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久遠の神話

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第九話 戦いの意義その十一


「陸自さんや空自さんとは特に波風立てずに」
「やっていってるな」
「はい、いい人達ですね」
 こうまで言うのだった。
「御互いに勉強させてもらってます」
「そうだな。本当にな」
「陸軍と海軍の対立は過去ですから」
 少なくとも自衛隊にはなかった。
「ですから私も今こうして」
「私と話せているな」
「これはアメリカ軍でもないですよね」
「アメリカ軍も実際はな」
「陸軍と海軍、空軍はお互いにですね」
「仲が悪い」
 これが現実だった。アメリカ軍の。
「結構深刻だぞ」
「ですね。何か陸軍の教科書に書いてあるそうで」
「空軍への悪口だな」
「俺達がテントで草や土にまみれて寝ている時に空軍の奴等はと」
「ベッドで優雅に寝ているとな」
「そんなことを書いていましたね」
「その通りだ。その教科書は私も見た」
 一佐自身もだというのだ。
「最初に見て驚いた」
「聞けばどの国の軍も実際はお互いに仲が悪いとか」
「日本だけではない」
 しかも日本ではそれは過去のことだ。今は違っている。
「だからだ。海自さんで見つからなければだ」
「陸自さんから見つけてもいいですか」
「好きにするといい」
 一佐は微笑み工藤に告げた。
「無論空自さんからもだ」
「では探させてもらいます」
「とにかく結婚はすることだ」
 一佐はこのことを念押しする。
「いいな。早いうちにだ」
「わかりました。それでは」
 工藤は一佐の言葉に応えてだ。そうしてだった。
 今は地方連絡部を後にした。そのうえでその日は休んだ。
 そして次の日にだ。ランニング中に高橋にだ。そのことを話したのであった。
 話を聞いた高橋はだ。笑ってこう彼に返した。
「それは俺もですよ」
「君もか」
「はい、警官もですね」
「早いうちに身を固めろか」
「俺も警部ですよね」
「だからか」
「警察って階級があがってそれで独身ですとね」
 それはどう思われるかというのだ。警察の中で。
「よく思われないんですよ」
「キャリアは特にだな」
「俺は特別なケースでキャリア並の昇進してますから」
 全ては剣士になったが故だ。それが元だというのだ。
「まあ今更キャリアも何もないですけれどね」
「言っているのは無学な連中だけか」
「最近本当にキャリアって言っても弱いですから」 
 所謂警察官僚も世間の批判を受けてそうなったのだ。官僚といえども万能ではない。それは警察官僚にしても同じであるのだ。
「実力次第で出世していってる人も増えてますよ」
「君の様にか」
「はい、まあ俺は本当に特殊ですけれど」
 しかしそれでもだというのだ。
「まあ二十代で警部ですからね」
「それからもだな」
「はい、警視とか警視正になることも言われています」
「早いな。本当に」
「そうですね。けれどそれは工藤さんもですよね」
「一尉になるのは本当だ」
 それは確かだとだ。工藤も話す。 
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