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髑髏天使

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第二十八話 監視その十六


 するとだった。まずはその剣に雷が落ちた。そして剣に黄色い大蛇となって宿った。
 そしてそれを魔物に向けて放ち。そのうえで彼を貫いたのだった。
「ぐうっ・・・・・・」
「勝負ありだな」
 貫いたのを見届けながら魔物に告げた。
「これでな」
「まさかこうして俺を倒すとはな」
「水も無敵ではない」
 髑髏天使はこのことを魔物に告げた。
「それはわかっていなかったようだな」
「わかってはいた」
 魔物もそれはわかっていたというのだった。
「しかしだ」
「しかし?」
「水と木を合わせることで無敵だった」
「確かに貴様は手強かった」
「水と木があればこそか」
「そうだ。それだからこそ強かった」
 その二つがあればだというのだ。そしてそれこそが魔物の弱点でもあったというのだ。
「ならばだ」
「俺のその二つのうち一つを崩せばか」
「そうだ。そうすれば貴様は倒せる」
「それがわかったというのだな」
「その通りだ」
 まさにそうだというのである。
「そしてその通りだったな」
「確かにな。まさか俺の水を消しにかかるとはな」
 魔物もそれは感嘆した。
「だが」
「だが。何だ」
「火で水を消したか」
 そのことを言うのである。
「それも直接ぶつけるのではなくか」
「炙る方が効くと思ったからだ」
「それも考えていたか。どうやら貴様は」
「俺は」
「強さには頭脳があるようだな」
 魔物はそこに彼の強さの源を見たのだ。
「そこには」
「俺には頭脳があるのか」
「どうやら貴様は常にそれで勝利を収めているようだしな」
「俺の過去の闘いも調べていたのか」
「一応はだ」
 そうだというのだ。
「しかし。それでも想像以上だった」
「そうだったのか」
「やはり見事だ」
 そしてまた彼に告げた。
「貴様と最期に闘えたことを光栄に思う」
「その言葉は覚えておこう」
「では。去ろう」
 魔物の体が青白い炎に包まれていった。
「これでだ」
「安心して死ね」
 これが髑髏天使への彼のはなむけの言葉だった。
「闘った誇りを忘れないままな」
「そうさせてもらう。それではだ」
 ここで青白い炎の中に消えた。髑髏天使のここでの戦いは終わった。
 そして死神はだ。ラークシャサの激しい斧による攻撃を鎌で受け止めていた。
 魔物は何処からかその斧を出して来た。そうしてそれで彼を倒そうとしてきていた。
「さあ、死神よ」
「何だというのだ」
「何を考えている?」
 その攻撃を加えながら彼に問うてきた。
「今は何を」
「私が何をしようとしているのか興味があるのだな」
「貴様は奇襲が得意だ」
 それを言うのだ。
「そうだな」
「だとすれば何だというのだ」
「そう。例えば」
 言いながらだった。その目をあえて笑わせてきた。そうしてだった。 
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