ先は変な方向を向いている、属にいう死に体という状態になってしまった。それは鎌を完全に振り下ろしたレオンも同じ。だがレオンにはまだ……

「吹き飛べぇぇぇ!!」

この能力がある

レオンは能力を発動させる。今度はレオンを巻き込むようなものでは無く完璧に威力をセーブされた必殺の

だが、俺は目を開いたまま剣を振ろうとする

別に死ぬ間際まで戦おうってそんな英雄地味た考えは持ってない

頑張れば逆転できるとそんな主人公みたいなことができるとは思ってない

ただ……

俺は……

「あいつらを信じているだけだっ!!」

レオンと俺の間に割って入った一本の剣。レオンの発動しようとした能力は……発動しなかった

そんなことをできるやつは一人しか知らない

俺の知ってる中で最も主人公と思えるやつ。"ヒーローは遅れたことにやってくる"と言えるやつ

「キリトっ!!」

「わかってる!!」

もう一人の二刀流、キリトだ

能力を中断させられて硬直したレオンに二本の剣閃が放たれる。それは狙い違わずレオンの両腕を斬り落とした










〜おまけ〜

戦闘が終了するとミユが近寄ってレオンを嬉々として縛り始めた

「……ミユ?」

唖然としたしてしまったがなんとか我に返って声を出す

「これ……マグダラの聖骸布……。魔法、超能力の発動を阻害……できる」

「……いや……そうじゃなくて……。なんでそんなに嬉しそうなんだ?」

いつも無表情なミユの顔。なんか緩んでたし

「……縛るの……楽しい……」

「……」

当たりに沈黙がはしる。ミユ以外の全員が硬直してしまった 
 

 
後書き
蕾姫「はい、レオン戦終了です。本当はもっと長く書きたかったんですが……文才が欲しい……」

リン「まあ、おまえに文才が無いことは皆知ってるからいいんじゃない?」

蕾姫「それはそれでなんか悲しいw」

リン「それは置いておいて」

レオン(空牙刹那さんより)

元ネタはARMORED COREらしいです。作者は知らなかったのでFFのケフカをイメージしてました。

能力は形質変換……なんだけど……(白いものはドライアイス。爆発は……水素を固体に変えて(存在しないけど)一気に昇華させて爆発させた。水蒸気爆発と同じような原理。キリトが斬れたのは変換途中だったため)……いろいろ無理矢理ですみません


さて、最後に一言。バトルがいきなりギャグに変わるのは蕾姫クオリティw次回は八俣大蛇戦。では、また!感想その他お待ちしています
 
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