転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OGs
0086話
『……然るに、東京宣言を経て連邦政府の執ってきた施策はどうか? 一部特権に偏った巨大な官僚機構は無為無策のまま旧世紀からの諸問題を解決せず会議と選挙工作に明け暮れ、問題を先送りする為の立法に日々を重ねてきたに過ぎない。だが、地球圏全体を覆っている事態は、すでにそのような思考の時間が終わった事を告げている。地球と宇宙に生きる全ての人類諸君、私はここに宣言しよう! 我々こそが地球圏を守り得る力である事を! 私は宣言しよう! かつてビアン・ゾルダークが示唆した異星人の脅威を払拭できるのは我ら新たなディバイン・クルセイダーズ、『ノイエDC』をおいて他にいないと!』
ライノセラスの格納庫に、バン大佐の演説が響いている。
とは言っても、この艦にいるのは全員が全員シャドウミラーの人員だ。ノイエDCに所属している者のように、演説を聞き感激したりはしていない。ただ淡々と聞いているだけだ。
『先の東京宣言でも分かるように、連邦政府は今まで多くの真実を隠蔽していた。そんな者達に地球圏の舵取りを任せる事は自殺行為に等しい。諸君らは為政者の捨て駒という、意味の無い死を望んでいるのか? そして、種族として根絶やしにされる惨めな結末を享受するつもりなのか? 否! 諸君らには生を望む意思がある筈だ。己の未来を欲している筈だ。生ある者として、今選ぶべき手段は一つ。それは人類の力と叡智を一つに集め、来るべき脅威に立ち向かう事である。そして、その為には腐敗していくだけの官僚機構を排除し……強大な力の下に、多くの意思が統一されねばならない』
腐敗、ね。あちらの世界で実際に腐敗した連邦政府や連邦軍を見てきた俺としては、まだまだ正常……とは言わないまでも、腐敗しているとはとても言えないと思うんだが。
『今、この世界に必要な物はイージスの盾ではなく、ハルパーの鎌である! 我らの意思に賛同する者はノイエDCに来たれ! 己の力を欲望ではなく人類と地球の未来の為に使う者であれば、何人であろうと拒みはしない! 心ある者達よ、新たな聖十字軍の旗の下に集え! そして、我らの手で自らの自由と未来を勝ち取るのだ!』
その言葉をもって、バン大佐の演説は終了する。
そして同時に、隣にあるノイエDCのライノセラスからは歓声があがっているのがこちらにまで聞こえてくる。
「士気は最高潮だな。これでアフリカは貰ったか。どうする、ハガネの諸君。熱狂した兵士程厄介なものはないぞ」
ムータ基地では結局、新生グロウセイヴァーのお披露目だけで実際に戦う事はなかった。あのハガネの部隊が、アラビア半島で戦った時から大して成長していない場合は、ノイエDC相手に敗戦を続ける事になるだろう。
だが、俺の期待通りに成長しているのなら……
「隊長、そろそろアースクレイドルに到着の予定だ」
考え事をしていると、ウォーダンから声をかけられる。
「そうか。……W15、ハガネのPT部隊と剣を交えてみてどうだった?」
「……手強いな」
「手強い? お前の攻撃を防ぎきれなかったようだが?」
「いや、剣をあわせた時、普通なら恐怖に負けて退くものだ。だが奴は、キョウスケ・ナンブは前に出た。その為に本来なら機体を両断する斬撃が、肩をかすめるのみで終わったのだ」
なるほど。キョウスケに関してはその強さを心配する必要は特にないのかもしれないな。なにせ、士官学校での模擬戦の時にもあの糞度胸に何度驚かされた事か。
「なら、この先が楽しみだな」
「ああ」
「……何の騒ぎだ?」
アースクレイドルへ帰還し、メイガスとのリンクの為に別行動を取るウォーダンと別れ、作戦司令室へと向かっていると唐突に騒ぎが聞こえてきた。気になったので様子を見てみると、そこには手足を量産型Wに押さえ込まれて騒いでいる男の姿があった。
「どうした?」
状況が分からない為、量産型Wへと尋ねる。
「この男が無断でシャドウミラーへ割り当てられた区域へと侵入しようとしていたので取り押さえようとした所、逃げ出したので捕まえました」
「ふざけんな! 俺がいつそんな所に入り込んだってんだ! もしそうなら、証拠を見せてみろよ、証拠を! こいつが俺をハメようとして嘘をでっち上げていきなり襲いかかってきたんだよ。見た所、あんたはこいつの上司か何かだろう? どうにかしろよ。今なら穏便に済ませてやってもいいんだぜ?」
騒いでいる男は大体20代前半くらいの若い男だ。だが、その顔にはこちらを馬鹿にしきった嘲笑を浮かべている。どうやら意地でも自分の非を認めようとはしないらしい。
そもそも量産型Wは基本的には自分の意思、自我というものを持たない。そんな量産型Wが特定の個人を陥れるなんて事はまず有り得ない。
……いや、あるいはレモンかヴィンデルの命令か何かあったのか? 命令があったのなら考えられるが。
「取りあえずうちの牢屋にでも入れておけ。ヴィンデルとレモンに詳しい話を聞いてから処分を決める」
「はっ」
頷いた量産型Wは、腕を極めたまま男を強引に持ち上げてそのままシャドウミラーに割り当てられた区画へと連れていく。
「おい、俺にこんな事をしてもいいと思ってるのか! お前達みたいに上層部のお情けでここに置いて貰っている弱小組織が、アースクレイドル生え抜きの人員である俺に対して、こんな!」
男は量産型Wに引きずられながらも聞くに値しない罵声を口にしていたが、誰にもまともに相手にされる事はなかった。
さて、何がどうなってるのやら。
折角帰ってきたアースクレイドルであんなのに関わる事になってしまった自分の不運に苦笑しつつも、シャドウミラー区画の作戦室へと向かう。
「今戻った」
「ああ、よくやってくれた。……どうした? 不景気な顔をして」
尋ねてくるヴィンデルに、先程の出来事を伝える。
「ふむ、我々の施設に侵入か。相変わらずやってくれる」
「何か心当たりがあるのか?」
俺の疑問に答えたのはヴィンデルではなく、レモンだった。その顔には苦笑を浮かべている。
「アクセルは初めてかもしれないけど、今まで何度か同じ事があったのよ。残念ながらその時は量産型Wが捕まえる前に逃げ出して尻尾を掴めなかったのだけれど」
「何の為に量産型Wを武装させてこことアースクレイドルを繋ぐ場所に待機させていたと思っている? そういう意味では今回はお手柄だな」
「相手は?」
「フェフとは純粋に技術協力しているし、わざわざこちらにスパイを送ってくる必要はないでしょう。つまり……」
「アギラ・セトメ、か」
「そう言う事ね。今まではのらりくらりと言い逃れて来たけど、今回は犯人を捕らえてますからね。後で話を聞かせて貰うわ。幸い素直になるお薬は有り余っている事だし」
量産型WやWナンバーズを製造するレモンだけに、その手の薬品を調合するくらいは朝飯前にやってしまう。見ていても不愉快になるだけだった侵入者だが、こうなると哀れ以外の何ものでもないな。
……待てよ? ふとオウカの事が思い浮かんだ。この尋問にオウカを連れてきて、アギラのやっている事を知らせてみてはどうだろう? これだけで暗示を解く、とはいかないだろうが、自分が絶対視しているアギラの所業に疑問を抱かせるのは可能かも知れない。そして、そこを起点にすれば今すぐには無理でも、いずれは……
「ヴィンデル、レモン。尋問する時に1人、あるいは2人程同席させたいんだが構わないか?」
「構わないが、誰だ?」
「オウカ・ナギサ。それともしかしたらクエルボ・セロ博士も来るかもしれないな」
「ちょっと、アギラの部下をなんでわざわざ?」
「そもそもオウカ・ナギサは洗脳されていて、クエルボ・セロ博士に関して言えば人間性はマシなんだろう? 今回の尋問でその2人がアギラに対する疑問を持ってくれればラッキー程度の認識で構わない」
眉を顰めているレモンへと訳を話す。
「ふむ、そうだな。それはそれでありか。構わん。フェフへはこちらから手を回そう」
頷いたヴィンデルが通信装置を起動し、どこかに連絡を取る。
いや、まぁ。言うまでもなくフェフだろうが。
「以前言っていた侵入者についてたが、捕らえる事が出来た。それで尋問しようと思うが、アギラの下からオウカ・ナギサとクエルボ・セロをこちらによこしてくれないか? ああ。見届け人という形で構わん。いや、そうではないが。うむ、そうだ。私達が侵入者が誰の手の者か予想しているのは知っているだろう? うむ、その方向で頼む」
1分程で会話を終わらせ、こちらへと戻ってくる。この短い時間で相手にこちらの要求を呑ませるというのはさすがヴィンデルだな。
「20分程でこちらに向かわせるそうだ。2人が来てから尋問を行う事にする。レモンは自白剤の準備をしておいてくれ」
「はぁ、言い出したら聞かないわよね、2人共。しょうがないわね」
溜息を吐き、司令室から出て行くレモン。ヴィンデルに言われた自白剤を取りに行ったのだろう。
その後はムータ基地攻略に関してヴィンデルへと報告をしているうちに予定の時間となり、量産型Wが近づいてくる。
「オウカ・ナギサとクエルボ・セロが面会を求めています。約束はあるとの事ですが」
「ああ、構わない。ここに通してくれ」
「了解」
作戦司令室に入ってきたのは、こちらの希望通りオウカとクエルボの2人だった。
だが、不思議なのはオウカが俺の方を厳しい目付きで、まるで睨むかのように見ている事だ。アラビア半島での戦いで多少なりとも打ち解けた筈なんだが。
なにも笑顔で話すような間柄になったとは言わない。それでも今みたいに睨まれるような覚えもない。
これは……またアギラに記憶や感情を弄られたか?
「ようこそ、クエルボ博士。それとオウカ・ナギサ。私達シャドウミラーは君達の来訪を歓迎しよう」
ヴィンデルの多少芝居がかった口調にオウカが何か言おうとするが、それを止めるかのようにクエルボが口を開く。
「僕と彼女に何か用でしょうか?」
「ああ。実は君達にちょっと聞いて貰いたい事と、見て貰いたい事があってな。私達がこのアースクレイドルへと身を寄せてからしばらく経つが、度々私達の管理地域にネズミが入り込んできて非常に困っている」
「ネズミ……?」
オウカは不思議そうな顔をしているが、クエルボの方は恐らく何らかの心当たりがあったのだろう。その表情が強ばっている。
「そのネズミだが、今までは素早くて捕まえる事が出来なかったのだが、今回は珍しく捕まえる事が出来た。それで君達に心当たりがあるかどうか聞こうと思ったのだよ」
「ヴィンデル大佐、私にはあなたが何を言っているのかよく分かりません。ネズミ、とは実験動物が逃げ出したとかそういう事ですか?」
本気で何も分かっていない様子のオウカだが、ネズミが捕らえられたと聞いたクエルボの顔からは血の気が引いている。
このまま話を長引かせて、クエルボの胃にダメージを与えすぎて胃潰瘍になられても困る。この男はオウカと共にハガネに対する報酬の1つなのだから。
「ヴィンデル、こいつらに比喩的な言い回しをしても理解は出来んさ。クエルボの方はともかく、オウカは本気で分かっていない」
俺が口を挟むと、オウカはキッとこちらを睨みつける。
「アクセル大尉、私はあなたに私の名前を口にする事を許した覚えはありません!」
「オ、オウカ……」
……記憶を弄られているのはこれで決まりか。さて、今回の尋問がそれを解決するきっかけになってくれればいいんだが。
「ようは、アギラ・セトメが俺達の技術を盗もうとしてスパイを送り込んでるって事だ」
オウカの癇癪には付き合わず、用件のみを告げる。どうやら俺に対する敵意を植え付けられているようだし、何を言っても無駄だろう。
「……は?」
オウカは俺の言葉が余程予想外だったのか、一瞬惚けるがすぐにその顔を怒りで真っ赤に染める。青い顔をしているクエルボとは正反対だ。
「ば、馬鹿な事を言わないで下さい! 母様がそんな事をする理由は無いじゃないですか!」
「理由は至極単純。自分の知らない技術を俺達が持ってるから。ただそれだけだ。……違うか? クエルボ博士」
「……いや、僕は知らない」
だろうな。今の状況ではそう言うしかないだろう。
ヴィンデルの方を見ると、そちらでもやはり苦笑を浮かべていた。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:26
PP:30
格闘:210
射撃:228
技量:220
防御:217
回避:245
命中:267
SP:350
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP20
覚醒 消費SP32
???
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.6
???
???
???
???
???
???
撃墜数:116
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