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髑髏天使

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第五十八話 嘲笑その二


「その他のも」
「そうしていいんだよね」
「はい、そうですよ」
 ろく子がだ。笑顔で同族達に話した。
「皆さんの分もです」
「あるんだ」
「そうなんだ」
「はい、それもたっぷりとです」
 あるというのである。
「だから安心して下さい」
「よし、それじゃあ」
「牧村さんが帰ってきたら」
「皆で食べようか」
「是非共」
 そんな話をするのだった。そうしてであった。
 彼等は笑顔で待つ。その中でだ。こんな話もするのだった。
「混沌ねえ」
「混沌の神々の中心になんだ」
「遂に至るんだね」
「最後の戦いじゃ」
 まさにそれだと話す博士だった。
「しかし帰って来るのはすぐじゃ」
「すぐなんだ」
「そうなんだ」
「そうじゃ。戦いが続けて行われてじゃ」
 それでだというのだ。
「あっという間に終わる」
「よし、じゃあ今のうちにね」
「用意しておこうか」
「御祝いのケーキをね」
 彼等はこんな能天気な調子だった。牧村の帰還を確信していた。彼を信じているからだ。
 その牧村髑髏天使たちが来ている混沌の中ではだ。男がだ。混沌の中心においてその中心にいる者達にこう言うのだった。
「ではだ」
「行って来るか」
「今からだな」
「そうだ。行って来る」
 こう彼等に言うのである。
「今からな」
「わかった。それならだ」
「行って来るといい」
 彼等は男にだ。くぐもった声で述べた。
「そのうえで滅ぼすのだ」
「あの者達を」
「そのつもりだ。そしてだ」
 滅ぼしてどうするか。男はそれを話すのだった。
「あちらの世界を我等の世界に入れる」
「この混沌の世界に」
「そうするとするか」
「感情や意識なぞ必要ない」
 男は言うのだった。
「必要なのはだ」
「混沌だ」
「そして破壊だ」
 声達も言う。
「必要なものはそういうものでしかない」
「他のものはだ。不要だ」
「混沌。それこそがだ」
「必要なのだ」
「その通りだ」
 男もだ。彼等のその言葉に賛同するのだった。
 そしてだ。彼はまた言った。
「それではだが」
「うむ、行くか」
「そうするか」
「混沌を邪魔する者達」
 彼等からの視点だった。混沌からのだ。 
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