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髑髏天使

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第五十八話 嘲笑その十八


「そしてそのままだ」
「貴様が勝つか」
「貴様等が滅びる」
 そうなるというのだ。
「混沌が勝つのだ」
「それはどうか」
 だが、だ。ヤクシャはだ。
 その神に対して言葉を返す。言葉は怯んではいない。
 そしてその怯んだ言葉でだ。神にまた言った。
「そう言う貴様もだ」
「どうだというのだ」
「そろそろではないのか」
 こう神に言うのである。髑髏天使と死神の攻撃を受け続ける彼にだ。
「限界ではないのか」
「そうだな。そろそろだ」
「近いな」
 髑髏天使と死神もまた言った。
「貴様の身体にだ」
「我々の炎が宿る」
「あれか」
 神もだ。炎のことを聞いて述べた。
「あの青と赤の炎だな」
「俺達が倒した時に出るあの炎」
「それがそろそろ出るな」
「さて、どうか」
 また言う神だった。
「それはだ」
「貴様がわからずともだ」
「それでもだ」
 彼等はさらに攻撃を続ける。するとだ。
 彼等の言った通りになった。まさにだった。
 その漆黒の身体に別の色が宿った。その色こそだ。
 青だった。そして赤だった。彼等の色に他ならない。
 その色を見てだ。今度言ったのはウェンティゴだった。
「デッドヒートになったな」
「どちらが先に潰えるかか」
「そうだ、それになったのだ」
 こうだ。その神に対して言うのである。
「貴様が倒れるか。それともだ」
「私が倒れるか、か」
「どちらが先に倒れるかだ」
 そうした戦いにだ。なったというのである。
「そうなったのだ」
「そうか。確かにこのままではだ」
 どうなるか。神もそれを言う。
「私も倒れるな」
「自覚はしているのだな」
「痛みは感じない」
 混沌の存在にはそうしたものはないというのだ。彼等はそもそも身体の構造もだ。普通の存在とは違うのだ。何もかもがなのだ。
「しかし自覚はできるのだ」
「だからか」
「このままでは私も危うい」
 攻撃を繰り出しながらの言葉だ。
「しかしそれはだ」
「俺達もだというのだな」
「出ている」
 何がだ。出ているかというとだった。
「その崩壊がだ。出ているな」
「確かにな。俺達の作ったこの障壁もだ」
「今まさに潰えようとしている」
 綻びはさらに酷くなっていた。あちこちにヒビが生じていた。
 そのヒビがそれぞれつながろうとしていた。まさにそれこそがだった。
「間もないな」
「さて、どちらが先か」
 神は言う。
「それはどちらか」
「貴様だ」
 髑髏天使の言葉は変わらない。
「それは貴様だ」
「あくまでそう言うのだな」
「何度でも言う」
 髑髏天使は尚も言う。
「それを言っておこう」
「そうか。それではか」
「倒す」
「そうさせてもらう」
 こうしてだった。その障壁が割れようとする中でだ。
 彼等は攻撃を続けた。まさに先にどちらが終わるかだった。
 そして遂にだった。障壁がだ。
 割れた。割れた障壁は完全に消え去った。しかしだ。 
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