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髑髏天使

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第五十九話 精神その八


「今のこの世界になるのだ」
「感情がないと何も楽しむこともない」
 髑髏天使の今の言葉は独り言だ。それを話しながらだ。
 彼は神の攻撃を受け続けていた。それはさらに強くなる。しかしだ。
 彼は倒れない。全くだ。そしてそれはだ。
 他の者達もだ。死神も目玉も魔神達もだ。誰も倒れようとしない。
 混沌の中にあっても彼等の精神は均衡なままで。こう神に言うのだった。
「まだだ」
「そうだね。まだまだ緩やかだね」
 死神と目玉の言葉である。その混沌の中でだ。
「こんなもので倒れると思うか」
「最大限の力じゃないよね」
「そうだ。これで七分だ」
 それだけの力だとだ。神は言うのだった。
「まだだ」
「ではだ。完全の力をだ」
「見せてもらいたいけれど」
「そう言うか」
「では来い」
「その全ての力でね」
 こう言ってであった。神を挑発した。それを受ける形でだった。
 神はだ。その力をさらに出した。それは。
 完全の力だった。そしてそれに留まらずだ。さらにだった。
 神はだ。力を出しながらこう言うのだった。
「まだだ」
「さらにですか」
「力を出すというのね」
「その通りだ」
 こう言う神だった。魔神達への言葉だ。
「我の。最大以上の力でだ」
「我等を倒す」
「そうするのだな」
「破壊しよう」
 そうするというのであった。神はだ。
 実際にだ。髑髏天使達にだ。
 その攻撃を強めた。混沌のその渦がだ。
 極限まで強くなる。それを受けてだ。
 髑髏天使がだ。言うのだった。
「これが極限か」
「まだだ」
 神の言葉はすぐに返ってきた。
「まだだ」
「まだか」
「そうだ、まだだ」
 神は言うのだった。
「これで終わりではない」
「力をさらに強めるか」
「貴様等を全て倒す」
 そうするというのである。神はだ。
「そして混沌を」
「混沌の世界にか」
「全て戻すのだ」
 彼等の基準の世界からの言葉だった。
「何もかもをだ」
「では来い」
 髑髏天使はその神に対して言い返す。やはり動くことはしない。
「そのままだ」
「強めさせてもらおう」
 神も言う。そしてだった。
 攻撃を強める。その精神攻撃をだ。
 するとだ。髑髏天使達のその精神が。
 ひしゃげた。精神の形がひしゃげた。そうしてそれを見てだ。
 神はだ。感情のない声で話した。
「これがだ」
「貴様の極限の力」
「それなんだね」
「そうだ。では何時まで耐えられる」
 神が死神と目玉に応えて言う。
「この攻撃にだ」
「まだだ」
「まだ大丈夫だよ」
 二人だけではなかった。他の者達もだ。 
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