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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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番外4 姉妹


コカビエルとの一件が終わり数日が経った。変ったことがあるとすればゼノヴィアがリアスの『騎士(ナイト)』として悪魔に転生したことくらいだった。
教会関係者が悪魔に成り下がっていいのかと一誠は疑問を唱えていたがコカビエルから聞かされた『神は居ない』と言うことを彼女の上司に話したところを渋々だが認められたらしい。
イリナは怪我が完治するとバルパーの遺体とエクスカリバーの破片を回収した後、本教会に戻った。イリナ自身は悪魔になるつもりはないみたいだった。
そしてゼノヴィアは駒王学園にリアス先輩の手引きで入学し、オカルト研究部の部員となったが闇慈はまずアーシアに謝るように促した。ゼノヴィアは自分の今まで言動を許してほしいとアーシアに謝ったがアーシアは笑顔で許してくれた。そしてそれを確認した闇慈はゼノヴィアに『これからよろしく』の意味を込めた握手を求め、それを彼女と交わした。

(何がともあれ、無事に終わって良かったよ。でも・・・アルビオン。あの龍に対抗するにはまだまだ力が必要だな。それにあの龍が出て来たって事は何かまた大きな面倒事が起きそうだな・・・)

今日は日曜日で部屋でゆっくりしていた闇慈は疑問に思っていた。ここでデスが呼びかけた。

(確かに・・・今のアンジの力では奴には適わぬのが必然。再び修業をするのが良いかもしれん)

(また僕に修業を付けてくれますか?デスさん)

(良いだろう。しかし今は体を休めることが先決。万全の状態でやるのが一番効率がいいからな)

(分かりました)

闇慈とデスの会話が終わった所で闇慈の母がノックをした後に入ってきた。

「闇慈。お願いがあるのだけど良いかしら?」

「何?母さん」

「今晩の夕食の買い物に行ってくれないかしら?何を買って来たら良いのかはこのメモに書いてあるから」

「(たまには家の手伝いをするのも良いかな)分かった。行ってくるよ」

「ありがとう、闇慈。お釣りはあなたの小遣いにして良いわ」

闇慈は母からお金とメモを受け取ると出かけて行った。

~~~~~~~~~~~~

余談だが闇慈の家からいつも買い物に行っているスーパーにはかなりの距離があった。闇慈はいつもの道を歩いていたが修業の内容が気になったのかデスに話しかけた。

(デスさん。修業ってどんなことをするんですか?)

(そうだな。まずは『魔力量を増やすこと』だな。この先長期戦が続くだろう。我の鎌と技は多くの魔力を消費する為今のお前の魔力量を少なくとも倍増させる必要がある。そしてその後は『応用技』と・・・『自然を利用した技』を教えるつもりだ)

(自然を利用した?)

闇慈が問い返そうとすると・・・

「ああん?何だと!?このガキ!!」

「「だからあたしたちはガキじゃないもん!!」」

不良の声と何処かで聞いたことのある声が聞えてきた。その声をしたほうを見てみると3人くらいの不良達が二人の薄緑色の髪をしたペアルックの服を着た双子に絡んでいた。

「あれは・・・イルちゃんとネルちゃん?どうしてこんな所に?」

そう。絡まれていたのは以前ライザー戦の時に闇慈が戦ったポーンの『イル』と『ネル』だった。見る限り何かもめている様だった。

「貴方たちからぶつかって来て、誤りもしないなんてレディに対して失礼じゃないの!!」

「ガキがレディなんて言葉を使ってんじゃねえよ。いい加減にしねえと俺たちもキれるぞ?俺たちはガキだからって容赦しねえぞ!!」

「ふん!!貴方たちごときに遅れるなんてありえないよ!ねえ?ネル」

「そうだね、イル」

「このガキどもが~~~~!!!!」

散々イルとネルにコケにされた三人組みの内の一人が二人に殴りかかった。それを見ていた闇慈は素早く移動し、殴ろうとしていた方の腕を掴んだ。

「ぐっ!?何だ!?てめえ!!」

「「あっ・・・。あの時のお兄さん!!」」

「久しぶりだね?イルちゃん、ネルちゃん」

そう言うと闇慈は二人に殴りかかろうとした不良を残りの2人の元に突き飛ばした。

「てめえ・・・このガキ共の知り合いか?」

「そんな所です。でも貴方達も大人気ないですよ?話を聞く限りどう見ても貴方が悪いじゃないですか。二人に謝ればそれで解決。そうじゃないんですか?」

「俺に指図してんじゃねえーーー!!!」

先ほど突き飛ばされた不良は余程沸点が低いのか闇慈に殴りかかった。

「和解よりも血を・・・ですか」

闇慈は軽く溜め息を付くと不良のパンチを避けると空いた鳩尾に力を制限した正拳を打ち込んだ。不良は再び吹き飛ばされ地面に倒れ付した。

「い、いてぇ・・・」

「どうです?まだやりますか・・・?」

闇慈は少しドスをかけた声で残りの二人に問いかけた。

「「ひ、ひぃ!!す、すみませんでした!!」」

二人は闇慈の殺気に怯えたのか倒れたもう一人を起き上がらせるとその場から消えるように居なくなった。

「暴力で解決するのは、あまり好きじゃないな・・・」

「お兄さん!!凄~~い!!」

「流石ライザー様を倒した死神さん!!」

イルとネルは闇慈の元に寄り添った。

「さてと・・・イルちゃん、ネルちゃん。どうしてこっち人間界にいるの?」

「えっとね。ずっと冥界にいたら退屈になっちゃって人間界に行っても良いですかってレイヴェル様に聞いてみたの」

「えっ?ライザーに聞かなかったの?」

闇慈がイルとネルに問いかけると二人は顔を少し歪ませ、こう答えた。

「うん。実はあのゲームで負けて以来。ライザー様は引きこもりになっちゃったんだ。だからレイヴェル様に頼んたの。そしたらお館様に掛け合ってくれて今日だけ許可を貰えたの」

「なるほどね。二人はこれからどうするの?」

闇慈の問いかけに二人は顔を見合わせ、考え始めた。

「う~ん。何も決めてないね?ネル」

「どうしよう?イル。お兄さんは?」

「僕はこれから買い物。母さんから頼まれてね」

それを聞いた二人は再び顔を見合わせ、頷いた。

「その買い物。私達も手伝うよ♪」

「えっ?良いの?」

「うん♪さっきも助けて貰ったしね」

「じゃあお願いしようかな」

「「えへへ。決~まり♪じゃあ行こう」」

イルは闇慈の右手を、ネルは左手を掴むと勢いよく走り出した。

(全く。手のかかる姉妹だよ・・・でも嫌いじゃないけどね)

そう思っている間にスーパーに着いた。

「さてと何を買うのかな」

闇慈は貰ったメモを開き材料を確認した。それを見ていたイルとネルは・・・

「「私たちが取ってきてあげる。お兄さんはここで待ってて?」」

メモを闇慈から取ると買い物カゴを二つ取りそう言った。

「でもここは二人は初めてなんだよね?迷ったりしない?」

「もう!!お兄さんまで子供扱いする!!」

「もうイルとネルは子供じゃないもん!!」

「あはは。ゴメンゴメン。分かった。お願いするよ」

それを聞いたイルとネルは顔に笑顔を浮かべ、二人で奥に入っていった。

5分後・・・

「・・・そろそろかな」

闇慈が思っていると二人が買い物カゴに材料を入れて戻ってきた。

「ただいま~~お兄さん」

「お疲れ様。材料はあった?」

「うん・・・あったのはあったんだけど」

妹のネルが少し疑問の顔を浮べていた。

「何か問題でもあった?」

「材料の中に『豆腐』があったんだけど、『絹』と『木綿』があったんだよ。メモにもどっちか書いてなかったし、とりあえず二つとも持ってきたけど、どうしよう」

「なるほどね。ちょっとメモを見せてくれる?」

「うん。これだよ」

闇慈は姉のイルからメモを受け取り、内容を確認し始めた。

「たまご、牛肉、糸こんにゃく、白菜、えのき、春菊、豆腐・・・」

闇慈はこの材料から作ることが出来る料理を思い浮べた。

「・・・分かったよ♪」

「「えっ!?どっちか分かったの?お兄さん」」

「うん。これは多分『木綿』だね」

「どうして『木綿』なの?」

「この材料は多分『すき焼き』の材料だと思う。普通すき焼きには『木綿豆腐』を使うからね」

「へえ~。材料だけで分かっちゃうなんて流石お兄さん♪」

「それ程でもないよ。じゃあ会計してくるから二人はここで待ってて?」

「「は~い」」

その後闇慈は会計を済まし、二人の元にやって来た。お釣りを確認し闇慈は頷いた。

「じゃあ今日手伝ってくれたご褒美をあげようね」

「「えっ」」

~~~~~~~~~~~~

「「美味し~い♪」」

二人は闇慈に連れられ、クレープ屋に来てクレープを奢って貰った。

「ここのクレープは中々いけるんだよ。美味しい?」

「うん♪美味しいね、ネル」

「お兄さんを手伝って良かったね、イル」

二人は余程美味しかったのかあっという間に食べ終えてしまった。

「「美味しかった~」」

「あっ・・・二人とも頬にクリームが着いてるよ」

闇慈はポケットティッシュで二人のクリームを優しく拭き取った。

「「んっ・・・」」

「はい。取れたよ」

(ありがとう。何だかお兄さんが本当のお兄さん思えてきたよ、ネル)

(私もそう思ったよ、イル)

二人はそう闇慈には内緒で呟いていた。

~~~~~~~~~~~~

そしてイルとネルが帰る時間になり人気のない所に移動した。そして目の前にフェニックス家の移動魔法陣が展開された。

「「あ~あ。もう帰らなくちゃいけないの?」」

「ワガママ言っちゃ、子供のままだよ。ちゃんと受け入れないとレディ大人にはなれないよ?」

「「う~。は~い(あっ!そうだ!)」」

二人はこそこそと何か二人で打ち合わせをしているようだった。

(何をしてるんだろう?)

「お兄さん。ちょっと屈んでくれる?」

「へっ?どうして?」

「良いから良いから!」

闇慈は了承したのか軽く頷き、屈んだ。それを見たイルとネルは・・・

「「今日はありがとう♪・・・闇慈お兄ちゃん♪」」

チュッ・・・

闇慈の右頬にイルが、そして左頬にネルがキスをするとそのまま魔方陣の中に消えて行き、魔方陣も消えて行った。

「・・・」

闇慈は何をされたのか分からずにそのまま各頬を右手で確かめた。

(デスさん・・・今、何されました?)

(聞かずとも分かっているんじゃないか?)

(・・・やれやれ。本当に手のかかる・・・妹達だね)

闇慈はゆっくり立ち上がり家に向けて足を向けた。しかし振り返ると20代位の黒髪の美形の男性が立っていた。

(美形な人だな。祐斗より上のように感じる・・・でもこの力は!?)

『力』を見抜くことの出来る闇慈はその男性の巨大な力に咄嗟に身構えた。

「貴方は何者ですか?唯の人間じゃないでしょう?」

「一目見ただけで見破るなんてな。流石は『黒衣の死神』」

(っ!?その二つ名はアルビオンが名づけたものなのになんでこの人が?・・・まさか!!)

闇慈はアルビオンの言葉を思い出した。

ーーアザゼルに報告しなくてはならないーー

「貴方は堕天使の首領、『アザゼル』・・・ですか?」

「ご名答。そう身構えるな、今日は挨拶だけだ。近い内にまた会うことになるさ」

そう言うとアザゼルは6対12枚の黒い翼を広げた。

ーー冥界ーー

「今日は如何でした?二人とも」

「レイヴェル様。はい。とても楽しかったです♪」

「そう。それは良かったわ」

「それにお兄さんにも会えました♪」

「お兄さん?・・・もしかしてアンジ様!?」

「「アンジ・・・『様』?」」

「はっ・・・いえ何でもありませんわ!!///」
 
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