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ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~

作者:蕾姫
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歪みと……

「なかなかいい武器が見つからないな……」

あれから一週間。あれからいろいろなクエストを受けているが全て外れ。武器がもらえるようなものではなかった。プレイヤーによる襲撃は何度もあったが、あちらは遊び、こちらは本気で、しかも練度が天と地ほどの差があるため、寄せ付けもしなかった。だが、量が量だけにさすがにうんざりしていた

そんな時だった。奴が現れたのは

一目見たときから肌にぞわりとしたような感覚を感じた。懐かしい狂気の気配。SAOでレッドプレイヤーが纏っていた空気をその男は持っていた。手に持った死神のような鎌もその雰囲気を助長していた

「待ってましたよぉ?」
どこか人をバカにしたような笑いを浮かべるその男

「お前……何者だ?」

キリトとエギル、それにクラインも男の持っている雰囲気を感じて身構えている。そして、隣にいるシオンは小刻みに震えていた。俺がシオンの手を握ってやってもそれが止まることはなかった

「こいつは失礼。自己紹介がまだでしたねぇ……。私はレオン。以後覚えておいてくださいねぇ?」

独特のイントネーション。ユーモラスささえ感じるが、隠しきれない狂気が滲みでている

「それで?そのレオンさんが何の用だ?」

「ご自分でもわかってるでしょう?アルバイト。まあ、こんなに人数がいるとは計算外だったけどねぇ……」

俺たちを見回してニヤリと笑う

「だったらここは引いてくれないか?」

「なぜ?こんなに切り刻むことができる体がそろっているというのに引くぅ?バカ言わないでくださいよ」

「……狂ってる!」

シオンが震えながらも強気に言い返す。するとレオンはシオンを見据えて

「えぇ、狂ってますよ?それが何か?あの世界で法に触れることなく人を切り刻んだ日々。あの恐怖に歪む顔を切り刻み、最後に存在を吹き飛ばした、あの強烈な刺激!あぁ……何て心地いい感触だっただろう!あれを感じてからというもの現実がすっかり色褪せてねぇ。もう普通の感覚になんて戻れるわけないってもんですよ!」

こいつ、SAO生還者か……。そしてSAOによって魂を歪められた

「だから、あなたたちも感じさせろぅ。私に!刺激をぉぉぉぉ!!」

そう言うとレオンは手に持った鎌を振りかぶりこちらに走ってくる

「うおおおお!!」

エギルが一番前に出て能力を使い鎌を受けとめる。金属と金属がぶつかったような音があたりに響き渡る

俺とキリトはすぐさまエギルの両隣から飛び出す。そこには弾かれた鎌を手元に引き戻したレオンが

「はぁぁぁぁ!」

キリトは手に持った剣を横に一閃。レオンは鎌の刃の部分で受け流しカウンターの柄の部分での一撃を放つ

「グハッ……」
キリトはとっさに後ろに下がるがかわし切れず吹き飛ばされる。幸い、受け流した後の攻撃であまり速度が無かった

「っ……!!」

その攻撃の隙を俺が見逃すわけがない。これは二本の剣で斬りかかる。二刀流突撃技"ダブルサーキュラー"

「その技はっ!?」

一撃目が当たると思った瞬間、何か固くて脆いものに一瞬阻まれ軽くレオンの服を斬るにとどまる。二撃目は引き戻された鎌で弾き返された。俺が地面を蹴って後ろに引くとミユの属性炎の範囲魔法が放たれた

「……どう?」

着弾したところから大量の白い煙が発生し、相手の様子が窺い知れなくなった

「タイミングは……完璧だったが……」

あとはフラグの問題

「はははっ、いいぞ!もっと踊れ踊れぃ!」

やっぱり生きてたか……

「この能力が無ければやられていた!面白い!私を追い詰めるほどの強者が!どんな風に恐怖を叫ぶのか!実に興味があるよぅ!」

狂ったように笑い声をあげるレオン

「だが、今、君たちには勝てないねぇ。ここは引こうかな。また会おう、生き残った勇者たち」

そう言うとレオンは自らの鎌で自分の首を跳ねとばすと消えていった

「……最後まで狂った野郎だな」

自分の首を跳ねとばすとはな……。そう考えていると後ろから誰かが倒れる音がした

「シオン!!」
俺は急いで剣をしまい倒れたシオンの元に向かうと震えているシオンを抱き締める。レオンの狂気を感じて記憶がフラッシュバックしたのだろう

「り……リン……」

「大丈夫だ」

そのまま抱き合っているとだんだんシオンは落ち着いてきたようで震えがおさまった

震えが完全に消えたのを確認すると俺はシオンを放そうとした。だが、シオンは俺に強く抱きつき

「もう少し……このままで居させて」

「ああ……」

俺は力を抜きかけた体にもう一度力をいれ、シオンを抱き締める。いつもはやかましいクラインもさすがに空気を読んだのか黙っていた。しばらく、あたりを沈黙が支配する

「はっはっは!俺は再びこの場に戻ってきた!!」

クラインを越えるバカが現れた。その名前をライアと言う

しばらく俺たちは硬直したが、何事も無かったかのように無視し、俺はシオンの頭を撫でるのを続行。残りは思い思いの格好で俺たちを暖かい目で見始めた

「おいおい、最大最強のライバルである俺を無視していちゃついてんじゃねぇよ、リン!」

無視無視っと

「さっさと剣を構え……」

その言葉は爆発音にさえぎられ最後まで聞こえなかった

爆発したのは先ほどまでライアがいたところ。俺が恐る恐る自分の腕の中を見ると



修羅がいた

というかその体勢から弓って撃てたんですね……。説明しておくとシオンは今矢に爆発の付与をして射ち放ったのだ

「リン……」

「はい!」

ビクッてしてしまったのはしょうがないだろう

「もう落ち着いた。ありがとう」

「うん……どういたしまして」

俺は腕を開きシオンを解き放った(誤字にあらず)

「いきなり不意討ちとはひ…きょ…う?」

ライアは目の前にいる黒いオーラを持ったシオンに威圧され最後が疑問文になってしまった。そして動けないライアに向かって無表情で弓を引き絞るシオン

「いや……あの……」

「……邪魔……」

そしてシオンのSLBに匹敵するかのような(そういう幻が見えた)矢を立て続けに放った。そして、矢筒に入った矢が無くなるとシオンは射ち終わり、ライアは空気中に消えていた

「全く……」

あれが空気が読めないやつの末路か……。同じく空気が読めないやつの筆頭であるクラインを見るとガタガタ震えていた

「シオン」

「……何?」

「俺はお前を後ろから支えてやる。だからお前は過去にどんなに辛いことがあっても前を向いて歩いていけよ。大丈夫。後ろは俺が守るから」

なっ?とシオンに言うとシオンは真っ赤になって

「なんか……告白みたいだよ?」

「何を言ってるんだ。もう告白してるだろ?」

そう言うとシオンはコクリとうなずいた

「よし、じゃあさっさとこのゲームをクリアして皆でワイワイ、ゲームをしような」

「当然!」

「当たり前だろ?」

「おうよ!」

「……うん……」

「よし、じゃあ行こうか」

そして、俺たちはまた歩き出すのだった 
 

 
後書き
蕾姫「ウガァァァァァァ!!」

ゴロゴロゴロゴロ

リン「どうした、蕾姫!?」

蕾姫「臭い!臭すぎる!そしてまたやってしまったぁ!!」

恋愛パートをやると必要以上に甘くなるのと、シリアスがいきなりギャグになるのは仕様ですw

リン「まあ……それについてはすまなかった」

蕾姫「こんな作者ですけど、見捨てないでください(泣)」

〜しばらくお待ちください〜

リン「それよりも言うことがあるだろ?」

蕾姫「えっと、レオンのキャラの案を出していただいた空牙刹那さん。ありがとうございました。あんな感じですか?狂ったキャラというのは初めてなので、もしかしたらイメージと違ってしまったかもしれませんがそこはご容赦ください。あとレオンはちょくちょく出てきます。ちょっ!石投げないで!」

リン「では次回、バカ四人衆。読んでやってください」

感想、意見、クラインのいじり方等、募集してます。ではでは〜
 
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