魔法戦記リリカルウォーカー
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騎士
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騎士
side ユウヤ
親戚の家を出てから数カ月経った。その間俺は時たま襲撃してくる管理局から逃げながら廃ビルや公園などで野宿したり、安アパートを借りたりと転々としていた。
そして今は海鳴市内にある廃ビルに身を潜めている。今は食料を確保するたあの時の黒いフード付きのコートを着込み町に出ている。さらにフェイスカムで顔も変えている。
「魔力反応はないな・・・」
すっかりと癖になった魔力反応のチェックを終えて、俺はスーパーの中に入る。あんまりお金を使うことが出来ないため、なるべく安く腹にたまりまた日が持つ物を探す。
「あまりいい物はないな・・・」
独り言を漏らす。
結局あまりいい物は見つからず次の店に向かうことにした。まさにその時結界がはられた。
「っ!結界」
とっさに俺はデバイスを起動させ、すぐにサーチャーを撃ち上げ建物の陰に隠れてソリッド・アイの情報を確認した。だがそこに映しだされた物はここ最近で良く見た反応ではなく。一つの魔力反応がもう一つの魔力反応に向かってかなりのスピードで移動しているというものだった。しかも片方の魔力反応は、あの時情報登録した高町なのはの物だった。
「という事は・・・もう一つの魔力反応はヴィータということか・・・」
俺は状況を確認するために、近くのビルの屋上に移動しそこでソリッド・アイの望遠モードを使い二つの魔力反応がぶつかり合っているとこを見た。予想通りに、ビィータと高町なのはが交戦していた。
「もうこんな時期なのか・・・」
誰に言うでもなく、俺は独り言を言う。
そうこうしている間に、高町なのはが追い込まれフェイトとユーノおそらく神代仁であろう銀髪オッドアイの人物が、助けに入った。
「っ!転移魔法」
突然俺が居たビルの屋上に魔法陣が展開される。とっさに俺はビルの屋上の物陰に隠れる。そこから転移してきた人物を確認する。
「っ!」
俺は思わず声を出しそうになるが、ぐっとこらえ声を呑みこみ、相手の様子を盗み見る。
まさか・・・風の癒し手 湖の騎士シャマルがここに転移してくるとは思わなかった。非常にまずい、彼らは確かベルカの激戦の時代を体験してきた正真正銘のベルカの騎士である、下手をしたら簡単に気付かれてしまうかもしれない。早めにここを抜けだした方がいいだろう・・・
「そこに居るのは誰?」
「っ!」
見つかるのが早すぎる。仕方がない目くらましをして、この場から逃げるしかないな。
俺は物陰から飛び出し、誘導性の魔力弾と直進性の魔力弾を撃ちだした。
「クラールヴィント!」
シャマルは魔力障壁で誘導性の魔力弾も直進性の魔力弾もしっかり見切り防いだ。
その間に俺はビルから飛び降りた。だがその時かなり大きい魔力反応がものすごいスピードで近づいていることの気づきその方向に顔を向けた・・・目の前に銀髪オッドアイのせまっていた。そして奴はデバイスを一気に振りぬいていた。俺は避ける事も防ぐこともできず吹っ飛ばされた。
「ぐお!」
意識が飛びそうになる・・・だがなんとか意識を保つが体が動かない。
「だ、誰なのあなたは?」
シャマルが銀髪オッドアイの人物に呼び掛ける。
「俺か?俺は神代仁だ!そして俺は闇を夜天に戻せる!」
「管理局員じゃないのね?」
「は?俺は管理局員じゃないぜ。俺は闇を夜天に戻しに来たんだ。」
神代仁がほほ笑む。
「っ!」
シャマルの顔が赤くなる。
やはり奴が神代仁でニコポを持っているのか・・・
「とりあえず交渉だ。あそこに居る人は俺の大事な人でな、あまり苦しい目に会ってほしくないんだ。だからそこに居る意味がわからない奴の魔力だけを蒐集してくれ。」
な!俺の魔力を蒐集させる気か、くそ!体が動かない、動いてくれよ・・・
「わかったわ。蒐集」
「ぐぁ!」
あまりの痛さに声を漏らす。
「それじゃあ、俺は彼女たちのもとに戻らないといけないから」
そう言い残し神代仁は去って行った。
「くそ!待てこの野郎!」
どんどん魔力が吸われていることがわかる。
その時桃色の閃光が放たれた。同時に結界が壊れた。俺はとっさに残りの魔力を使って簡単な転移魔法を発動し俺は逃げる事に成功した。
「くそ!何なんだ」
俺はそのまま壁にもたれかかる。魔力はほとんど無い・・・このまま管理局員に見つかったらやばい。
俺は最後の力を振り絞り今の拠点である廃ビルに向かった。そこで魔力の自然回復を待つしかないないだろう・・・
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