とある星の力を使いし者
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第7話
インデックスは自分の状態が素っ裸の状態になった事に気づくと涙を溜めて麻生には噛みつかず上条だけに噛みついて上条は何で俺だけなんだよ!!!!、と叫びながらインデックスに噛みつかれ麻生はその光景を水を飲みながら傍観していた。
インデックスは麻生から毛布を借りそれを身体を包み安全ピンも借りてそれを使い何とか修道服の形を整えようとしてもぞもぞと動いていて上条はお前は蚊か何かか?とぶつぶつ呟いている。
そしてインデックスは毛布をばっ!!と脱ぎ捨てると元の修道服になっていた・・・安全ピンが何十本もギラギラと光らせていて上条はそんな服を着るのかと疑問に思ったがインデックスはシスターだから着る!!!とまた涙を溜めながら言った。
「そういえば補習があるのを忘れてた!!」
上条は焦って立ち上がると小指をテーブルの角に打ち付けあまりの痛みに悶絶しているとポケットから携帯がするりと落ちそれを足で踏んでしまう。
「ふ・・・不幸だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
両手を頭に抱えて上条は吠える。
インデックスは上条の右手をじっと見つめていた。
「もし君の右手が本当にそんな力を宿していたら仕方ないかもしれないね。」
「・・・・・・どういう事ですか、シスター様?」
「君は魔術の世界のお話なんて君は信じないと思うけど神様のご加護とか、運命の赤い糸とか、そういうものがあったとしたら君の右手はそういうものもまとめて消してしまっているんだと思うよ。」
クスクス笑い安全ピンまみれの修道服をひらひらさせながら「歩く教会」にあった力も神の恵みだからね、と言い上条は魔術の事は全く信じなかったが不幸の話は疑いなく信じているようで不幸だ、とまた一人で呟いていた。
「それでお前はこれからどうするんだ?
麻生の家に「俺はご飯だけと言ったはずだ。」・・・なら俺の部屋の鍵でも渡しておこうか?」
上条の不幸は今に始まった事ではなく、すぐに切り替え今度はインデックスの身の心配をしている。
インデックスの言っている事は全部信じた訳ではないが、実際上条の右手がインデックスの服に反応したので何かに追われている事は信じていいと思っている。
麻生は本当にこいつは、と呆れを通り越しているようだ。
「いい、出てく。」
インデックスは簡潔にそう言うと部屋の出口まで歩いていく。
「どうしてだ?
追われているなら俺の部屋でじっとしていれば問題ないだろう。」
「そうでもないんだよ。」
そう言ってインデックスは自分の服を掴む。
「この歩く教会は魔力でできているの。
だから敵はこの歩く教会の魔力を探知して追ってくるの・・・・君の右手に粉砕されちゃったけど。」
「悪かったから涙目でこっち見るな。
けどその発信源を俺がぶっ壊れてしまったんならもうその機能は無くなっちまったんじゃねーか?」
「だとしても「歩く教会が壊れた」って情報は伝わっちゃうよ。
「歩く教会」防御力は簡単に言うと「要塞」並みなの。
理由はどうあれ「要塞」が壊れたと分かれば迷わず打って出ると思う。」
「ちょっと待てよ、だったらなおさら放っとけねーだろ。
魔術は信じらんねー、けど「誰か」が追って来てるって分かってんのにお前を外になんか放り出せるかよ。」
その言葉を聞いたインデックスはきょとんとした顔をしてにっこりと笑顔になって上条に言った。
「じゃあ、私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
その言葉を聞いて上条は言葉を失う。
インデックスは優しい言葉を使って暗にこう言ったのだ。
こっちにくんな。
麻生は立ち上がり上条の肩に手を置くと上条に話しかける。
「これ以上は関わるな。
インデックスもそれを望んでいるはずだ。
もし何かに追われているとしてお前に何が出来る?」
麻生にそう言われ上条もそれ以上は関わろうせずインデックスもそれが分かると教会に逃げれば何とかなると言って部屋を出て行った・・・・帽子を麻生の部屋に置き忘れて。
「おい、上条。
この帽子、お前が持っていろ。
お前が起こした不幸なんだからな。」
麻生がそう言うと黙ってインデックスの帽子を左手で受け取り、上条は自分の部屋に戻り麻生は上条が出ていくといつもの服に着替えて部屋を出ていきそのまま散歩を始める。
ふらふらと宛てもなく歩いていると麻生の名前を呼ぶ声が聞こえ、その方に振り向くとそこには初春と佐天がこっちに来ていた。
「こんにちは、麻生さん。
何をしているんですか?」
佐天が麻生に質問する。
「散歩だ。」
簡潔に答えるとまた佐天が麻生に質問してきた。
「ところで麻生さんはレベルはいくつですか?」
「0だがそれがどうかしたのか。」
その事を聞くと佐天はなぜか嬉しそうな顔をすると麻生の手を取り良い物を見せてあげます、と言って強引に麻生を連れて行き初春が申し訳なさそうに頭を下げながらついてくる。
少し歩くと喫茶店に到着すると窓際のテーブルに美琴、白井ともう一人ボサボサな栗色のロングヘアの女性で、目の下には濃いクマがある女性も座っていた。
佐天は窓にぴったりとくっつき、美琴達に自分がいる事をアピールすると美琴達は佐天達に気づき、初春は美琴達に少し頭を下げ麻生はめんどくさそうに頭をかいていた。
店内に入り知らない女性の所に初春と佐天が座り麻生は美琴の隣に座る、麻生は帰ると言ったが佐天がそれを許さなかったので仕方なく座る事にした。
もう一人の女性の名前は木山春生と言う名前で大脳生理学専門チーム所属の女性で、AIM拡散力場について色々調べているらしい。
AIM拡散力場。
AIM拡散力場とは能力者が無自覚に発してしまう微弱な力のフィールド全般を指す言葉。
AIM拡散力場はとても微弱で、精密機器を使わなければ人間には観測できないレベルであるが、 千差万別の力や種類を持つ、現実に対する無意識の干渉であるこの力場を探ることで、 能力者の心や『自分だけの現実』を調査することもできる。
佐天と初春が木山に自己紹介をして麻生も一応自己紹介をする。
「麻生恭介、レベル0で通りすがりの一般人Aです。」
「ほう、面白い自己紹介だな。」
「何が通りすがりの一般人Aよ!!!
私の電撃を一度も当たってないでしょ!!!」
その発言を聞いて麻生と美琴以外が驚いた顔をする。
それもその筈、超能力者で超電磁砲で有名な美琴相手に一撃も電撃が当たってないと分かれば誰であろうと驚く。
麻生は面倒な質問をされる前にこちらから何とか話をはぐらかす。
「それでどうしてAIM拡散力場とか調べている学者と一緒に行動しているんだ?」
その質問を聞いて初春も同じ事を思っていたらしい。
「もしかして白井さんの頭に何か問題が?」
それを聞いた白井は少しむかついた顔をしていたが、真面目に答えを返す。
「「幻想御手」の件で相談していましたの。」
白井の言葉を聞いて佐天がポケットから音楽プレーヤーを取り出し、何か言おうとしたが次に白井が言った言葉で動きが止まる。
「「幻想御手」の所有者を捜索して保護する事になると思われますの。」
それを聞いて初春は疑問を述べる。
「なぜですか?」
「まだ調査中ですのではっきりとした事は言えませんが使用者に副作用が出る可能性がある事、そして急激に力をつけた学生が犯罪に走ったと思われる事件が数件確認されているからですの。」
「なるほど・・・・どうかしましたか、佐天さん?」
不自然な状態で固まっている佐天に初春は呼びかけるが、佐天はすぐに手を引っ込めながら別にと続きを言おうとしたが、腕にコップが当たりその中身が木山の足にかかる。
佐天は木山に謝るが木山は気にしなくていい、と言い立ち上がるとスカート脱ぎ始めその場でストッキングを脱ぎ始めた。
「かかったのはストッキングだけだがら脱いでしまえば・・・・」
目の前でスカートとストッキングを脱がれ周りの男性は顔を赤くして同性である美琴達も顔を赤くするがそんな中、麻生だけ、興味ないのか水を飲みながら窓の外をじっと見ている。
色々ごたごたがあり既に夕方になっていた。
木山は店の前で美琴達と別れる事になる。
「確か麻生と言ったか。
君に興味が出てきたから近い内に話が出来ればと思っている。」
木山は麻生にそう告げ去って行った。
佐天も何かに焦っていたのかすぐに美琴達と離れていき麻生も別れの挨拶もせずに美琴達から離れていき美琴は離れようとする麻生を追いかける。
「ちょっと待ちなさい!!
この間のリベンジよ!!!」
美琴がそう宣戦布告すると麻生はため息を大きく吐いて、美琴の方に振り向く。
「前にも言ったと思うがお前じゃあ俺には勝てないよ。」
「そんなのやってみないと分からないでしょ!!!」
「いや勝てないよ。
お前が人間である限りな。」
始め聞いたとき美琴は何を言っているか理解できなかった。
「人間である限り?
一体どういう事!!!」
麻生は美琴の質問にめんどくさそうに答える。
「簡単な事だ。
俺を殺す事が出来るのは人外・・・・所謂、神様や天使、悪魔と言った神話に出てきそうな奴じゃない限り俺を殺す事なんてできないよ。」
ますます美琴は麻生の言っている事が理解できなかった。
麻生は美琴の質問に答え終わると振り向き、どこかへ行こうとするのを美琴は引き止めようと声をかけようとした時だった。
麻生がちらっと美琴を見ただけなのに、一瞬美琴を見た目はとても冷たく拒絶の表しているかのような目だった。
美琴はその目を見ると足が止まりなぜか麻生を追う事が出来ず、麻生も視線を前に向けどこかへ歩き出して行った。
(あいつ・・・あんな寂しくて冷たい目してたんだ。)
美琴はなぜか麻生を追う事が出来ず自分も寮に戻るのだった。
上条は小萌の補習がようやく終わりまっすぐ部屋に帰っていて、エレバーターに乗り込み七階で降りるとその直線の通路の向こう、自分の部屋の前で清掃ロボットが三台もたむろしている。
この学生寮には五台の清掃ロボットが配備されておりその内の三台が上条の部屋の前で、身体を小刻みに前後させている所を見るとよっぽどひどい汚れを掃除している様に見える。
しかし上条にはこれを見てとても不幸な予感を感じた。
この清掃ロボットは床に張り付いたガムを素通りで剥がすほどの破壊力を持つドラム缶ロボなのだが、それが三台もいて苦戦するなど珍しい光景なのだ。
上条はその清掃ロボットが何を掃除しているか確認しに行くと、そこには不思議少女インデックスが空腹でぶっ倒れていた。
それを見た上条は不幸だ、と呟きながらインデックスに呼びかける。
「おい!こんな所でナニやってんだよ?」
そしてまた一歩近づくとようやく重大な事に気づく。
インデックスは血だまりの中に沈んでいる事に。
「あ・・・・?」
最初に感じたのは驚きではなく戸惑い。
インデックスの背中を見ると腰に近い辺りが真横に一閃されているのが確認できる。
さっきまで補習に出かけつい先ほどまで晩御飯はどうしようか、と考えていたのにあまりにもギャップすぎる現実に上条の思考は混乱させた。
上条はインデックスに集まっている清掃ロボットをインデックスから何とか引きはがそうとするが、清掃ロボットはとても重く1台どかしていると別の二台がインデックスに向かってしまう。
「何だよ、一体何なんだよこれは!?ふざけやがって、一体どこのどいつにやられたんだ、お前!!」
「うん?僕達「魔術師」だけど?」
インデックスの者ではない声が上条の後ろから聞こえた。
上条は殴りかかるように身体ごと振り返る。
男はエレベーターの横にある非常階段からやってきたようだ。
白人の男は二メートル近い身長だが顔は上条より幼く見えて服装は教会の神父が着てそうな漆黒の修道服、十五メートル離れているのに甘ったるい香水の香りを感じ、肩まである髪は夕焼けを思わせる赤色に染め上げられ、左右一〇本の指にはメリケンのような銀の指輪ギラリと並び耳には毒々しいピアス、ポケットから携帯電話のストラップが覗き、口の端には火のついた煙草が揺れて、極めつけには右目まぶたの下にバーコードの形をした刺青が刻み込んである。
これだけをみてこの男を「神父さん」と呼ぶ男は世界中を探しても誰一人として存在しないだろう。
神父と呼ぶにも、不良と呼ぶにも奇妙な男。
魔術師 ステイル=マグヌスがそこに立っていた。
後書き
感想や意見、主人公の技の募集や敵の技の募集など随時募集しています。
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