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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第78話 文化祭前日

さて、スカさんのアジトから帰って、前と同じ様に寝た俺達は(優理はフェリアの部屋で。俺と寝たいとかなり渋ったが、無理やり連れていってもらった)次の日には学校に登校した。一応家にはアギトもいるし、ラグナルを置いていったので、困った事があっても問題無いだろう………
しかし問題は………

「さあ、休んだ訳を話してもらおうかしら………?」

文化祭準備に入る前にアリサに呼ばれた俺は、別の空き教室に連行され、床の上に正座をさせられてる。

「あの………これには色々と深い事情が………」
「良いわよ、クラスの事はすずかに任せてるから、全部包み隠さず、綺麗さっぱり話しなさい」

確かこういうセリフは浮気をした夫とかに言うセリフじゃない?

「なのは、フェイト、はやて………」

「ごめんね」
「でも2回目はいけないと思うの」
「今度は血で血を争うドロドロな展開が………」

「あるかアホ狸」

ちょ!?棒で足を突っつくのは止めろ!!

「いいからその事情を言いなさい!!」

アリサに怒鳴られ、俺は今までの出来事を説明した………










「零治君、ものすごい体験してるの………」

説明の内容にアギトがユニゾンデバイスだって事と、スカさんについてはちゃんと抜いた。

「それじゃあ小さい星達がいるってこと?」

「ああ。それとアミタ、キリエと言った姉妹と、マテリアルの盟主が2人いるけどな」

「そう言う事は零治君の家にもマテリアルの盟主って子がいるの?」

「ああ、有栖優理って言うんだ。会ったらよろしくな」

「了解や。私も夜天の主として挨拶せんといかんしな」

ただし、本人は盟主って言うより甘えたがりの子供って感じだけど………

「………まあ事情は分かったわ。今回は不問にしてあげるけど本番まで時間が無いから気合い入れて手伝ってもらうわよ!」
「了解」

俺はそう言って、アリサ達に開放された。
………足がもの凄く痛い。









「はい、それじゃあお化け役を………」

「アリサちゃん、ちょっと………」

「どうしたのすずか?」

さて、戻った後みんなで飾り付けをやって作業は昼前に終わった。後はお化け役を決めたり、リハーサルをするだけなのだが、そこですずかがアリサに声をかけた。

「実はね、これ………」

そう言ってすずかは持っていた大きな紙袋を出す。

「ああ、お化けの衣装ね。ありがとうすずか」

「あっ、アリサちゃん、ちょっと待って!」

と、すずかが止めるが、それよりも早くアリサは中に入ってる衣装を取り出してしまった。

「………何よこれ」

入ってた衣装は虎柄の水着みたいな服装と角、凄く薄い白装束、可愛い傘の帽子など、可愛らしい服が沢山入っていた。

「………これ準備した奴誰だっけ?」

「「「「「「「はい、俺です!!」」」」」」」

手を挙げたのは全員SBS団の面々。
何を勘違いしてるのか、全員とってもいい笑顔だ。

確かに出来はいい………

「苦労しましたよ!!皆の着心地が良いようになるべく上質な布と、男の人へのサービス精神を忘れないようにギリギリの境界線、エロチックなお化け逹でたちまち人気のお化け屋敷に………」

「なのは、星、こいつらにオハナシしてきて。遠慮しなくていいから」

「分かったの」
「分かりました」

冷酷に言うアリサの顔は見事に独裁する女帝みたいだった。
そしてその命令に従う2人はまさしく魔王と冥王。
しかし、7人の男共は嬉しそうに我がクラス誇る魔王と冥王に付いていった。


暫くすると叫び声が聞こえてきて、クラスの空気が重くなった………
俺がやられてるときはこういう風になってたんだ。


しかし、オハナシによってもたらされた重い空気は静かになると一転して普通になる。
このスルースキルこそ、このクラスならではの特徴なのだろう。

触らぬ神に祟り無しって事だな。

「神崎、アンタ責任とって準備しなさい!」

「えっ!?俺は何も………」

「アンタが作ったくっだらない組織のせいでこんな事になったんでしょ!!」

「いや、確かにそうだけど………」

何だか神崎も災難だな。
自身は管理局の仕事が忙しいくて中々顔を出して無かったのに………

「でもアリサ、彼らに裁縫やらせてたのはアリサだったよね?」

「うっ、確かに………」

フェイトの指摘にアリサがたじろぐ。

「で、でも家庭科の授業でも裁縫が得意だったのかアイツらだけだったじゃない?人数的にもちょうど良いし、何かされる前に仕事を押しつけちゃえって思ったのよ………」

確かに俺達のクラスの女子は家庭科の成績が悪い。
みんな良い所のお嬢様ばかりなのが問題なのか、料理はまだしも裁縫に関しては男子の方がレベルが高かった。

流石インドアクラス。
………俺は違うからな!

「だからといって任せきりは不味いだろ………」
「うっ、確かにそうだけど………」

フェリアの厳しいツッコミに何も言えなくなるアリサ。

「だったら両方悪いね〜」

坂巻の言葉にクラスのみんなが賛同した。

「ごめんなさい、そうね………」

そんな反応に自分が悪いと反省したのか、暗くなるアリサ。

「まあ大丈夫だよ、何とかなるって」

「そうだよ、みんなで頑張ろうぜ!!」
「私達に不可能は無いわ!!」
「2−A組に不可能は無い!!」

しかし、良介の言った言葉にみんなが賛同する。
それを聞いてアリサも元気が出てきた。

「そうね、分かったわ!この事態をみんなで解決しましょう!!」

「うん!みんなでやれば何とかなるよ!!」

アリサとすずかがそう言うと大きな歓声が上がる。
このクラスって意外と団結力あるんだよな………










「予算が足りない………」

早速つまずいた。
原因は簡単な事に予算が無いのだ。
さっきの衣装代が馬鹿みたいに良いものや特殊な物を使っており、その分かなり予算を使っていたみたいだった。

お金の管理は誰がやっていたんだ………

「ごめんね〜どうしてもって言われたから………」

そう言ってみんなに謝る坂巻。
怒りたい気持ちがあるんだが、泣きそうな顔を見るとどうしても怒れない。

「仕方ない、おい彼氏、お前が罰を受けろ」
「ちょ!?待てよ零治!!それはあんまりだ!!」
「だって流石に坂巻には怒れないだろ!!」
「男女差別だ!!」

「やかましい!!」

夜美に怒鳴られ、俺達は静かになった………

「どうしよう………」

流石のアリサもこれにはお手上げみたいだ。
普通に自分逹でお金を出しても良いのだが、文化祭の規則で、割り当てられた予算で文化祭をすると決まっている。

「他のクラスから余ってる材料を貰って来たで」

そんな時、扉を開け、はやて率いる調達係が帰ってきた。
こうなることもある程度予測していたアリサははやてにクラスを中心とした調達を、圭には部長としての立場を使って、部活から調達をしに、それぞれ動いていた。

「どうだった?」
「駄目や、どこもたいして余って無かったわ………もう処分したり壊れた所の補修をするために使うから譲れないらしいねん」

そう言いながら渡した紙袋の中には少量の布しか入っていなかった。

「小林はどうだった?」
「こっちも駄目だ。野球部の出し物もストライクアウトだから布も使ってないし、他の部活にも聞いてみたけど八神と同じ理由でやっぱり駄目だった」

圭もはやても駄目だったみたいだ。
これはまさに八方塞がりだな………

「こうなれば………レイ」
「ん?何だ夜美」
「ライに本物を呼んでやってもらうしか無いんじゃないか?」
「う〜ん、でもな………それにいきなりで来てもらえるのか?」

前で話を聞いていたライに聞いてみる。

「う〜ん、分かんない。一応連絡してみる?」
「ああ、一応聞いてみてくれ」

そう言うとライは携帯を取り出し、どこかへ連絡し始めた。
………幽霊って電話するのか?

「あっ、もしもし総大将?いきなりごめんね、ちょっとお願いがあって………」

総大将?
一体誰に連絡してるんだ………?

「うん、そうなんだけど、やっぱり無理かなぁ………ええっ!?良いの!!ありがとう、総大将!!」

何やらOKっぽいな。

「零治、ライは誰に連絡してるの?」

ライを見たアリサが俺に聞いてきた。

「幽霊」

「はぁ!?幽霊って携帯持ってるの!?」

俺が知るわけが無い。

「違うよ、妖怪だよ。幽霊だと昼間には行動出来ないからね」

「妖怪………そんなの本当にいるわけ………」

良介がそう言いきる前に風が教室に入ってくる。

「妖怪がいないと勝手に決めつけるとは………今の人間のガキは夢がないのぉ………」

全員が声のする方を向くと、さっきまでは気配すら無かった筈の掃除用具入れに黒い長い髪のイケメンががもたれかかっていた。
しかし、着物を着てる所を見て、時代を感じる。

「あっ、総大将!!」

「ライ、久しぶりだな」

「みんな紹介するね、この人はぬらりひょん、妖怪逹の総大将だよ」

「皆、よろしく頼むぞ」

ライが紹介するが、俺含め教室は静まり返り誰も口を開こうとはしない。

「なんだ?今のガキは返事も出来ないのか?全く、最近のガキは………」

キセルを加え、何だかがっかりするよな顔をしてるが、問題はそこじゃない。

「ぬらりひょんってあの百鬼夜行の!?」

「おお、知っている者もいるみたいだな」

「彼がレイだよ」

「おおそうか。ライにはいつも楽しませてもらっとるよ」

「あ、いえ、こちらこそライがいつもお世話に………」

つい頭を下げる俺。
そんな俺の態度が好印象だったのか、俺の肩に腕を回してきた。

「流石、家主だけあるわ。気に入った!!ライの願いもあるし、儂が一つ手を貸そうではないか!!」

「おおっー!!流石総大将、太っ腹!!」

「がはは、そうと決まったら早速組の奴らにも言わなくてはな。ちょっと連絡してくる、少し待っとれ。あっ、それと責任者は誰だ?」

「あっ、はい、私です………」

「娘、名前は?」

「アリサ・バニングスです………」

「そうかそうか。アリサ嬢、どこにどんな妖怪を置くか考えておいてくれ」

そう言い残してぬらりひょんは窓から飛び降りていった。

「嘘だろ!?」

良介含む、何人かの生徒が窓を覗き込む。
だか、既にぬらりひょんの姿は消えていた………

「………零治、どうしてくれるの?」

「いや、流石に俺のせいじゃ無いだろ………」

「大丈夫、みんな面白い人ばかりで楽しいよ!」

「まあさっきみたいな妖怪ならまだ大丈夫だが………」

そう言うが、流石の夜美も動揺している様である。

「そうだね、かっこよかったしね〜」
「でしょう!渚惚れちゃった?」
「でも、私はやっぱり良ちゃんが一番かなぁ〜」

そんな甘い会話をしているのだが、さっきの事が信じられないのか、神崎含めたSBS団がもの凄い静かだ。

「ま、まあお化けの代役が決まって良かったって事で………」

すずかが無理やり締めたけど、皆不安で一杯だった………







「ええっー!?本物がお化け屋敷をするのですか!?」

帰ってきた星となのはに起こったことを説明したら、星の顔がみるみる真っ青になっていった。
しかし、なのははぬらりひょんに興味を示してるみたいだ。

「私もぬらりひょんって人に会ってみたかったの………」
「なのはは平気なのか?」
「う〜ん、実際会って無いから何とも言えないけど、妖怪とかよく漫画で読んだことあったし、いるんなら会ってみたいの」

なるほど、だからか………

「そうやなぁ、確かになのはちゃんの言う通り貴重な体験であることは確かやな〜」

確かに………
いくら魔導師でも妖怪と会う事なんて無いもんな………

「でも本当に大丈夫かなぁ?」

フェイトが心配そうに言うが、呼んだ本人はヘラヘラしている。

「大丈夫だよ!みんないい人達だし人間が好きな人も多いし………まあ、ちょっといたずら好きだけど………」

「そ、そ、それはどんないたずら………?」

「さぁ?けれど基本良い人ばかりだから大丈夫だよ」

ライはそう言うが、誰もが信じられなかった………











「皆の者、待たせたな」

暫く経つと、今度はちゃんとドアからぬらりひょんが入ってきた。

「儂の部下から了承は得たぞ。どんな妖怪が良いのか話し合っておったか?」

まさかのOKみたいだ。
それを聞いてみんな微妙な顔をしている。

問題は無くなったけど、心配事が増えたからな………

「あのぬらりひょんさん、そもそも妖怪何て詳しく無いんですけど………」

「ぬらさんで良いぞ。………しかし、そう言えばそうだったな。だがライ、お前ならある程度知ってるだろう?」

「あっ、聞かれなかったから忘れてた」

そんなライに夜美がチョップをした。
痛いのか頭を抑えるライ。

「夜美、何するんだよ!?」

「馬鹿者が!お前がしっかりしないとクラスが回らないだろ!!」

もはや、妖怪と直接親交があるのはライしかおらず、ライが自分から動いてくれないと何も知らない俺達はどうしようも無い。

「そうだぞライ。お前が一番知ってるんだからお前が動かないと………」
「ううっ、分かったよ………」

そう言って渋々教卓へ進むライ。
ぬらりひょんさんと並んで話し始めた。

「えっと、妖怪でお化け屋敷に合う人って言えば………一つ目さんとか、河童さんとか、ろくろさんとか、木綿さんとか、雪ん子ちゃんとか………」
「もう人事はライに任せるわ………」

諦めたのか、ライに丸投げするアリサ。

「そう?じゃあ………」

そう言ってコソコソとぬらさんに話しかけるライ。
どんな内容か聞こえないからとっても不安なんだけど………

「ふむふむ………了解した。明日と明後日だったか?アリサ嬢、ここでするのだな?」

「えっ、はいそうです」

「了解した、後はこっちで夜の内に準備をしておく、楽しみにしとれ」

そう言って消えるぬらさん。

全く楽しみにできないんですけど………
本当に大丈夫かな………?









さて、放課後になり、毎度の事のように放送で呼び出される俺とはやてと桐谷。
行きたくはなかったが、行かないと後が恐かったので、桐谷と合流し、3人で生徒会室へ向かった………





「待ってたわよ、3人共」

「俺は来たく無かったんですけどね………」

「何か………?」

「何でもないです………」

冷たい目で俺を見る会長。
怒らせると後が恐いから気を付けないと………

「話はね、一般公開の日に、生徒会役員として、校内を見回りしてほしいのよ」

「あれ?真面目や」
「本当だな………」
「会長、熱でもあるんですか?」

「………あなた達が私の事をどう思ってるのかよく分かったわ」

だってなぁ………

「まあそんな会長は私は結構好きなんやけどな」
「ありがとうはやてちゃん」

流石はやて、おだてるのも上手い………

「会長質問いいですか?」

「何?桐谷君」

「パトロール中は女装無しですよね?」

「当然女装よ」

「そこまで強制なの!?」

「当たり前じゃない、男女逆転祭りなんだから」

女装で学校フラフラって何の罰ゲームだよ………

「まあ私は平気やけどな」

「そりゃあ、はやての小さい山なら………って痛っ!?」

はやてに思いっきり足を踏まれた。

「悪いんだけど去年も色々といざござがあったのよ………遠見市にある遠見西中学校って学校があるのだけど、毎回問題を起こす生徒がいて………私服で来るからどうしても取り締まりが難しくて………だから今回の逆転祭りで少しでも生徒の被害が減ればって思ったのよ………」

なるほど、そんな問題があったのか………
確かにこの学校は私立で目立つし、美少女も多い。
お近づきになりたい野郎共がわんさかやって来るって事だな。

男装すれば確かに女子もあんまり目立たなくなるし、そんな問題も減るんじゃないかって事か………
ただの楽しみって訳じゃないんだな。

しかし、こんなんで被害が減るのか?

「まあ面白そうって理由もあるけどね!!女装や男装にそんな効果があるかやってみないと分からないし。一応他の生徒会メンバーも見回りはするけど、広いしどうしても人数がね………だからお願い!」

見直した俺が馬鹿だった………
しかし頭を下げて懇願する会長。
会長が頭を下げる所何て初めて見た………

頭を下げてまでお願いされて断ったら男じゃないよな。

「分かりました、手伝います」
「俺も手伝います」

「ありがとう、2人共!」

こうして、一般公開の日は校内を見回りすることになった。










「ただいま〜って何だこれ………」

会長との話も終わって家に帰ると、何故か家の中が静かだ………

「何だ?どうしたんだ?」

そう思いながらリビングに向かおうとすると、リビングのドアに耳を当てているライ、夜美、フェリア、キャロ、アギト、優理がいる。

「何してんだお前ら?」

「あっ、お帰りお兄ちゃん」
「お帰り〜」
「「お帰り」」
「お帰りなさい、レイ!」
「お帰り零治!」

「ただいま………って何やってんだよみんなして………」
「実はね………」

そう言ってキャロは俺に説明し始めた。






回想………

「やーめーなーさーい!!」
「お前らいい加減にしろ!」

「うるさい、ポンコツ、チビッ子!!我に命令するな!!」

「ユーリ、シュテル、今度はこっちのゲームやろう!!」

「うん!」
「今度は負けません………」

「待て!!我もやる!!」

「いいから片付けをしなさい!!」
「言うこと聞けよ!」

チビッ子逹はそう言ってゲームを始めた。
彼女達の周りには散らばったディスク、ゲームの箱、ボードゲームの部品やらカードが散らばっている。
ラグナルとアギトが注意したのは片付けをせず、次のゲームをやろうとしていたチビッ子に叱ったのだが………

「やかましい、呪うぞ!!」
「シュテルやりますね………」
「ユーリこそ………」
「2人共油断してると痛い目みるよ!」

チビッ子逹は聞く耳を持たない。

「キリエさん、アミタさん………」

ラグナルは大人の姉妹2人に助けを求めたが、その2人も星、ライ、夜美の漫画に集中していて、聞いていない。
しかも読み終わった漫画は積み上げたまま。

「ううっ、こうなるならマスターについていけば良かった………だけど片付け無いと帰ってきて怒られるし………ううっ………」
「ラグナルが居なかったら今度はアタシが大変だったぜ………星逹早く帰ってこないかな………」

散らばってる物を片付けながら、ラグナルとアギトが呟いた。








「それで星お姉ちゃんが帰ってきて、そんな状況を見て………」
「逆鱗に触れたか………」

耳を当てると星の声が聞こえる。
星の声だけという事は静かに説教を聞いているんだろうな………

「って優理は何をしてたんだ?」

「私はレイの部屋にずっといましたから………レイの臭いっていい匂いだから………」

笑顔で言ってるけど、かなり危ないぞ優理。
お前の将来が心配でたまらないよ………

「ねえ、まだ掛かりそうだし、何処かに食べに行こうよ」

「そうだな、そうするか」

ライの提案に乗り、俺達は近くのファミレスへ向かった。
結局説教が終わったのは9時頃だったりする。











「さて、明日から文化祭だが………」

やっと飯にありつけたのが嬉しいのか、買ってきたお惣菜を貪るように食べるチビッ子と2人の姉妹。
そんな中、俺は明日の文化祭の事を説明することにした。

「実は明日は一般公開じゃ無いんだ。だから文化祭に来れるのは明後日になる」

「「「「「「「「ええっー!?」」」」」」」」

チビッ子と姉妹だけでなく、キャロと優理も驚いていた。
あの2人も楽しみにしてたんだろうな………

「後でエローシュ君達にも教えておかないと………」

「キャロは友達と一緒に回るのか?」

「はい!後、優理も連れて行ってあげようかなって」

「私はレイと一緒に居るからいいよ」
「お兄ちゃんは忙しいの!」

う〜と唸りながら睨みあう2人。

「優理はキャロと一緒にいな。俺もぶっちゃけ生徒会の手伝いとかで忙しいから、相手が出来るかどうか………」
「ぶぅ………」

頬を膨らませる姿は可愛いが、無理なものは無理だ。
第一俺を捜して迷子になりそうだから止めてくれ。

「悪いけど頼むなキャロ」
「任せてください、妹の世話は姉の仕事です!!」
「………誰が妹ですか!?」
「もちろん優理です!」

そして再び唸り合う2人。
何だか和む………

「まあ、そんな感じだから明日も頼むなラグナル、アギト」

『絶対嫌です!!私だけじゃとても面倒見切れません!!』

「アタシもだ!もはや手に負えねえ………」

文句を言う我がデバイス逹。
よっぽど今日の事が堪えたのだろう………

「明日はキャロもいるし頼むよ………」

「えっ!?でも明日私と優理はルーちゃんの家に招待されたんですけど………」

「えっ!?聞いてないよ!!」

「駄目ですよ、みんなに紹介するんですから強制です」

「レイ〜」

「せっかくだから色んな人と会ってみな」

「ううっ………」

まあ何事も経験だ。

「そしてラグナル、アギト、GOODLUCK!」

『マスター!!』
「零治!!」

ガミガミ騒ぐが、決定事項だ。

「大丈夫ですよラグナル、アギト。明日も同じ状況だったら……………分かってますよね?」

「「「「「「は、はい!!」」」」」」

座って食事してる6人が一斉に立ち上がり答えた。
しかし、姉妹までも従わせるとは………

「まさに冥王………」
「何か?」

「何でも無いです………」

どこから取り出したのか、ボールペンを俺に向ける星。
もう家で一番権力があるのは星で間違い無いようだ……… 
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