ソードアート・オンライン stylish・story
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第二十五話 出会いは突然に?
前書き
やっとヒロインを出せましたが、自分ではイマイチな仕上がりです(汗)
では、どうぞ!!
「クソッ!!あのツラ見てっと本当にイライラしてくるぜ!!」
修也は明日奈の病室で一悶着した後、実家に向かって歩みを進めていた。
「如何にか奴のやっている事を決定付ける証拠が手に入れば良いんだが奴のセキュリティは生半端じゃねぇからな・・・下手したら俺が犯罪に問われてしまう」
修也は須郷の裏腹を暴こうとハッキング紛いの事をしようとしていたが須郷のセキュリティは思っている以上に強固で無理に突破しようとするのは今の修也にとっては無理があった。
「だからと言ってこのまま指を銜えたまま何もしねぇって訳にも行かねぇし、何か方法は・・・」
修也が右手に顎を抱えながら曲がり角を曲がろうとしたその時・・・
ドンッ!!!
「キャッ!?」
「グッ!?」
考え事をしていたせいもあるのか修也は剣道防具を背負った黒髪の女子中学生にぶつかってしまった。修也は少し後ろによろけるだけで済んだが、女の子は修也との体格差による衝撃と剣道防具の重さで後ろに引っ張られると尻餅を付いてしまった。
「痛った!」
「しまった!!おい!大丈夫か!?」
修也はその女の子に手を差し伸べるとその女の子をそれを掴みゆっくりと起き上がった。
「すまねぇ。考え事をしてたから反応が遅れてしまった。怪我は無かったか?」
「私は大丈夫です。でも防具が・・・」
女の子の視線の先には防具袋から防具が出てしまっていた。それを見た修也はすぐ女の子と一緒にその防具を集めた。しかしその途中で気になる物を見つけた。
一通りの防具を女の子と一緒に直すとその女の子がお礼を言ってきた。
「一緒に片付けてくれてありがとうございます」
「気にすんなよ。元はと言えば俺が悪いんだからよ?それと一つ聞いて良いか?」
「あ、はい。何ですか?」
修也は一瞬女の子の事を『お前』と言おうとしたがそれでは年下の女の子に失礼なため、咄嗟にその考えを改め『君』と呼ぶことにした。
「君は・・・桐ヶ谷和人の家族か?」
「えっ!?お兄ちゃんをご存知なんですか!?」
気になったものは防具の垂につけられている名前だった。垂には『桐ヶ谷』と書かれており、和人と同じ苗字だったため、修也はその女の子に尋ねたみたいだった。
「まあな。SAOでは色々世話になったからよ?おっと、紹介が遅れたな。俺は結城修也。よろしくな?(中々、可愛い娘じゃねぇか)」
「貴方が結城修也さん。あ・・・私は妹の桐ヶ谷直葉です」
「良い名前じゃねぇか。直葉ちゃんって呼んで良いか?俺の事は修也って呼んで良いからよ」
直葉は頷き、同意する。お互いに自己紹介が終わった後、修也は気に掛けた事を尋ねる。
「その言い様だと俺の事を知ってるみてぇだな?」
「私もお兄ちゃんから修也さんの事を聞かされていましたから」
「これも何かの縁かもしれねぇな。さっきのお詫びも兼ねて少し喫茶店で俺と話さねぇか?奢ってやるよ」
修也のナンパ染みた言葉に直葉は少しクスッと笑顔を零した。
「それってナンパしてるんですか?修也さん」
「別にそんなつもりじゃねぇよ。んで、どうするんだ?無理強いはしねぇぞ?」
本来ならすぐに断って家に向かうのが当たり前だが、彼女の目の前に居るのは兄の親友でSAOでもかなり世話になったと和人本人から聞いていた。
SAOでの修也の名前までは聞かされていなかったが、悪い奴じゃないと解釈していた。
「良いですよ。私も修也さんと会って見たかったですから」
「決まりだな!」
「でも・・・変な事をしようとしたら竹刀で抵抗しますからね?」
「俺をそこら辺の変質者と一緒にすんじゃねぇよ」
修也はヤレヤレと首を振っていたが直葉は「冗談ですよ♪」と言い聞かせると修也の先導で喫茶店に赴いた。
~~~~~~~~~~~~
喫茶店に着いた二人はさっそく注文を取った。
直葉は最初は戸惑ったが修也の笑顔と心遣いに促されたのか自分が欲しい物を頼んだ。そして注文した品が届くとそれぞれ口にし始める。
修也はホットコーヒー。そして直葉はチョコレートパフェを口にし始めた。
「ん~♪美味しい」
「女の子ってのは本当に甘い物が好きなんだな。でもそれはやがて体の重い鎧に変わってしまうぞ?直葉さん」
修也が茶化すように直葉に話しかけるが直葉は真面目に受け取ってしまい、反感した。
「もーー!!修也さんは女の子に対するデリカシーが無さ過ぎです!!」
「おいおい。俺は冗談で言ったつもりだぜ?真に受けすぎだぞ?」
「言って良い冗談と悪い冗談があります!!」
修也は直葉に「悪い悪い」と笑顔で前言撤回をし、彼女の機嫌を宥めた。そして直葉に家庭内の話を始めた。
「それで、直葉ちゃんと和人は家では仲は良いのか?」
修也がそれを聞くと直葉はパフェと食べている手を一旦止めると少し表情が暗くなった。
「昔よりは話してくれるようになったんですけど、今お兄ちゃんは眠っている『アスナ』さんの事で頭が一杯だと思いますから」
「だからあまり和人とは関わっていないってか・・・でもな直葉ちゃん。和人は今、昔の明日奈のようになりつつあるぞ?」
それを聞いた直葉はまるで修也が和人の恋人の明日奈の事を全て知っているような口ぶりに疑問を抱き、尋ねる。
「あの。修也さんと明日奈さんの関係って?」
「おいおい。苗字で気付かなかったのか?俺と明日奈は兄妹だ」
「えっ!?そうだったんですか!?」
「まあな。でも大切な事はそれじゃない。和人は今、非情な現実を突き付けられている。このままだと和人は心を壊し、自分の殻に閉じこもってしまう」
修也の表情を強張らせた言葉に直葉は顔を顰めて、尋ねる。
「どう言う事なんですか?」
「・・・これから話す事は口外しないように頼む」
直葉の問いに修也は他言無用と言い聞かせると全貌を語り始めた。
明日奈と須郷の事・・・現実における和人の心を蝕む闇を直葉に話すと全貌を聞いた直葉は驚愕の表情をする。
「そんな!!それじゃあお兄ちゃんが!!」
「ああ。このまま言ったら和人の心は一気に壊れてしまうだろうな。だから君にお願いがある!直葉ちゃん!」
修也は今まで直葉に見せてきたチャラ男の表情から一変して、真剣な表情を浮べる和人の親友の顔になった。
直葉も今までに見たことのない修也の真顔に息を飲むと修也の頼みを聞き始めた。
「君が和人の心を支えて欲しい。今彼の心を支える事が出来るのは君だけだ!!頼む!!」
修也は直葉に面と向き合い、頭を下げた。
直葉もここまでの経緯を聞くと断る理由はなかったが修也の親友を思う心に了承するしかなかった。
「分かりました。私もお兄ちゃんの事を放って置く事は出来ませんし、お兄ちゃんの親友の頼みなら断れません」
「そうか!ありがとな!!」
その後はお互いの愚痴などの他愛ない会話を楽しんだそうだ。直葉も初めは修也と会話するのが緊張するのか少し堅くなっていたが会話をしている間にその緊張も解れ、笑顔を見せながら会話を楽しむ事が出来た。
(修也さんってお兄ちゃんとは違う不思議な人だなぁ。でも話していると私も楽しくなってくる)
~~~~~~~~~~~~
喫茶店での一時を楽しんだ修也は直葉と別れ、実家に戻って来ると自分のベッドに倒れこむ。
もしも何かあった時や暇になった時に電話したりしてくれると嬉しいと修也は自分の携帯の番号とアドレスを直葉に渡した。勿論喫茶店の代金は修也が全部払った。
「それにしても直葉ちゃんか・・・素直で良い娘だったな。ある意味俺の好みにドンピシャだったな」
修也はあの時見ていた直葉の言動と笑顔を思い出しながら、フッと笑みを零した。そんな時自分のPCにメールが届いている事に気付くとそれを開く。
「差出人は・・・エギル?『Look at this』・・・これを見ろ?」
修也はメールに付いていた画像を開いた途端、眼を見開いた。
そこには大きな鳥篭の中に一人の女の子が座っている画像だった。そしてその女の子は・・・
「あ、明日奈!?」
自分の妹で未だにリアルに還ってこない明日奈だった。
後書き
敬語の直葉って何だか微妙だと思いましたが後々、戻して行こうと思います!!
感想と指摘。よろしくお願いします!!
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