ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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閑話2 使い魔=死神
闇慈とルイズはフライト程ではないが、少しの浮遊時間を楽しむとルイズの部屋にやってきた。
「さあ。アンタが何者なのか、話してくれるわよね」
ルイズはイスに腰掛け、闇慈はその向かい側に私服姿でイスには座らずに、立ったまま向き合った。
「じゃあ、ルイズさんは・・・」
「もう『さん付け』しなくて良いわよ」
「そう?じゃあ、ルイズは『天使』や『悪魔』や『堕天使』って知ってる?」
「当然じゃない。魔法は使えなくてもそれ位は知ってるわよ」
「じゃあ『死神』は?」
「死神・・・確か『魂の管理者』で『死の象徴』だと聞いてるわ」
ルイズは顎を自分の片手に乗せ、考えていた。闇慈はここで自分の正体を話すか疑問に思った。
(・・・今更だけど、話すべきかな?話してルイズが怖がったり、拒んだりしないかな?でもあの姿も見せたし、言い逃れは出来ないよね)
「それで、それがどうしたのよ?」
「単刀直入に言うよ。僕は・・・『死神』だ」
「なん・・・ですって・・・」
ルイズは闇慈の言葉に驚きを隠せないようだった。
「アンジが死神って・・・でも私のイメージと全然違うわよ!?死神ってもっとこう・・・怖いものかと思ってたのに!!」
「この姿は普段の姿。そしてさっきの空を飛んでいる時の姿が死神の姿なんだよ。つまり、僕は自分の意思で変わることが出来るってこと」
「でも信じられないわ!!それに死神なら鎌みたいなものも持ってるはずでしょう!?」
ルイズの問いかけに、闇慈はデスサイズ・ヘルだけを取り出し、ルイズに見せた。
「これのことかな?これでも信じられないなら・・・」
闇慈はそのまま姿を消した。
「えっ・・・!?ど、何処にいるの!?」
「ここだよ」
ルイズがあわてて横をみると闇慈が何も無いように立っていた。
「これで信じてもらえるかな?」
「そ、そうね。これだけ見せてもらって信じないわけには行かないわね」
「ありがとう。じゃあ今度は僕が質問していいかな?僕はどうしてここに飛ばされたの?」
「アンジは私に召喚されたのよ、使い魔としてね」
「なるほど」
闇慈のあまりに無神経な反応にルイズは目を点としていた。
「あまり驚かないのね。普通なら誰でも驚くわよ?」
「まあ慣れているって言うか。僕も使い魔を持っているからね。出ておいで、黒羽」
闇慈が呼びかけると黒い光が集まって行き、それが段々形になっていくと闇慈の使い魔、[八咫烏]『ヤタガラス』の[黒羽]『コクウ』がカラスの姿で出てきた。しかしルイズも驚くことはなかった。
「あれ?驚かないんだね?」
「驚かないわよ。アンジが死神だったら、使い魔位持っている事は何となく分かってたわ」
「理解が早くて助かるよ。黒羽、ルイズに自己紹介して?」
「何言ってるの?鳥が自分で自己紹介なんて出来るわけ・・・」
「初めまして、ルイズ様」
「えっ・・・?」
黒羽はもう一つの姿。女性の人間になって、自己紹介をしようとしたが、ルイズは間抜けた声をあげ、黒羽を見た途端・・・
「えええええ!?」
ルイズの驚愕の声が部屋に響き渡った。
「ど、どどど、どうして!?今ここにアンジの鳥がいたわよね!?」
「彼女が僕の使い魔、黒羽だよ。彼女は自分の姿を人間に変える事も出来るんだ」
「驚かせて申し訳ありません、ルイズ様。闇慈様からも紹介があった通り、私は使い魔の『黒羽』と申します。どうぞお見知りおきを」
「え、ええ。よろしく」
「わざわざ、ゴメンね。黒羽」
「いえ。闇慈様の頼みでしたら何時でもお呼び下さい」
そう言うと黒羽はその場から消えるように居なくなった。
「アンジは使い魔から信頼されてるのね。うらやましいわ」
「そうでもないよ。話は変わるけど、どうやらここは僕のいた世界じゃないと思う」
「っ!?どう言う事?」
「魔法や使い魔は僕の元居た世界には存在していたけど、空を飛んでいる時に見たんだけど『月が二つ』あった。僕の世界には月は一つしか存在しない」
「信じられない話ね。でも信じてあげるわよ」
「ありがとう、ルイズ」
闇慈はルイズに優しく微笑むとルイズは顔を少し赤らめた。
「でも私に召喚されたからには使い魔として働いて貰うわよ」
「どんなことをすれば良いのかな?」
「基本的には家事ね。掃除・洗濯・雑用って所かしら」
「問題ないよ」
「そう。じゃあ今日はもう遅いから寝ましょう」
ルイズはパジャマに着替えようとしたが、自分の使い魔だが、男性で美形の闇慈がいることを気にしたのか、闇慈に着替えを見ないように促すと、闇慈は顔を少し赤らめ、後ろを向いた。
そして着替えが終わると、ルイズはベッドに入った。闇慈はベッドの隣に敷いてあった藁の寝床に座り、壁にもたれかかった。
「ごめんなさいね、アンジ。藁しかなくて」
「気にすることはないよ。でもちょっと寒いかな、毛布を一枚もらえる?」
そう言うと闇慈はルイズから毛布を貰うとそれを身体に包んで、再びもたれかかった。ここで明日の朝なにをすればいいか確認をとった。
「ルイズ。明日の朝の仕事はなにかある?」
「私の着替えを用意しておいて、そして起きるのが遅かったら私を起こして頂戴。着替えはそのクローゼットの中に入ってるわ。じゃあお休み、アンジ」
「了解。そしてお休みなさい・・・ご主人様」
「///」
そう言っている間に二人は意識を手放した。
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