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髑髏天使

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第三十八話 老婆その四


「だからね」
「そうですよね。やっぱり泳がないと」
「ええ。それじゃあね」
「はい、はじめましょう」
 二人で話を中心に進めて牧村は少し除け者になっている感じであった。しかしそれでも話を進めてであった。そのうえで泳いだ。それが終わってからだった。
 プールから出て着替えてサウナで汗を流して全てを終わってからだ。リビングでくつろぎながらアイスクリームを食べて。未久は笑顔で言うのである。
「最後はやっぱりこれよね」
「アイスクリームか」
「そう、アイスよ」
 まさにそれだというのだ。笑顔でそのソフトクリームに似た形のアイスクリームを食べている。その色はストロベリーのものだった。
「これよね」
「アイス好きだな」
「大好きよ」
 満面の笑顔での言葉である。
「他にも一杯好きなのあるけれど」
「未久ちゃんは甘党なのね」
「お兄ちゃんもそうですけれどね」
「そうそう、牧村君もね」
「俺もか」
「だって今」
 兄が今食べているものを見る。するとだ。
「ほら、クレープ」
「食べて悪いか」
「中生クリームとチョコとバナナで一杯よね」
「それが美味い」
「それよ、甘いもの大好きじゃない」
 また言う未久だった。
「それもかなりね」
「否定するつもりはない」
「っていうかできないわよね」
 そしてそのクレープを見て意地悪く笑ってみせたのだった。
「今そんなの食べて」
「そうだな」
「お兄ちゃんってクレープも好きよね」
「大好きだ」
 実際にそうだと答えるのだった。
「本当にな」
「そうよね。アイスだって好きだし」
「結局あれ?甘いものは何でも好き?」
「そういえば和菓子も好きよね」
 横から若奈も言ってきた。彼女はソフトクリームを食べている。
「牧村君って」
「それも好きだ」
「そうよね、実際に」
「昔からね。和菓子も何でも食べるわよね」
「甘いものはどれでもいける」
「いいことかしら」
 それを聞いてだった。アイスを食べながらふと言うのだった。
「やっぱり」
「好き嫌いがないのはいいことでしょ」
 こう述べたのは若奈だった。
「やっぱり」
「そうなるのね」
「そうなると思うわ。ただ」
「ただ?」
「甘いものは注意も必要だけれど」
 ふとだった。言葉が少し真面目なものになったのだった。
「それもね」
「太るからですね」
「それと糖尿病」
 それもあるというのである。若奈の話はいささか栄養士を思わせるものになっていた。トレーナーらしいといえばらしいのではあるがだ。
「それにも気をつけないといけないから」
「幾ら身体を動かしてもですね」
「それでも油断していたらなるから」
「若くてもですね」
「若年性の糖尿病もあるわよ」
 ソフトを食べながら言うのである。そうだというのだ。 
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