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久遠の神話

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第九話 戦いの意義その五


「俺達だけで話してましたけれど」
「ここでは君に聞きたい」
「私にですか」
「そうだ」
 その通りだとだ。聡美に話す彼だった。
「君が知っているのなら」
「文献にもそれは書かれていました」
「文献にもか」
「はい、最初にそれをはじめたのは」
「一体何だ」
 ここで工藤の目が鋭くなる。高橋もまた。
「人の力を超えているが」
「その神様でもそれに敵対する奴でも」
「一体が仕込んでいる」
「そうしているんだ」
「神です」
 まずはこう答えた聡美だった。
「そしてです」
「そして?」
「そしてというと」
「その神は夜の中にいる神です」
 こう言われるとだ。二人は。
 首を捻ってしまった。そしてこう言うのだった。
「夜というと」
「何ですかね」
「邪神だろうか。夜になると」
「ですよね。夜って昔から幽霊や化け物の出る時間ですから」
「それならだな」
「やっぱり今回も」
「そこまではわかりませんが」
 聡美は今度はこう言うことにして実際に言った。
「それでもです」
「夜の世界におる神が戦わせてですか」
「何かをしようとしている」
「はい」
 まさにそうだと。聡美は述べた。
「そう書いていました」
「じゃあその神が何者かもだな」
「大きな謎ですね」
「それも調べたいな」
「そこからもわかるでしょうし」
「いえ、ですが」
 しかしだ。それはだとだ。ここで聡美は二人に言った。
「それは難しいと思います」
「一体どういう神か突き止めるのは」
「それはなんだね」
「文献にもです」
 文献を話に出してだ。聡美は述べる。
「全く何もです」
「わかりはしない」
「はい、わかりません」
 こう言うのだった。
「何もかも」
「難しいか。やはり」
「神様を突き止めるのは」
 二人もだ。このことは納得した。神についての認識は人より上にあり何かを司る存在だというものだ。それでそのことに頷いて言ったのだ。
 そうした話をしてだった。二人は。
 聡美にだ。こう言ったのだった。
「では今日はだ」
「これでね」
 二人でそれぞれ聡美に話す。
「有り難う。色々話してくれて」
「わかることはわかったから」
「それならだ」
「御礼だけれど」
 微笑みになりだ。二人はだ。
 聡美にだ。こう言ったのである。
「ケーキはどうか」
「どのケーキがいいかな」
「ケーキですか」
 ケーキと聞いてだ。聡美はだ。
 自然と微笑みになりだ。彼等に言ったのである。 
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