ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
バカ四人衆(後編)
「ようやく、来たか」
戻ると朱雀が仁王立ちしていた
「おまえは青龍の身の上を知ってるのか?」
そう聞くと朱雀は首を横に振った
「知らん。つらいことなんて誰にでもある。それをわざわざ聞こうとは思わん」
「おまえ……」
その時俺は本当に驚いた……
「ただのバカじゃなかったんだな……」
……そこに
「そんなわけないだろ!……それに俺はぁ、今楽しければそれでいいしなぁ」
「俺の感動を返せ……」
やっぱりこいつはバカだ
「よくぞ、我が三人の刺客を倒したな」
悪役か、お前は?……こっちからしたら悪役か
「四神獣最強のこの俺、朱雀がお前を倒してくれる!」
いろいろと突っ込み所があるが……
「朱雀、白虎、玄武、青龍は四神獣じゃなくて、四聖獣だぞ?」
なに一つ上の存在になってるんだ?
「……細かいことはどうでもいい!さあ、戦おう!」
一つのことしか目に入らないバカだな。おい
負けるわけにはいかないので構えをとる。言い忘れていたが朱雀の武器は槍だ
「はっ!!」
かなりの速さで突進してくる。が途中でほぼ地面とは水平にジャンプ。そのまま地面に落ちて土を削った
「は?」
俺の前10メートルでピクピクしている朱雀。思わずほうけたような声を出してしまった
「あれ?なんで発動しねぇんだ?」
「……なにが?」
「いや……このモーションをとればソードスキルを発動できるはずなんだが……」
朱雀が何気なく発した言葉。その言葉は俺とキリト、エギル、クラインを硬直させた
今は無き死のゲーム。その最大の特徴であったソードスキル。それを発動しようとしたのだから
ニュース等は内容までは踏み込んだものではなかったはずだ。事実、ミユとシオンは首を傾げている。それを知ってるということは
「SAO生還者……なのか?」
その俺の呟きにさっきまで首を傾げていたミユとシオンも硬直する。四神……もとい四聖獣の面々は知っていたのか腕組みをしたまま黙っている
「まあ、そうとも言うな」
「そうなのか……」
「だが、そんなことは関係ねぇ!俺は今が楽しければそれでいい!」
「あの世界で……後悔したことはあるのか?」
俺自身、なぜその質問をしたのかわからなかった。事実、その質問に朱雀は一瞬キョトンとした後、軽く笑うと言った
「いっぱい後悔したさ。でも後悔したって失ったものは戻ってこねぇんだ。だったら、これからのことを精一杯がんばればいい。そう俺は思ったんだよ」
バカのようだが朱雀にはしっかりとした芯のようなものが感じられた。俺は……少しだけ((ほんの少しだけ))その性格がうらやましいと思った
……不本意だが
「行くぞ!中層プレイヤー、朱雀!参る!!」
……名乗るのか。……あれぐらいならのってやってもいいかな
「……攻略組、二刀流、リン。受けて立つ」
攻略組、そう言った瞬間こちらに向かっていた朱雀は転んだ
……せっかくのってやったのに
「こっ、攻略組!?」
中層プレイヤーにとっては珍しい存在だったな。そういえば
その言葉を聞いて戦意喪失……
「やってやるぜ!一度攻略組とバトってみたかったんだ!」
……するようなやつじゃなかったな、こいつは
朱雀は再び突進を開始。そのスピードはなかなかのものだ。朱雀は俺の少し前で立ち止まると
「でい!!」
槍を突き出した。難しい槍の間合いを完全につかんでいるのはさすがだが、攻撃が一直線すぎる。中層のモンスターやプレイヤーならかわしきることのできないスピードだ。そう、中層のならば
「なにぃ!?」
弾かれたのは必然。突きを横からの左手による斬撃によってそらしただけだ。朱雀にはその一撃に絶対の自信があったのだろう。事実、彼はその技でいくつものデュエル、モンスターとの戦闘に勝利してきた。だからこそ攻略組にも通用すると思っていた。その慢心は驚愕へと変わり朱雀の動きを妨げた。その時間は一秒にも満たない隙。されどその時間はあまりにも長すぎた
「お前の敗因は慢心だ」
右手の剣が突き出される。朱雀はその技を知っていた。"ヴォーパル・ストライク"。朱雀の頭にはその名前が浮かんでいた
朱雀は吹き飛ぶ。ギリギリHPが残っているが
「槍の本分は突き。確かにお前の突きはスピードがあり、なかなかいい攻撃だった。だが、一直線すぎる。視線からねらってる場所はわかる。それをあてたいのならフェイントを織り交ぜるべきだった」
俺はそこで言葉を切ると朱雀を見る
「それでは攻略組には通用しない」
「そうか……。俺は慢心してたのか。だが、俺の全ては突きだ。それは譲れねぇ!!」
再びこちらに突進してくる朱雀。そして
「テレポーゥト!!」
そう叫んで消えた。同時に後ろから音が聞こえる
「バカだろ、お前」
振り返るとそこには槍を突き出そうとしている朱雀。とりあえず、突き出してくる槍を俺は左手の剣で絡めとるように切っ先を上に反らす。一応剣道の技だが……
「っ!!」
あとは左手の剣で一閃。朱雀のHPは0になった
「負けた〜!!」
復活した朱雀はそんなことを言って地面に転がった
「でも楽しかったぜ」
と思ったらすぐに起き上がりサムズアップ
暑苦しい
「お疲れ様」
シオンが飲み物((水筒みたいなもの))を投げてきたのでありがたくいただく
朱雀がチラチラ見てるが男と間接でもキスする気はないので無視
「意外と苦戦したな」
「ああ。青龍は強かったよ」
「そんなこと言われると照れるにゃー」
次に話しかけてきたのはキリト。朱雀が俺は、俺は?と自分を指差してるが無視だな
「さて……」
飲みおわった容器をシオンに返し((容器型のアイテム))本題に入る
「俺の勝ちでいいよな?」
「俺たちに勝利するとはな!!」
朱雀うるさい黙れ耳元で叫ぶな
「じゃあ、約束通り言うことをきいてもらうぞ」
「おっ、俺はノーマルだぞ!?」
「死ね……」
朱雀は俺とシオンにたたきつぶされました
「じゃあ、改めて。俺たちの望みは、武器を譲ってもらいたいんだ」
「……負けたからしょうがないにゃー。どの種類が欲しいんかにゃー?」
「片手剣が2、弓が1、杖が1、鎚か斧が1かな」
「そうか……なら、杖はこれを持っていくといいにゃー」
青龍は自分の持っていた杖をこちらに渡してきた
「名前は災厄の杖。俺はもう使わないから持っていけ」
「……ありがとう……」
青龍が渡してきた杖をミユが受け取る
「あとは……片手剣二本と鎚と弓だったかにゃー?」
「あと刀もな!」
クライン復活
「そうだが……」
「ならこれかにゃー?」
弓:梓弓
片手剣:童子切、数珠丸
刀:三日月宗近
鎚:地打鉄
……もう何も言うまい。日本の天下五剣の三振りがあったり、他のアニメの物があったり……。わかるかな?それになぜか刀ではなく片手剣として存在していた。……ご都合主義乙としかいいようがない((日本の伝承に剣なんて登場しないから))
「最後だが……絶対クリアしろよ?」
「ああ……。もちろんだ」
「また、俺とデュエルをしろ!」
遊○王でか?
そんな冗談は置いておいて
「機会があったらな」
「強靭!無敵!最強!」
…………こいつは放置でいいな
「次は正々堂々とぉ!!」
君とはもう会わない気がする。……勘だけど
「じゃあ、そろそろ行くか」
「よし……。装備も充実したし」
「目指せ!出雲!」
「なんでクラインが締めるんだよ!」
後書き
蕾姫「遅くなりました。他の方の小説を読んでたら遅く……」
リン「言い訳はいいから」
蕾姫「今回でバカ×4は終了です。朱雀さん((ユーザーの方ですw))、ありがとうございました。いろいろ設定を足してしまいすみませんでした」
リン「ここから一気に物語が進むんだよな……」
蕾姫「だって……。早くGGOが書きたいんだもん!」
リン「黙れ……アリア読んでニヤニヤしてる野郎が」
蕾姫「私は……一発の……」
リン「……名前は一緒だけどな」
ではまた次回。感想その他お待ちしていますw
ページ上へ戻る