久遠の神話
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第五話 剣士の戦い九
「御願いできますか」
「戦いを終わらせることをですね」
「私が力になれることなら」
「助けてくれますか」
「そうさせて下さい」
切実な顔になってだ。彼にまた話す。
「是非共」
「わかりました。それなら」
「貴方を含めて十三人の剣士がいます」
聡美は上城にまた剣士の数について説明した。
「そしてその剣士それぞれがです」
「それぞれの剣を持ってですね」
「力です」
力についてもだ。聡美は話した。
「上城君は水の力ですね」
「はい、そうみたいですね」
「そしてそれぞれの剣士がそれぞれの力を持っています」
「それなら」
聡美の今の話を聞いてだ。
上城はは中田のことを思い出した。そうして言ったのだった。
「あの。中田さんですけれど」
「中田さんって?」
「うん、実はね」
どうかとだ。上城は樹里に話した。
「僕もう別の剣士に会ってるんだ」
「中田さんって確か」
樹里も彼のことは知っていた。既にだ。
「大学の剣道部の」
「そう、全国大会でも活躍した」
「あの人も剣士だったの」
「そうなんだ。とにかく凄く強くてね」
「剣士だから強かったの」
樹里は中田のことも考えてだ。それで言うのだった。
「あれだけ」
「そうみたいだね。剣士だから」
「それであの人も剣持ってるの」
「僕は一刀だけれど」
上城は自分の出す刀から話す。
「中田さんは二刀流でね」
「そうだね。あの人って二刀流だったわよね」
「そう、剣士の時も二刀流なんだ」
「何か滅茶苦茶強そうだけれど」
樹里は頭の中で一刀より二刀と考えてだ。こう答えたのだった。
「あの人が敵って」
「ううん、まずいよね」
「まずいなんてものじゃないでしょ」
樹里は顔を曇らせて上城のその言葉に返した。
「下手しなくても」
「いえ、今例えどれだけ実力が違っても」
しかしだ。ここでまた聡美が言ってきた。
「勝つことはできます」
「できるんですか?」
「その中田さんに」
「魔物を倒せばそれが糧になりますね」
聡美が今話すのはこのことだった。
「その分だけ強くなりますから」
「だからですか」
「はい。魔物を倒せば倒すだけ剣士は強くなります」
「じゃあ魔物を倒していけば」
「何時かは彼と」
そのだ。中田とだというのだ。
「戦うことができるようになります」
「じゃあ続けていけば」
「いいです」
まさにそうだとだ。聡美は上城に話す。
「魔物と戦い続けていれば」
「中田さんを止める力が備わっていくんですね」
「そうです。しかしです」
「魔物も攻撃してきますよね」
「襲ってきます」
そうしてくるというのだ。魔物の方から。
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