ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第十話 救出
あの地獄のような弾幕鬼ごっこから解放され、部室に戻ってきた。一誠はさっき対価を貰うためにまた出かけていった。
「はあ・・・酷い目に遭った・・・」
「ごめんなさいね?アンジ」
「リアス先輩・・・絶対知ってて朱乃先輩にやらせたでしょう?」
「さあ?それはどうかしら?」
(あなたって人は~~)
部室には一誠を除いた全員がいるが闇慈は何か落ち着かなかった。
(何だろう?この変な感じは・・・。何故こんなにそわそわするんだ?)
闇慈はついに居ても立ってもいられなくて立ち上がった。
「どうしたの?アンジ」
「何だか嫌な感じがします。僕の死神の力が何かを言っているみたいです。・・・ちょっとイッセーの元に行って来ます!!」
「あ!闇慈君!!」
「・・・」
闇慈はそのまま部室を飛び出すと夜遅くなので人はあまりいないと思い、セイクリッド・ギアを発動させ、足に魔力を集め、家の屋根を飛び越して行きイッセーが尋ねている筈の家に急いだ。
(無事で居てよ?イッセー)
そして一誠が尋ねている筈の家に着くと一番に気がついたのは・・・
(血のにおい。そしてこの家の周りに結界が張られている。まさか!!)
闇慈はそのまま玄関に入り、リビングに入ると言葉を失った。
一誠は両足を何かに撃ち抜かれた痕がありその場に倒れ伏していた。そして壁よりには服を切り裂かれ肌を半分以上露出させられ、体を弄ばれているアーシアがいた。そしてそれを楽しむ神父の服を着た男が一人。
「あらら?新客登場?これは歓迎しないといっけないようですねっ!!」
(・・・何?この変な喋り方は・・・。まあ分かることは一つか・・・こいつが)
「あ・・・闇慈?」
「ア・・・アンジさん?」
「何?俺様無視されてる?そん~な奴には俺様がお仕置きしちゃうわよ~」
「・・・お前がイッセーとアーシアをやったのか?」
「ああん?そ~でっすよっ!!私こと『フリード・セルゼン』がそこのクソ悪魔やら使えねえ部下をやったのでごぜぇます!!」
「・・・分かった。もう喋らなくて良い」
「何々?お前も悪魔に肩入れする人間?と言う訳で死んでちょ・・・」
バキン!!
闇慈はデスサイズ・ヘルを素早く手に取ると外道神父が持っていた銃の銃身と光の剣の柄の部分を斬り裂き、アシーアを解放すると外道神父の首元にデスサイズ・ヘルの刃を突きつけ、魔力を一気に解放し真紅の眼で威圧をかけ始めた。
「喋るなと言ったはずだ・・・」
「あら・・・あら~?これって俺様不味くない?・・・よ~し良い子だから大人しく・・・」
ドスッ!!
今度は外道神父を壁に突き飛ばし、首すれすれにデスサイズ・ヘルの刃を壁に突き刺した。
「次喋ったら首を落とすぞ・・・」
外道神父は汗を大量に流し、首を上下に動かした。
「良し。取り敢えず貴様は・・・」
「グボラっ!!」
鳩尾に魔力を溜めた右の鉄拳を打ち込み家具の山の中に吹き飛ばした。
「気絶していろ・・・イッセー。アーシア。大丈夫?」
闇慈はデスサイズ・ヘルを消すとイッセーとアーシアの元に寄り添った。
「ああ。助かったぜ、闇慈。いつつ」
「アーシアも無事で良かった」
「あ、はい。助けて下さって、ありがとうございます」
するとグレモリー家の赤い魔法陣が現れると中から木場。小猫。朱乃。リアスが出てきた。
「あらあら。もう終わってますの?」
「・・・闇慈先輩。早すぎです」
小猫は何故か不機嫌そうだ。
「ごめんごめん。今度生チョコを作ってきてあげるからそれで勘弁してくれないかな?小猫ちゃん」
「・・・物で釣られたような感じがしますけどそれで許します」
顔を膨らませながら怒っていたが明後日の方を向きながら許してくれた。
(許すんだ・・・でもそう言う所が小猫ちゃんの可愛い所なんだよな)
そう言っていると木場が何かに気づき顔が険しくなった。
「部長。堕天使の反応が・・・ここは滞在し続けるのは危険です」
「イッセーを傷つけた奴を消し飛ばしてあげたいけど仕方ないわね。朱乃。イッセーを回収した後に魔法陣を展開し、ホームに帰還するわよ」
「はい。部長」
しかし。リアスの顔が申し訳なさそうになり闇慈に話しかけた。
「ごめんなさいね、アンジ。魔法陣は悪魔とその眷属しかジャンプ出来ないの」
「分かりました。アーシアの事は僕が決めて良いですよね?」
「・・・分かったわ。イッセーを助けてくれたので認めましょう」
「ありがとうございます」
「闇慈。アーシアを頼むぜ」
ジャンプする瞬間、一誠が闇慈に頼んできた。
「これで貸し一つだからね?イッセー」
そう言うと一誠達は魔法陣に包まれ、その場から居なくなった。
「アーシア。僕はこれからここから逃げるけど君はまた教会に戻る?」
「私は・・・イッセーさんやアンジさんの元に行きます。教会にはもう戻りたくありません」
「分かった」
「・・・そうはさっせね~~よ~~」
さっき吹き飛ばした外道神父が闇慈に掴みかかったけど闇慈は再び鉄拳を打ち込み吹き飛ばした。
「(浅かったのかな?でも今は逃げないと)ごめんね?アーシア」
「えっ!?」
闇慈はアーシアを抱きかかえると窓を蹴破り、屋根を飛び越えて行った。
「きゃ~~!!!」
「悲鳴を上げてると舌を噛むよ!!」
そして闇慈は家に着く窓から闇慈の部屋に入るとデスに障害結界を張ってもらいこれで一安心した。
「ふう。大丈夫だった?」
「う~~。フラフラしますぅ」
・・・大丈夫でも無さそうだった。アーシアは目を回していた。取り敢えず今日はここで休んで貰おう。幸い両親はもう寝付いているみたいだった。闇慈はアーシアの服がほぼ壊滅状態だったことに気づくと闇慈は毛布を差し出し、体にくるませた。
「あのアンジさん。どうして教会の人はイッセーさんや私を狙うんですか?」
「・・・これは僕の推測だけど体にセイクリッド・ギアを宿しているからだと思うよ」
「セイクリッド・ギア?」
「僕のさっきの力みたいなものだよ。それにアーシアも持ってる」
「私も?・・・ひょっとして」
「そう。君が神から貰ったと言っていた『癒し』の力の事だよ。奴ら・・・特に堕天使はセイクリッド・ギアを集めて何かをしようとしている。これも僕の推測だけど」
「私はどうしたら良いのでしょうか?」
「取り敢えず。明日リアス先輩に相談しに行こう?そのためには早くここを発たないといけないから今日はもう休もう。ベッドはアーシアが使って良いから」
「あ、はい。分かりました」
アーシアは色々あったのかベッドに入るとそのまま寝込んでしまった。闇慈は見張りのためにそのまま起き続けることにした。
(デスさん。周りに何か反応はありますか?)
(我の結界を甘くみては困るぞ、闇慈。周りには悪魔祓いや堕天使の反応は全くない)
(でも取り敢えず今日は見張りを続けますね)
こうして長い夜はふけていった。
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