とある星の力を使いし者
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第9話
前書き
コミケに行くので、今回は一話だけの投稿になります。
また、月曜日まで投稿できません、待たせてしまって申し訳ありません。
ステイル達の監視の目がなくなった事を確認すると、麻生は再び散歩を再開する。
いつもは街中など散歩しているのだが、今回はビルの間を適当に散歩して曲がり角を曲がった時、ちょうど目の前でガン!!!と何かがぶつかる音がした。
麻生は前を見て見ると男二人が傷だらけの男の両腕を持ち、もう一人の男が女の子の顔の真横に蹴りをしている所だった。
麻生は面倒な場面を見てしまったと思う、なぜならその女の子はあの佐天だった。
どういう経緯があって佐天が不良達に絡まれているか分からないが、確実に言える事は佐天が危険だという事は傍から見てもすぐに分かったが、麻生は手出しするつもりはなかった。
「なんだ・・・お前も俺達の邪魔しにきたのか?」
一人の男が麻生の存在に気がついたのか、声をあげる。
その声を聞いた佐天も麻生の存在に気がついたようだ。
傷だらけの男の腕を持っていた男の一人が、麻生に向かって歩き出し麻生の胸ぐらを掴む。
麻生は自分から人助けはしない、他人から助けを求められない限り動こうとはしないのだが相手から麻生に喧嘩を売るのなら話は違ってくる。
「汚い手で俺の服に触るな。」
麻生はそう言って胸ぐらを掴んでいる男の手首を右手で掴み左足で男の両足を払い一回転させて地面に叩きつける。
麻生の一連の動作は早く男は麻生がどうやって自分を地面に叩きつけたのか分からなかった。
麻生は男のみぞを踏みつけ気絶させて他の不良達を睨みつける。
「どうやらなかなか強いみたいだな。
けどな・・・・」
傷だらけの男の腕を掴んでいたもう一人の男が右手の指を動かすと、近くにあった鉄柱や鉄パイプなどが浮かび上がってくる。
「俺の能力でその高く伸びた鼻、へし折ってやるぜ!!!」
右腕を麻生の方に振りかぶるとそれに応じるかのように鉄柱などが麻生に向かって飛んでくる。
「危な・・・・」
佐天がそう叫ぼうとしたが麻生はそれを簡単にかわし、さらに飛んで来た鉄パイプを左手で掴みそのまま接近して男の脇腹に横一文字のように殴りつける。
うめき声もあげる事無く、そのまま真横に吹き飛び地面に転がり動かなくなる。
「カカカカカカッ、能力なしでそこまで戦えるってことは相当慣れてるな。」
佐天の顔の真横に蹴りをしていた男はいつの間にか煙草を吸って麻生の戦いぶりを見ていた。
「正直、手を出すつもりはあんまりなかったけどそっちから手を出してくるのなら話は別だ。」
麻生は手に持っていた鉄パイプを横に投げ捨てて男に向かって歩きながら接近する。
「オレ達はよー」
対する男の方も煙草を捨て麻生に向かって歩いてくる。
「盗みや暴行に恐喝にクスリ、他にもいろいろあくどい事して楽しんできたけどよ。
最後にはいつも風紀委員や警備員に追われてなウゼってー、目に遭わされてきたんだ。
だから、お前みたいに正義面した奴を見るとなぶっ殺したくなってくるんだよ!!!」
その言葉と同時に男は一気に麻生との距離詰めてくるが麻生は頭をかきながら言う。
「お前は何か勘違いしているようだな。
俺は一度も正義面をした覚えはない、そんなのはあいつだけで充分だ。
ただ俺はな・・・・」
男はポケットからナイフを取り出しそれを麻生の顔に向かって振りかぶるがそれをかわし左手で握り拳を作る
「俺に喧嘩を売ってくる奴らを叩き潰すだけだ。」
麻生は男の顔の顎を殴り男を打ち上げる。
そのまま後ろに倒れこんだ男は、すぐに立ち上がり麻生との距離をとる。
(なんでだ!?
俺の能力が効いてねぇのか!?)
男は自分の能力が麻生に通じていない事に焦りの表情を浮かべる。
男の能力は偏光能力。
自身の周囲の光を捻じ曲げ、誤った位置に像を結ばせ周囲の目を誑かす能力。
相手が無能力者や能力者でも一対一戦で広範囲ではなく単体攻撃の能力なら相手なら有利に戦える能力。
麻生は普通に男の顔を殴りに来ていたので偏光能力の影響を受ける筈なのに男の顔面を捉えてきた。
「お前が思っている疑問に答えてやろう。」
そんな男の心情を見透かすように麻生は答える。
「俺の能力の副産物でな、俺の五感や俺自身に干渉してくる能力は俺が受けていいと思わない限り、全て拒絶するようになっている。
お前の能力は俺の目を誤認させる能力だろうが俺には通じない、それにもしお前の能力が俺に通用してもお前は俺には勝てない。
なぜなら・・・・」
麻生は右手の掌を男の方に向ける。
「お前の能力は広範囲で攻撃する能力には何も役に立たないからな。」
すると、男は突然身体が重くなり地面に倒れこんでしまう。
そして、男の周囲の地面が大きくへこんでいく。
麻生は男の周りの重力を変換させて男を圧迫しているのだ。
今までにない重みを身体に受けミシミシ、と男の身体が悲鳴をあげそのまま意識を失った。
麻生は重力を元に戻し散歩を再び再開させようとするが待ってください!!、と佐天が引き止めたので足を止める。
「俺に何か用か?」
「あ、麻生さんは確かレベル0ですよね?」
「身体検査ではその結果が出たな。」
「で、でもさっき凄い能力を「これはどういう事ですの?」・・あ、白井さん。」
佐天と話をしていると今度は白井もやってきて麻生は早々に立ち去ろうとするが、白井にがっちりと腕を掴まれてしまう。
「何を逃げようとしているのですか?
貴方には色々聞かなければならない事がありますので一緒に来てくれませんか?」
どうやら逃げる事は出来そうにないので(能力を使えば簡単に逃げる事はできるが面倒なので使わないようだ)一緒に風紀委員の支部まで連行されることになった。
白井は佐天も来るように言おうとしたが佐天の姿はどこにもなかった。
第一七七支部につくとそこには初春もいて麻生は二人にさっきの出来事を簡単に説明する。
「ふむ、つまり貴方は喧嘩をふっかけられたのでそれに対応した、これでよいですわね?」
「まぁ、大体合っている。
それでもう帰っていいか?」
麻生は白井に聞いたがまだ帰してはくれないらしく、麻生は当分散歩は控えようかな、と考える。
すると、白井は何か思い出したかのように麻生に質問する。
「そういえば麻生さん。
幻想御手と言う物はご存知ですか?」
「いいや、俺は聞いた事はない。」
白井は最近、幻想御手使われ能力者の犯罪が増えその能力者が原因不明の昏睡状態になっている。
白井は麻生に何か情報を持っていると期待したのだが、その期待は外れたようだ。
しかし、麻生はその幻想御手に興味が出てきたのか白井に説明を求める。
「幻想御手は音楽ソフトの事を指しておりまして、それを聞く事で能力者のレベルを上がっているのです。」
その説明に続くかのように初春も麻生に説明する。
「麻生さんは木山さんを知っていますよね?
あの喫茶店にした人に聞いた話だと本来能力を上げるには学習装置のような五感全てに働きかける事で、レベルが上がるらしいのですがこの幻想御手は音楽、つまり聴覚だけでレベルが上がる事は困難だそうです。」
「しかし、情報提供者によれば幻想御手はこれで間違いはないそうです。
なぜ聴覚だけでレベルが上がるのかそれは作ったのは誰で何が目的なのかさっぱり分からないですの。
ですので少しでも情報を集めようとしているのですのよ。」
麻生は幻想御手の説明を受けて、もう興味をなくしたのか最後の方は適当に相槌をうっていた。
そして麻生は席を立ち帰ろうとする、白井もこれ以上呼び止める必要もないのか麻生を呼び止めようとしない。
すると、麻生は扉に手をかけると白井達にこういった。
「もしかしたら、その幻想御手は本当に聴覚だけでレベルを上げているのかもな。」
「どういうことですの?」
「例えばの話だが、曲だけで五感全てに働きかけているかもしれないな。」
その言葉を残し麻生は部屋を出て行った。
その後、初春は麻生が座っていた椅子の近くのテーブルに麻生の携帯が置かれていたのを発見して、初春は麻生に返しに行く。
幸い気づいたのが早かったのですぐに麻生に追いつくことが出来た。
「麻生さん~!」
「うん?」
「これ、携帯を忘れていますよ。」
初春の手には麻生の携帯が握られており、麻生は初春にお礼を言い携帯を受け取る。
「あの~突然で申し訳ないんですけど、麻生さんの携帯の番号を教えてもらえませんか?」
「なぜだ?」
「そのまた何かあったら助けてもらえたらな~と思って。」
少し笑いながら言う。
麻生は別に構わないと言って自分の携帯番号を初春に教える。
初春は嬉しそうに番号を登録して白井さんにも教えます!!と言って走って立ち去った。
麻生は教えた事を後悔して再び散歩を再開するのだった。
後書き
コミケ、頑張ってきます。
感想や意見、主人公の技の募集や敵の技の募集など随時募集しています。
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