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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第74話 激戦を終えて………

激戦を終えたメンバーは奇跡的にも大怪我をしたのは俺だけで、後は皆無事であった。
しかし激戦とそれまでの疲労により、皆数日ゆっくり休んでいた……

そして3日たった今日……

「なあ、みんなでパーティせえへん?」

はやてのこの一言で、次の日みんなでパーティすることとなった………








次の日………

「なるほど、パーティね……」
「はやてさんの発案らしいです。ディアーチェちゃん逹も乗り気みたいですよ」

昨日やっと目を覚ました俺は、全く体を動かせず、ずっとシャマル先生の世話になってたけど、今日は普通に体も何とか動かせる。ただシャマル先生から絶対に動くなと言われ、ずっとベットに寝ており、アギトの献身的?な介護を受け、傷の治療をしていた。
そして現在未来組の面々が見舞いに来ており、話をしていたのだった。

しかし、何だかんだ言って未来組と一緒にいた時間が一番長かったな……

「零治さん、まだ動けませんか?」

「いや、普通に動けんだけど……」

「絶対駄目だからな!!」

「こんな感じで動かしてくれないんですよリリィさん……」

「あはは……」

聞いたリリィが苦笑いする。

「でもそれくらいで済んで良かったですね、お腹に穴が空いたって聞きましたけど……」
「見てみるか?」
「えっ!?い、いいです!!」

顔を赤くしながら断るヴィヴィオ。
しかし、男の裸でそんなに赤くなるなよ……

「でも無理はしないで下さいね」

「ああ、ありがとうアインハルト」

「そう言えば、俺達以外にも色んな人逹が来てますよね?」

「ああ、事あるごとにな………」

しかしトーマは俺に敬語だよな?
俺の方が年下なのに………
リリィもそうだし俺って怖がられてる………?

まあそれは取り敢えず置いといて、その時の事を説明し始めた………







回想………

「レイ、お見舞い来たよー!!」
「頼むから静かに入ってきてくれ………」

相変わらずのハイテンションで、自動ドアなのに、わざわざドンドンとドアを叩き、大きな声で入ってきた。

「ぶぅ〜なんだよせっかく来たのに嬉しくないのかよ〜」

「いや、そんな事無いけど……」

「そう!あっ、これ!!」

そう言ってレヴィは俺の口にぺろぺろキャンディーを突っ込んだ。

「ふがふが〜?(これはなに〜?)」

「オレンジ味のキャンディーだよ。アギトもはい」

「おう、ありがとう」

「ふがー(サンキュー)」

「別にいいよ。僕もフェイトにもらってきたし」

そう言って自分もソーダ味の飴を舐めるレヴィ。

「レイ、体は大丈夫なの?」

「ふがふ、ふがふが(何とか体は動かせるようになったよ)」

「そうなんだ……まあ今、帰り方をみんなで話してるからもう少し休んでればいいよ」

「ふが〜ふ、ふがふ〜(なるほどな、だったらそうさせてもらうよ)」

「………何で分かるんだ?」

「えっ、分からないの?」

レヴィは謎が多い。







次にやって来たのはシュテルだ。何やら手に良いにおいのする物を持ってきてる。

「レイ、具合はどうですか?」
「ああ、まだ体は痛いが歩けるし、気分も良いよ」

因みにアギトは俺の枕の横にあるクッションで寝ている。
レヴィと盛り上がってたのも理由の一つだが、夜に俺の看病をしていたので疲れたのだろう。

「ん?何か持ってきたのか?」
「あっ、はい。さっき夜天の主と共に作ったクッキーです」

そう言って包みを懐から取り出した。
中から丸や四角のクッキーが出てきた。

「おっ、うまそうだな」
「そうですか?」

シュテルは顔には出さないが嬉しそうだ。

「それじゃあ、いただきます………」

パク。
口に入れた。

……………!?

「………どうですか?」

「………シュテル、これ本当にはやてと一緒に作ったのか?」

「いえ、途中から夜天の主からシャマル先生に教えていただきました」

シャマル先生、命の恩人だけど絶対仕返ししよう。
まあ途中まではやてが教えてたおかげで何とか気絶しなくてすんだ。

それとも毒物に耐性がついたか?

「で、どうでした?」

「取り敢えず、美味しかったけど、今度からは最後まではやてに教わってくれ……」

俺は切に願ったのだった………








「レイ、起きてるか?」

「起きてますか?」

「ああ、ディアとユーリ」

今度やってきたのはディアとユーリ。
まだ調整やらが完全じゃないのでディアと余り離れられないユーリだが、それでも不満はないみたいだ。

って言うか、妹を連れている姉みたいだ。

「傷はどうだ?」

「ああ、もう普通に歩けるよ」

「そうですか………」

ホッとするユーリ。
しかし俺が寝ている内にすっかり馴染んでるな。

まあなのは逹も良い子逹だし、そんなに気にして無かったけど、一応一安心だな。

「あの………」

そう言うと、モジモジしだすユーリ。

「何だ?」

「その………えっと………」
「ほら、しっかり言うのだろ?」
「ディア………はい!」

お礼を言って大きく深呼吸をするユーリ。
そして俺をじぃっと見る。

「えっと………ディア?」

「何だ?」

「俺、何かした?」

「別に何も」

「いや、でもな………」

何かじぃっと見られてるんだけど………
そんな事を思ってると、

「ごめんなさいでした!!!」

何かおかしく謝られた。

「えっと………どこから突っ込めばいいのやら………」

「どこも突っ込む場所などなかろう」

「じゃあ先ず、ユーリの謝り方。何ですか?ごめんなさいでしたって」

「あれはドジっ娘属性だ」

ドジっ娘属性!?

「ドジっ娘属性なんて言葉何で知ってるんだ!?」

「確か小鴉がユーリを見て言ってたぞ」

はやてぇ………
俺はお前を信じてるぞ。

「そしてもう一つ。何に対して謝ってるんだ?」

「「えっ!?」」

何でそんな驚いた顔してるんだ?

「えっ、だって怪我をしたのって私のせいで………」

「は?だって別にユーリの意思じゃ無かったんだろ?だったらお前のせいじゃ無いだろ」

「いや、だが突き刺したのはユーリで………」

「いや、別に気にしてないって」

「でも………」

そう言ったものの、ユーリは申し訳なさそうだ。

「う〜ん………じゃあ、明日のパーティにユーリ特製のクッキーを食べさせてくれ。美味しかったら許す!でどうだ?」

「でも私、クッキーなんて作った事無いです……」

「そりゃあそうだ。誰だって最初は作った事なんて無いよ。それに今ならシュテルも作ってるから一緒に作ってみたらどうだ?」

「!?はい!!そうします!!」

そう言って振り返り、部屋を出ていこうとしたユーリ。しかし、ドアにドン!と顔をぶつけ、痛そうに抑えながらユーリは出ていった。

「おい、待てユーリ!!」

そんなユーリを追いかけ、ディアも慌てて出ていった………

「慌ただしい奴らだな………」

そんな事を呟きながら、近くにあった見舞いのみかんを食べたのだった………









暫くしてアギトも起きたので、暇つぶしに二人でトランプしてると、コンコンとノック音がした。

「どうぞ〜」

「あっ、お兄さん、調子はどうや?」

やって来たのははやて、なのは、フェイトだ。
三人共まだ純粋そうだな………

姫に魔王に狸。
前にも言ったかもしれないけど何かの童話だよな………

勇者の位置に狸だけど。

「お兄さん?」

「あ、ああ調子は良いよ」

「そうなんか、元気そうで安心したで」

ホッと息を吐くはやて。
………心配かけたみたいだな。

「あの………」

少し遠慮ぎみに声をかけてくるフェイト。

「どうした?」
「零治さんの世界の話を聞きたいなって思って……」

事件終了後、未来組のみんなはそれぞれの未来の事を話したみたいだ。
何でも記憶を消えるらしく、隠す必要が無くなった為だ。

「ああ、だからはやてと来たのか」

「えっと……迷惑でしたか?」

「いや、構わないよ。アギト、途中だけど………」

「あっ、ならトランプしながら話しませんか?」

なのはの提案で急遽トランプをしながら話すことになった………








「それでな、なのはは寝ている俺を広辞苑で起こしたり、イライラすると口に出せないようなあんなことやこんなことを………よし!これで後4枚!」

アギトから引いたカードを合わせて揃った6を2枚捨てて言う。

「私、何でそんなことを………ううっ、揃ってない……フェイトちゃん」

「うん、あっ揃った。零治さん、私は何かありますか?」

なのはから引いたカードで揃った11を2枚捨てて俺に質問してくる。

「フェイトはこの女狐!!って女子に言い寄られてたな」
「やっぱりフェイトちゃんはモテるんやな〜昼ドラ的展開やないか。やった、私も揃ったで!はいアギトちゃん」

フェイトから引いたカードで揃った2枚の4を捨てるはやて。

「言われてみれば、フェイトっておしとやかだし美人になりそうだもんな………って零治何で知ってるんだ?……げ!?」
「アギト、口に出したら駄目だろ………その場面に遭遇したんだよ、フェイトが3人の女子に絡まれている所。あ〜駄目だ、揃ってない。それで見ていられなかったから助けたんだよ」

なのはにカードを選ばせる。

「あっ、ありがとうございます」

「君じゃ無いけどな。それにこの世界の聖祥は中学共学じゃないだろ?」

「はい、そうですけど………」

「だったら問題無いだろ」

「あっー!!ババ引いたー!!」

なのはもアホだな。

「ねえねえ、私はどうなんや?」
「はやては………まあ色々ある」

そんな事言ってるとなのはのカードをフェイトが引いた。
険しい顔をしている所から恐らくババが渡ったのだろう。

「私はどんなんなのかな〜」

楽しみに俺が話し始めるのを待つはやて。
だが、内容を聞いたらどうなるかな………

「じゃあ言うぞ、心して聞け。………先ずはやて、お前はおっぱい星人だ。可愛い子のおっぱいを見たら揉まずには居られなくなる」

「「「「えっ!?」」」」

「現になのはフェイトはもちろん、アリサやすずかも被害に遭っている。はやてと仲良くなるには必ず通らなきゃいけない関門だ」

「「「………」」」

「あの………3人共?何で心無しか離れてるんや?」

「「「いや、だって………」」」

まあそんな話しを聞いたらそうなるわな………

「さて、次は………」

「も、もうやめてや!!これ以上言われたら何か大事なものを失ってまう!!」

俺が話そうとしたらはやてに止められた。
まだはやてに関しては色々面白い話しがあるんだけどな………

その後も俺の世界の話をしながら5人で盛り上がったのだった………












はやて逹が帰り、また2人でトランプをしてると今度はキリエがやって来た。

「あら?もう動けるって聞いて来てみたけど、まだ寝ているのね」
「まあ絶対安静ってシャマル先生にキツく言われたから」
「まあ前も大怪我でユーリちゃんに挑みに行ったからねぇ〜誰かさんは信用ないから………」

何かコイツの笑顔はムカっと来るよな………
小馬鹿にされてる感じがして………

「そしてその後は………お姫様抱っこ………ブフッ!」

コイツ………

「何だよ、お前は笑いに来たのか?」
「ええ、そうよ。私に色々言ったくせに単独行動して、結局自分が痛い思いしてざまぁないと思ってね」

俺だってこうなるとは思ってなかったわ。
突き刺された時はぶっちゃけマジで死ぬかと思ったし………

「はぁ………下らない事してる暇があったら早くユーリの調整を終わらせてやれよ」
「私だってアミタと交代しながら手伝ってるわよ」

頬を膨らませてブーブー言うキリエ。

「なら良いけどさ………」

そう言いながら俺はお見舞いのリンゴを剥く。マクロスのサヨナラノツバサでアルトが切っているのを見てから飛行機の形に切るのに凝ってるんだよな。

「おお!零治凄い!!」
「無駄に器用ね………」

無駄とか言うな。

「ほら。」

「あ、ありが………」

キリエに手渡しする瞬間、キリエの手を避け、リンゴを飛行機が飛んでいるように動かし、キリエの口に突っ込んだ。
まあ完全にパクリだけど。

「!?…………ング、何するのよ!!」

「お前食べるんだな………一回出すかと思った」

「出した方が汚いじゃない!!」

「味はどうだ?」

「………美味しい」

そりゃ良かった。

「零治、アタシも!!」

「はいはい。ほら、あーん」

「あーん」

小さめに切って上げたリンゴを食べさせてあげる。

「!?」

「どうだアギト?」

「うまい!!」

「そりゃ、良かった。キリエ、もう一個………って大丈夫か?何か顔が赤いけど……」

「だ、大丈夫よ!!」

「そ、そうか?」

挙動不審なんだけど………
どこか体調悪いのか?

「ちょっと失礼するぞ」

そう言ってキリエの額に手を当ててみる。

「………熱は無いみたいだな………ってお前は機械だから風邪とかかからないか」

だけど、ちょっと熱い気がする。
すると突然キリエが立ち上がった。

「わ、私もう行く!!」

「は?」

「じゃ、じゃあお、お大事に!!」

そういい残してさっさと出ていってしまった。

「何だ、アイツ………?」
「零治、もう一個!!」
「はいはい」

リンゴはアギトと一緒に美味しくいただきました。









「まあそれからも色んな人が来たけど、大体直ぐに帰ったけどな」

「なのはママ………悪魔だけじゃなくて魔王って言われてるんだ………」

「ヴィヴィオさん、元気だして!!」

「うん、いいんだ。私はなのはママの優しい所知ってるから」


「ねえトーマ、私も揉まれるのかな?」

「いや、俺に聞かれても………」

ちょっとしたカオスになってるな………
リリィ、その事をトーマに相談してもトーマが困るだけだぞ。

「それより、そろそろパーティだろ?食堂に行くぞ」

俺はそう言って、4人を無理やり連れていった。







パーティは食堂でやると聞いたので、食堂へ向かうと、既にみんな集まっており、それぞれ話している。
机には料理やお菓子が色々と置いてあった。

「それじゃあ、砕け得ぬ闇事件解決を祝して………乾杯!!」

クロノの号令と共に、パーティが始まった。

「おおっー!!旨そう!!」

アギトは目の前のご馳走にハイテンションになってるな。

「あんまりがっつくなよ?」

「分かってるって」

そう言って近くに置いてあるお菓子にがっつくアギト。
本当に分かってるか?

「あの………レイ」

「何だ?」

声をかけてきたのはユーリだ。
後ろにはマテリアル逹が様子を見ている。

「これ………」

そう言って手渡してきたのは小さな包みに包まれたクッキーだった。

「出来たのか?」
「うん………」

ユーリは不安そうだな。

「さて、それじゃあ早速………」

俺は包みを開けてクッキーを取り出す。
焼け色も小麦色で美味しそうだ。

一つ取って口の中に入れてみた。

「…………どうですか?」

「………ユーリ、試食したか?」

「いえ、沢山食べて貰いたかったので………」

「もしかしてだけど、塩クッキーを作った訳じゃないよな?」

「はい、普通のクッキーです」

「ユーリ………砂糖と塩間違えてるぞ………」

「………え?」

そう言って、慌ててクッキーを食べてみる。

「………しょっぱい」

涙目になりながらユーリは呟く。
だけど………

「普通にうまいんだけど………」

そう、美味しいのだ。
塩のしょっぱさが新食感でかなり美味しい。

「後ろの3人も食べてみろよ」

そう言って後ろのマテリアル逹にもクッキーをあげた。

「………確かに美味しいです」
「初めて食べる味だ!」
「中々美味しいではないか」

「そ、そうですか?」

3人にも好評でユーリは嬉しそうだ。

「アギトもほら」

「ん?クッキー?どれどれ………」

アギトにクッキーを砕いて渡す。

「なんだこれ?しょっぱい!!だけどうまい!!」

アギトにも好評みたいだ。

「良かったなユーリ」

「………はい!」

笑顔になってくれて本当に良かったわ。

「お兄ちゃん、どうや〜?」

「おっ、はやてとシャマルさん」

コップ片手に俺の所へやって来るはやて。
シャマルさんが車椅子を押している。

「体調はどうですか?」

「まだ所々痛い箇所はありますけど、動けない程じゃないです」

「そうですか、良かったですね。治りも早いですし、私も一安心です」

「ご迷惑をかけました」

「仕事ですし、構いませんよ」

ああ、やっぱり良いなぁ………
この笑顔に癒される………

「イテッ!?」

見ると俺の足をユーリやマテリアルの3人が踏んずけていた。

「何すんだよお前ら………」

「ふん、貴様がだらしなく鼻の下を伸ばしていたからだ」
「少しは恥を知ったほうがいいです」
「僕逹と話してたのにー!」
「私は、何かイラっと来ました」

「別に伸ばしてないっての!それにユーリに関してはただの八つ当たりじゃね!?」

「あらあら………」

「それよりお兄さん、これ食べてな」

そう言って近くからお好み焼きの乗った皿を渡してきた。

「お好み焼きか。はやてが作ったのか?」

「あれ?分かるん?」

「はやては料理うまいからな。しかし美味しそうだ」

「なあ食べて食べてー!!」

はやてに急かされ、お好み焼きを食べる。

「関西風なんや!どう?」

「うまいよ。流石はやてだな」

そう言って頭を撫でてあげる。

「えへへ………」

うん、やっぱり素直な子は良いなぁ。

「はやて、アタシも!!」

「はい、ヴィータ」

「ありがと」

こっちにやって来たヴィータもお好み焼きを食べ始めた。

「………」

「何だよ、何ジロジロ見てるんだよ?」

「いや、ヴィータは全然変わらないなって思って」

「何だそれ?」

まあヴィータだけでなく、ヴォルケンリッターの全員に言える事なんだけど………

「あっ、零治さん〜」

さっきまでなのは逹といっしょにいたヴィヴィオとアインハルトがやって来た。

「どうしたんだ2人共?」

「いえ別に用らしい用はありませんけど………」

「そうか。ならはやてが作ったお好み焼き食べるか?」

「食べます!!」

「お好み焼き?」

アインハルトは分からないか。

「まあ食べてみな」

「はい」

ヴィヴィオの食べてる所を見て、アインハルトもお好み焼きを口にする。

「美味しい………」

「ホンマか?」

「はい。とても美味しいです」

「よかった〜」

好評みたいではやても安心したようだ。

「俺も大怪我してなかったら何か料理を振舞ったんだけどな………」

「零治さん料理出来るんですか!?」

「そりゃあな」

「零治の料理もかなりうまいぜ!」

アギトの言葉で更に驚く一同。

「そんなに驚く事か?」

「だって、普通は女の人が料理をするじゃないですか………」

「ヴィヴィオ、その考えは古いぞ。男だって料理くらいする」

「凄いんやなお兄さんは」

「はやて程美味しく作れないけどな」

「レイ、凄いね!!」
「私も負けられないです」
「我は食べる専門だから関係無いな」
「私も食べてみたいです」

シュテルは直ぐに上手くなるよ。
他の奴も料理しようと少しは思ってくれ………
しかし、料理出来るだけでかなり高評価得てるなぁ………

その後も色んな人と話しながらパーティを楽しんだ………









「キリエ………あれお前の姉ちゃんは?」

「私だけだと不満?」

「いや、そう言う訳では無いけど………」

俺はパーティの途中、アミタとキリエに話があると言って、パーティが終わってから来てもらう様に言った。
だけど実際来てるのはキリエのみ。
………出来れば2人に相談したかったんだけど。

「で、何の話?」
「俺の世界にいるユーリの事だ」

それを聞いたキリエの表情が険しくなった。

「悪いんだが、俺の世界にいるユーリを救うのを手伝って欲しい」

俺達の世界にも当然ユーリが居るはず………
星逹を助けてからずっと俺達を見ていた筈だ。

知らなかったとはいえ、酷いことをしたと思う。

「それは構わないけど、王様逹に話を聞かないと………私達だけじゃ無理よ」
「分かってる。ディア逹には了承済みだ。直ぐに了承してくれたよ。………お前たちは一刻も早く戻って自分の故郷を元に戻したいと思うけど付き合ってくれないか?」

暫く目をつぶって黙っていたが、

「………分かったわ。それくらい構わないわ」

了承してくれた。

「ありがとう。………だけど姉ちゃんに相談しなくていいのか?」
「お姉ちゃんなら『人助けは当たり前です!』とか言って直ぐにOKだすわよ」

確かにあのパワフル姉ちゃんならありえそう………

「それよりあっちの世界のマテリアルの子逹に相談無しで大丈夫なの?」

「それは問題ない。だけど別の意味で多分駄目だと思う」

「別の意味?」

「主に俺の大怪我とか知れたら絶対に殺されると思う………少し前に説教されたばかりなのに………」

そう思うと自然と体が震えてきた。
特に星の説教は精神をやられる………

「あの………零治?」

そんな俺に心配そうに話しかけるキリエ。

「ん?ああ、悪い。ともかく付き合ってもらうって事でいいか?」

「ええ、構わないけど………」

「はぁ………マジでどうなるのか………」

そんな鬱になってる零治を見て………

「零治の家族ってどんな人かしら?」

キリエはとても不思議に思ったのだった。












「眠れないな………」

キリエと話をした後、病室に戻って布団に入ったが、寝ていた事もあってか全然眠くない。

「それに対してアギトはぐっすりだな………」

アギトは静かな寝息を立ててクッションの上で寝ている。

「寝顔も可愛いこと………」

頬をツンと触るとくすぐったいのか少し動いた。
その仕草も可愛らしいな。

「少し飲み物でも飲むか」

俺は静かに布団から出た………





暫く歩いていると人影が見えた。
大きさから大人では無いのだろう。

「ユーリ?」
「はい?」

髪が金髪だったのでユーリかと思ったから言ってみたがどうやら当たりだったみたいだ。

「どうしたのですか?」
「少し眠れなかったからな。隣いいか?」

椅子に座っていたユーリの隣に座る。

「ユーリはどうしたんだ?」
「私も眠れませんでした。今日はとても楽しかったので………」

そう言った顔を昨日の出来事を思い出してるのか自然と笑みが溢れてた。

「こんな経験初めてでどうすればいいか分かりませんでしたけど、みんなも優しくしてくれましたし、楽しくお喋りも出来ました………」

「そうか………」

「初めてクッキーも作りましたし、お好み焼きも食べました。こんな経験が出来るとは思ってもいなかったので………」

そうだよな、自身の力を制御できずに暴走していたんだもんな………

「あの時、レイの攻撃を受けたとき、心に光が灯りました。暖かくて、安心できる………あの時初めて私にも希望があるって思えたんです。レイ、本当にありがとう。レイ逹のおかげで私は今とても幸せです」

笑顔で頭を下げるユーリ。

「ああ、どういたしまして………」

その笑顔を見れただけでも頑張ったかいがあったよ。

「そしてもう一人の私を救うのも頑張りたいと思います」

そう言ってイスから立ち上がる。

「では、よい夢を」

そう言ってユーリは行ってしまった。
俺の頬にキスをして………

「全く、敵わないな………」

俺は暫く座ってから自分の部屋へと戻っていった………







「じゃあ。みんな元気でね」

声をかけたのはなのは。
本日とうとう未来組はそれぞれの世界へと戻る事になった。

「でもお兄さん大丈夫なんか?」
「ああ、大丈夫だって。もし何かあったらあっちの魔王様御一行に強力してもらうから」

はやてが言ったことは俺の世界のユーリの事だ。
あの後、こっちの世界のみんなにも一応話した。

どうせ記憶を消すのだろうが、一応話しておいた。
助太刀するかと未来組のみんなに言われたときは少し焦ったけど、断っておいた。

流石にこれ以上付き合わせるのも悪いからな………

「ま、魔王じゃないもん!」

「魔王とは誰の事だ?」

「クロノ君、それ以上知ろうとしたらオハナシだよ!!」

なのは、それをやめなくちゃ魔王の称号はいつまで経っても消えないだろうな………

「零治さん、何だか寂しいです。せっかく会えたのに………」
「そうですね………」
「もっと色々話したかったです」
「そうだね………」

見事に未来組の面々も暗い雰囲気だ。

「まあ、また何かあったら会えるんじゃない?」

「零治、軽すぎじゃないか?」

「湿っぽい別れは苦手なんだよ………」

そうアギトに言って未来組の方を向く。

「出会いは必然なんだ。出会えば別れがあるのも必然。仕方ないことさ。ヴィヴィオとアインハルトは試合頑張れよ。遠くから応援してる。トーマとリリィは是非、おっぱい星人の事をはやてに聞いてみ?」

「「はい!頑張ります!!」」

「それは………なぁ?」
「どんな目に合うか目に見えてるね………」

まあそうだろうな。

「それと、今の話は未来組だけじゃないぞ?はやて逹にも言えることなんだ」

「分かっとるよ。それに………」

そう言って未来組みんなを見る。

「ヴィヴィオちゃん達とは未来で会えるし、少しの我慢や!」
「だな」

「ナノハ、今度こそ勝負の約束を………」
「うん、待ってるから!!」

「フェイト〜僕もっと強くなるから!!そうしたら今度も美味しいお菓子教えてね!!」
「………そこは勝負しようって言うところじゃないかな?」

「小鴉、今回は世話になったが、次も同じような事になるとは思うなよ!!」
「分かっとるよ。だけど悪いことしたらメッするで」

マテリアル逹もそれぞれ言葉を交わしたようだ。

「皆さん本当にありがとうございました」

「お世話になりました」

「楽しかったわ〜」

ユーリ、アミタ、キリエのそれぞれも皆に声をかける。

「それじゃあみんな行くか!!」

俺の掛け声と共に、未来組は本来の時間帯へと戻っていった……… 
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