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髑髏天使

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第五十五話 魔水その十三


「そうして混沌と破壊の世界にしよう」
「そうしてくれるな」
「必ずな」
「では。任せよう」
 ここまで話してだ。そうしてだった。
 男はだ。ゆっくりと姿を消していった。その中でだ。
 彼はだ。水に対して話した。
「ではクトゥルフよ」
「うむ」
「貴様に全てを任せた」
「そうさせてもらおう」
「まさか貴様まで辿り着かれるとは思わなかったがな」
「それは以外だったか」
「正直なところその通りだ」
 まさにそうだというのである。
「だが。貴様ならばな」
「水は何よりも強い」
 その水に対しての。絶対の自負であった。
「それを見るのだな」
「では。見させてもらおう」
「そして楽しむのだな」
「そうさせてもらう。ではだ」
「またな」
 こう言葉を交えさせてであった。男はその姿を完全に消した。
 そしてだ。入れ替わりにであった。
 水の声がだ。牧村達に向かい合いだ。こう言うのであった。
「それではだ」
「戦う」
「そうさせてもらおう」
「わかった。もっともだ」
 牧村と死神の言葉を受けたうえで、であった。
 声はだ。また話すのだった。
「逃れる選択肢はないがな」
「安心しろ、それはだ」
「最初から考えてはいない」
 二人はこう声に対して答える。
「貴様を倒す」
「そうさせてもらおう」
「そうだな。それしかないのだ」
 また言う声であった。
「生きるか死ぬか」
「選択肢はそれだけだ」
「その二つだけだ」
「いや、一つだ」
 だが、だった。声はここでこう言ったのだった。
 彼等の選択肢は一つしかない。そしてその理由も言った。
「貴様達は全て私に倒される」
「だからか」
「それでだというのか」
「俺達は貴様に倒される」
「そう言いたいのだな」
「如何にも」
 まさにだ。その通りだというのである。
「だからだ。選択肢は一つだ」
「面白い言葉だ」
「これまで何度も聞いたが」
 今更だ。そうした言葉では驚かない二人だった。そしてだ。
 あらためてだ。声に対して告げる。
「では貴様の選択肢も一つだ」
「それだけしかない」
「私が死ぬというのか」
「そうだ、だからだ」
「一つしかないのだ」
 それでだというのである。
「死ぬのは貴様だ」
「これまでの神と同じくな」
「これまでのか」
 声にだ。微かだが確かな笑みが宿った。
 そしてその笑みでだ。声は話すのであった。
「私がこれまでの混沌の神々と同じだというのか」
「違うか」
「同じ神ではないのか」
「確かに属するものは同じだ」
 それは声も認めた。その通りだとだ。
「しかしだ。それでもだ」
「力か」
「それが違うか」
「そうだ、違う」
 まさにだ。その通りだというのだ。 
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