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髑髏天使

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第四十七話 神々その二十二


「既にな」
「それはその通りだが」
「では普通の神とはだ」
「違う」
「全てがだな」
 二人はそのことをあらためて確認した。そしてだった。
 あらためてだ。死ぬゆく神に対して問うのだった。
「あの黒い男はだ」
「主なのか、貴様等の」
「主神というのか」
 神はここでも二人の言葉に応えてきた。
「ナイアーラトホテップが」
「そうだ。それはどうなのだ」
「違うのか、それは」
「同胞ではある」
 神は二人の問いにまずはこう答えた。
「それではある」
「そうか、やはりな」
「同胞なのだな」
「しかし主ではない」
 それは否定するのだった。
「それは違う」
「主ではない」
「あれだけ不気味な力を持っていてか」
 二人は神の今の言葉に怪訝な目になった。
「では誰だ」
「誰が混沌の神だ」
「貴様等が既に知っている存在だ」
 それだとだ。神は言うのである。
「それがなのだ。我等の主神達だ」
「しかもそれは一柱ではない」
「そうなのか」
「原初の混沌」
 神の言った言葉だ。
「それが我等の主神達だと言っておこう」
「そうか」
「それはわかった」
「ではだ」
 ここまで話してだった。遂に神の姿が完全に消えてしまった。その赤い炎と青い炎に全て包まれてだ。その中に消えてしまったのである。
 これで終わりだった。神が消えるとだ。二人は元の世界に戻っていた。その大阪の街にだ。二人で戻ってきていたのであった。
 戻るとだ。二人はすぐに変身を解いた。髑髏天使は牧村に戻り死神は普段の黒いジーンズとタンクトップになった。その姿でまた話すのだった。
「聞いたな」
「確かにな」
 死神が髑髏天使に対して答える。
「そして覚えた」
「原初の混沌か」
「そして一柱ではない」
「あの男は主神ではない」
「そうしたことだな」
「全て覚えた」
 こう二人で言い合ってだ。確かめ合うのだった。
「そしてだ」
「そしてか」
「そうだ、そしてだ」
 死神はあらためて牧村に告げた。牧村もそれを聞く。
「そこまで辿り着くのはすぐではないな」
「まだ戦うか」
「それがある」
 こう告げるのである。
「原初の混沌達に辿り着くにはな」
「後どれだけ神がいるか、か」
「それはまだわからない」
 死神は言う。
「だが、だ。それでもだ」
「戦うしかないな」
 牧村はこう彼に言葉を返した。
「つまりは」
「そういうことだ。わかっているな」
「言うまでもない」
「ではだ」
「今日はこれで終わりだ」
 とりあえず戦いが終わったことは確認した。そしてだった。
 牧村はサイドカーに乗った。死神もだ。自分の前にハーレーを持って来ていた。
 そのハーレーに乗りだ。そのうえで牧村に顔を見て最後に言った。
「次の戦いの時だ」
「また会おう」
「それではな」
 こう言葉を交えさせてだった。彼等はここでは別れた。今戦いは終わった。そしてすぐにまた新たな戦いがはじまるのであった。


第四十七話   完


                2010・11・7 
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