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久遠の神話

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第十三話 想いの為にその十


「就職するのもそれも」
「そうそう、八条グループへの就職はできてもな」
「それでも就職活動自体が戦いだからな」
「それに就職してからもな」
「忙しいからな」
 そのこともあった。就職もそれからも厳しいのが世の中だ。仲間達は広瀬のその言葉に納得した顔で頷いてだ。彼の事実には気付かなかった。
 それでだ。広瀬もまた言った。
「それじゃあまたはじめようかな」
「ああ、馬乗るか」
「ちょっと駆けるか?」
「そうしょう」
 実際にそうするとだ。彼は言ってだった。
 馬を駆るのだった。そうして汗を流した。
 それからだ。彼はシャワーを浴びてすっきりとして部活を後にしてだある場所に向かった。
 そこは部室だった。その部活は。 
 茶道部だった。部室は茶屋だ。そこに入ってだ。
 丁度そこにいた彼女にだ。こう言ったのである。
「まだやってるか?」
「ううん、今終わったところよ」
 微笑みだ。真深も答えてくる。
「それじゃあね」
「帰ろうか」
「そうね。それでね」
「それで?」
「ちょっと寄りたいところがあるけれど」
「何処だ、そこは」
「本屋さんなんだけれど」
 そこにだとだ。真深は広瀬に微笑んで話すのだった。
「ちょっと買いたい本があってね」
「それで本屋に」
「ええ。駄目かしら」
「俺は構わない」
 まずは率直にだ。広瀬は答えた。
「なら行こうか」
「そうね。それじゃあね」
「送る」
 今度はこう言う広瀬だった。
「ヘルメットはある」
「有り難う。それじゃあ」
「それでどの本屋だ」
「駅前のエイパーセントよ」
 八条グループが経営する本屋だ。大手であり日本中に店がある。一店一店が何階建てにもなっている言うならば本の百貨店である。
 その本屋に行くとだ。真深は言うのだった。
「茶道の本が欲しくて」
「茶道か」
「そう。茶道って奥が深いのよ」
「道だからな」
「茶道の歴史についての本ね」
 具体的にはそういう本だというのだ。
「それを買いたいのよ」
「この学園の本屋にはないのか」
「御昼に探したけれどなかったわ」
「そうか」
「残念だけれどね」
 ここでは真深は少し残念な顔で述べる。
「なかったわ
「わかった。それならだ」
「送ってくれるの」
「俺も買いたい本があるんだ」
「ああ、広瀬君もなの」
「といっても馬の本じゃない」
 それとはまた別の本だというのだ。
「軍隊についての本だ」
「軍隊?」
「自衛隊についての本だ」
「ああ、我が国の」
「これでも自衛隊は好きだ。自衛隊の今を勉強したい」
 それでそうした本を買うというのだ。 
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