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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  0089話

「アクセル、連邦に潜入させていた工作員から連絡が入った。エアロゲイターの前線基地、ホワイトスターと言ったか? それがあった場所を警戒していた連邦軍がほぼ全滅したそうだ」

 どこかと通信をしていたヴィンデルが口にした言葉は、招かれざる客のインスペクターが到来した事を教えるものだった。
 
「消えていたホワイトスターが戻ってきたのか?」

 ホワイトスターがあった宙域では、いつまた消えたホワイトスターが現れるか分からないという事で常時連邦軍が監視している。消えたのはその監視部隊なのだろう。
 もっともホワイトスターはオレの空間倉庫に入っているのだから、無意味な行動ではある。……いや、その宙域にいた部隊が全滅したとなると、ホワイトスターに代わる何かが現れたという事か。そういう意味では新しいホワイトスター、ネビーイームをインスペクターが奪取して運んできたという可能性もあるのか?
 少なくても、第三次αではネビーイームが複数存在していた。ならこの世界のエアロゲイターも同様と考えた方がいいだろう。

「いや、ホワイトスター程巨大なものではないにしろ、大型の要塞が転移してきたらしい。そして数機の人型兵器によりヒリュウ改以外の部隊は全滅したようだ」

 なるほど、ホワイトスターの代わりは要塞か。……そうなると、その要塞がアインストに乗っ取られてラスボスになるのか? そう考えると、俺がホワイトスターを掠め取った意味はあまりなかったのかもしれない。

「インスペクターの到来、か」
「ああ。私達の世界で現れた時とは多少違うが、行方不明になった部隊を考えればまず間違いない」
「でも、そうなるとこのまま連邦軍と戦ってるというのは不味いんじゃないの? 敵が来てるのに同じ星の中で争ってるなんて、インスペクターにとっては格好の獲物よ?」

 レモンの言ってる事ももっともだが、バンなら恐らく。

「デザートクロス作戦を一時停止して、まずはインスペクターを叩くだろうな」
「連邦と協力して?」
「いや、まずはノイエDCのみで当たろうと考えるだろう。連邦と組むとしても奴等の手強さを知ってからになる。そしてその際はローズが動く」
「ローズのお嬢ちゃんなら確かに。戦争が起きれば商売繁盛ですものね」
「ローズとしては内輪揉めをしてくれている方が儲かるんだろうが、それが原因で地球が占領されてしまったら商売どころじゃないからな」

 ヴィンデルの言葉に苦笑する。
 確かに彼女はその見た目とは裏腹に骨の髄まで商人だ。本来ならこのままノイエDCと連邦との間で戦いが続いてくれれば、どちらの勢力にもイスルギ重工製の兵器を売りつけて儲かるだろう。それこそ、Zガンダムのアナハイムの如く。
 だが、彼女は商人ではあるがそれと同じくらい明晰な頭脳を持っている。そのローズが地球が占領されるなんて真似を許す筈がない。
 もっとも、その動機はあくまで地球が占領されてしまったら自由に商売が出来ないという事で、正義感なんかじゃないだろうが。

「む?」

 何かに気が付いたヴィンデルが、どこかへと通信を送る。

「ふむ、そうか。やはりな」
「ヴィンデル?」
「月のマオ社が落ちたそうだ」
「犯人はもちろん」
「インスペクター以外にいると思うか?」

 マオ社が落ちた、か。だが原作通りなら新型機を持って脱出したリョウト達がヒリュウ改と合流している筈だ。

「となると、間違いなく次は」
「ああ、地上だろうな。インスペクターお得意の転移装置を使った奇襲攻撃だ」
「私達の世界と同じ行動を取るとしたら、次はラングレーとテスラ研。そしてそのまま西海岸方面へと勢力を伸ばすでしょうね」
「こちらとしては、デザートクロス作戦を第3段階に進めて欲しいのだが……バンでは無理だろうな。しょうがない、バンが行動を起こすまでは様子見としよう。2人とも、いつでも行動を起こせるように準備だけはしておけ」

 ヴィンデルのその言葉で取りあえずシャドウミラーの行動方針はしばらく様子見という事に決まった。
 次に動きがあるとすれば、インスペクターが北米を制圧した後になるだろう。





 その報告が入ったのは、マオ社が落ちたという報告を聞いてから数日後の事だった。
 今後の対応についてヴィンデルがバン大佐と話し合っている結果を、俺とレモンは作戦司令室で待っていた。

「北米地区は全てインスペクターの手に落ちたか」
「ええ、そうね」

 俺の言葉にレモンが頷く。モニタに表示されている世界地図では北米が黒く塗りつぶされている。

「こちら側の連邦軍も奴等の転移攻撃には対処出来なかったか」
「それはしょうがない事でしょう? 私達の世界だってそれは同じだった。そもそも転移装置による奇襲攻撃なんて初見で対抗可能な方がおかしいわよ」
「だが、それを知っている今は違う」
「そうね、対抗手段はある。だからこそ私達はここにいる」
「確実性には欠けるけどな」
「またそういう風に言う。こっちの戦力はあちらの世界以上に揃いつつあるのよ?」
「その1つがあのフランケンシュタインか?」
「ええ。厳密にはヴァイスセイヴァーと同じくアシュセイヴァーのカスタムタイプよ。W17が送ってきたATX計画の機体データや、手に入れたビルトファルケンを参考にして改造した機体なの」

 いずれオウカが搭乗する事になるラピエサージュ。ただ、問題は。

「……何故、ゲイム・システムを? あれはパイロットの事など考えもしないシステムだ。それは知っているだろう?」
「アギラがフェフ博士を通して要望してきたのよ。さすがに大家の要望を無碍には出来ないわ」
「つまり、その機体」
「ラピエサージュという名称よ」
「継ぎ接ぎ、か。ともかくそのラピエサージュに関してはオウカか、あるいはゼオラとかいうブーステッド・チルドレンが乗る事になるのか」
「恐らくね。……大丈夫よ、アクセルの心配しているような事にはならないわ。ゲイム・システムにはちょっとした細工がしてあってね。システムを起動しても5分もしないうちに強制的に停止するようになっているわ。でも、あくまでも私が出来るのは機体側の細工だけ。本人をゲイム・システムに対応させる為の調整に関してはこちらではどうしようもないわよ?」
「心配するな、その辺はクエルボに任せてある。あのお人好しなら自分の身体を張ってでも止めるだろうさ」

 脳裏にクエルボの顔が浮かぶ。根本的に人の良い奴なら一度約束した以上、こちらを裏切る事は無いだろう。それに目論見通りにいけばあちら側にいるラーダとも再会出来るのだから必死にもなる。

「だが、あのアギラの事だからな。そのうち邪魔なクエルボを消す事を考えるかもしれん。その前にこちらで手を打たないといけないんだが」
「ヴィンデルを説得しないといけない、か」
「私がどうした?」

 レモンが苦笑しながらヴィンデルの名前を出した時に、噂をすればなんとやらでヴィンデルが姿を現した。その様子は一見するといつもと変わらないように見えるが、どこか苛立っているようにも感じられる。

「アギラに対する対応を話していたんだよ。……それで、ヴィンデル。ノイエDCの対応は?」
「予想通りだ。インスペクターは北米地区の制圧に集中して、まだ他地区には現れていないからな。今のうちに叩いておきたいらしい。こちらとしては、敗走した北米の連邦軍に代わって投入されるだろう他方面部隊の隙を突いてデザートクロス作戦の第3段階を進めたかったのだがな」
「ノイエDCの成立過程を考えればしょうがないでしょう?」
「ああ。おまけに私が奴等の戦略や戦術を知ってるかのようだ、とも言われたよ。さすがバン・バ・チュンといった所か」

 確かに俺達シャドウミラーはインスペクターのやり口を理解している。何せあちらの世界では実際に経験してそれが記録に残されていたのだから。だが、それを知る事が出来ないバン大佐がこちらを怪しむとなると。

「もしかして、俺達はインスペクター側のスパイだと疑われている、か?」
「確かに私達はノイエDCやアースクレイドルにない技術を持っているから、そう言われると反論出来ないわね」
「恐らくそれもあるだろう。とにかくノイエDCとしての方針は、インスペクターに対抗する為に態勢を整えて北米を叩くらしい。デザートクロス作戦の第3段階はその後にするそうだ」
「インスペクターの行動に関しては私達の世界の時と殆ど同じよ。そうなると、彼らが次の行動に出るにはまだ多少の時間が掛かる筈」
「機は熟しつつあるか」
「そうね。……そろそろW17を呼び戻した方がいいんじゃなくて? 量産型Wシリーズの生産が軌道に乗ったとは言え、ナンバーズは貴重なんだし」
「……W17といえば、ヘリオスの行方は掴めていないのか?」

 ヘリオス=ギリアムという事実を知らない限りは見つけられないと知りつつも、レモンへと尋ねる。
 ギリアムのパイロットとしての能力や情報部としての能力を考えた場合、俺の目的であるアインストとインスペクターの打倒を叶える為にはあちらにいてもらった方が有り難い。と言うか、この時点でこちらに捕まってもらっては困る。

「報告が無い所を見ると、まだみたいね」
「ならW17はこのままATXチームに潜入したままという事でいいのか?」

 俺の質問に答えたのはレモンではなくヴィンデルだった。

「W17にはこのままあの部隊に居て貰う。こちらの切り札としてな。……いずれにせよ、私自身で1度あの部隊の実力を感じておきたい」
「あの2艦、仲間に出来ないかしら?」
「今は無理だろう。だが、現在の状況を理解し、安寧な平和が何を産むのかを知ればあるいは」
「自分達が勝つ可能性があるうちは駄目って事ね」
「そうだな。勝利への道を自分から踏み外すような愚行はしないだろう」
「了解。それで誰を出すの? W16? メイガスとのお話は終わってるから、W15でも大丈夫よ?」
「言っただろう。私自身で奴等の力を感じておきたい、と。今回はW15とW16は何かあった時の後詰めとしてここに残って貰う」
「まさかあの機体を使うつもり?」
「ああ。完成したのだろう? ビアン博士の血を継ぐソウルゲイン、トリニティゲインが」

 トリニティゲインが完成したのか。あちらのテスラ研から接収したソウルゲインに、ダイゼンガーとアウセンザイターの部品を流用し、システムXNとEOTを組み込んだ機体。まさに特機の中でもトップクラスの能力を持つ機体に仕上がっているだろう。
 元々ダイゼンガーやアウセンザイターは特定のパイロットにしか操縦が出来ないように設定されていた。その為、その2機をそのまま造ったとしてもパイロットがいない現状では意味が無かった。故に使える部品をソウルゲインに組み込んでダイゼンガーとアウセンザイター、そしてソウルゲインの3つの機体を1つにまとめ上げた機体、それがトリニティゲインだ。

「システムXNの修復は完了したのか?」

 俺のその疑問に答えたのはヴィンデルでもレモンでもない、第3の人物だった。

「現状のシステムXNはまだ完全ではないが、通常転移の使用は問題無く可能だ」
「フェフ博士……」

 レモンがその人物の名を口に出すが、フェフはそれを気にした様子もなく話を続ける。

「ヴィンデル、トリニティの出撃準備が整った。いつでも出られるぞ」
「了解した」

 やはりフェフを引き込んだか。

「システムXN完成の為、か?」
「そういう事だ。あのシステムを修復するには彼の頭脳が必要だった」
「技術提携って奴ね。その為にこっちも色々と提供したんだし」

 フェフの子供達であるマシンナリー・チルドレンの機体であるベルゲルミルの基になる筈の量産型ヒュッケバインMk-Ⅱとかか。

「シャドウミラーの頭脳であるお前達2人がそう言うのなら必要だったんだろう。手足の俺がどうこう言う気はないよ」
「理解してくれて何よりだ」

 実際問題システムXNが使えるとの使えないのとでは、この先俺達の生存率が大きく変わってくる。それを考えると、とても文句は言えない。

「ヴィンデル、一人で大丈夫? 何だったら、私も付き合うけど」
「お前にはソフィア・ネート…… いや、『メイガス・ゲボ』の調整があるだろう」
「けどハガネとヒリュウ改の戦力は以前よりも増強されてるのよ。いくら少数とは言え、油断は死を招くわ」
「安心しろ、レモン。ヴィンデルをこんな所で死なせはしない。俺も出る」
「アクセル、貴男も出るの?」
「さすがにトップ1人を護衛も無しに出撃させる訳にもいかないだろう。……それよりも、場合によってはW17を排除する事になるが構わないな?」
「止めても聞かないでしょ? それにそれで落とされるなら、あの子もそこまで、私の望みには届かなかったという事よ」

 自嘲か苦笑かは分からないが、口元に笑みを浮かべながらレモンが答える。だが、原作通りに進めばレモンの希望は叶えられる筈だ。
 そんなレモンをチラリと見てから、ヴィンデルはフェフへと声を掛ける。

「フェフ博士、例の子供達は使えるか?」
「いや、まだ調整に時間が掛かる。代わりにスクールの者を使うがいい。ちょうどセトメ博士が再調整を終えた所だ」

 ……この戦闘で出てくるスクールのメンバーと言えば誰だったか。まぁ、いい。ゼオラにしろオウカにしろ、アギラの呪縛を解く為のステップにはなる筈だ。

「了解した。アクセルと共に前衛をやらせる。手配を頼むぞ」
「ああ」

 頷くと作戦司令室から出て行くフェフ。恐らくアギラへと声を掛けて出撃の準備を整えに行ったのだろう。

「……フェフ博士の子供達、か。どうも好きになれないわ、私は」

 その後ろ姿を見送ったレモンがポツリと漏らす。

「戦争は好きか嫌いかで行うものではない。それに私は嫌いではない」
「どうして?」
「目的を達成する為だけに創られていながら、それがさも自分の意思のように自覚し行動する。風体の問題ではなく、このコンセプトはむしろ美しいとさえ言えるだろう。お前のWシリーズもそうではないのか?」
「違うわね。感情や判断力を個々に持たせる。いえ、持っていると思わせるのは反対よ。それによって引き出せる力は大きいけど、ひどく不安定だもの。スクールの子供達みたいに。そして、調整されている以上の力を出す事はできない。その呪縛を解かない限りは、次のステージには辿り着けない」
「何を言いたいのか分からんな。私は指令を確実にこなせるのなら、それでいい」

 この認識の違いは、純粋な軍人であるヴィンデルと、科学者であるレモンの違いか。どちらが正しく、どちらが間違っていると言う訳ではない。ただ、俺としてはレモンよりの意見だが。

「話はここまでだ。トリニティで出る」
「行ってらっしゃい。向こうではこの段階の前後で躓いた。こちらでは……」
「私もそのつもりだ。行くぞ、アクセル」
「ああ」
「アクセル、気をつけてね」

 レモンの言葉に対する返事として、その頬へとキスをしてヴィンデルの後へと続いた。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:140
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.6
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:134 
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