インフィニット・ストラトス~黒き守護者~
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喧嘩祭り(?)in篠ノ之神社
「さて、観念してくれませんかね、お嬢様」
「……そんなこと……絶対しない」
「無理でしょう、この数は。出来損ないのあなたでは無理だ」
そう言って男がそこにいる女の子二人を逃がさないように、周りにいる男たちに陣形を組ませる。
「さぁ、もう逃げ場ありませんよ。大人しくしてくださ―――」
「―――ってかお前、今俺を笑ったな?」
―――ズドンッ!!
いきなり普通じゃありえない音が聞こえ、一同はそっちを見る。そこには―――風宮祐人がいた。
■■■
―――祐人side
俺があそこにいたのにはわけがあった。
一夏が「篠ノ之神社で一緒に神楽舞を見ようぜ」と言われたのがそもそもの始まりだった。
「綺麗だったな、神楽舞」
「ああ」
『安心なさい。ゴミのために彼女の写真は納めているわ』
そう言ってデジカメを見せると、そこには何枚も篠ノ之が写した写真があった。
「ま、マジか……」
「お、一夏。何真面目に見てんだよ」
「い、いいじゃねぇか別に……」
『ちなみに金取るわよ』
その辺りは全く躊躇いがなかった。
「……それにしても、シヴァ様って撮影上手いな」
『何当たり前のことを言っているのよ。ゴミ風情に負けるわけがないわ』
だがそれでも綺麗に取れてる。
「あ、そうだ。俺はこの後箒と回るつもりだけどどうだ?」
「悪いな、俺たちはここで伝説を作るつもりだから」
「え? どんな伝説なんだ?」
「『射撃で全商品を奪っちまおうぜという伝説』」
そのために俺たちは一度別れ、俺とシヴァはさっそく射撃場へと赴いた。
■■■
そして商品を大量に貰い、俺たちはホクホク顔で荷物を全て鞄に入れ、花火スポットを探しに向かっていた。
『マスター』
「急にそう呼ぶな。……で、どうした?」
『本音を見つけました。どうやら別の女の子と行動をしているみたいですが、囲まれています』
急に真面目声になったシヴァに少しばかり動揺しつつも、俺はそっちを見る。
「で、数は?」
『ざっと30人くらいですかね』
「余裕だな……。シヴァは二人を確保。俺が先に陽動で出る」
『わかりました』
「あ、後……別に普通でもいいぞ」
『……わかった。お兄ちゃん』
「お兄ちゃんは止めろ」
―――そして、冒頭に戻る
「お、お前は………“布仏”祐人!?」
俺を見た男の一人がそんなことを言った。
「嘘だろ!? どうしてここにいるんだ!?」
「いや待て、俺は“布仏”じゃない。“風宮”だ」
そう言うと、全員が全員おかしいものを見る目でこっちを見た。
「ってか、何だよこれ。男ばかりが寄って集って女を虐めるって最悪じゃね?」
本音を言うならば、「お前らに渡さない!」だがな。
「おいアンタ」
「? 何だ?」
「俺たちがすることを手伝ってくれるっていうなら、気に入った女を好きにしていいぜ」
そう言われて少し考える。
(え? あの二人を好きにしていいの? それってどんなエロいこともか? え? マジで!?)
あ、ヤバッ。そっち系なことを考えたら頭がボーッとしてきた。
そしてすぐに冷静になり、戦闘態勢を取る。
「確かにそういう魅力的なお誘いはいいと思う」
「じゃあ―――」
だがと俺は続ける。
「どちらかと言えば俺はお金の方が好きだった。ついでに言うと俺は弱い人間の下に付く気はない」
そう言うと、全員が沈黙した。
「お、俺たちが弱いだと……?」
「ああ。まぁ当然のことだが」
「上等だ! 殺れ!」
その声と同時に一斉に俺に襲いかかってくるが―――その道は鎖によって阻まれた。
「バイバイキーン、とでも言っておこうか」
鎖で全員を拘束し、適当な場所に放り投げた。
「大丈夫か、二人とも」
「……う、うん」
「大丈夫だよ~」
よかった。目立った外傷はないみたいだな。
「それにしても、さっきの奴らは何だったんだ? 何か知ってる?」
その返答はどちらも知らないだった。まぁいいや。
とにかく俺は二人をIS学園に連れて帰ったとさ。
後日、
「ねぇかざみん」
「何だ本音」
「どうしてあそこで迷ったの?」
「………」
本音から「好きにしていい」と言われたところで制裁されたのは言うまでもない。
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