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スーパー戦隊総決戦

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第十六話 最後の戦士その四

「あれは。アバレキラーです」
「まさか。あいつを蘇らせたのか」
「あの槍の力で」
 幸人もらんるも驚きを隠せない。
「そこまでの力があるというのか」
「ロンギヌスの槍の力って」
「まさかな」
 そしてだ。その男仲代壬琴も言うのだった。
「また戻って来るとはな」
「御前も力も必要だからだ」
「話はわかっている」
 こうパルジファルに対して答える。彼と正対しながら。
「聖杯のことだな」
「そうだ。御前もまたかつての仲間達と共に戦うのだ」
「戦いか」
「嫌ならいい」
 それならばというのだ。
「ここから好きな場所に行くといい」
「完全な復活か」
「一度復活していたな」
 かつてのゲキレンジャー達との共闘のことだ。パルジファルはこのことも知っていたのだ。
「その時は一瞬だったが」
「いいのか」
 壬琴はここでパルジファルを真剣な顔で見てそのうえで問うた。
「俺を復活させて」
「いいと言えばどうするのだ?」
「それでいい」
 これがパルジファルの返答だった。
「それでだ」
「そうか。俺をか」
「君のことは知っている」
 それはだというのだ。はっきりと言ったのである。
「アバレキラーとしてはな」
「そうか、その時のことをか」
「あの禍々しい半身として長い間迷っていた」
「だが悪であったことは事実だ」
 それは誰よりも強く感じていた。それを言うのである。
「許されないこともしてきた」
「そう思うか」
「思わないと言えば嘘になる」
 これもまた誰よりもわかっていることだった。そしてそのことを隠すようなことはしない壬琴だった。彼もこのことはわきまえているのである。
 そしてその口でだ。こう言うのである。
「しかしその俺をか」
「そうだ、君の力も必要なのだ」
 また言うパルジファルだった。
「最後の戦いにだ」
「そして残された罪を償えというのか」
「そういうことになる。いいな」
 パルジファルは言った。
「これから戦うのだ」
「また。戦士としてだな」
「何度も言うが望まないならそれでいい」
 あえて言った様な言葉だった。
「それならばな」
「そして好きなように生きろというのか」
「どうするのだ?それで」
「何か凄い話になってるわね」
 小梅は湖の上の彼等の話を聞きながら首を捻って述べた。
「戦うとか戦わないとか」
「ううむ、アバレキラーの復活も驚いたことだが」
「しかもこうした話になるとはな」
 ヴァッフォとミゲラも首を捻っている。
「意外と深刻な話であるな」
「どうしたものか」
「そういうあんた達も蘇ってるじゃない」
 笑見はその彼等に対して突っ込みを入れた。
「それでそんなこと言うの?」
「それはそれ、これはこれだ」
「いいではないか、それで」
 実にあっさりとした見事な開き直りだった。何でもないというのだ。
 そしてだ。また言うのであった。
「しかしだ。それにしてもだ」
「本当にどうなるのだ?」
 ヴァッフォとミゲラはまた話をする。
「アバレキラーは」
「戦うのか?それとも何処かに行くのか?」
「絶対にどっかに行っちゃえ」
 シズカは忌々しげに言った。
「これ以上敵が増えてたまるものですか」
「素直だな、おい」
 番はその彼女に顔を向けて突っ込みを入れた。
 
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