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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第二十六話 決着


レイヴェルと別れを告げ、闇慈は一誠を探していた。しかし一誠の姿は見当たらなかった。

(おかしい・・・イッセーが居ない・・・僕の予想は校舎の入り口で待ってると思ったんだけど)

闇慈が疑問に思っていると・・・

「イッセーーー!!!」

リアスの叫び声が闇慈の耳に届いた。

「っ!?今のはリアス先輩の叫び声!?まさかイッセー・・・一人でライザーに挑んだの!?あのバカイッセー!!」

闇慈は校舎の階段を駆け上がり、屋上に出た。そしてそこにはライザーと対峙している赤の全身甲冑を身に纏った一誠がいた。

(何だ?あの甲冑みたいな鎧は?)

(恐らくあれが赤龍帝の篭手『ブーステッド・ギア』のバランス・ブレイカーだろう)

(あれがイッセーのバランス・ブレイカー)

闇慈は一誠のバランス・ブレイカーを賞賛していたが時間切れなのか一誠はもとの制服の姿に戻ってしまった。それをチャンスにライザーが一誠の首元を掴み上げ、首を絞め始めた。

「が・・・は・・・」

「そろそろ眠って貰おうか?いや死んで貰おうか!!ゲーム中の死亡はルール上、事故として認められているからな!!」

「「イッセー(さん)!!!」」

そのことを聞いた闇慈は・・・

「イッセーから・・・離れろーーー!!クソ焼き鳥!!!」

魔力を足に注ぎ込んだ飛び蹴りをライザーの顔面に直撃させ、ライザーを吹き飛ばした。そのことを確認した闇慈はアーシアに一誠の治療を施すように指示した。

「アーシア。イッセーが動ける位までに傷を治してくれ。それまでの時間は俺が稼ぐ」

「分かりました・・・大丈夫ですか?イッセーさん!?」

「あはは・・・格好悪ぃ所を見せちまったな・・・闇慈」

「いや。良くやったよ。傷が癒えたら二人で倒そう!!」

「・・・作戦会議は終わったかい?」

闇慈が再びライザーを見てみると顔が見事に凹んでいたが、それが一瞬で回復した。

「なるほど。これが不死鳥(フェニックス)の力か・・・」

「人間の癖にユーベルーナを倒し、この俺に蹴りを当てるなんてな・・・」

「・・・今の俺なら貴様を躊躇無く斬れそうだ・・・なんせ俺の親友を殺そうとしたんだからな!!」

闇慈は怒りから魔力が漏れ始め、そのことに気付いたライザーは驚きを隠せないようだった。

「っ!!これは・・・魔力!?貴様・・・ただの人間じゃないな!?」

「だったらクイーンであるユーベルーナを倒せるわけないでしょう?さあ・・・始めようか!!」

闇慈は自分の右手を胸に置き、目を閉じた。そう久しぶりにやる『あれ』だ。

「来い・・・来いよ・・・俺は・・・ここにいる!!」

闇慈が体が煙で覆われ、それが晴れるとマントを身に纏い、デスサイズ・ヘルを右肩に担いでいた。

「・・・セイクリッド・ギアも所持していたのか」

「さあ・・・貴様に『死』を見せてやる!!」

闇慈は手始めに飛翔刃を飛ばし、ライザーの右腕を切り落としたが、それも瞬時に回復してしまった。

(やっぱり。飛翔刃じゃ相手に致命的なダメージを与えられないか・・・)

「どうした?『死』を俺に見せてくれんじゃなかったのか?」

「やっぱりお前はアホだな。アーシア。イッセーはどうだ?」

「はい。怪我は一通り治しました」

「サンキュー。アシーア」

一誠はアーシアから怪我を治して貰うと闇慈の隣に来た。

「すまねえ!闇慈」

「気にするな。イッセー。今お前が持っている能力を全部、手短に教えてくれ」

「あ、ああ」

イッセーの説明を受け終えると闇慈はニヤリと笑みを浮べた。そして作戦の内容を一誠に伝えた。

「良し!!二人で倒すぞ!!」

「おう!!」

そう言うと一誠はライザーに殴りかかった。しかしライザーはこれを読んでいたのか巨大な炎の球体を作り、一誠に向かって投げつけた。

「消し炭になれぇぇ!!!」

「それはゴメンだな!!闇慈!!」

「任せろ!!うおおお!!!」

闇慈は一誠の前に出るとデスサイズ・ヘルでその球体を斬り裂こうとした。

「バカめ!!その炎は『不死』の炎だ!!斬れるわけがねえだろう!!」

「それはこの光景を見てから言え・・・」

闇慈は魔力を注ぎ込んだデスサイズ・ヘルで球体を横に一閃するとその炎は霧散してしまった。

「バ、バカな!?俺の・・・『不死』の炎が!?」

「今だ!!イッセー!!叩き込め!!」

「うおおおお!!!」

ライザーが動揺している隙に一誠は左の篭手をライザーの鳩尾に叩き込んだ。

「ふっ。無駄だ!!俺にそんなものが効く訳・・・ゴフッ!?」

何時もなら平然としているライザーだが、今回は違った。何故なら・・・

「やっぱり悪魔には『これ』は効果抜群みたいだな?イッセー」

「ああ!!」

一誠が左手から出したのは『十字架』だった。これは闇慈がアーシアからこの時のために借りていたものだった。

「バ、バカな。『十字架』は貴様にとってもダメージを与える筈・・・っ!!まさか・・・貴様!!」

「そう言う事だ。この左腕はもう俺(悪魔)の腕じゃねえ。赤龍帝の腕だ。だから十字架も意味をなさない」

「さあ!!どんどん行くぞ!!イッセー」

今度は闇慈がライザーの顔面向かって何かを投げた。そして・・・

「飛翔刃!!」

闇慈は飛翔刃でそれを真っ二つにすると中から『水』が出てきた。

「イッセー!!」

「ブーステッド・ギア・ギフト!!」

『Transfer!!』

その瞬間、『水』が虹色に輝き、それがライザーの顔にかかると顔から血が流れ始めた。これが一誠のもう一つの能力『ブーステッド・ギア・ギフト』だ。力を倍増させる特殊能力のようだ。だからライザーほどの上級悪魔でも『聖水』が効いたという訳だ。

「うがががぁぁ!?」

「リアス先輩が言っていた通りだな。『聖水』は肉体だけでなく『精神』にもダメージを与えるって。そろそろ決めるぞ!!イッセー!!今こそあの修行で学んだことを生かすんだ!!」

「おう!!」

「さ、させるか!!」

ライザーは最後の力を振り絞り、球体を作り、二人に投げつけたが、二人は難なく避けた。

「木場が言っていた!!視野を広げて相手と周囲も見ろと!!」

一誠は再び十字架と聖水を左腕にかけ力を倍増させた。

「朱乃さんが言っていた!!魔力は体全体覆うオーラから流れるように集める!!意識を集中させ、魔力の波動を感じれば良いと!!」

そして一誠は格闘の構えを取り、何時でも打撃を打てるようにした。

「小猫ちゃんが言っていた!!打撃は体の中心線を狙って的確且つ抉り込むように打つんだと!!」

それを見た闇慈もライザーに止めを刺そうとデスサイズ・ヘルに魔力を注ぎ始めた。

「ま、待て!!分かっているのか!?この婚約は悪魔の未来のために必要で大事なものなんだぞ!?お前らのような何も知らないガキ共がどうこうするような事じゃないだ!!」

ここでまず一誠が答えた。

「難しい事は分からねえ!!でもな、アーシアに傷を治して貰っているときに見たものがあるんだ!!部長が泣いていたんだ!!」

それに付け加え闇慈が答えた。

「貴様が婚約の話をだしてからな!!リアス先輩に変わったことがあるんだ!!リアス先輩の顔から笑顔が消えてしまったんだ!!」

そして二人は一瞬でライザーの距離を縮め、振りかぶった瞬間二人の声が重なった。

「「俺たちがてめえ(貴様)を殴る(斬る)理由はそれだけで十分だぁぁぁぁ!!!」

ゴスッ!!  ザシュッ!!

一誠がライザーの鳩尾を殴り、闇慈は胸元を斬り裂いた。そしてライザーはその場に倒れ付した。それを見ていたレイヴェルはライザーを庇うように前に出たが、一誠は『ブーステッド・ギア』を、闇慈は『デスサイズ・ヘル』を前にかざし、こう叫んだ。

「「文句があるなら俺たちの所に来い!!リアス・グレモリーの『兵士』と『死神』が相手になってやる!!」」

レイヴェルは二人の姿に顔を赤らめていた。そしてここでグレイフィアの放送が入った。

『リアス様の[ポーン]及び[遊撃手]。相手[キング]を撃破(テイク)。よってこのゲームはリアス様の勝利です』

「やったぞ!!イッセー」

闇慈が一誠に呼びかけると一誠は闇慈に握手してきた。

「サンキュー!!闇慈!!お前のおかげであの焼き鳥野郎を倒すことが出来たぜ!!」

「いや。僕はイッセーの補助をしたようなものだよ。あいつはイッセーが倒したんだよ!!」

その後、リアスとアーシアと合流し、このレーティングゲームは幕を閉じた。 
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