ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝
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蒼騎家にようこそ
~イッセーside~
俺達は昨日、真紅狼がはぐれ悪魔を狩った事を知り、その詳しい事情を知った次の日である。
俺は集合時間の五分前に校門の前に辿り着いた。
「あれ? 真紅狼はまだなのか?」
「うん。まだ来てないよ、それと朱乃さんもね」
校門の前には、朱乃さんを除いたオカルト研究部全員が集まっていた。
すると、向こう側から一際目立つ紅いコートを着ている男とポニーテールの女性が腕を組んでこちらに来た。
真紅狼と朱乃さんだった。
「集合時間には来てると思って、やってきたがちゃんと着てたな」
「真紅狼、それ、神器だろ? なんで発動してんの?」
「いや、これ日常生活でも使えそうだなと思って、外出用の服として扱ってるんだよ」
「神器をそういう扱いしないでちょうだい」
部長は嘆息しながら言うが、真紅狼はおそらくこれからもそういう使い方をするだろう。
なんとなく分かる気がする。
真紅狼が来た道を戻ろうとするので、俺達もその後に着いていく。
そこに木場が………
「ねぇ、真紅狼くん」
「なんだ、木場?」
「今日の集合時間に遅刻したら、どうなってたの?」
真紅狼と付き合いが長い俺だから分かるが、おそらくコイツがやることは一つ。
「木場、真紅狼は時たま容赦がないんだよ。多分、コイツ、遅刻者は置いていくと思うぞ。違うか、真紅狼?」
「うわぁ、イッセーに俺の思考が読まれるとは、俺もおしまいに近いな、こりゃ」
なんてことをいいやがる。
この外道っぷり、本当に腹が立つ。
「あ、言っておくけど、俺は優しいよ? イッセー以外は普通に」
「このド畜生が!!」
「アーアーキコエナイ~∩( ゜д ゜)」
こンの外道!
俺以外ってどういうことだよ!?
なんか恨みでもあんのか!?
そんな風に会話をしていると、真紅狼が止まった。
どうやら、家に着いたらしい。
家に入る前に、真紅狼から俺達に言いたいことがあるらしい。
~イッセーside out~
~真紅狼side~
家の前に着き、俺の家に入る前に言っておきたいことがあった為、リアス達の方を向く。
「俺の家に入る前に、一つ言っておきたいことがある」
「なんなの?」
「俺の母さんと父さんは、見た瞬間お前等が“人”ではないことが分かってるから、自分から名乗り上げてくれると実に手間がかからなくて嬉しい」
「いやいや待てよ、真紅狼。普通の人間が俺達の存在を気付くことなんて不可能だろ?」
「不可能じゃないから、俺がお前等の存在に気が付けたんだろうが。第一、俺の父さんと母さんだぞ? 父さんと母さんが気が付けなかったら、俺も気が付かねぇよ。(まぁ、俺は神からお前等の存在知ってるから、意味が無いんだけどな)」
あと、言う事は―――――あったな、特にイッセーに対して。
「あと、イッセー。お前にだけ言っておく」
「俺にだけとか、なんか特別な事があんのかよ?」
「大いにある。母さんの姿を凝視するなよ? それをして、その後何が起ころうとも俺は助けねぇからな?」
警告は言っておくが、断言しよう。
コイツは絶対にやる。
まぁ、生きて帰ってこれる事を祈るしかないな。
「じゃ、入ろうかね」
そうして、俺は扉を開けた。
「ただいまー」
すると、母さんが出てきた。
「あら、おかえりなさい、真紅狼。朱乃ちゃんも一緒だったのね。それとそちらの方達は………?」
母さんは普通どおりに一介の母のように接してるが、絶対に正体に感づいている。
「こっちは、朱乃のクラスメイトと俺と同学年の二人、それと後輩の子」
「お客さんが来るなら、言ってちょうだい。……お飲み物は紅茶でいいかしら?」
「お気遣い有難うございます。お母様」
「そんなところでも立ってるのも、なんだし上がってちょうだい。……厳嗣狼さ~~ん、来ましたよ~~」
『ああ、今行くよ。楓』
父さんの声が二階からした。
取り敢えず、俺達はリビングに向かった。
父さんは、全員に飲み物が回された後にやってきた。
「何かいいのを出せればいいのだけど~、何も用意できなくてごめんなさいね」
「いえ、そんなにお気を遣わずに………」
「そういえば、まだ私、貴女方のお名前を聞いていなかったんですけど、紹介してもらってもよろしいかしら? 厳嗣狼さんも来た事ですし」
母さんは自分のペースでおっとりと喋る。
その後、リアス達は自分達が悪魔だと言う事を伏せて、紹介した。
すると…………
「ふむ。リアスさんとその部員さん達は、私達にまだ言ってないことが一つだけあるだろう?」
と、父さんがすかさず口に出す。
「言っておくけど、私達はキミたちの正体が、“人ならざる者”だと言う事は気が付いているんだよ。だが、私達は人の秘密を暴くのはあまり好きではない。だから、出来ればキミたちから名乗り出てもらいたいんだ」
「だから、言ったろ………? 『父さん達は気が付いてるぞ』とそう言っただろ、リアス」
リアスは観念したのか、『改めて名乗らせてもらいます』と言った後、全員が悪魔だと言う事を名乗った。
「………さて、と。本題に入るか」
「ええ、そうね。―――では、質問します。昨夜、“はぐれ悪魔”という存在を貴方達が討ったんですか?」
「ああ、そうだ。俺と父さんの二人で………………殺した」
「分かりました。では、もう一つ聞きます。―――――貴方達は何者ですか?」
どう答えようと、考えていたら父さんが代わりに答えた。
「私は護衛の仕事に就きながら、一部(・・)を対象にした暗殺者もしている」
「私は、“一応”魔法使いですね」
父さんと母さんは、リアスの問いに答えていた。
「………息子の俺がその“護る力”と“殺す力”、さらには魔法の力を受け継いでいる」
「“一部”を対象とは、どのような存在ですか?」
「私達、人間に“害意”を持った超常の存在だよ、リアスさん」
「では、私達は大丈夫なんですね?」
「ああ。それは保証できるよ」
父さんが答えると、リアス達は一息つけるかのように、安堵していた。
「もう一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「何かな?」
「先日の戦闘で使っていたのは、『体術』ですか? それとも魔力を使った強化ですか?」
「前者の方だね。私達が使っているのは“七夜”の体術だ」
そこで、聞いたことの無い単語が出てきてリアス達は頭を傾げる。
「ああ、すまなかったね。キミたちは知らなくても当然か。“七夜”とは人の身で魔を狩る一族の名なんだよ、“人”が“魔”と対等に戦う為に、人間としての動きを限界まで高めたのが“七夜の体術”だ」
「つまり、先日、はぐれ悪魔を倒す為に使っていたのは体術だと言うのですね?」
「そういうことになるかな」
リアスは何かを考えている。
まぁ、大体予測は出来るんだけどね。
「その体術は私達のような悪魔でも…………」
「無理だ」
「何故なの、真紅狼?」
「俺達の体ってのは、本来そういう風な作りになっているから、扱える体術だが、お前等はそういう体で造られていない。根本的な問題だよ。まず第一に俺達の動きを真似して動こうとすれば、体が壊れるぞ?」
リアスは黙る。
そう言えば、さっきからイッセーが黙っているがどうs……………コイツ。
イッセーの視線は、100%母さんの胸に照準が定まってた。
言った傍から、これか…………
まぁ、母さんの胸は確かにデカい。それも半端なく。
俺の見立てでは、三ケタいってるっぽい。
俺がイッセーの行動に呆れていると、父さんがイッセーの視線に気が付いたらしく、この後行動が目に浮かんだ。
「えーと、キミは兵藤くんと言ったかな?」
「え、あ、はい。真紅狼と同じクラスメイトです」
「ああ、よろしく。ところで兵藤くん、ちょっと向こう側で話があるんだがいいかな?」
父さんはにこやかに言っているが、副声音が殺気に満ち溢れている。
イッセーは父さんの言う通りにリビングを出ていくが、そこから悲鳴が聞こえた。
ああ、バカ…………
『…………俺にだけの話しってなんですか? 厳嗣狼さん』
『ああ、それはね。……………よくも楓の胸を凝視していたな、小僧!』
『だ、だってエロDVDでしか見たこと無い程の見事なおっぱいだったんですよ!? 仕方がないじゃないですか!!』
『問答無用!! こっちにこい、小僧!』
『あ、ちょっ………真紅狼! 助けてくれぇぇぇぇぇ!!』
俺はアイツにちゃんと警告を入れといたし、『何があっても助けない』とまで言ったんだ。だから…………
「俺は助けないぞー。ちゃんと警告しといたのを無視したお前が悪い」
『この……………………外道ーーーーーーーーー!!!』
そのまま、イッセーはお仕置き部屋に叩きこまれた。
「………悲鳴が聞こえないのだけど、大丈夫なのかい?」
「イッセーが居る部屋は、防音対策がバッチリだから聞こえなくて当り前だと思うぞ?」
それを聞いたリアスは焦る。
「ちょ、ちょっとそれは危ないでしょう?! 助けに行かないと………」
「あー、大丈夫大丈夫」
「なんでそんなに余裕なのよ!? このままじゃイッセーが…………!!」
「だから、大丈夫なんだって、落ち着けよ。あのな、蒼騎家最強なのは父さんじゃなくて母さんなんだぜ?」
母さんがいつの間にか、リビングから居なくなっていたので多分、助けに行ったのだろう。
イッセーにとっては助けになるかは分からんが…………
『厳嗣狼さん、そろそろやめてあげてください』
『楓、止めるな! 今ここで…………』
『ハイハイ、やめましょうね♪』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
父さんが一言も喋らなくなった辺り、おそらくアイアンクローが炸裂したな。
『さて、兵藤くん』
『は、はいっ!』
『悪い子にはお仕置きが必要ですよね?』
『はいっ!って――――――え?』
バタン・・・・
扉の閉まる音が聞こえた。
「取り敢えず、父さん、イッセー……………………南無」
俺は手を合わせて、冥福を祈った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・合掌
~真紅狼side out~
御後がよろしいようで。
後書き
楓さんはマジ最強。
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