ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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レッドとグリーン
あの後、キリトとアスナの家に招かれ夜遅くまでユイの話をした
実は俺がキリトとアスナの家に行ったのはついでである。予想外の事件に時間を取られたが本来の目的は最前線で出会ったある人の依頼である。ここにプレイヤーホームがある木工職人プレイヤーなのだが、ある日、木を採っていると複数のオレンジプレイヤーが一人のプレイヤーを囲んでいたという。そうして見ているとそのプレイヤーは殺されてしまった。さらに震えながら見ていると近くに洞穴の中に入って行ったという。このままでは安心して木を拾いに行けない。助けて欲しいという。俺がその依頼を受けたのは単純にキリトとアスナの生活を守りたいと思ったからだ……うん、親孝行者だと思ったやつ、君とはどうやら拳で語り合わないとダメみたいだ。そんなわけで俺はキリトとアスナに別れをつげ森の中に分け入った
しばらく歩くと例の木工職人プレイヤーの言っていた洞窟が見えた。とりあえず近くの草むらに隠れる。ちなみに俺の隠密スキルはコンプリートしているのでよほどのことがなければばれることは無いだろう。と隠れ、索敵スキルで走査すると二つ向こうの草むらに五人組のパーティーが隠れているのがわかった。色は全員グリーン。男三人で女二人。十中八九俺と同じ依頼を受けた連中だ。ちなみに俺があの男を見かけたのは五十層だった。装備のグレードから察するに実力は中の中ってところだろう。中層プレイヤーのボリュームゾーンのプレイヤーだな。考えていると洞窟の前に、オレンジプレイヤーが五人ほど集まってきた。だが索敵スキルによると洞窟のすぐ中に五人。あっち側の左の草むらに三人、右の草むらに二人、計十五人。どうやら俺の近くにいるパーティーはばれてるらしくそっちに向けてちらちらとオレンジプレイヤーが視線を向けている
少し間を置いてあのパーティーは作戦を決めたらしく……全員で突っ込んだ……おいおい、作戦はないんかい……まあ、不意討ちの時点で作戦なんだが。先頭は男、武器は大剣。そのうしろ二人も男。片手剣と曲刀。そのうしろに女二人が続く。武器は二人とも両手槍。バランスがいい。がレベル差と戦略の差があったらしく囲まれて徐々にHPを減らしていく。必死に守っているがやはりピンチだろう。俺は囲まれた時点で救うべく片手剣を一本出して走りだした
「さて……双方武器を止めてもらえますか?」
突然の乱入者に驚いたのように動きを止めた
「誰だ?」
どうやら首領格のようで防具のグレードが俺のついで高い。なおグレードは、俺>>>>>>>>>>首領>部下>パーティーです。俺のは真っ黒なだけなんだけど
「まあ、通りすがりの冒険者です」
「馬鹿言え、ここは通るようなところじゃねぇ」
「こいつは俺が釣ってきた獲物っすよ」
洞窟から出てきた見覚えのあるグリーンが一人
「え?何でここにいるんですか?」
パーティーのうちの女の一人が疑問の声を上げる
「馬鹿か、獲物を釣る餌役だよ。こいつは」
「なっ……」
驚いて目を丸くする女性
「で、お前何者だ?俺の索敵スキルで隠密を破れなかったんだが」
「獲物を選ぶときはしっかり戦力を見定めてからした方がいいですよ?」
俺はパーティーのメンバー全員を放り投げ、俺はジャンプで囲みを脱出する。するとメンバーのうち男は全員一目散に逃げ出した。女は俺を心配してか、残っていた
「ねぇ……さっさと逃げようよ」
「それが……得策」
「俺は心配いらない。お二人さんはさっさと逃げな。正直、邪魔だ」
「足手まといって……」
「済まないな、君らのレベルは見たところあいつらよりも低い。だから逃げろって言ってるんだよ」
「低いって……あなたの装備、金属のない黒い布製じゃない!片手剣なのに盾持ってないし……」
「おいおい、こっちを無視してんじゃねぇよ!」
「あ〜、ごめん忘れてた」
「てっ、てめえ……」
「まあ、気にするな。それよりおまえら全員牢獄に飛んでくれませんか?それとも放り込まれたいですか?」
「ふざけんじゃねぇ!!」
一人の犯罪者プレイヤーが剣を振りかぶって向かってくる。得物は大剣。もちろん勢いのついた大剣は片手剣では受けとめることはできない。現実ならば……
「なっ、なにい!?」
その声は俺が片手剣で大剣を受けとめたことによる驚きの声だ
「筋力補正に差がありすぎたな。さて実力の差がわかってもらえたところで牢獄に飛んでくれませんか?」
「だが……全員でかかれば……」
「戦闘時回復の回復をうわまることができればな。ちなみに俺のレベルは90を越えてるぞ?」
「なっ……」
「えっ……」
「こっ、攻略組だと!?」
「黒い服に盾無しの片手剣……双剣使い<<黒の剣士>>だと!?」
また間違えられた
「双剣使いはあってるが、俺はキリトじゃないから<<黒の剣士>>ではないな」
「くっ……」
「まあ、飛んでもらおうかな…コリドーオープン!」
手に持っていたクリスタルは砕けちり光の渦が現れる
「この世界で犯罪を犯して何が悪い!所詮ゲームだろ?VRMMOだろ?だったら権利の奪い合いじゃねぇか!その過程で殺しても別にいいじゃねぇか!」
「お前はこの世界をバーチャルワールドだと思ってるのか?いいや、そんなわけわない。バーチャルワールドだと思ってるならここまで生き残ってないからな……それでも殺す。それはただの殺人だ」
「それの何が悪い。お前らグリーンと俺たちレッドは何が違うんだよ!お前らは生き残るためにモンスターを狩る、殺す。俺たちはプレイヤーを狩る、殺す。対象が違うだけじゃねぇか!!」
「確かにそうだな……だがお前らは殺人を楽しんでいる。ただの遊びとして人を殺している。そんなことが許されると思っているのか?」
「ぐっ……」
「わかったなら……さっさと行け」
「ち……ちくしょう。何で攻略組が俺の依頼を受けたんだ……」
「この近くに親友の家があるんでな。そいつらも攻略組だが、安心して生活させてやりたくてな」
「運が悪かったわけだ……」
犯罪者たちは観念したかのように光の渦に入っていく。そして全員がいなくなり光の渦は消えた
「さて……何でまだ残ってるのかな?逃げろって言ったよね」
「心配で……まあ、する必要はなかったんですけどね」
「えっと、ありがとう……」
「どういたしまして。それじゃ、俺はこれで」
俺は踵を返す
「あの……お名前は?」
「リンだ」
「リンさんですね?わたしは……」
「いや……言わなくていい」
「え?」
「現実で会えたら聞くよ。だから、生き残れよ?」
「「はい」」
こんどこそ俺はその場を去る
……自分の吐いた台詞の臭さに悶えながら
後書き
蕾姫「最後ので台無しだよリン!」
リン「いやいや、恥ずかしすぎるから!ってか何で名前出さなかったんだ?」
蕾姫「出オチ&モブだから?」
リン「あれ、絶対フラグたったよね!?」
蕾姫「回収する気ナッシング」
リン「新しいヒロインっぽかったじゃん……」
蕾姫「オリキャラは一人。これは曲げたくない!!」
リン「可哀相に……」
蕾姫「出してやろうか?盾役として」
リン「あんた、黒いな……」
蕾姫「まあ、出ない予定だけどね。暗すぎるの嫌いだし」
リン「……そうか……」
蕾姫「この小説を読んでくれてありがとう。これからもよろしくお願いします」
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