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髑髏天使

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第四十二話 共闘その一


                     髑髏天使
                  第四十二話  共闘
「そう、あの二人がね」
「共闘したか」
「これまでとは全く違って」
「はい、これまではです」
 今は倉庫の裏だった。港にあるその倉庫の裏は何処か湿っており人気もない。彼等はそこに集まり話をしていた。まずは老人が告げたのだった。
「共にいても共闘はしていませんでした」
「それぞれで闘っていた」
「たまたま戦場が同じであっただけ」
「それだけだったわね」
「しかしです」
 ここで老人はまた言った。
「今回は違いました」
「うん、はっきりと一緒に闘ったね」
「共通の相手に」
「息を合わせて」
「そうしたところが全く違います」
 老人はまた述べた。
「今度はです」
「そうよね」
 女が老人のその言葉に頷いた。
「それが違うわね、これまでとは」
「これまではね。あれだったからね」
 子供もいた。そのうえで語る。
「本当に戦場が同じだっただけだから」
「敵が同じであった」
 紳士もいる。
「それだけだった」
「しかしあの時は違いました」
 老人は仲間達に話す。
「二人は完全に共闘していました」
「そうね」
「確かにね」
「その通りだ」
 魔神達は老人のその言葉に応えて頷く。
「どういうことでそうなったのか」
「それは何故か」
「それは?」
「おそらくはです」
 老人は仲間の神々の問いにも答えた。
「仲間意識ができたのではないかと」
「仲間意識か」
 男がその言葉に反応を見せた。
「それか」
「つまり。あれだよな」
 次はロッカーだった。
「同じ敵と戦い続けるうちにってことか」
「そういうことですね。この場合は」
 小男もそれではと返す。
「やはり」
「そうだと思います、私も」
 老人もこう予想を述べた。
「それによってです」
「それならばね」
 美女だった。
「二人にとってはいいことになるわね」
「しかし我々にはどうだ」
 黒人はそこに疑問符を投げかけた。
「あの二人と戦う我々にとってはだ」
「二人が手を組めばそれだけ手強くなる」
 青年も言う。
「だからこそだな」
「そうじゃな。厄介になるやもな」
 最後に老婆が口を開いた。
「さすれば」
「いえ、その前にです」
 ところがだ。老人がここでまた仲間達に対して言ってきた。
「我々は今後彼等と戦うでしょうか」
「何っ、それは一体」
「どういうことだ」
「髑髏天使や死神と戦わない」
「そうなると」
「妖魔です」
 老人は今度はこの単語を出してみせた。 
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