リリカル・パズル
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第1話 22年の空白とマテリアルパズル
「・・ここ・・は・・・・?」
クルトが目を覚ました場所は、真っ白い天井が見えた。
自分の身体は、腕には何本もチューブが付いて隣には物々しい機械がある。
だが、今の彼には理解ができない。
「いったい何が―アリシアーープレシアさん・・」
心細い声を出して名前を呼んだら隣で声が聞こえた。
「!??!先生!!彼が目覚めました!!」
「本当かね!?!君!自分の名前がわかるかい?」
「――――クルト・グランフェルト」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・
「さてと、落ち着いたかね?」
「はぁ・・ところでアリシア・・いやプレシア・テスタロッサさんは大丈夫ですか?」
「君は何処まで覚えている?」
しばらく時間を置いて医者の先生がクルトに質問をした。
「12時前後に、研究室の休憩室でアリシアと遊んでたらいきなり真っ白になりました」
医者は苦虫を噛んだような顔をして重々しく説明した。
「落ち着いて聞いてほしい実は『あれ』から22年経っているんだ」
「は?何言って・・」
「そう反応するのも無理はない」
「いやだって!・・それだったら俺の体はどうなるんです!?!俺いいおじさんになってるんじゃないですか??」
そう、だがクルトの体は子供のまま傷一つないままなのである。
「そこは本当に我々も驚いているんだ。
肉体は変化せず、魔力だけが大幅にたまっている」
「そんな馬鹿な事がっ!!!」
「証拠は、これかな」
医者の先生はおもむろに携帯端末を取り出し適当な番組を出す。
『おはようございます。ミッド新暦61年3月1日のニュースをお届けします』
無残にもそこで聞いた音声は、自分の生年よりも20年先の年号だった。
「っぅ」
クルトは、理解し受け入れてしまった。
自分が、事故にあい20年先まで眠っていたことを。
「しかし君はテスタロッサさんの所ばかりで親のことは言わないが」
「親は、事故にあう1年くらい前から縁切り状態なので特に気にしていません。
だから俺にとって大事なのはテスタロッサ家なんです」
本当に無関心に親のことを答え、次は必死の形相でテスタロッサの居所を聞いてきた。
これには医者もあきれてしまった。
「あの事故後、アリシア嬢は死んでしまったと聞いている。
プレシア女史もその後行方不明だ」
「あ・・ああーーーあーあーあーーーーー」
クルトは壊れた。
―――――――――――――――
あの後、屋上に出たクルトは、気が遠くなるほどの時間をそこで過ごしていた。
少なくとも1週間以上は屋上に出て。死人のような生活を送っていた。
しかし毎日病院関係者に見つかり連れ戻されてはまた屋上に出向いていた。
「死にたい」
そう何度も思ったある日、不意に鳥や下の人間を見てみると、妙な靄みたいなのが見えた。
「・・・・・・・」
普通なら疑問を持つところだが、心が死んでいるクルトにとってどうでもいいことだった・・が。
『―――クルト』
「!?アリシア!!」
聞こえたのははるか昔に亡くした女の子の声。
「!!アリシア」
そう自覚した瞬間世界が反転し真っ白な空間に居る事に気付いた。
「っぅ何処だココは?」
「やっと気付きましたね」
「誰だ?」
上から後光を刺した少しすらっとした金髪の女性が下りてきた。
「私は女神グリムリア」
「グリムリア・・女神?」
「そう警戒しなくてよい。私は単にその力を教えるだけの存在だ」
「力?何のことだ?」
「気づいてないのか・・先ほど人間などの生物に妙な靄というか電磁波みたいなのが見えただろう。それのことだ」
思い出す。確かにそんな物が見えた気がした。
「それが力?レアスキルみたいなものか」
「この世界ではそう呼ばれてるみたいだね。
発生された世界ではこう呼ばれている 世界の法則をっ自分の法則に変える【魔法(マテリアル・パズル)】」
「マテリアル・パズル?」
「そしてあなたの魔法は、魂の魔力を変換し魂を観し操る【極楽連鞭】それがあなたの魔法(マテリアル・パズル)」
「なんで俺なんだ・・こんな力他にでも・・」
「別に私が選んだのではありません魔法があなたを選んだのです」
「どういうことだ?」
「元々マテリアルパズルは、才のある者しかできない秘儀なのです。貴方には魂の才能があった。
それに従ってあなたが作った魔法なのです」
「俺が・・作った」
「はい、才能・・人は天才と呼びます。非凡の一般人にマテリアルパズルは作れません」
グリムリアはきっぱりそう切り捨てた。
どうやら本当にほんの一握りの者しかできないらしい。
「ちょっと待て俺のほかに魔法使いは居るのか?」
「それはわかりません。才能ある時代でそろえば何人もいるかもしれませんし。いなければあなた一人ということも十分考えられます」
「そうか・・それで俺の力は観て操るくらいか?聞こえたりは・・」
淡々と説明するグリムリアに対して今までの情報を必死につなげ思う疑問をいくつかぶつけるクルト。
その顔は少々焦ってもいる。それはさっき聞いたアリシアの声を何かの確信を得ようとしている。
「先ほども言ったようにその魔法の基本は魂を感知し操ることです。
もし声が聞こえるなどはそこは感度の事・・自分の方奥に自信を持ちなさい。その法則をどう使うかはあなた次第なのですから」
そう言って女神は消え白い空間も元に戻った。
クルトはあたりを見渡す。そこ配分が知っているよりも少し先端的な世界。
「アリシア・・お前はまだ”此処”にいるのか?」
後書き
病院片はもう1話続きます
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