久遠の神話
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第九話 戦いの意義その四
その彼等はだ。コンビニでデザートを買ってそれを食べトレーニングに入った。トレーニングは兵庫県警本部において着替えてだ。
ランニング、そして筋力トレーニングを行った。それからシャワーを浴びて。
それからだ。彼等は八条大学に向かった。そこに行きだ。
弓道部に入った。そこに行くともう彼女がいた。
聡美は袴姿で弓を使っていた。その彼女にだ。
二人でだ。声をかけたのである。
「少し聞きたいことがあるが」
「いいかな」
「あのことですね」
すぐにだ。聡美は応えてきた。
「そのことを」
「そうだ。そのことだ」
「君に話を聞きたくてね」
来たとだ。二人は聡美に話す。
そうしてだ。聡美もだ。
確かな顔で頷きだ。答えたのだった。
「わかりました。それでは」
「話してくれるね」
「君の知っていることを」
「私の知っている限りを」
こう言うがだ。しかし。
聡美は言った瞬間僅かに目を動かした。しかし二人はそれに気付かずに。
大学の喫茶店に入りだ。そこでコーヒーを飲みながらあらためて問うた。
「それじゃあ」
「君は元々そのことを何処で知ったのかな」
幾分から。高橋の方が鋭い。職業柄であろうか。
「この戦いと剣士のことを」
「それは何処で」
「そのことですが」
どうしてかだ。聡美は話した。
「ギリシアで」
「君の母国で」
「そこで」
「そうです。祖国の古い神殿で文献を見つけました」
「その文献はおそらくは」
どういったものかはだ。二人はだ。
工藤がだ。最初にこう言った。
「今のギリシアの文字ではないな」
「はい、古代ギリシアの文字です」
「あのホメロスの頃か」
「あの頃のものだと思われます」
そういうことにしてだ。聡美は話した。
彼女はコーヒーをここで一杯飲み。そして言った。
「おそらくですが」
「ではその頃からか」
「剣士の戦いはあって」
「はい、そして」
どうなのか。聡美はさらに話す。
「今に至ります」
「戦いは今も続く」
「そういうことか」
「はい、常に戦いは行われ」
そうしてだというのだ。聡美は。
「生き残る剣士はです」
「一人」
「そしてその一人がか」
「自分の望みを適えたのです」
他の剣士達を倒すことによりだ。そうしてだというのだ。
「そうなっていたのです」
「それではだ」
工藤がだ。ここでだ。聡美にまた問うた。
「この戦いを仕組んでいるのは誰だ」
「誰か、ですか」
「そう。それは誰だ」
具体的にだ。聡美に問うたのだ。
「これだけのことを長く続けさせているのは何かが後ろにいる筈だ」
「そうそう、それですよ」
高橋もその工藤に顔を向けて言う。
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