ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第四十七話 終決
前書き
今回は後書きにお知らせがあります!!
では、どうぞ!!
「すまねえな。お陰で助かったぜ」
「気にすることはない。困った時はお互い様だ、アザゼル」
「ふっ・・・そう言ってくれると心に染みるぜ、黒神闇慈」
アザゼルと闇慈が和んでいると、激突するような音が聞えてきた。そして闇慈が見てみると一誠は禁手のまま、左篭手から剣のようなものを伸ばして突っ込んでいたが、ヴァーリはそれを意図も簡単にかわしてしまう。
この剣は『アスカロン』。この剣は[龍殺し]『ドラゴン・スレイヤー』の力を持っており、和平会議が行われる2,3日前にミカエルが一誠と出会い、渡したものだった。しかし一誠に剣術の心得はなかったため突っ込むことしか出来なかった。
(あれじゃ簡単に避けられてしまう。イッセーは祐斗に剣を習ってなかったのかな?)
しかし一誠はそのアスカロンを篭手の中にしまった。
(っ!?何をするつもりなんだ?イッセーは)
「ドライグ!収納しているアスカロンに力を譲渡だ!!」
『承知!!』
『Transfer!!』
一誠の篭手に力が譲渡され、アスカロンを収納した籠手でヴァーリに鉄拳を打ち込んだ。ドラゴン・スレイヤーの威力が発揮され、『白龍皇の鎧』が呆気なく壊れ、ヴァーリは地面に叩きつけられた。
「これがドラゴン・スレイヤーの威力!?相手の鎧が紙みたいじゃねぇか!」
(なるほど!!アスカロンの力を剣ではなく、篭手に注ぎ込んだのか!!剣に慣れてないイッセーでも殴ることには技術は必要ない!!考えたね、イッセー)
しかし一誠が殴った白龍皇の鎧もすぐに修復されて行った。
ここで一誠の目に何かが入ったらしくその場に行き、何かを拾い上げた。それは白龍皇の胸元にはめられていた『宝玉』だった。破損した中に胸部も含まれていたが、宝玉もその修復と一緒に新たに作り出されていた。
(あれは白龍皇の宝玉?)
闇慈が疑問に思っていると一誠が何か思い付いたのか行動に出た。一誠はその宝玉を左手に持つと逆の右手に埋め込もうとしていた。
(なっ!?何をやっているんだ!?イッセーは!!あんな事をしたら反発するに決まってる!!)
闇慈の考えも空しく、一誠は右手に宝玉を埋め込んだ。そしてオーラが右半身を包み込んだ瞬間・・・
「うがああああああああああああああああああああああああ!!!」
一誠の悲鳴が学園中に響き渡る。
「ぬがああああああああああああああああああ!!!」
『ドライグよ、我らは相反する存在だ。それは自滅行為に他ならない。こんな事でお前は消滅するつもりなのか?』
『アルビオンよ!お前は相変わらず頭が固いものだ!我らは長きに亘り、人に宿り争い続けてきた!毎回毎回同じ事の繰り返しだった』
『そうだ、ドライグ。それが我らの運命。お互いの宿主が違ったとしても戦い方だけは同じだ。お前が力を上げ、私が力を奪う。神器をうまく使いこなした方がトドメを刺して終わりとなる。今までもこれからも』
『俺はこの宿主・・・兵藤一誠と出会って1つ学んだ!バカを貫き通せば可能になる事がある、とな!』
「俺の想いに応えろぉぉぉぉ!!!」
『Vanishing Dragon Power is taken!!』
一誠の右手が真っ白なオーラに包まれ、白い籠手が出現した。
「へっへへ・・・[白龍皇の籠手]『ディバイディング・ギア』ってところだな」
(イッセー・・・君って可能性の塊なの!?)
闇慈は一誠の可能性に驚愕の顔を浮べていた。それはヴァーリも同じことだった。
『あり得ん!こんな事はあり得ない!』
それにつられ、アルビオンが驚愕の声音を出す。しかしここでヴァーリが拍手をし、口を開く。
「面白い。なら、俺も少し本気を出そう!俺が勝ったら、キミの全てとキミの周りにある全ても白龍皇の力で半分にしてみせよう!」
『Half Dimension!』
宝玉から音声が流れ、まばゆいオーラに包まれたヴァーリが木々へ手を向ける。すると、木々が一瞬で半分の太さになってしまった
「何だ!?何が起こったんだ!?」
一誠は何が起こったのか分からずじまいだった。ここでアザゼルが口を開く。
「赤龍帝。お前にも分かりやすい様に説明しよう」
(・・・何か嫌な予感しかしない)
闇慈は心配な念を心に抱き、アザゼルの説明を聞いた。
「あの能力は周囲のものを半分にしていく。つまりリアス・グレモリーのバストも半分になるってことだよな?黒神闇慈」
「俺に振るな!!・・・しかし。アザゼルの言っていることも分かるな。見る限りあのオーラに当たったもの全てが半減されていた・・・つまりリアス先輩のも・・・って何を言わせるんだ!!」
「自分で答えてるだけじゃねえか」
闇慈は赤面させながらアザゼルに突っ込みをいれる。
「・・・」
イッセーは首だけを動かしてリアスへ視線を向ける。
・ ・ ・ ・ ・ ・
おっぱい が 半分 に なる?
部長 の おっぱい が 半分 に なる?
・ ・ ・ ・ ・ ・
「ふ・・・」
「イッセー?」
「ふざけんなァァァァ!!!」
一誠の怒りが爆発し、咆哮をあげる。
「貴様ぁぁぁ!部長のぉぉぉ!俺の部長のおっぱいを半分の大きさにするつもりかァァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』
「許さねぇ!!絶対にてめぇだけは許さねぇ!!ぶっ倒してやる!!ぶっ壊してやる!!ヴァーリィィィィィィィィィィィィ!!!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!』
「アッハッハッハッ!!なんだよそりゃ!?マジかよ!主さまの胸が小さくなるかもしれないって理由だけでドラゴンの力が跳ね上がりやがった」
「お前のせいだろう・・・アザゼル」
闇慈はアザゼルを細い目で見ていた。
「良いじゃねえか。結果的にパワーがアップしたんだからよ」
「まあ・・・そうだな」
一誠は神速に近いスピードでヴァーリに詰めより・・・
「これは部長のおっぱいの分!」
腹に右の鉄拳を入れた。
『Divide!!』
それと同時にディバイディング・ギアの力で、ヴァーリの力を半分にした。威力に耐えられずヴァーリは吐瀉物を口から吐き出した。
「朱乃のおっぱいの分!」
続いて顔面に鉄拳を打ち込み、兜を破壊する。
「これは成長中のアーシアのおっぱいの分!」
今度は背中に付いている噴射口を破壊した。
「ゼノヴィアのおっぱいの分!」
空中に蹴り上げ・・・
「そしてこれが・・・小猫のロリおっぱいの分だぁぁぁ!!!」
止めに猛スピードを乗せたタックルをかました。ヴァーリは地面に叩きつけられ、吐血した。しかしヴァーリは笑いながらゆっくりと立ち上がると、何やら呪文のようなものを唱え始めた。
「『我、目覚めるは、覇の理に・・・』」
『自重しろヴァーリ!!我が力に翻弄されるのがお前の本懐か!?』
アルビオンが怒りながらヴァーリを止めようとする。一誠は今のに飽きたらずにトドメの一撃を放とうとしたが、その間に三国志の鎧を着た男が入り込んできた。
(この男もカオス・ブリゲートの仲間か!?そして・・・この力は!?)
「ヴァーリ、迎えに来たぜぃ」
「美猴か。何をしに来た?」
「それは酷いんだぜぃ?相方がピンチだっつーから遠路はるばるこの島国まで来たってのによぅ?他の奴らが本部で騒いでるぜぃ?北の田舎アース神族と一戦交えるから任務に失敗したのなら、さっさと逃げ帰ってこいってよ?カテレアはミカエル、アザゼル、ルシファーの暗殺に失敗したんだろう?なら監察役のお前の役目も終わりだ。俺っちと一緒に帰ろうや」
「な、何だよ。お前は!!」
二人の話にイッセーが割って入った。その問いにはアザゼルが答えた。
「闘戦勝仏の末裔だ」
その言葉に闇慈は驚愕の顔を示し、声を発した。
「『闘戦勝仏』!?まさか・・・西遊記の『孫悟空』か!?」
「えええええええええええええええっ!?」
「正確には孫悟空の力を受け継いだ猿の妖怪だ。まさかお前までカオス・ブリゲードに入っているとは世も末だな」
「俺っちは仏になった初代と違うんだぜぃ。自由気ままに生きるのさ。俺っちは美猴。よろしくな、赤龍帝。そして黒衣の死神」
美猴は手元に棍を出現させ、地面に突き立てると、地面に黒い闇が広がり、ヴァーリと美猴を沈ませていく。恐らく闇に紛れて撤退しようとしているのだろう。それを見た一誠は逃がすまいと捕まえようとするが、禁手が終了し、疲労感に襲われた。
それを見た闇慈は代わりに二人を追おうとしたが、闇はすぐに晴れ、そこにヴァーリと美猴の姿は無かった。
西暦20××年7月・・・
天界代表天使長ミカエル、堕天使中枢組織[神の子を見張る者]『グリゴリ』総督アザゼル、冥界代表魔王サーゼクス・ルシファー、三大勢力各代表のもと、和平協定が調印された。以降、三大勢力の争いは禁止事項とされ、協調体制へ・・・。
この和平協定は舞台になった駒王学園から名を採って「駒王協定」と称される事になった。
~~~~~~~~~~~~
「てな訳で、今日からこのオカルト研究部の顧問になる事になった。アザゼル先生と呼べ。もしくは総督でも良いぜ?」
駒王協定が成立し、数日が経ったある日。着崩したスーツ姿のアザゼルがオカルト研究部の部室にいた。リアスは額に手を当て、困惑しながら言う。
「・・・どうして、あなたがここに?」
「ハッ!セラフォルーの妹に頼んだら、この役職だ!まぁ、俺は知的でチョーイケメンだからな。女生徒でも食いまくってやるさ!」
「そんなことをしたらすぐに懲戒免職ですよ!?と言うより、そんなことをやっていたから堕天使になったんじゃないんですか!?」
「その通り。良く分かったな?黒神闇慈」
(当たってるんですか・・・)
闇慈はリアス同様に頭を抱えていた。アザゼルはふと朱乃を見ると・・・
「まだ俺たち・・・いや。バラキエルが憎いか?」
「許すつもりはありません。あの人のせいで母は死んだのですから」
「・・・そうか。でもな、あいつは悪魔に下ることを許していたぜ?それもリアス・グレモリーの眷属だったからだぜ?それ以外だったら、バラキエルは許しているか俺も分からなかったぜ?」
朱乃はその言葉に返すことも出来ずに、ただ複雑そうな表情を浮べていた。ここで視線が一誠に向けられた。
「赤龍帝・・・イッセーで良いか?イッセー。お前はハーレムを作るのが夢らしいな?」
「えっ!?そ、そうっスけど?」
「なら。俺がハーレムを教えてやろうか?これでも過去数百回に渡ってハーレムを築いてきた男だぜ?」
それを聞いた一誠は目が飛び出そうなくらい見開き驚愕の表情を浮べた。
「マ、マジっスかぁぁぁぁ!?」
「それにお前は童貞だろう?ついでに女の事も教えてやるよ。教えて欲しいか?」
「勿論ッス!!」
「ならこれから、童貞卒業ツアーにでも出かけるか。黒神・・・いや。アンジもついでに付いて来るか?」
「何でそこで僕に誘いをかけるんですか!?僕が行くわけ・・・」
闇慈が言い終わろうとするとアザゼルが右腕で闇慈の頭をヘッドロックの要領で引き寄せると、ヒソヒソと闇慈に語りかけた。
「お前だって興味があるんだろう?クールになるのはかまわねえけどな、そんなんばっかだと置いていかれるぞ?」
「そ、それは・・・」
闇慈が困惑していると小猫が話の内容が聞えていたのか、すぐにアザゼルと闇慈を引き離し、闇慈にくっ付いた。
「・・・アンジ先輩を誘惑しないで下さい、アザゼル先生」
「小猫ちゃん・・・」
「つれねえなぁ。んじゃ、イッセーと俺だけで行くとするか」
「ちょっと待ちなさい、アザゼル!!イッセーに変なことを吹き込まないでちょうだい!!」
リアスもイッセーを引き離し、自分の元に引き寄せた。
(はあ・・・とんでもない人が入ってきたな。前途多難だよ)
駒王学園 一学期 終業
駒王学園高等部 オカルト研究部
顧問教諭/アザゼル(堕天使総督)
部長/リアス・グレモリー(キング)三年生 残る駒 『ルーク』一個
副部長/姫島朱乃三年生
部員/塔城小猫一年生
木場祐斗二年生
ゼノヴィア(ナイト)二年生
アーシア・アルジェント(ビショップ)二年生
ギャスパー・ヴラディ(ビショップ)一年生
兵藤一誠二年生
黒神闇慈(助っ人)二年生
後書き
今回もこの小説を手にとっていただき、ありがとうございます。
次回からはしばらく『闇慈が別の世界に飛んでしまったら!?』と言うお試しの閑話を書こうと思っています。
もしそれらが好評だった場合は別の本で続きを投稿して行こうと思っています。
みなさんの声。よろしくお願いします!!
では!!失礼します!!
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